2013.09.13~15
第13ステージ ~男子~
ステージテーマ:「収穫に汗を流し、達成の喜びを感じよう!」
共同生活の目標:「今までの中から個人で一つ選ぶ」
 第2ステージに種をまいたゴボウが、いよいよ収穫の時期を迎えました。収穫するには、種まきした時と同様に深く深く穴を掘(ほ)らなければなりません。全活動の中でも特に大変なこの農作業を、自分たちの力でやりとげよう!ということで、上記のテーマを掲げました。
 また、前回までで全活動の2/3が終了しました。残り1/3の活動では、自分がするべきことに自ら気づき、考えて行動してほしいと思います。そこで今回の共同生活の目標は、今までに取り組んできた7つの中から、塾生に1人1つずつ選んでもらいました。
■ 09月13日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。
「いよいよ明日はゴボウを収穫します。ゴボウは生長するまで時間がかかる作物ですが、そのぶん大きく育っていると思います。一所懸命掘って収穫して下さい。
 今までで2/3の活動が終わりました。様々なことを体験しましたが、学んだことは身についていますか?『身につく』とは、体が覚えて自然と行動できる事です。あいさつや食事当番など、みんなと一緒にいる時は出来ても、1人になると出来ていないことがあります。それでは、身についているとは言えません。
 まだ出来ていないことを出来るようにするため、『自分からやってみよう』という気持ちを持って、努力して下さい。常識として覚えなければいけないことや、人間として生きるために大切なことを身につけていきましょう。」
■ 09月14日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの収穫~
 まずはスタッフの見本を見て、ゴボウを傷つけずに掘る方法を教わりました。
 そして、各自収穫するゴボウを決め、作業開始!
 意気込(いきご)んで掘り進めていきます。

 掘った穴の中に頭をすっぽり入れてゴボウの先端を探す塾生、土で顔を泥まみれにしている塾生。休憩するのも忘れて、みんな夢中です。
 1時間経過。。。
 穴の中に入って土を掘り進めますが、その穴もだんだん深くなっていきました。とっくにゴボウの姿は見えているのに、掘っても掘ってもまだ先端が見えてきません。
 ここで焦ってゴボウを抜こうとすれば、途中で折れてしまうかもしれません。
 傷つけずに収穫するには、先端が見える深さまで掘る必要があります。スコップを移植ごてに持ち替えて、慎重な作業が続きます。
 どの塾生も「僕が一番大きなゴボウを掘りあげるんだ!」という一心で手を動かしている様子でした。

 深く掘れば掘るほど、目の前にあるゴボウの大きさに期待がかかります。
 毎年、80~90cmのゴボウを収穫できていますが、今年は例年以上に大物の予感です。
 そして、ついに堀り上げました!

 自分で収穫したゴボウを手に、記念撮影。喜びの笑顔、疲れきった顔、誇(ほこ)らしげな顔。塾生たちのいろんな顔が見られました。
 そして今回、最も長かったゴボウは、なんと100cm!!
 右写真の彼が約3時間かけて掘り上げました。

 今年は大物のゴボウが続出した年となりました。掘り上げる大変さも大きかったはずです。しかし、塾生たちは自分の力で見事やりとげました!
■ 09月14日(土) チーム農園作業
 9月の農作業は大忙しです。
 夏野菜を片付けて、草を取り、土を耕し、秋野菜の種まきや植え付けをしました。時間を目いっぱい使って作業していました。
 Dチームは、前回収穫して水につけておいたヒョウタンを取り出し、加工を進めました。
 ヒョウタンは水につけて中身を腐らせておくことで、形を壊さずに中に詰まった種やわたを取り出すことが出来ます。
 2週間経ってポリバケツを開けてみると、「うわ~くせー!」と、みんなびっくり。中身が腐って、とても臭(くさ)くなっていました。
 においを我慢しつつ、ヒョウタンを洗って中身を取り出しました。
■ 09月14日(土) 夜の塾活動
~月の満ち欠け実験・プラネタリウム~
 夜は星の観察会の予定でしたが、あいにくの曇り空。そこで予定を変更。
 始めは月の満ち欠け実験を行いました。
 月に見立てた球体をかこんで円を作り、その球体に光をあて、光と影(かげ)がどのように見えたかをスケッチ。そしてそれを並べて、みんなで満ち欠けがどのように起こるかの仕組みを確認しました。
 次にプラネタリウム。
 今回のために、湘南天文同好会の方たちが来てくださり、星座や星の解説をしていただきました。塾生たちの天体に関する質問にも、たくさん答えていただきました。
■ 09月15日(日) 起床
 台風が接近してきて、日曜は大雨となりました。滝のようなどしゃぶりの雨に、塾生たちもびっくり。
■ 09月15日(日) 塾活動
~草刈り鎌(かま)の手入れ~
 これまで、たくさん畑の草刈りをしてきました。そのたびに草刈り鎌を使ってきたので、切れ味が落ちてきていました。
 今後の農作業に備えて、砥石(といし)を使って草刈り鎌の刃を研(と)ぎました。
 刃と砥石を一定の角度に保ち、少しずつ研いでいきます。1本研ぎ終わるのに30分はかかり、淡々(たんたん)と同じ動きを繰り返す地道な作業。集中力を問われます。
 こちらの塾生たちは少々苦戦ぎみの様子。
「どう?研げてる?」
 途中スタッフに確認してもらいながら、1人1本丁寧(ていねい)に研ぎ進めていました。
 コツをつかんだ塾生は、2本目、3本目と、どんどん研いでいました。おかげで、塾の草刈り鎌を全て研ぎ終えることができました。
 これで次の草刈りはバッチリだね!
■ 09月15日(日) おまけ ~ポップコーン作り~
 チーム農園で、ポップコーン用のトウモロコシを収穫し、ポップコーン作りに挑戦しました。
 トウモロコシの粒を火にかけ、フライパンをゆすってじっくり炒めていると、中でポン!ポン!と、弾ける音がしてきました。
 あつあつフワフワのポップコーンが出来上がり。春にトウモロコシの種をまいてから、半年かけて作った手作りのおやつです。

 味はもちろん最高!他のチームやスタッフにも分けてあげて、「おいしい!」と大好評でした。
■ 09月15日(日) 活動のまとめ
 ステージの終わりに、枝村塾頭からお話がありました。
「ゴボウの収穫では、みんな一所懸命でした。第2ステージにあれだけ苦労して穴を掘り、種をまいて育てたゴボウですから、収穫のときにも愛情を持って取り組んでいたと感じました。ゴボウ1本掘るのに、1mの穴を掘りました。自分の力だけで物を手に入れることの大変さを感じたと思います。
 ゴボウの小さな種があれだけ大きくなれるのは、みんなの世話はもちろん、大地、自然があるからこそです。自然に感謝し、自然を大切にするようになってほしいと思います。
 この塾では、あえて大変なことを体験してもらっていますが、ちゃんと意味があります。世の中の人はみんな、大変なことをやりたがりません。しかし、楽しいことや楽だけでは生きていけません。大人になるほど苦労が多くなるでしょう。今、苦労していれば、この先の大変なことが辛くなくなります。また、周りの人たちのために、みんながやりたがらない苦労に取り組めば、感謝されます。辛いことでも逃げずに、苦労をいとわない人になって下さい。」
■ 編集後記
 今回やったゴボウの収穫は、全18ステージの農作業の中でもクライマックスだと言って過言ではないと思います。今年は例年以上に大きく生長していて、塾生だけで掘り上げるのは大変でした。スタッフが手助けに入ろうとした時「僕がやるから!」と手を借りるのを拒(こば)み、スコップを動かし続けた塾生の姿が印象に残っています。また、「ゴボウの収穫は辛かったか?」という問いに対し、「辛かったけど楽しかった」と言った塾生がいて、苦労の先にある達成の喜びを感じてくれたのだと、胸が熱くなりました。
 残るステージはあと5回。他の作物の収穫も控えています。やり遂げる喜びや収穫の感動を、1度でも多く塾生たちと分かち合っていきたいと思います。
K.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・野菜天重(ナス、ピーマン、カボチャ、四角豆)
・ネバネバうどん(手打ちうどん、モロヘイヤ、オクラ、ミョウガ、青ジソ、ミニトマト)
・漬物(キュウリ)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ナス)
・玉子豆腐(ミツバ)
・カボチャのそぼろあんかけ(カボチャ)
・スイカの皮と油揚げの年輪巻き煮(スイカの皮)
・ゴーヤのゴママヨ和え(ゴーヤ)
・漬物(四角豆)

土曜昼食 ・スタミナ丼(ピーマン、パプリカ、青ジソ、ニンニク※ガーリックライスに使用)
・盛岡風冷麺(手打ち冷麺、スイカ、スイカの皮キムチ、キュウリ)
・漬物(キュウリ)

おやつ ・梅スムージー(梅シロップ)

土曜夕食 ・ご飯
・すまし汁(オクラ、梅干し)
・秋刀魚の塩焼き(青ジソ、スダチ)
・カボチャの煮物(カボチャ)
・インゲンのゴマ和え(インゲン)
・ゴボウサラダ(ゴボウ)
・茹で落花生(落花生)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ジャガイモ)
・ピーマンの豆腐詰め煮(ピーマン)
・ナスとオクラの揚げ浸し(ナス、オクラ)
・カボチャの金平(カボチャ)
・ゴーヤの炒め物(ゴーヤ)
・漬物(キュウリ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・夏野菜のドライカレー目玉焼きのせ(ナス、ピーマン、パプリカ、ゴーヤ、ジャガイモ、トマト、ミニトマト、キュウリ、ニンニク)
・手焼きナン
・自家製ジンジャーエール(生姜)