2013.05.17~19
第05ステージ ~男子~
ステージテーマ:「お茶づくりに挑戦し、新茶の味を楽しもう!」
共同生活の目標:「物を大切にする」
自然塾のある神奈川県足柄上郡は足柄茶という名茶の産地です。今回の活動では、塾生たちに自らが摘み取った茶葉を使って煎茶(せんちゃ)つくりに挑戦しました。
共同生活の目標は「物を大切にする」でした。「物を正しく丁寧(ていねい)に扱う」「道具をきちんと丁寧にきれいに洗う、片付ける」「有意義(ゆういぎ)に使う、無駄にしない」の3つのポイントを意識して取り組みました。
■ 05月17日(金) 夜のつどい
活動を始めるにあたり、塾頭よりお話がありました。
「早いもので5回目のステージになり、共同場所の清掃や食事当番も1周しました。今までのステージで共同生活や農作業も一通り覚えたと思いますので、これからは教わったことを思い出しながら自分たちで考えて行動してほしいと思います。
この塾では「自主・自立・自律」ということを大事にしています。自主は自分から進んでやること。自立は自分でやることを考えて行動すること。自律は自分を律するということ。自分の悪い心をおさえ、良い心で行動することです。3つめの自律は共同生活においてとても大切です。自律して行動できるようになってほしいと思います。
共同生活の目標は『物を大切にする』です。物はいろいろあります。農作業の道具、掃除の道具、生活で使うもの、そしてトイレ・風呂場などの場所みんなの着ている服・食べ物、ありとあらゆる“もの”を大切にできるようになってほしいと思います。人間が他の動物と違う点は道具を使えることです。人間は道具を使えるようになってから進化し、楽しく、快適に生活できるようになりました。道具は大事に使うと長持ちします。そして、みんなで使うと効率よく使えます。みんなで大事に使い、次の人のことを考えてきれいにしてほしいと思います。また、物を大事につかえる心は人を大事にする心につながります。今週は物を大事にすると言うことを考えながら活動に取り組んでもらいたいと思います。」
■ 05月17日(金) 休み時間 ~ラッカセイの準備~
夜の休み時間に、何人かの塾生が翌日使うラッカセイの種の準備を手伝ってくれました。殻(から)を割って中身を取り出し、種に使える良い豆と、そうでない豆とにわけました。殻を割ることは普段あまりないようで、楽しそうに作業していました。
■ 05月18日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの植え付け~
土曜日の午前中はサツマイモの植え付けとラッカセイの種まきを行いました。  
サツマイモは身近な野菜だけれど“意外と知らないすごいところ”がたくさんある作物です。やせた土地でも育ち、たくさんの人を養(やしな)うことができるので、飢饉(ききん)や戦時中の食糧難(しょくりょうなん)から日本を救ってくれた救世主のような野菜でした。現代では「葉やつるも食べられ、簡単に栽培できること」から宇宙食として研究されています。まず、作業の前にこれから植えつけるサツマイモについて知りました。
水はけがいいように「かまぼこ型の畝」をたてました。いつもより土を多くのせなければならなかったせいか、天気が良かったからか、すでにバテ気味の塾生が何人かいました。
サツマイモは苗を斜(なな)めに植えます。上手にできるよう、移植ゴテと特製三角定規を使って作業しました。最初は使い方に苦戦している塾生もいましたが、最後の方はコツをつかみ、きれいに植え付けができていました。
■ 05月18日(土) 共同農園作業 ~ラッカセイの種まき~
続いてコイコン畑に移り、ラッカセイの種まきをしました。サツマイモの作業で予定より時間がかかってしまい、ラッカセイの作業ができる時間が短くなってしまいました。スタッフより「このままではお昼までに間に合わない。短い時間で集中して取り組んでほしい。」と話があると、塾生は「残りの時間でやりきろう!」ともう一度スイッチが入り、集中して作業することができました。
ラッカセイは「ハクビシン」という動物の大好物です。ハクビシンは「そろそろ収穫できるかな」という頃に、地面を掘って豆を食べてしまいます。自然塾では対策として畝を金網でおおっています。
畝全体をおおえるように、両側から息を合わせて引っ張りながら金具でとめました。
これで動物に食べられずにおいしいラッカセイが食べられるかな?
■ 05月18日(土) 食事当番 ~食材の収穫~
今回はスナップエンドウがたくさんなっていたので食事当番に収穫をしてもらいました。楽しみながらも、集中して作業していました。
昼休みに有志(ゆうし)をつのり、とったエンドウの筋(すじ)とりをしました。
今回名乗りを上げてくれたのは、Aチームの2人だけだったのですが、バケツ1杯ちかくあるエンドウの筋を手際よくとってくれました。
■ 05月18日(土) チーム農園作業
午後の時間はチーム農園作業でした。まずチームごとに、今の畑や前回植えた作物がどんな状態かを確認し、計画をたててから作業しました。どのチームも苗をたくさん植えつける予定がありましたが、ひとりひとりが自分の役割を果たし、チームで協力し、予定していた作業を終わらせることができていました。
Aチームはいろいろな大きさ・色のピーマンやパプリカを育てる予定です。苗の扱いもなれ、手際よく、きれいに植え付けができるようになりました。
Bチームでは
「もうちょっと右。OK!」
と声をかけあいながら、苗をきれいに並べていました。ウリ科のホットキャップや、ラッカセイの金網など、共同農園で学んだことをしっかり活かしていました。
Cチームはスイカをたくさん育てます。病気にならないように、みんなで協力して、たっぷり敷きワラをしきました。ネットをかけて、虫対策もしていました。
Dチームはポットへ種まきをしたトウモロコシやカボチャの苗を畑へ移植しました。
このチームはカボチャをアーチ状にする計画だそうです。
チーム農園作業が終わったら、チーム全員で振り返りをしました。自分たちがたてた目標を意識して作業できたか、作業して気付いたことがあるかなどを話し合いました。
■ 05月18日(土) 夜の塾活動 ~通塾の話し合い~
今までは、集合場所にスタッフがいましたが、今後スタッフがいなくて塾生だけで電車に乗らなければならないときがあるかもしれません。通塾中、普段と違うことが起きても、あわてず、安全に、自分たちで行動できるように話し合いをしました。
集合場所の駅ごとに分かれ、通塾の時に気をつけなければならない事を各ケースで話し合いました。「スタッフがいなかったらどうする?」「具合の悪い人がでてしまったら?」「乗るはずの塾生がいないときは?」「塾生だけで電車に乗るときの注意点は?」
話し合った結果を発表し、どんな場合でも、「落ち着いて・協力して・マナーを守って行動する。困ったときは塾に連絡する。」ということを全体で確認しました。
■ 05月19日(日) 塾活動 ~お茶づくり~ 
日曜日はお茶づくりをしました。まず最初の作業はお茶の葉を摘むこと。1チーム300グラムを摘みました。先端のやわらかい葉だけ摘み取るので、300グラム集めるのもなかなか大変な作業でした。途中、お茶の葉の味見もしました。「にが~い!」「あっ、お茶の味がする!おいしい!」などそれぞれお茶の風味を味わっていました。
食堂に移り「お茶の歴史」や「お茶の種類によって作り方が違うこと」などの説明をききました。
その後、チームごとに煎茶づくりに挑戦しました。
蒸しあがった茶葉を両手でやさしくもみました。もむことで葉がやわらかくなり、お茶の成分が出やすくなったり、乾燥しやすくなります。
「手でもむ」と「ホットプレートで炒(い)る」を繰り返し、少しずつ乾燥させていきました。
しばらくするとお茶の良い香りが食堂中に広がりました。
仕上げに、手のひらを合わせてお茶の葉をよっていきました。みんなで協力してきれいに仕上げていました。
水分がなくなって乾燥したら出来上がり。
出来上がった茶葉の重さを量ってみました。300グラムあった茶葉が、どのチームも約80グラムになっていました。
おいしいお茶の入れ方を教わり、食事の時間に自分たちでつくったお茶を味わいました。
■ 05月19日(日) まとめ
ステージのまとめとして塾頭よりお話がありました。
「今回のステージは天気に恵まれ、いろんな体験ができよかったと思います。
今日はお茶づくりをし、各チーム味わうことができました。なかなかこういう経験をはできないのでよかったと思います。
昨日は畑作業を頑張りましたね。これから暑くなり農作業は大変だと思いますが、自分の役割はきっちり最後まで頑張ってほしいと思います。農業は大変ですが、大変なことをやるからこそ、いろんな喜び、感動を味わえるのだと思います。
『楽をする』というのと『楽しい』は違います。楽は手抜きをすること。苦労やみんなで協力して喜びや感動を得られて、楽しいものになるのだと思います。苦労をいとわず、最後まで頑張れるようになってほしいと思います。」
■ 休み時間のお楽しみ
今回のステージでは休み時間に桑の実を食べに行ったり、畑でカエルを見つけたり、お茶の葉を草笛にしてみたり、と活動意外でもいろいろな楽しみを見つけた塾生がいました。これからもぜひ、自分たちで工夫してまわりの自然を楽しんでいってもらいたいと思います。
■ 編集後記
早いもので、第5ステージが終わりました。塾生たちはだいぶ自然塾の生活に慣れてきたようで、活動や休み時間を自分なりに楽しんでいる場面が増えてきたのは嬉しく思います。
慣れからの気のゆるみも多く見られるようになりました。
やるときはしっかりやる!楽しむ時はとことん楽しむ!といったメリハリをつけて生活できるようになってほしいと思います。
K.T.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・沖縄そば(手打ち麺、長ネギ)
・タコライス(サニーレタス、リーフレタス、新タマネギ、スナップエンドウ)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、新タマネギ、間引き大根)
・新タマネギの丸ごとカップ焼き(新タマネギ)
・大根の詰め物蒸しのみぞれあんかけ(大根、新タマネギ、長ネギ)
・ニラの卵とじ(ニラ)
・コマツナと油揚げの煮びたし(コマツナ)
・きゃらぶき(フキ)・漬物(大根、キャベツ、人参の葉)

土曜昼食 ・茶葉うどん肉ゴボウ汁の漬け麺風(お茶の葉を練りこんだ手打ちうどん、長ネギ、ゴボウ)
・ミニ三色丼(スナップエンドウ
※ご飯はほうじ茶で炊いた茶飯)
・天ぷら(お茶の葉、スナップエンドウ)
・スナップエンドウの素揚げ(スナップエンドウ)

おやつ ・かりんとう(小麦粉)
※自然塾がある松田町寄(やどりき)の地で昔から農家で作られてきたお菓子です

土曜夕食 ・ご飯
・中華スープ(キャベツ、新タマネギ)
・キャベツたっぷりホイコーロー(味噌、キャベツ、頂き物のタケノコ、新タマネギ、長ネギ、スナップエンドウ)
・チンゲン菜巻きシュウマイ(チンゲン菜、新タマネギ、
長ネギ)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、新タマネギ、スナップエンドウ、間引きカブ)
・ネギ味噌の巾着焼き(味噌、長ネギ)
・チンゲン菜の煮びたし(チンゲン菜)
・ゆで野菜(スナップエンドウ)
・コマツナのツナ和え(コマツナ)
・ホウレン草のゴマ和え(ホウレン草)
・金平ゴボウ(ゴボウ)・ゴボウのマヨネーズ和え(ゴボウ)
・漬物(大根、キャベツ、人参の葉、長ネギ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・ホウレン草のクリームスパゲティ(ホウレン草を練りこんだ手打ちパスタ、ホウレン草、新タマネギ、スナップエンドウ)
・素材そのままサラダ(間引き大根、間引き人参、間引きカブ、サニーレタス、リーフレタス、スナップエンドウ)
・手揉み茶(お茶の葉)