2013.05.31~06.02
第06ステージ ~男子~
ステージテーマ:「作物の生育状態を確認し、適切な世話をしよう!」
共同生活の目標:「整理整頓を心がける」
 12期生が入塾してから約2ヶ月が経ちました。これまでに塾生たちは様々な作物を植え付けました。しかし、作物は植え付けて何もせずに収穫はできません。今、作物がどんな様子かを観察し、適切な世話をすることでおいしい野菜が収穫できるのです。今回は各畑を周り、今まで植え付けた作物をよく見て世話をすることに重点を置き、その後の収穫へつながる作業を行いました。
 共同生活の目標では「整理整頓清掃清潔を心がける」としました。塾生活で必要なものと不必要なものを分け、必要なものを使いやすく片付ける事、使ったところはきれいにすることを意識してもらいました。
■ 05月31日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
「ここ最近で明るい話題がありました。三浦雄一郎さんが80歳でエベレストに登頂しました。すごいと思いました。そこまでしてなぜ登るのでしょうか?
私は自分の限界を越えようとするチャレンジ精神が自分の心を奮い立たせる殻なのではないかと思います。苦労して、努力していく先に喜びだとか満足感、達成感があるのです。それを追い求めていくのでしょう。みんなもいろんなことにチャレンジしてください。
 共同生活の目標、「整理、整頓、清掃、清潔」。塾の生活にだんだん慣れてくるとやりっぱなし、出しっぱなしになってしまう。もう一度初心に戻って整理整頓をして欲しいと思います。また、なぜ整理整頓することが、なぜいいのかを少し考えてください。
塾の活動も1/3過ぎようとしています。今まで5回の活動でいろんなことを学んできました。「あいさつをする」「人の話を聞く」「時間を守る」「ルールを守る」「ものを大切にする」基本的なことです。人間の喜びは集団の中でしか得られません。一人じゃ楽しくありません。だから基本的なことをできる必要があります。できるようになったことはどんどん伸ばす。できないことはできるように頑張ってほしい。農作業は辛いかもしれないけど進んでできるようになって欲しい。今ステージも気持ちを込めて丁寧にやるようにしてください。」
■ 06月01日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの世話~
 第2ステージで種まきをしたゴボウがずいぶんと大きくなりました。しかし、葉の緑色が薄く、おなかがすいていることがわかります。肥料をあげたいのですが、ゴボウの周りの雑草もずいぶんと大きくなり、このままではゴボウに栄養をあげるのか、雑草に栄養をあげるのかわからない状態です。塾生たちにはまずは雑草取りから始めてもらいました。
 ゴボウの畝(うね)の上にある雑草を手で丁寧(ていねい)に抜きました。これから梅雨に入り気温も上がり、雨も多くなり、雑草もぐんぐん育ってしまいます。
 小さな雑草も残らず抜き、きれいにしました。
 畝の上の雑草がきれいになったら今度は通路の雑草刈り。通路はゴボウを傷つける心配が無いので、草刈りガマを使いました。
 雑草は集めて、畑の端にある穴へまとめました。畝にそのまま置いておくと、また根を張り、せっかく刈り取った作業が台無しになってしまいます。
 塾生たちがきれいに刈り取りゴボウの周りはすっかりきれいになりました。仕上げに、追肥と土寄せを行いました。
 これで梅雨に入り、ゴボウもぐんと大きくなることでしょう。
■ 06月01日(土) 塾活動 ~岩下先生のマナー講座~
 昼食の前にNPO法人マナー教育サポート協会の岩下宣子先生と鐘ヶ江美和子先生をお迎えして、マナーのお話をしていただきました。
「みんながご飯を忘れるくらい夢中になれることはありますか?私は、マナーのことを考えているとご飯のことを忘れるくらい夢中になります。
 『LOVE(ラブ)』という言葉が日本に入ってきた時は『愛』とは訳されずに『御大切(ごたいせつ)』と訳されました。マナーとは自分を大切にするように人も大切にする心なのです。マナーは愛。人も物も大切にする様に心がけてください。マナーは難しいことじゃないのです。自分がされてうれしいことをする、自分がされて嫌なことをしない。
その気持ちを行動として表現したものがマナーなのです。相手の気持ちや立場を思いやれる人になってください。そして、どうしたら自分もみんなも気持ちよく過ごせるかなと考えてください。」

 その後、作法として座布団の座り方、箸の持ち方などいろいろなことを教えていただきました。
 最後に、塾生たちにマナーに関するクイズを出していただきました。2人1組で答えを出すのに真剣に相談しながら答えを出していました。クイズの問題に多く答えられたペアには岩下先生が書かれた「マナーの本」が贈られましたありがとうございました。
■ 06月01日(土) 共同農園作業 ~夏野菜の世話~
 第4ステージに植え付けをした夏野菜が大きくなりました。それぞれ、必要な世話をしてもらいました。
 まずはトマトのわき芽欠きと誘引(ゆういん)。わき芽はそのままにしておくと混み合ってしまい、互いに光や栄養を取り合ってしまいます。さらに風通しが悪くなり、病気になってしまいます。スタッフに教えてもらいながらわき芽を見分けて素手で欠きました。
 誘引は植え付けの時にも行いましたが、あれから随分(ずいぶん)と大きくなって倒れてきたのでさらに上へ結びました。
 終わったら草取り。芽かきのあとに草刈りをするのがポイントです。トマトの病気は土の中にいて、先に草刈りをすると病原菌が手につき、トマトの傷口から病気になってしまうからです。トマト以外のナス、ピーマンもゴボウの世話と同じように畝の上、通路もきれいに刈り取りました。
 最後にナス、ピーマンに追肥土寄せを行いました。トマトはあまり肥料が必要のない小食で、ナスは大食い。同じ夏野菜でも作物によって特徴(とくちょう)が違います。それぞれの特徴に合わせた世話をしました。
■ 06月01日(土) おやつ ~間引きニンジン~
 塾舎へ戻る前にもうひと世話。スタッフが種まきをしたニンジンが少しずつ大きくなって来て、隣同士が窮屈(きゅうくつ)になってきました。そこで、1人1~2本ずつ間引きをしてもらい、それをその場で洗ってパクリ。
「味が濃(こ)くておいしい~!」
「もう1本食べたい!」と好評(こうひょう)でした。
が、中には「え~ニンジンがおやつ…」と嘆(なげ)く塾生もいました。
■ 06月01日(土) チーム農園作業
 各チームとも前回のステージで一通りの作物が植え付け終わりましたが、共同農園と同様に様子を観察し、作物にあった世話を行いました。
 トウモロコシを2本のまま大きくしてしまうと栄養を取り合ってしまうので1本に間引きしました。どちらを間引くか悩みながらの作業。  このチームはキュウリがだいぶ大きくなってきたので、ネットを立ててあげています。支柱とネットに苦戦しながらも完成!
 キュウリ、オクラ、トウモロコシの種をポットにまきました。どこに何の種をまいたか見分けがつくようにポットの色を変える工夫をしました。どの色に何の種をまいたか忘れないでね。  ゴマの種を蒔いた畝を眺めて…
「う~ん…。わからない!」どうやら、雑草とゴマの芽の区別がつかないようす。スタッフも手伝いながら、なんとか雑草を抜くと随分(ずいぶん)ゴマの芽が少ないこと分かりました。
 ラディッシュ収穫!
チーム農園で初の収穫。
喜びの表情を記念撮影、ハイチーズ!
■ 06月01日(土) 夜の塾活動 ~親子大会塾生企画~
 親子大会は塾生の家族の方に、塾生が自然塾でどんな活動をしているのかや、今まで行ってきた成果を見てもらう場です。その中に普段活動しているチームとは違うメンバーでグループをつくり、自分たちで企画・準備・運営を行い参加者の方に楽しんでもらう「塾生企画」があります。
 まずは「市村自然塾らしい」ことをキーワードとしてあげてもらいました。各自色々なことを考えます。
「農作業」「共同作業」「おいしいごはん」「かまたき」「自然」「畑」「野菜」「森」「川」「虫」「生き物探し」「チーム農園」「寝るのが早い」など、様々なキーワードが飛び出しました。
 市村自然塾らしさのキーワードを前に自分達がおうちの方々どのように楽しませるか、同じキーワードが気になるメンバーが集まり、何をしようか、何が出来るか相談が始まりました。今回あがった企画は3つ「川」、「収穫体験、調理」、「キャンプファイヤー」です。これからどのように企画が固まっていくか楽しみです。
■ 06月02日(日) 季節の話、瞑想(めいそう)
 3分半、ほとんどの塾生が動かず、姿勢良く瞑想出来てきました。ずいぶんと自分を律することが出来てきました。
■ 06月02日(日) 共同農園作業 ~キャベツの世話~
 第3ステージに植えつけたキャベツも大きくなりました。そして、雑草もずいぶんと生えていました。ここでも雑草刈りがとても重要な世話。今回は一人一人に場所を決めて、責任を持って作業に取り組んでもらいました。
 早く、雑に終わらせようとする塾生もいれば、ゆっくり丁寧に進める塾生。途中で暑くなり集中力に欠けてしまう塾生など、塾生個人個人の頑張りが見えました。
 中には2人分も3人分も頑張って作業した塾生もいました!良く頑張った!
■ 06月02日(日) 共同農園作業 ~お土産レタスの収穫~
 同じく第3ステージに植付けをしたレタスが収穫時期を迎えました。そこで、ひとり1株お土産に持って帰ってもらいました。塾生全体での初収穫です。
少し疲れ気味に収穫したレタスを手に玄関前でハイチーズ!
 持ち帰るために新聞紙でくるみました。これは昔の人の知恵。収穫したレタスはしばらくは息をしています。それをビニル袋のような湿気を通さないようなもので包んでしまうと、早く痛んでしまいます。その点新聞紙は適度に湿気を吸い、ちょうど良い湿度を保ってくれるのです。これで、家まで新鮮にもって帰れることでしょう。
■ 06月02日(日) レタスのおいしい食べ方
 お土産にレタスを持って帰ってもらうので、農業指導の先生に、おいしいレタスの食べ方を伺いました。
 「レタスは鉄を嫌います。レタスは包丁を使わずに、手でちぎって小さくしましょう。そして硬い外側の葉は小さめに、内側の柔らかい葉は大きめにちぎるとおいしく食べられます。」
 家に帰って、早速試しましたか?
■ 06月02日(日) ステージのまとめ
 ステージの終わりに塾頭からお話がありました。
 「初めてお土産の野菜を収穫しました。家族の人に食べてもらってください。今週は2日とも暑くて、作業は辛(つら)かったかも知れませんが、多くの人は一所懸命できていたと思います。しかし、少し頑張りが足りない人もいました。これからはもっと暑くなり、つらくなるので体力をつけると共に強い心がもてるようになってください。これでほとんどの野菜の植え付けが終わりましたが、これからが大切です。雑草の勢いが強いので、どうしても野菜が負けてしまいます。一所懸命、世話をしましょう。
 岩下先生から貴重なお話をいただきました。「マナーは愛」本当に大切ですね。今回教わった色々な言葉を忘れないでください。大人になってから思い出し心に響(ひび)くことがあると思います。
 共同生活の目標「整理、整頓、清掃、清潔」は意識して出来ていたと思います。これらを守ることは、安全にもつながります。そして、できる人は勉強も仕事も出来るようになると思います。探す時間が無く、すぐに取り掛かることが出来るからです。机の中も整理しましょう。そして、癖(くせ)をつけることも大切です。身につくようにしましょう。」
■ 編集後記
 今回は梅雨入りしたあと最初のステージとなり、雨を心配しましたが運良く天候に恵まれ、農作業を存分に行うことができました。塾生みんな、日頃の行いが良いのでしょう。
 今回の活動では、岩下先生、鐘ヶ江先生のお話楽しかったですね。「自分を大切にするように、相手も大切にすること」集団生活ではとても重要なことですね。
 また、農作業は草刈り、世話など地味でつらい作業が多かったと思います。しかし、この地味な作業を経て作物は生長するのです。逆を返せば、この作業を行わなければおいしい野菜を得ることが出来ません。塾頭の話の中にもありました。「苦難、苦労を超えた先に達成感、喜びがある。」と。本当にそう思います。おいしい野菜を得るために、自ら苦労や苦難も楽しめるようになってください。
K.M.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・野菜天重(ソラマメ、新タマネギ、ゴボウ、山椒)
・すましうどん(長ネギ、ミツバ、自然塾小麦粉で作った乾麺うどん)
・茹でソラマメ(ソラマメ)
・揚げソラマメ(ソラマメ)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、新タマネギ、カブ)
・ソラマメの鞘ごと焼き(ソラマメ)
・新タマネギの丸ごと蒸しあんかけ(新タマネギ、長ネギ)
・ふりかけ3種類(人参の葉、カブの葉)

土曜昼食 ・冷やしラーメン(手打ち中華麺、長ネギ、スナップエンドウ、コマツナ、チンゲン菜)
・レタスチャーハン(玉レタス)

おやつ ・畑で抜き立て間引きニンジン(ニンジン)

土曜夕食
・ご飯
・レタススープ(玉レタス)
・レタス巻き焼肉(サニーレタス、リーフレタス、新タマネギ)
・焼肉のタレ(新タマネギ、味噌)
・焼きそば(手打ち焼きそば麺、いただきものキャベツ)※焼肉を少し残しておいてホットプレートで焼きそば調理

日曜朝食 ・ご飯・味噌汁(味噌、新タマネギ、いただきものキャベツ)
・ソラマメのソテー(ソラマメ、新タマネギ)
・ソラマメのケチャップ炒め(ソラマメ、新タマネギ)
・ソラマメのマリネ(ソラマメ、新タマネギ)
・ソラマメのカップ焼き(ソラマメ)
・人参の葉入り玉子焼き(前日のおやつで残った人参の葉)
・新タマネギの丸ごと煮(新タマネギ)
・カブのおろし煮(カブ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食
・タマネギたっぷりハヤシライス(新タマネギ、グリーンピース)
・サラダ(サニーレタス、リーフレタス、レッドオニオン)
・桑の実ケーキ(桑の実)
・空豆ケーキ(ソラマメ)