2012.06.22~24
第07ステージ ~女子~
ステージテーマ:「収穫したジャガイモを使って、
           チームで協力しておいしいコロッケを作ろう!」

共同生活の目標:「何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する」
 今回のステージは、梅雨の晴れ間でジャガイモとコムギの収穫をしました。ジャガイモは、第1ステージで植え付けをしたものです。また、コムギは10期生が種まきをして11期生が収穫し、12期生へと受け継がれていくリレー作物です。共同生活の目標であった「何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業をする」を意識して丁寧に収穫をすることが出来ました。
 共同生活の目標は、農作業以外に清掃と食事の時を特に意識をして取り組みました。「心を込める」とは、「気持ちを入れる」こと。今までに心を込めてやったことを例に挙げてそれぞれの時間にどんな気持ちを入れたらいいのか考えてもらいました。
■ 06月22日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって塾頭よりお話がありました。
「大きな台風が来ましたが大丈夫でしたか?たくさん雨が降って農作物に被害が出ました。チーム農園にも被害があるかもしれません。しっかり作業をしてください。
活動の1/3が過ぎました。ここは、共同生活、農作業を通して生きる力を大地から学ぶ場です。初心に返ってみて、最初のときの目標が達成できているのか見直してみてください。
 今ステージでは、ジャガイモの収穫を行います。第1ステージに植え付けをして、3ヵ月が経ちました。どんな風に育っているのか楽しみにしていて下さい。
 ここで、食べることについてもう一度話をします。塾には好き嫌いという言葉はありません。出されたものは全て良く噛(か)んでいただいてください。良く噛むといい事があります。例えば、消化にいい・脳の働きが良くなる・あごが引き締まって美容にいい・気持ちが落ち着くなどです。食事はまんべんなく良く噛んで食べましょう。」
■ 06月22日(金) 活動の1/3を終えるにあたって
 全部で18ステージある活動の6ステージが修了しました。全体の1/3が終わったことになります。
 そこで、今までにどんな事をしてきたのか思い出してもらいました。初心を思い出して、残りのステージ、ここでしか出来ないことに積極的に取り組んでいって欲しいです。
 その後に「神様からもらった3つの玉」の話をしました。人間は、おでこに「ねばり玉・みつけ玉・しんせつ玉」という3つの玉をもっていて、これを磨(みが)かないと光らないまま大人になってしまうという話です。この「3つの玉」を残りの活動でも磨いていって欲しいです。
■ 06月22日(金) おまけ ~ちょうちょ結びの特訓(とっくん)~
 日曜日の農作業で使うちょうちょ結びの特訓を就寝前の自由時間に行いました。ちょっとコツを教えるときれいに結べるようになって、
「もう一度、もう一度」と何度も結んでいました。
すでに出来る人も輪に加わって自分の足首にきれいなちょうちょ結びをつくってポーズを決めていました。
■ 06月23日(土) 共同農園作業 ~ジャガイモの堀り上げ・乾燥~
 ジャガイモの収穫にあたって、まずはどんな世話をしてきたのか写真を見てふり返りました。
 その後、50g~100gの1つのタネイモからどのくらいのジャガイモが収穫できたのか、はかりで量ってみました。1kg以上のジャガイモが収穫でき、10倍以上になっていたことが分かりました。
 みんなの世話と大地、自然の力のおかげですね。
 
 まず始めに茎と葉っぱの部分を回収し、葉っぱの病気がイモにうつらないように軍手を新しくして、イモを堀り上げました。土から出てきたばかりのジャガイモの皮は、傷を負ってまだかさぶたができていないのと同じようでとても柔らかくて傷がつきやすい状態です。皮を傷つけないようにイモの下に手を入れて堀り上げました。雨上がりで土が重く、思ったように作業が進みませんでしたが、スタッフにスコップで手伝ってもらいながら「心を込めて丁寧に」行っていました。 植え付けのときに立てた畝がイモの上からずれているところもあったようでイモを見つけるのに苦労をしている塾生もいましたが、大きなイモが見つかると「おぉ」と声を上げていました。
 
 収穫後にイモを持って全員で記念撮影をしました。初めての収穫に表情がいきいきしています。
 掘り上げたジャガイモは、畑にしばらくおいて乾燥させます。乾燥させることで柔らかい皮が丈夫になり傷がつきにくくなります。 
■ 06月23日(土) チーム農園作業1回目
 今回のステージでは、この後「コロッケ作り」「コムギの収穫」がひかえているので土曜日の午前中にチーム農園作業を行いました。それぞれのチームは、短い時間の中で草取りや病気の対策、ポットの植え付けなど行っていました。 
■ 06月23日(土) 塾活動 ~岩下先生のマナーのお話~
 昼食後の時間には、マナーの講師岩下先生をお招きしてお話をしていただきました。「マナーは愛である。自分を大切にするように相手を大切にする心である。」と言う興味深いお話から始まり、座布団の座り方などの実践(じっせん)、最後には食事のマナークイズと塾生たちが楽しめる内容で大切なことを伝えていただきました。 素敵な先生からのお話を聴いて、塾生たちの背筋もピンと伸びて素敵なレディが誕生していました。
■ 06月23日(土) 共同農園作業 ~ジャガイモの回収・計量・保存~
 午前中に畑で乾燥させていたジャガイモをトレーに移して塾庭に運びました。表面は乾燥して丈夫な皮になっていました。  種類ごとにトレーを分けてどれだけ収穫できたのか計量しました。その後、小イモ・傷みイモ・緑化イモを分けました。
 保存するイモは、渋谷小屋に運び、種類ごとにトレーを重ねて最後に光が入らないように寒冷紗(かんれいしゃ)という黒い布をかぶせました。  ジャガイモは土をつけたまま光の当たらないところで保存をしますが、他の野菜はどのように保存をするのか柳川先生に教えていただきました。
■ 06月23日(土) 塾活動 ~コロッケ作り~
 収穫したジャガイモを使ってのコロッケ作りです。
 まず始めに「おいしいコロッケ」をどうやって作るのかチームごとに宣言してもらいました。
 「材料を無駄にしない」「協力する」「きちんと片づけるところまでやる」「愛情を込める」などの言葉が出てきていました。
  チームごとにタマネギを切る人、ひき肉を炒める人、ジャガイモの皮をむく人と役割に分かれて行いました。それぞれ自分の役割をしっかり行っていました。
 食事当番で包丁を使っているのでみじん切りはお手の物でした。調理師さんからアドバイスをもらっているチームもあり、ジャガイモのつぶし方や味付けの仕方などで実践をしていました。
 最後は全員で12人分の24個のコロッケ全部が同じ大きさになるように小判型に形を整え、小麦粉、どろ(小麦粉を溶かしたもの)、パン粉の順につけました。
  
 みんなでしっかり等分をしたので
「全部同じ大きさでしょ!!」
得意げに見せてくれました。
   
 揚げる作業は、調理師さんにお願いして、その間に他のおかずの配膳をして夕食の準備をしました。コロッケを最後に乗せて、盛り付け完成!!
 「いただきます」の前に、全体を見ていただいた調理師さんから総評をいただきました。
「コロッケは、手が汚れて作業が大変ですが手際よく出来ていました」
「揚げるときに破裂をしてしまったコロッケがありました。小麦粉とパン粉をしっかりつけるようにしましょう」
とお話をしていただきました。 
 自分たちの手で植え付けて、世話をして、収穫したジャガイモを使って、自分たちの手で調理したコロッケを夕食にいただきました。
 「食材を実際に育てて、調理してその命をいただく」と言う一連の流れを経験することで「おいしい」という感動がよりいっそう塾生の心の中に響いているようでした。 
■ 06月23日(土) 夜の集い ~夜のお散歩・ホタルの観察~
 今ステージは、活動が盛りだくさんです。夜は、今の時期にしか見ることの出来ないホタルの観察に近くの川まで歩いていきました。
 ちょうど夏至の日を過ぎたばかりで昼から夜への移り変わりを感じながら歩けるように昼と夜の違いを考えてみました。
 そして、今から見に行くホタルの一生について説明を聞きました。
  夜は動物たちの暮らす時間なのでお邪魔(じゃま)する気持ちで静かに歩いていきました。すると川沿いの向こう岸にピカッ、ピカッと光が見えました。
 塾生たちは大きな声が出せないのでお互い見つめあいながら感動を分かち合っていました。観察場所についてからもホタルを観察することが出来、静かに小さな光を見つめました。
  ホタルは成長の段階で様々な環境を必要とします。卵を産むコケ・幼虫の間は餌(えさ)になるカワニナのいる水・蛹(さなぎ)は土の中・成虫になってからは暗い夜・・・その一つでも欠けてしまうとホタルは、いなくなってしまいます。ホタルの棲(す)める環境をいつまでも残していきたいですね。
■ 06月23日(土) おまけ ~塾生室にお客様~
 入浴を済ませて、塾生室に戻ってみるとかっこいいお客様が遊びに来ていました。
 今年初のノコギリクワガタのオスでした。
 ホタルにつづき、クワガタの登場に初夏を感じる夜でした。
■ 06月24日(日) 瞑想
毎ステージ、日曜日の朝に行っている瞑想の時間です。5分を目標に毎回少しずつ時間を延ばしています。
 マナーの先生にしびれない正座の方法もお聞きしたので出だしはピシッと背筋が伸びて動かずに取り組めていました。
 しかし、最後の1分で自分の中の弱い心に負けてしまった人がいたようでした。「ねばり玉」の磨きどころです!
■ 06月24日(日) 共同農園作業 ~コムギの収穫~
 日曜日は、ジャイモン畑にコムギの収穫に行きました。先週まではシャキッと立っていたコムギですが、台風4号の雨と風で全部たおれていましました。ちょっと作業がしにくい状態でしたが丁寧に刈り取りを行いました。3人1組になって刈り取って→そろえて→縛(しば)る。役割を交代しながら作業を進めていました。金曜の夜にちょうちょ結びの特訓(とっくん)をした成果もあって、しっかり縛れていました。このあと収穫したコムギはベランダに干して乾燥をするのですが、しっかり縛れていないと干す作業のときにバラバラになってしまいます。ベランダで乾燥させたコムギは、第9ステージで脱穀(だっこく)・風選(ふうせん)をします。 
■ 06月24日(日) チーム農園作業2回目
 土曜日にチーム農園作業をしたのですが、どのチームもやり残しがあるようでした。今の時期は、雑草の生長が早いのでしっかり作業をしておかないと作物が負けてしまいます。そこで急遽(きゅうきょ)、コムギの収穫の時間を短くしてチーム農園作業の時間を作りました。塾生たちは時間を有効に使って、昨日できなかった収穫や、草取りなどの作業を進めていました。
    ←チーム農園で取れたナスを調理師さんに調理していただきました。
■ 06月24日(日) 活動のまとめ
ステージを終えるにあたって塾頭よりお話がありました。
「今ステージは、梅雨の中休みで農作業が出来ました。スケジュールがつまっていましたが、色んな経験が出来ましたね。
今日のお昼に食べた「ナン」は9期生が種をまき、10期生が刈り取ったものです。11期生がおいしくいただきました。みなさんも12期生のためにコムギを収穫しました。時間は短かったですが集中して丁寧に出来ていたと思います。
 他にもホタルの観察をしたり、10倍以上に育ったジャガイモの収穫をしました。大地・自然の力って素晴らしいと思います。
 また、岩下先生にマナーのお話をしていただきました。岩下先生のお話はおもしろくて、笑顔が素晴らしいですね。『マナーは愛、ご大切に』この言葉は、共同生活の目標にもつながりますが、相手や物への思いやりの言葉です。
 今回の共同生活の目標『何事も心を込めてきちんと丁寧にやる』はこの塾をつくった浜田さんの言葉です。何事も無駄にいいかげんにやってはダメです。ノートも後で見返して分かるように丁寧にとりましょう。」
■ 編集後記
 今ステージは、梅雨の晴れ間でやることがたくさんありました。長い休憩時間が、なかなか取れない中、皆がしっかりついてきてくれことに感謝をしています。おかげで、たっぷり農作業が出来、マナーのお話も聴け、夜にはホタルの観察も行うことができました。
 「どんな気持ちを入れるのか」考えながら取り組んだ共同生活の目標も帰りに「掃除-次の人のことを考えた、食事-作ってくれた人に感謝した、農作業-野菜のことを考えた」と発表してくれました。金曜日には答えられなかった問いの答えが出たということはステージ中に向き合ってきたからだと思います。「3つの玉」の中でも今回は「みつけ玉」が磨かれた塾生が多かったようでした。塾活動を通して自分自身で問題に対して判断できる、答えが出せる考える力を磨いていって欲しいと思います。
 活動も残り2/3です。塾生と一緒に塾でしか出来ないことに夢中になりながら、塾生たちの心を揺(ゆ)らすきっかけをこれからもつくっていきたいです。
K.S.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・かき揚げ鶏天丼(タマネギ、ニンジン、ミツバ)
・ダイコンおろし(ダイコン)
・すまし汁(タマネギ、ニンジン、コマツナ)
・漬物(ダイコン、キュウリ、野沢菜)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、豆腐、タマネギ、サトイモ)
・タケノコとフキに煮物(タケノコ、フキ)
・タケノコと豆腐の炒め物
 (タケノコ、豆腐、タマネギ、ピーマン)
・おから団子(おから、タマネギ)
・コマツナの炒め物(コマツナ)
・キュウリの酢の物(キュウリ)
・漬物(キュウリ)

土曜昼食 ・ピラフ(タマネギ、ニンジン、ピーマン)
・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン、ダイコン、コマツナ)
・里芋グラタン(サトイモ、タマネギ)
・サラダ(サニーレタス、リーフレタス、タマネギ、キュウリ)

おやつ ・蒸かしイモ(インカのひとみという品種のジャガイモ)

土曜夕食 ・ご飯
・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン、ダイコン)
・コロッケ(ジャガイモ、タマネギ)
・サラダ(サニーレタス、リーフレタス)
・ゆで野菜(ソラマメ)
・ナスの味噌炒め(味噌、タマネギ、ナス、ピーマン)
・漬物(ダイコン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、サトイモ、ふだん草)
・蒸かしイモ(ジャガイモ)
・フキの油揚げ巻き煮(フキ)
・スライスオニオン(レッドタマネギ)
・生野菜(味噌、キュウリ)
・お浸し(ふだん草)
・漬物(野沢菜)
・佃煮

日曜昼食 ・キーマカレー(タマネギ、ニンジン、ピーマン)
・手焼きナン(小麦粉)
・サラダ(サニーレタス、リーフレタス、ダイコン、キュウリ)  

・お代わりでお好み焼き、パン粉ケーキ
※コロッケ作りで余った小麦粉、卵、パン粉で作ったもの