2011.10.19~21
第15ステージ ~女子~
ステージテーマ:
「里山ハイキングを通して自然と人間について考えよう!」
共同生活の目標:
「今までの目標の中から個人で一つ選ぶ」
 今回の活動は塾周辺の自然を知ってもらうために、塾舎の裏手にあるシダンゴ山へハイキングに出かけました。普段は農作業を通して、大地、自然を感じてもらっていますが、森の中を歩くことによって、里山の自然も感じてもらい、大きな意味での人間と自然の関係についても考えてもらいました。
 共同生活の目標は、これまでに7つのことを2回のステージに渡り全員で取り組んできました。今回は、各自で7つの目標のうち、1つを選び活動に臨みました。
■ 10月19日(金) 夜の集い ~塾頭の話~
 活動を始めるにあたって、塾頭よりお話がありました。
 「明日はいよいよシダンゴ山に登ります。塾舎周辺にも自然がありますが、山にはさらにたくさんの自然があります。明日のハイキングには2つの目的があります。
 1つ目は自然の大切さ、素晴らしさを感じてください。森の中にはたくさんの木々や生き物がいます。それらがどのように関わって生きているのかを見て欲しいです。それぞれが単独で生きていないと思います。みんな何らかの関わりを持って助けあって生きていると思います。その中で、人間がどのように関わればいいのか観察しながら、考えて見てください。
 2つ目は、自分自身の体力、気力を試してください。途中きついところがありますが、今までのつらい作業など、やり切った証(あかし)として、頑張れたという気持ちを持って自分で登ってください。つらいかもしれませんが、頂上では素晴らしい景色が待っています。
 いよいよ15ステージ。いろんな人のおかげでここまで無事にこれました。ぜひ、おかげさまの心を忘れないように登ってもらいたいと思います。」
■ 10月19日(金) 夜の集い ~スライドショー~
 明日が楽しみになるように、ハイキングの最中に見ることが出来そうなものを写真で紹介しました。
 途中で見られそうな面白い形の木、動物の跡、山頂から見える景色など、みんな食い入るように見ていました。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~出発~
 お弁当、水筒を持って、準備体操もしっかりしていざ出発!
 スタートは軽い足取りでした。

 しかし、しばらくすると後ろのほうから「つかれた~」との声が…。まだ歩き始めたばかりなのに…。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~森の入り口~
 いよいよこれから、登山道へ入ります。今日歩くコースの概要を説明した後、塾生たちによりたくさんの自然を堪能(たんのう)してもため、「五感の体操」をしました。
 普段の生活では7割を「見ること」によって周囲の情報を得ていますが、ここでは目を閉じ、聞くことに集中してもらいました。虫の声や、鳥の鳴き声、川のせせらぎや遠くでトラックが走る音なども聞こえたようです。

 歩いている最中も感覚を開いたまま、いろんな発見をしましょう。
 いよいよ、森の中へ。ここは人間がすむ世界ではなく、森の生き物達が住む世界。動物や、植物、森の木々に対してお邪魔させていることを意識して、静かに歩いていきました。
 早速発見!倒木の上に生えている小さな木、木の赤ちゃんですね。
 このほかにも、動物が通った足跡や面白い形の木。先頭を歩いていた何人かの塾生はリスの姿を見ることが出来ました。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~宮地山山頂~
 宮地山の山頂では、さらに注意深く観察してもらうためにプログラムを行いました。自然の中にスタッフが空き缶を隠し、それを探すという、シンプルなプログラムです。
 見つけた塾生は他の探している塾生に気づかれないように隠したスタッフに答えを言いに行きます。
 非常にシンプルなプログラムですが、難易度が上がってくるとなかなか見つかりません。下ばかり探して、実は上のほうへ隠されていたりと…。きっとここにあるという考えを持っている塾生ほど見つかりにくかったようです。視野を広くする事で、この後色々なものが見えるようになったことでしょう。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~ネイチャービンゴ~
 宮地山山頂から次の休憩ポイントまで、ビンゴカードを元に色々な自然の物を探してもらいました。
 「自分の顔よりも大きな葉」だったり、「色々な色」や「さわり心地のいいもの」など…。途中、足を止めて周囲をお宝探し。
 拾い集めたものをチームごと見せ合いました。同じお題でも、人によって拾ったものも様々。チームで集めるとたくさんの宝物が集まりました。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~道中~
 ちょっと足を止めて記念撮影!
疲れも出ていますが、みんないい笑顔。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~最後の試練~
 目指す山頂は残り300m。ここで最後の試練「心臓破りの坂」が待っています。ここからは自分の体力を試してもらいました。塾生全員で一斉にスタート!約200段の階段です。勢いよく登る塾生もいれば、マイペースにコツコツ登る塾生。それぞれが自分の力を試して登っていきました。途中、休憩している姿も…。がんばれ!
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~登頂到着~
 今年の女子塾生はこの3人が早く山頂につきました。よく頑張りました。
 そのあとも次々と到着。笑顔でゴールする塾生もいれば、もう、疲れきって倒れこむ塾生もいました。自分の中にある力を全部出しきって登れたかな?おつかれさま!
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~山頂での指令~
 この日は残念ながら富士山に雲がかかって見えませんでしたが、山頂ではチーム全員揃って、富士山の方に向かって、何かを思い浮かべて『ありがとう』と叫んでもらいました。それぞれ何に感謝したか聞いたところ、「ここまで来れたことに感謝。」「気持ちいい自然に感謝した。」など、色々な物や人を思い浮かべて感謝の気持ちを表現していました。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~昼食~
 いよいよ待ちに待ったお弁当。チーム揃って元気よく「いただきまーす!」
青空の下で食べるお弁当は美味しいですね。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~山頂にて~
 この日は富士山こそ見えませんでしたが、天気がよく、山頂から眼下に広がる景色はきれいでした。江ノ島を探したり、自分の住んでいる方向を探したり。そして、おひさまがポカポカ気持ちよくお昼寝をしている塾生の姿もありました。気持ちよさそうですね。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~集合写真~
 気持ちいい天気と景色、そして一緒に登った仲間と笑顔でハイチーズ!
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~森の芸術家~
 帰り道、杉林の中で足を止め、今日のハイキングで感じたことを「~のシダンゴ山」というお題でチームごとに作品つくりに挑戦してもらいました。使う材料はここにある自然のもの。芸術家になって作品作りに没頭しました。チームの中で意見を出し合い、イメージを形にしていきました。中には作品と合わせて自分たちが登場人物になり、劇を披露してくれたチームもありました。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~森の遷移・里山の話~
 ハイキングの最後に森の中で、森の遷移(せんい)の話と里山の話をしました。
 いつ来ても同じように見える山が実は成長の途中で、人間と同じように世代交代がされていることを話しました。今はたくさんの種類の木々が生えていますがこのまま、人間が手を加えなければ、長い年月を経てこの当たりの山は2~3種類の木の森になるそうです。
昔の人は森と密接な関係で生活していました。森からの恵みを生活や食へ活用して、森を管理していました。しかし今、人の生活と森は遠い関係になり、荒れた山が多くなっているそうです。
 自分に何が出来るのか、自然と人間の関係について考え続けてほしいと思います。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~相棒との別れ~
 ここで一日お世話になった杖とのお別れ。ずっと支えてくれて感謝。自然に返してあげましょう。
■ 10月20日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~感想~
 今日は一日中ハイキングで自然の中にいました。いろいろなことをたくさん感じたことと思います。ひとりひとりに感想を言ってもらいました。
「空気がおいしかった。」「みんなで一緒に登って達成感があった。」「季節の移り変わりを感じた。」
 それぞれ感じることが違いましたが、みんなハイキングで楽しかった様子が伺えました。
■ 10月20日(土) 夜の集い ~森の句会~
 今日のハイキングで自分が見つけた発見や感動を「五・七・五」の17文字の俳句にまとめて発表してもらいました。少ない文字数で、自分が感じたことを表現することに苦労をしていた塾生もいましたが、とても趣(おもむき)のある俳句が生まれました。
 完成したら一人ずつ発表しました。少し緊張した塾生もいましたが、いろいろな発見や気持ちが上手に表現されていてとてもいい俳句が生まれました。
 「秋の山 自然を感じ 登ってく」
 「山登り 息を切らせて いい気持ち」
 「珍しい 木の実は森の 宝物」
■ 10月21日(日) 朝の瞑想
 朝の瞑想も15回目。最初は落ち着かずそわそわしていましたが、いまは静かに心落ち着いている様子が見てわかります。みんな成長しました。
■ 10月21日(日) チーム農園作業
 この日は秋晴れのまさしくチーム農園日和。前回、雨で出来なかった分もこのステージに行いました。
 葉物野菜の収穫が始まりました。立派に育って美味しそうですね。
 このチームは前回雨の中収穫して、土間に干しておいたゴマをふるいにかけて分けています。たくさん収穫できましたね。
 残り3ステージで大きく育つように追肥土寄せの世話も行いました。心を込めて丁寧に作業しているので、きっと作物も大きく育つことでしょう。
■ 10月21日(日) 塾活動 ~卒塾アルバムのチームページ作成~
 チーム農園作業が終わったら、卒塾に向けてアルバムのチームページの作成を行いました。どのチームも自分たちらしさを表現しています。

ん?1チームトランプを…。このチームはもうアルバムも出来上がり、メンバーと楽しく時間を過ごしています。塾生活の思い出の1ページ作りですね。
■ 10月21日(日) ステージのまとめ
 活動を終えるにあたって塾頭よりお話がありました。
 「今日はすがすがしい天気の中、チーム農園作業も出来ました。今年はチーム農園の野菜もみんなが良く世話をしているから大きく育っています。
 天気も良く、シダンゴ山に行けました。例年この時期に台風が来てハイキングにいけない年もあるので行くことが出来て良かったです。昨日、ハイキングから帰って、みんなからいろんな感想が聞けました。自分の力で登れたことに自信を持ってください。そして、3つの感謝を忘れないでください。1つ目は自然に対して、2つ目は登山道を作ってくれた人に対して、そして3つ目はスタッフや調理師さん、送り出してくれた家族に対して感謝の気持ちを忘れないようにしてください。山に登っている途中、プログラムを通して自然をいつくしむ心を感じてもらえたのではないでしょうか。
 山を大事にしないとお魚が食べられなくなります。それは、山は川と海につながっていて、どれが汚れても海に魚がいなくなってしまうからです。山を見るたびに大事にしなければいけないと思います。これからも自然環境を大切にして欲しいと思います。
残り3回、風邪など引かないよう、次回も元気に来てください。」
■ 編集後記
 今ステージは天候に恵まれて、十分に活動を楽しめました。ハイキングで五感を使って存分に自然を感じることが出来たことと思います。昔は自然と人の暮らしが密接に関わり、人は山と一緒に暮らしてきました。しかし、現代、人の暮らしは自然とかけ離れていて、自然に対して遠い存在になってしまったのかもしれません。塾生たちにはこの自然を楽しむだけでなく、自分たちの生活と自然との関わりを考えながら過ごして欲しいと思います。
 今年の活動も残り3回となりました。塾生の中には、もうすぐ終わってしまう気持ちが出てきているようで、仲間との絆をより深めようとしている姿も見られました。残りの活動でも、少しでも多くの学びがあるように支援していきたいと思います。
K.M.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・鶏ゴボウ丼(ゴボウ、長ネギ)
・すまし汁(ナス、コマツナ)
・コマツナのゴマ和え(コマツナ)
・ラッキョの塩漬け(ラッキョ)

土曜朝食 ・五色丼(コマツナ、チンゲンサイ、カブ、オクラ、ショウガ)
・味噌汁(味噌、間引き大根、ジャガイモ)

土曜昼食 ・富士山型おにぎり(梅干し)
・金平ゴボウご飯いなり寿司(ゴボウ)
・唐揚げ
・玉子焼き
・タコさんウインナー
・肉団子の甘酢あんかけ
・お花人参
・大学イモ(サツマイモ)
・インゲンとソーセージの爪楊枝刺し(インゲン)

土曜夕食 ・コマツナとベーコンの混ぜご飯(コマツナ)
・中華スープ(コマツナ、ナス)
・豚肉と夏野菜の味噌炒め(ピーマン、パプリカ、ナス、ショウガ、ニンニク)
・中華春雨サラダ(ピーマン、インゲン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ナス、長ネギ)
・カブの詰め物丸ごと煮のあんかけ(カブ、ピーマン、パプリカ)
・ピーマンの詰め物焼き(ピーマン)
・ネギ味噌油揚げはさみ焼き(味噌、長ネギ)
・コマツナの和え物(コマツナ)
・サツマイモの茎の金平(サツマイモの茎)
・漬物(カブ)
・佃煮

日曜昼食 ・コンニャク焼き(コンニャク、長ネギ、ショウガ)※たこ焼きのコンニャク版 
・茶巾絞り(サツマイモ)