2013.11.08~10
第17ステージ ~男子~
ステージテーマ:「自然の恵みに感謝し、野外調理で各チームの味を楽しもう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から塾生全員で一つを選ぶ」
 第16ステージが台風で中止になり、久しぶりの男子の活動となりました。残すところは2ステージのみ。活動の総まとめの時期です。自然の恵みとお世話になった方々への感謝の気持ちを込めて、収穫祭を行いました。
 収穫祭では、共同農園で育てた野菜を自分たちで収穫し、チームで協力しながら調理を行い、自分たちの仕込んだ味噌も使って「ごった煮汁」を作り、今までお世話になったボランティアや外部講師、調理師さんなどの方々をもてなしました。
 共同生活の目標は、リーダーの司会進行のもと、塾生全員で今までの7つの目標の中から決めて行動してもらいました。
■ 11月08日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって枝村塾頭より話がありました。
「前回のステージは残念ながら台風で中止になりました。最近は今までにはない自然災害が発生するので、安全を考えて早めに対処(たいしょ)しました。今回、次回と残り2回しかありませんが、16ステージの分も挽回(ばんかい)するつもりで協力して取り組みましょう。
 明日は収穫祭です。みんなが一生懸命育ててくれた野菜を収穫して調理します。第3ステージに仕込んだ味噌も開封して使います。お味噌の先生、箕輪さんも来てくれます。どんな味噌が出来ているか、各チーム楽しみですね。
 今まで元気で活動してこられたことへの感謝、収穫の喜び、豊作への感謝を込めて収穫祭を行います。16ステージでは地域の人たちに感謝の気持ちを込めて清掃ボランティアをする予定でした。みんなはステージがなくて出来ませんでしたが、地域の人たちへの感謝の気持ちも持って欲しいと思います。
 普段、私たちは何気なく生活していますが、実は色々な人に支えられています。地域の人たちが塾の考えを理解してくれているおかげで、活動できています。みんなの両親や先生などいろいろな人にも支えられています。目に見えるものから見えないものまで、さまざまな自然、もの、人々に対するおかげさまの心を忘れないで下さい。感謝の気持ちを持って心を込めて丁寧に作業してください。
 収穫祭では奉納相撲(ほうのうずもう)も行います。今まで元気で活動できたことへの感謝の気持ちを込めて取り組んでください。勝ち負けではなく一生懸命やることが何より大事です。
 残り2ステージになりましたが、入塾式の時に話した抱負(ほうふ)は達成できたと思います。塾活動を通じて学んできた『3つの心と2つの力』もかなり身につきました。これからも大切にしていって下さい。」
 この後収穫祭で自分たちのテーブルに招待する人たちにどうやって感謝の気持ちを伝えるか、各チームで考えてもらいました。
■ 11月08日(金) 共同生活の目標決め
 塾活動も残り2ステージ。今回は塾生全員で今回のステージにみんなで取り組む共同生活目標を決めてもらいました。司会・書記はリーダーに行ってもらい、みんなからの意見を聞きました。さまざまな意見が出ましたが、食事の時間や集合時間が守れていない、ことから、『時間を守る』が今回の共同生活目標になりました。
■ 11月09日(土) ~釜飯炊き~
 1ステージに3回ある釜飯炊きの時間ですが、今回のご飯は特別。市村自然塾九州の塾生が心を込めて育てたお米をいただきました。
 釜飯当番の塾生は大切なお米をふっくらと炊き上げてくれ、この後の朝食ではどのチームでも早々とお櫃(ひつ)が空になっていました。
 市村自然塾九州のみなさん、とても美味しいお米をありがとう!!
■ 11月09日(土) 収穫祭 ~味噌開封式~
 枝村塾頭の開催宣言で収穫祭が始まりました。
 今から収穫祭を始めます。昔は新嘗祭(にいなめさい)という祭りで最初にとれたお米を神様にしんぜました。お米はお金と同じくらい価値がありました。収穫の喜びをみんなと感じたいと思います。感謝の気持ちを忘れずに、安全に楽しくやりましょう。
 続いて、味噌の指導をしていただいた、初代塾頭の箕輪(みのわ)さんより、「味噌をつけてから半年以上たちました。皆さん身長が伸びていますが、みんなと一緒に味噌も成長しています。」との言葉をいただき、味噌を開封しました。
 蓋(ふた)をとると、、、きれいではないですか!
 例年になくカビが少なく、きれいに熟成していました!心を込めて丁寧に仕込んだ賜物(たまもの)でしょうか。
 各チーム、自分たちの樽(たる)から、今日の鍋に使う分とお土産分の味噌を取り、もう一度表面を均(なら)し、周囲をアルコール消毒してラップをしてしまいました。この後18ステージ、卒塾式、そして第13期生の食材として使われていきます。
 途中、箕輪さんが持ってきてくださった2年ものの味噌やお互いの味噌の味比べもし、微妙(びみょう)に違う味噌の味を味わいました。また、日曜日の昼食の味噌ラーメンに使う味噌も取ってもらいましたが、Cチームの味噌がいい!との意見が多く、Cチームのメンバーにはその分の味噌も取ってもらいました。
 味噌開封式の終わりに箕輪さんよりお話をいただきました。
「皆さんは岩下先生からマナーの話を聞きましたね。自分がされたら嫌なことはしない、『味噌のような人になって欲しい』という話をしましたが、それと同じです。味噌汁は他の食材の良さを引き出します。皆さんも周りの人の悪いところばかり見ないで良いところを見て、良いところを活(い)かしてあげる。そうすると周りの人も良さを認めてくれます。社会に出た後もそのような人になってください。」
■ 11月09日(土) 収穫祭 ~収穫・洗浄・奉納(ほうのう)~
 このあと各チームに分かれて、野外調理で作る「ごった煮汁」の材料を共同農園で収穫しました。
 このチームは、チーム農園のハクサイも鍋に入れてお客さんに食べてもらおうと考え、チーム農園でも収穫していました。
 収穫した野菜は塾に持ち帰ってまず水できれいに洗います。
 アブラムシなどの小さい虫がついている野菜もあり、見落とさないように丁寧に洗っていました。
 きれいに洗った野菜は玄関前の奉納台に飾(かざ)りました。
 奉納(ほうのう)とは大切なものを神様に捧(ささ)げることです。日本では昔から「八百万(やおよろず)の神」と言って、大地、自然、あらゆるものに神が宿(やど)るとされ、それを畏(おそ)れ敬(うやま)ってきました。大切に育てた野菜を捧(ささ)げ、感謝の気持ちを表しました。
 続いて各チームの代表から調理師さんに今まで美味しい料理を作ってくれたことへの感謝の言葉を伝え、奉納台に捧げた野菜を渡しました。
■ 11月09日(土) 収穫祭 ~野外調理~
 野外調理で作る「ごった煮汁」の材料を各チームで取り分け、「火起こし・ダッチオーブン担当」、「仕込み・調理担当」、「おにぎり担当」、「焼き芋担当」に分かれて調理を始めました。
 「仕込み・調理担当」の塾生はハクサイ、ゴボウ、ネギ、ゴボウ、ニンジンといった野菜を、いちょう切り、ささがき、斜め切りなどその野菜に合った切り方で切り、ダッチオーブンに入れていきました。
 「火起こし・ダッチオーブン担当」の塾生は、ダッチオーブンの三脚を組み立て、ブロックとコンクリート板で作ったかまどに新聞紙・竹・薪(まき)をくべて火を起こします。
 ダッチオーブンの仕込みがまだなのに火起こしに夢中な塾生が何人もいました。しかし、そのおかげかダッチオーブンを火にかけるときには、どのチームもしっかりと炎が上がっていました。
 すべての野菜や具(ぐ)を入れ、煮上がったら、最後に味噌を入れます。もちろん、自分のチームの樽から取った味噌です。
 味加減を見て、そのまま仕上げたチームともう一回煮立ちさせたチームがありました。
 「おにぎり担当」塾生は、おにぎりの作り方だけではなく、もてなすための創意工夫(そういくふう)も教わり、個性豊かなおにぎりを作っていました。中には、海苔(のり)の海苔軍艦(のりぐんかん)など奇想天外(きそうてんがい)なものも。
「焼き芋担当」はおやつ用の焼き芋を準備します。適度な大きさに切ったサツマイモを濡(ぬ)れた新聞で包み、さらにアルミホイルで包みます。かまどの火が落ち着いたころ、熾(お)き火に置いてじっくり焼きます。おやつが楽しみです。 
■ 11月09日(土) 収穫祭 ~昼食~
 各チームのごった煮汁が出来上がりました。待ちに待った昼食です。
 各チームのテーブルに、ボランティアさんや調理師さんなど、いつもお世話になっている方々を招き、昼食をいただきました。
 自分たちから進んで声をかけて招待し、出来立ての『ごった煮汁』を味わいました。
 食事が終わった後、昨日の夜、チームで考えた、お客さんへのもてなしが出来たかどうか振り返る時間を持ちました。
 招いた人に食事の時間に感謝の言葉を伝えたチームもありましたが、話し合った通りに出来なかったチームもあったようです。
■ 11月09日(土) 収穫祭 ~奉納相撲(ほうのうずもう)~
 午後、女子チーム農園上のオカボの跡地(あとち)のスタッフ手作りの土俵で奉納相撲(ほうのうずもう)を行いました。
 取り組みは学年ごとのトーナメント戦。どの取り組みも全力で会場から声援が上がっていました。
 手に汗握る勝負や会場を沸(わ)かせる試合もいくつもありました。勝ち負けにかかわらず、真剣勝負にみな夢中になっていました。 
 試合終了後、塾頭より表彰式が行われ、学年ごとの優勝者にスコップが渡されました。
 これは、賞品となるサトイモを掘ることのできる権利です。
 会場から拍手が沸いていました。
 最後に全員で記念撮影。全力を出し切って、満面の笑顔に、おすまし顔に、お茶目顔に。
■ 11月09日(土) 共同農園作業 ~コムギの種まき~
 コムギは次の期の塾生への贈り物 ~リレー作物~ として播き続けてきました。12期生は11期生が播いたコムギを収穫しています。しかし、今年収穫したコムギに虫がわいてしまい、使えなくなってしまいました。
 今回そのことを塾生に話し、しかしリレー作物として13期生へつないで欲しい、という気持ちを伝えました。
 塾生たちは快く受け入れ、丁寧に種まきを行ってくれました。
 失敗を繰り返さないよう、大切にするからね。ありがとう!
■ 11月09日(土) 塾活動 ~卒塾式の歌の練習~
 卒塾式では「故郷(ふるさと)」と「今日の日はさようなら」の2曲を全員で合唱します。そこで卒塾式へ向けて歌の練習をしました。
 卒塾式では自然塾で過ごした日々のこと、仲間のこと、自然のことなどを思い出しながら、精一杯歌って欲しいと思います。
■ 11月09日(土) 塾活動 ~卒塾アルバムチームのページ作り~
 卒塾アルバムチームのページ作り最後の時間です。かなり形になってきたチームも、まだまだなチームも。しかも宿題とした作文を直さなくてはならない塾生もいて、間に合うか。。。
■ 11月10日(日) 塾活動 ~卒塾アルバムチームのページ作りつづき~
 土曜日夜の卒塾アルバム作りの時間が終わった段階で、残りの自由時間だけでは終わりそうもないチームがいくつもあり、急遽(きゅうきょ)A・C・Dチームには日曜午前中の時間を使ってアルバムを作ってもらうことにしました。完成したチーム、もう一歩のチームとありましたが、何とかチームの思い出を形に出来るところまできました。
■ 11月10日(日) 相撲優勝者賞品サトイモの収穫
 相撲の学年別優勝者は賞品のサトイモの収穫に行きました。自分で好きな1株を選んで収穫。ずっしりと重いです。どの塾生も20個以上の芋をお土産として持ち帰りました。
■ 11月10日(日) 共同農園作業 ~サツマイモの収穫~
 卒塾アルバムのチームページが比較的順調なBチームに、代表して塾生のお土産分のサツマイモを掘ってもらいました。
 湿った土はなかなか思うように掘れず一苦労。しかし、こんな立派な芋も姿を現しました。
■ 11月10日(日) チーム農園作業
 久しぶりのチーム農園作業、どのチームも沢山の野菜が収穫できました。
 サツマイモの地上部のつるを切って片付けます。この後芋を掘りました。この葉っぱの下からどのくらいの芋が掘れたでしょうか? 
 こんなに立派なハクサイがとれました。しかも一人丸々1株。お家の人と味わってくださいね。
 ”みぶな”の収穫。京野菜です。やわらかくて美味しそう。 
 チンゲンサイを持ってポーズ!
このほかに、一人10kg近いサツマイモなど、収穫物が盛りだくさん。
■ 11月10日(日) ステージのまとめ
 ステージの終わりに枝村塾頭からまとめの話がありました。
「何とか天気がもって、予定通りの活動が出来ました。新鮮な野菜を収穫して、開封したての味噌でごった煮汁を作りました。味噌もとてもよく出来ていました。箕輪さんから『味噌のような人になって欲しい』という話がありました。とても良い言葉だと思います。人には必ず良いところがあります。お互い良いところを探していけば力になります。会社ではよく『1人+1人=2人、でなく3人の力になれ』と言われます。お互い良いところを認め、協力し合うことで大きな力が生まれます。
箕輪さんから『味噌は半年かけて熟成しましたが、みなさんは成長しましたか?』と聞かれました。みんな挨拶が出来るようになり、嫌いな野菜も食べられ、お手伝いも出来るようになっています。何より成長したと思うのはチーム活動が出来るようになったことです。これは時には相手の悪いところも認め、良いところを伸ばしながら協力して行わなければできません。これからいろいろな場面でそういう機会が増えると思いますが、これからも身に着けたことを実践していって欲しい。
 今は物が豊かになってお金さえあれば何でも手に入ります。しかし、感謝の気持ちは忘れないでください。おいしい野菜が食べられ、元気に活動できるのは、みんなを支えてくれる多くの人々、自然、何よりみんなを送り出してくれている家族のおかげだということを忘れないで欲しい。おかげさまの心と感謝の心を常に持ち、素直に『ありがとう』と言える人でいてください。
■ 11月10日(日) 共同生活目標の振り返り
 土曜日、日曜日の共同生活目標の振り返りも、リーダーに司会進行役を行ってもらいました。
 土曜夜の振り返りで、時間を割り振るようにすると時間が守れる、というアドバイスを実行して、日曜日には達成度を上げた塾生がいました。
 お互いの良いところを学び、自分も伸びる。味噌のような存在ですね。
■ 編集後記
 第17ステージが終わりました。収穫祭では、味噌の開封、野菜の収穫と奉納、野外調理、お世話になった人をもてなし、奉納相撲を行いました。一つ一つの活動にあるときはてきぱきと、あるときは力一杯取り組んでいる姿が印象的でした。さらにコムギの種まき、チーム農園作業。加えて16ステージで行う予定だった卒塾アルバム作りやサツマイモ収穫、作文(宿題)など、目の回るような忙しさだったと思いますが、塾生たちは嫌な顔一つせず楽しんでいて、成長を実感しました。
 後残り1ステージ、最後まで悔いのないよう、存分に充実した時間を過ごして卒塾していって欲しいと思います。
T.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・クリームシチュー(タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、カボチャ、ブロッコリー、スティックブロッコリー、カリフラワー)
・バターピラフ(タマネギ、ニンジン)
・タマネギパン(タマネギ)
・サラダ(サニーレタス、リーフレタス、タマネギ、ニンジン、ブロッコリー、スティックブロッコリー、カリフラワー)
・ニンジングラッセ(ニンジン)
・果物(いただきものの柿)

土曜朝食 ・ご飯(自然塾九州からいただいたお米)      【ご飯の友】                   ①焼き鮭②手作り「ごはんですよ」③納豆(長ネギ)④ネギ味噌(長ネギ、味噌)⑤だし取り後昆布鰹節の佃煮(カブ)⑥漬物(大根)⑦梅干し(梅干し) 
    
・味噌汁(ジャガイモ、大根、長ネギ)※自然塾がある松田町の隣にある秦野市で昔作られていた落花生味噌を使用(大豆の代わりに落花生で作った味噌)

土曜昼食 ・ごった煮(味噌、大根、ニンジン、ゴボウ、白菜、長ネギ、里芋、ショウガ、稲わらコンニャク)※ショウガは鶏肉団子に使用 
※稲わらコンニャクは稲わらを燃やした灰で摩り下ろしたコンニャク芋を固めて作った昔ながらの製法で作ったコンニャクです。
        
・おにぎり(梅干し、長ネギ、味噌、大根の葉、ニンジンの葉、大根、ゴボウ等チームそれぞれお好みでおにぎり作り)
・漬物(大根) 
・果物(いただきものミカン)

おやつ ・安納芋の焼き芋(サツマイモ)

土曜夕食 ・ご飯
・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン)
・さつまいもコロッケ(サツマイモ、タマネギ)
・サラダ(サニーレタス、リーフレタス、タマネギ、ニンジン、ブロッコリー、スティックブロッコリー、カリフラワー)
・ニンジングラッセ(ニンジン)
・スパソテー(タマネギ、ニンジン)
・小松菜のソテー(小松菜)

日曜朝食 ・さつまいもご飯(サツマイモ)
・味噌汁(味噌、奈良県の郷土野菜3種類)
・京風だし巻玉子(大根、ニンジンの葉)
・里芋のマヨ焼(里芋、タマネギ)
・大根とニンジンのなます(大根、ニンジン、柚子)
・小松菜の煮浸し(小松菜)
・ブロッコリーとカリフラワーの茎の金平(ブロッコリーとカリフラワーの茎)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・味噌ラーメン(味噌、手打ち中華麺、キャベツ、タマネギ、ニンジン、小松菜、長ネギ、ニラ、ショウガ)
・レタス炒飯(レタス、長ネギ、ニンジン)
・焼餃子(餃子の皮、キャベツ、長ネギ、ニラ、ショウガ)