2013.09.27~29
第14ステージ ~男子~
ステージテーマ:「コンニャク作りを体験し、先人の知恵について学ぼう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から各自で1つ決める」
 今回は、味噌に続き食品加工の2回目として、コンニャク作りを行いました。独特の食感が魅力のコンニャクですが、原料のコンニャクイモがぷりぷりのコンニャクになるまでには、多くの工程が必要です。その工程を実際に体験し、先人の工夫や試行錯誤の歴史の上に今の生活があることに想いをめぐらせました。
 共同生活の目標は前回に続き、個人で決めました。今回は、自分が一番できていないと思うことを目標に掲げ、出来ている人を探して真似をしてみようと取り組みました。
■ 09月27日(金) 夜の集い
 活動をはじめるにあたって、塾頭より話がありました。
「急に寒くなりましたね。風邪を引かないように注意してください。
今ステージでは、コンニャク作りを行います。コンニャクはコンニャクイモからできていますが、このままでは煮ても焼いても食べることができません。先人が灰汁(あく)を抜かないと食べられないことに気がつき、今みんなは食べることができます。ぜひ先人に感謝の気持ちを持ってもらいたいと思います。
今日は、もう一度食べるということについて考えてみたいと思います。
この塾には、『出されたものはよく噛んですべて頂く』というルールがあります。みんなは嫌いな野菜もよく食べられるようになったと思います。作ってくれた人は、残さずに食べてくれるとうれしいです。そして、命に対して『いただきます』『ごちそうさま』の気持ちを忘れないでください。」
■ 09月27日(金) 市村自然塾九州より
 市村自然塾は、関東と九州にあり、同じ理念の下活動を行っています。今ステージは、市村自然塾九州より西川さんが見学にいらっしゃいました。
「私は、佐賀県の吉野ヶ里遺跡の近くに住んでいます。今回、コンニャク作りを楽しみに来ました。関東のことをいろいろ教えてください。」
■ 09月27日(金) リーダーよりルールの確認
 前回のリーダー会議で、入浴のルールが守れていないという話題が挙がり、今ステージにみんなで確認をしたいので時間を作ってほしいと依頼がありました。
 リーダーたちは、前に立って緊張している様子でしたが、ルールの確認をし、みんなで守るように話をしました。
■ 09月27日(金) 共同生活の目標決め
 毎回取り組んでいる共同生活の目標ですが、前回より各自で1つを選んで取り組んでいます。
 今回の目標を何にするのか、どんなポイントで取り組むのか、チーム担当に話しました。
■ 09月28日(土) 共同農園作業 ~オカボの収穫~
 第4ステージに種まきをしたオカボが、収穫の時期を迎えました。
オカボは漢字で『陸稲』と書きます。田んぼの水稲と違って、水の少ない畑で育ちます。水稲は、1粒の種から1000粒のお米が実るといわれますが、今回数えたところ陸稲は1粒から300粒のお米が実っていました。
厳しい条件で育ったオカボのお米を一粒も無駄にすることなくいただけるように丁寧に作業を進めました。
3人または2人、一組になって刈り取りをしました。一人が刈り取り、もう一人が束をそろえ、最後にひもできつくしばる。
最後のひもできつくしばる事が特に大切です。しっかりしばれていないと干しているときに落ちてきてしまうからです。
「ミシミシ、ギューッ」と音が聞こえるくらいしっかりしばりました。
 刈り取ったオカボは、ベランダに干して乾燥させます。干すときにしばりが弱いものは、丁寧にしばりなおしてくれました。
 他にも、畑に残って最後までオカボを束ねる人、鳥よけのネットを片付ける人、鎌などの道具の片づけをする人、各自が自分にできることを考えて役割を分担しました。
このオカボは、この後脱穀・風選・精米をして、第18ステージに餅つきをしていただく予定です。
楽しみにしていてください。
■ 09月28日(土) 塾活動 
~卒塾アルバムチームのページの作成-1~
 卒塾のときに渡す、卒塾アルバムにチームのページがあります。その作成を行いました。
・思い出を形にしよう
・10年後に思い出せるもの
・家の人に雰囲気(ふんいき)が伝わるもの
・チームらしさって何だろう?
そんなことを考えながら取り組みました。
■ 09月28日(土) おまけ ~栗拾い~
塾庭の栗が食べごろをむかえています。
今回、九州からのお土産で栗をたくさんいただきました。
関東の栗もお土産に持って帰っていただこうということで、休み時間に集めました。
たくさん集まったので、お土産以外にも栗ご飯にして秋の味覚をおいしくいただきました。
■ 09月28日(土) 塾活動 ~コンニャク作り~
 今ステージは、共同農園で育ててきたコンニャクイモを使ってコンニャクを作りました。コンニャクイモは、素手(すで)で触(さわ)るとかぶれてしまうのでゴム手袋をして作業をしました。
まずは、金だわしを使って、泥と皮をきれいに落としました。
皮が残っていると、出来上がりの色に影響するのできれいにとりました。
ミキサーに入れるために2~3cm角の大きさにきりました。
包丁は、食事当番のときにも使っているので慣れた様子でした。
次は、切ったコンニャクイモと水をミキサーに入れて、スイッチオン!
約30秒でドロドロの状態に。
真剣な様子で見ていました。
続いては、火を使ってドロドロになったものを煮詰めました。
焦げないようによくかき混ぜて・・・
最初はドロドロで白かったものが、だんだん灰色でさくさくしたものに変わっていきました。
火からおろすタイミングが難しかったようで、「もう、いいかな」「さくさくになったかな」と確認を取っていました。
最後に、60度まで冷まして凝固剤(ぎょうこざい)を混ぜ込みました。
すばやく全体にいきわたるように混ぜ、バットに入れて形を整えました。
写真は、温度計を入れて60度に下がるのを待っている様子です。
同じ材料で作ったコンニャクですが、よく見ると色や弾力に違いがありそうです。各チームの味?が加わりどんなコンニャクが出来上がるのでしょうか。

この段階では、まだ食べることが出来ません。冷えて固まったら、灰汁(あく)抜きの作業になります。
コンニャク作りと平行して、コンニャクイモの1年や食品加工の講義を受けました。そして、最後に「先人はこんなに手間をかけてなぜ食品加工をしようと思ったのか」想いをめぐらせました。
・昔は、スーパーなどがないので自分で作るしかなかった。
・たくさん取れたものを保存するために考えた。
・貧乏なので生きるために加工をして売った。
いろいろな意見が出てきました。
先人の工夫のおかげで今こうしてコンニャクを食べることが出来ていることに感謝し、その歴史を未来にも受け継いで伝えていきたいですね。
■ 09月28日(土) 共同農園作業 ~秋野菜の世話~
夕方までの時間でジャイモン畑に行って秋野菜の世話をしました。
畝の周りには小さな雑草が生えてきていたので、1本1本丁寧に抜き取りました。
雑草がなくなったら、追肥土寄せをして、最後に虫に食べられないようにネットをかぶせました。
塾生は、みんなで同じことをするよりも役割を分けて作業をするほうが得意な様子で自分に出来ることを行っていました。
■ 09月28日(土) 食当収穫 ~ニンジンの間引き~
みんなが、秋野菜の世話を行っている時間。食事当番には、夕食のおかずになるニンジンの間引きをしてもらいました。
きれいに洗ってくれたので、夕食にそのまま丸ごといただきました。
■ 09月28日(土) 塾活動 
~卒塾アルバムチームのページ作成-2&コンニャクの灰汁抜き~
夜の時間には、卒塾アルバムチームのページの作成を引き続き行いました。
この時間には、使う写真が大体決まり、レイアウトを進めているチームもありました。
各チームらしさがどのように表現され、どんなページが出来上がるのか楽しみです。
冷えて固まったコンニャクをたっぷりのお湯でゆで、灰汁抜きもしました。
おいしいコンニャクになるように出てきた白い泡(灰汁)を取り除きました。

明日の朝が楽しみです。
■ 09月29日(日) 朝食 ~コンニャクの食べ比べ~
朝食で、昨日作ったコンニャクをいただきました。
各チームがわかるようにくしに刺してあったので食べ比べをしました。
やっぱり自分のチームで作ったのが一番おいしかったのかな?
それにしても、コンニャクが出来上がるまでにはいろんな工程が必要でしたね。先人の知恵はすごいです。
■ 09月29日(日) 共同農園作業 ~ラッカセイの収穫~
 ラッカセイの収穫にコイコン畑に行きました。
ラッカセイは、ハクビシンという野生動物が大好物で、毎年人と獣の知恵比べです。去年は、獣の圧勝で収穫があまり出来ませんでした。
そこで、今年は去年までの金網に加えて、全体を緑のネットで囲み、上から乗っても沈まないように竹を立てて対策をしました。
 ジャガイモと同じようにまずは地上部の葉や茎を集め、その後で土を掘り起こして収穫をしました。
 ここでも、茎や葉を集める人、ラッカセイについている子房柄を切る人、金網を丸める人と別れて作業を行いました。
今年は、人の勝ち!!
たくさんのラッカセイを収穫することが出来ました。
ラッカセイは、ここの地域の名産品です。
おいしくいただきましょう。
■ 09月29日(日) チーム農園作業
 今ステージのチーム農園作業は、短い時間でしたが、がんばっていました。
チーム農園の時間だけでは終わりそうもないチームは休み時間をうまく利用して作業をしたり、すぐに開始できるように夜のうち計画を立てたりしていました。前回、前々回で種まき、植え付けをした野菜が大きく育ってきていました。
■ 09月28、29日 おまけ ~ゴボウの収穫~
前回のステージお休みした塾生も今ステージにゴボウの収穫をしました。
みんなからアドバイスをもらい張り切って望んだところ・・・
長さ最高記録の更新がありました。

「2週間で生長したんだよ!」
なんて声もありましたが、
おめでとう!!
■ 09月29日(日) 帰りの集い
活動を終えるにあたり、塾頭より話がありました。
「2日間ともいい天気に恵まれました。チーム農園の野菜も大きく育ち、間引き菜が持って帰れるほどになりました。
今回は、コンニャク作りをしましたが、こういう食品は偶然できたのではありません。いろいろ失敗をしながらできたものです。何もしなければ新しい発見はありません。野菜は、取れる時期にたくさん取れます。それを長く食べられるように考えた結果です。
昔の人は、苦労をしながら知恵を働かせて来ました。いろんなことを経験し、試すから知恵が働くようになります。みなさんも知識だけでなくやってみることが大切です。
 この時期になるとノーベル賞の発表があります。去年は山中教授が受賞をしました。記者会見で感謝と責任の話をしていました。いろんな人たちの研究の積み重ねで自分の研究ができているので感謝をしているしそれを実用化させる責任があると言っていました。
先輩たちが気づいてきた技術や工夫は一朝一夕にしてなされるものではないので
先人たちに感謝の気持ちを持って生活をしてほしいと思います。」
■ 09月30日(日) 市村自然塾九州より
 3日間一緒にすごした、西川さんよりお話をいただきました。
「みんなが、私の名前を覚えてくれてうれしかったです。そして、関東のいいところを3つ見つけました。1つ目は、あいさつが上手なところです。2つ目は、リーダー会議でいい意見が出ていたところです。そして、3つ目は、みんなチーム農園が好きというところです。これからも活動をがんばってください」
■ 編集後記
 今回のステージは、塾生の自主性を感じるステージでした。金曜日のリーダーからのルールの話に始まり、農作業中も言われたことをするのではなく、自分で考えて行動をすることができていました。途中、指示を出しすぎてしまったことがあり、そこはスタッフが反省するべき点でした。
 一方では、塾の生活に慣れ、基本を忘れてしまっていることを感じるステージでもありました。時間が守れなかったり、人の話を最後まで聞くことが出来ませんでした。
 塾生活も仕上げの時期に来ています。2年目の塾生活はありませんので、残りの時間を大切にすごしてもらえることを願っています。
K.S.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・豚骨ラーメン(手打ち中華麺、長ネギ、紅生姜、ニンニク、ショウガ)
※ニンニク、ショウガは焼豚作りに使用
・ピーマンのチャーハン詰め(ピーマン、人参の葉)
・ナス餃子(餃子の皮、ナス、ニンニク、ニラ)

土曜朝食 ・ご飯
・沖縄風味噌汁(味噌、手作り豆腐、ゴーヤ)
・おからのマヨ和え(おから、ピーマン)
・落花生豆腐(落花生、人参の葉)
・落花生おからの炒り煮(落花生おから、ピーマン)
・ピーマンの巣ごもり卵(ピーマン)
・サツマイモの茎の金平(サツマイモの茎)
・漬物(ナス)

土曜昼食 ・カボチャのクリームパスタ(手打ちパスタ、カボチャ、人参の葉)
・カボチャコロッケパン(カボチャを練りこんだ手焼きパン、カボチャのコロッケ)
・カボチャの種の炒ったもの(カボチャの種)

おやつ 写真がありません ・赤ジソジュース(赤ジソ)

土曜夕食 ・ピーマンのカレーピラフ(ピーマン、パプリカ)
・モロヘイヤとオクラのコンソメスープ(モロヘイヤ、オクラ)
・鮭のアクアパッツァ【洋風蒸し煮】(トマト、ミニトマト、ニンニク、タマネギ、ジャガイモ、ピーマン、パプリカ、人参の葉)
・生野菜(間引き人参)
・茹で栗(自然塾九州と関東の食べ比べ)

日曜朝食 ・ご飯
・だご汁(味噌、長ネギ、ジャガイモ、ゴボウ、コンニャク、間引き人参)
・コンニャクの田楽(コンニャク、味噌)
・おでん風煮物(コンニャク、ジャガイモ、ゴボウ)
・長カボチャの玉子詰め焼き(長カボチャ)
・ゴーヤの炒め物(ゴーヤ)
・間引き菜の和え物(間引き菜)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・丸天うどん(手打ちうどん、さつま揚げ、長ネギ)
・肉巻きおにぎり(ニンニク※ガーリックライスに使用)