2012.12.09
2012年度 卒塾式
12月09日、2012年度 市村自然塾関東 卒塾式が開催されました。
男子26名、女子28名の塾生とその保護者の方々が参加して、第11期生の卒塾式が行われました。
■ 受付
この日は、寒い日でしたが、晴天に恵まれました。
式典という緊張とみんなに会える嬉しさの入り混じった顔つきで塾生は、受付をしていました。
■ 小林代表理事の挨拶(あいさつ)
卒塾式が開式し、小林代表理事より挨拶をいただきました。
「リコー三愛グループの創始者、市村清の言葉に<三愛精神ー人を愛し、国を愛し、勤めを愛す>というものがあります。この言葉は、自然塾にも当てはまると思います。仲間を大事にし、地球自然をかけがいのないものと感じ、塾での生活を楽しもうということにつながります。
私は、ゴボウ掘りのとき自然塾を見学に来ました。そして、そのゴボウを食べたら非常においしかったです。取れたての野菜はおいしいですし、自分たちで作ったものを食べたら嫌いな野菜も好きになったんではないでしょうか。
卒業を英語ではcommencementと言います。これは、<始まり>という意味です。今日を持って終わりにするのではなく、新たな出発としていただきたいです。おめでとう。」
■ 記念品(11期生の活動記録DVD)授与
その後、記念品の目録が塾生の代表に授与されました。
記念品は、塾での活動を記録したDVDです。卒塾式の様子も収めて、後日塾生の自宅に送ります。楽しみにしていて下さい。
■ 西野顧問の辞
次に、西野顧問よりお話をいただきました。
「みんなはここで色んな体験をしました。その中で、心を込めて作業をすれば結果がちゃんとついてくるということを知らず知らずのうちに学びました。これはすごい力で、大人になって生きてくると思います。どうか忘れないで下さい。
そして、色んな体験はスタッフの人がいたから出来た、仲間がいたからこそ出来たのです。昔話の<ウサギとカメ>も相手がいたから高い目標を最後まで頑張って達成することが出来ました。仲間がいるから人は頑張れるのです。
これからは、塾で今まで行ってきたことを言われなくても自ら行動し、身につけていって下さい。」
お話の途中でこんな質問がありました。
「今のみんなの素直な気持ちを聞いてみたいと思います。
1、自然塾が終わって残念な人
2、行かなくてよくてバンザイと思っている人
3、なんとも思ってない、普通という人
どれかに手をあげて下さい。」
周りをキョロキョロ見ながらも多くの塾生が1番に手をあげていました。
■ 塾頭の辞
続いて、枝村塾頭よりお話がありました。
「今日は、みんなの顔が晴れ晴れして自信に満ちあふれています。
塾では、色んな体験をして色んなことを感じて、そして考え、学びました。今日はその中から3つ上げてみます。
1つ目は、野菜の作り方です。農作業は大変でしたが、愛情を込めて作ると大きく育ちました。努力をすれば、結果に表れることを学びました。
2つ目は、チームワークの大切さです。チームでいると一人では出来ない事が早く、きれいに簡単に出来ます。その中で我慢すること、相手を思いやることも学びました。
3つ目は、たくさんの友だちが出来たことです。これは、大きな財産です。いい友達は、みんなの力になってくれます。これからも大切にしてください。
最後に、ここで学んできたことは小さな芽です。この芽を大きな野菜に育てるのはこれからの努力次第です。3つの心と2つの力、忘れないで生活をしてください。
お父さん、お母さんからもらった大事な体を大切にして、夢や目標に向かって頑張ってください。」
■ 修了証授与
「雨にも負けず、風にも負けず、疲れにも夏の暑さにも負けない強い意思を持ち、自然を慈しみ、作物を育み、友と仲良く協力し、この西丹沢の寄の地、市村自然塾で生活した体験は、これからのあなたの成長にとって必ずや大きな糧となることと確信します。 この度の卒塾にあたり、修了証を交付し、ここに修了したことを証します。」
塾生一人一人に修了証が手渡されました。
■ 11期生の活動記録DVD上映
記念品として贈られるDVDが、上映されました。
第1ステージから第18ステージまで振り返ってみると長いようでもあっという間だったのではないでしょうか。
最初の頃の映像と今の塾生の顔つきを比べてみると、今のほうがたくましくひきしまった顔をしていて、成長を感じました。
■ 塾生の辞
続いて、卒塾するにあたって塾生に学んだことや頑張ったこと、みんなへのメッセージを発表してもらいました。
「最初は、不安でいっぱいだったけれど、チームの子とは、親友のようになれました。」
「自分たちでつくった味噌は、驚くほど甘くておいしかった。それは、チームのみんなで協力して作ったからこそだと思います。」
「自然塾は、一人でいても楽しくないけれど、みんなといるから楽しかったです。」
「チームのトラブルでいっぱい悩んだけれど、解決した後の笑顔が忘れられません。」
「自分が、たくさんの人に支えられていることに気づきました。」
「あきらめないこと、人とうまく付き合うこと、協力すれば楽しいことを学びました。」
「スタッフのようなやさしい広い心を持った人になりたいです。」
「苦手だった野菜も食べられるようになりました。」
「自然の美しさを知りました。」
「色んなことを乗り越えて、協力できるようになりました。」
「農業をやっている人の大変さを知りました。野菜を食べるときは農家の人のことを考えて食べたいです。」
「自分の限界を知りました。もっと頑張れると思ったときに休んでしまったことが心残りです。」
「ゴボウ掘りが印象に残っています。自分で掘ったゴボウは、売っているものとは違っておいしかったです。」
「時には痛い思いをしたり、時には笑ったりしてとてもいい友達をつくりました。また会いたいです。」
「植物は、ちゃんと世話をしないと育たないことが分かりました。」
「今までは、人任せにしていましたが、自分でやらないとダメだということを学びました。」
「頼りないリーダーだったけれどみんなついてきてくれてありがとう。」
■ 塾生に贈る言葉
世話人代表より、塾生に贈る言葉を述べました。
「みんなにとって自然塾はどんなところでしたか?たくさんのことを乗り越えて今日まできました。自分の中に湧いたプラスな気持ちもマイナスな気持ちも全部抱えて自信にかえてください。
そして、たくさんの思い出をありがとう。スタッフは、いつだってみんなを応援しています。
最後に、これから先大きな壁や答えの出ない問題にぶつかることがあると思います。そんなときに人のせいにしたり、無関心になるのではなく、色んな角度から問題を見つめて自分なりの答えをもてる芯のある人になってください。」
■ 記念品贈呈(ぞうてい)
塾生が自分のこづかいから100円ずつ出し合って、果樹の苗木を塾に贈呈してくれました。
また、保護者の方からは、塾生室で使う掃除機を贈呈していただきました。
どちらも11期生の軌跡として大切にしていきます。ありがとうございました。
■ 斉唱
式の最後は、「ふるさと」「今日の日はさようなら」の斉唱で締めくくりました。
自然塾を第2の故郷と思って、塾で過ごした仲間たちと今日はさよならするけれどまた会おうねという気持ちで歌いました。
伴奏は、女子塾生と男子塾生の代表が弾きました。
■ 記念撮影
式典終了後、塾生全員で記念撮影をしました。緊張からも解き放されて塾頭のお話にもあったように晴れやかな顔で写っています。卒塾おめでとう!!
塾庭では、保護者の方々も含め写真撮影をしました。総勢160人以上です。
■ 食事
市村自然塾で食べる最後の食事です。塾で採れた野菜をたっぷり使ったお弁当には、男子塾生が卒塾式用に丁寧に種まきした葉物野菜(カブ・コマツナ)も入っています。
8ヶ月食べた塾の味、しっかり舌に刻んでおいてください。
■ おまけ
ともに過ごした仲間と別れを惜しんで写真を撮っていました。(写真左)
毎ステージ、帰りに挨拶をした塾舎にも今日が最後の挨拶です。(写真右)
「8ヶ月間、ありがとうございました。」
■ 編集後記
塾生の皆さん、卒塾本当におめでとうございます。
そして、保護者の皆様をはじめとする活動に賛同し応援してくださった方々に支えられ無事に終了することが出来ました。心より御礼申し上げます。
塾生たちは、18ステージ自然塾に通い過ごしました。多くの思い出は、時が経つと忘れ去られてしまうかもしれません。しかし、記憶から忘れ去られても、塾での経験が心の奥底で支えになっていたら嬉しいです。
K.S.



■ 食事メニュー

日曜昼食
・赤飯(ササゲ)
・五目おこわ(ニンジン、ゴボウ、コンニャク、大根の葉)
・コロッケ(ジャガイモ、小麦粉)
・繊キャベツ(キャベツ)
・鶏ゴボウ団子(ゴボウ、ショウガ)
・ゆで野菜(コマツナ、ホウレン草、ブロッコリー、カリフラワー)
・お浸し(キャベツ、白菜)
・大根の梅漬け(大根、梅干し)
・煮物(大根、ニンジン、サトイモ、コンニャク)
・根菜サラダ(大根、ニンジン、ゴボウ)
・生野菜(玉レタスかリーフレタス)
・ネギ味噌(長ネギ、昨年の味噌)
・大学イモ(サツマイモ)
・漬物(大根、唐辛子)
・ゆずこしょう(青トウガラシ、ユズ)
・豚汁(大根、ニンジン、ゴボウ、サトイモ、長ネギ、白菜、コンニャク、今年の味噌)
・かりんとう(小麦粉)
※自然塾のある寄(やどりき)の地で昔から作られてきたお菓子です。