2011.05.25~27
第05ステージ ~女子~
ステージテーマ:「味噌つくりに挑戦し、先人の知恵を学ぼう!」
共同生活の目標:「物を大切にする。」
 今回は、味噌作りをしました。味噌は伝統的な加工食品の1つで先人の知恵が詰まっている日本人にとって欠かすことのできない調味料です。そして味噌は、今日作って明日食べられるものではありません。半年間熟成させ、10月頃に食べられるようになります。よい味噌が出来上がるために豆1粒・麹(こうじ)1粒も無駄にしないように心を込めて丁寧に作業してもらいました。
塾生たちはここの生活にも、農作業にもだいぶ慣れて来ました。どこに何があって、どのように使うかもずいぶんと分かってきたと思います。そこで、今回は普段何気なく使っている物に着目して大切に扱うことを心がけてもらいました。
■ 05月25日(金) 夕食
 今回は運動会と重なり約半分の人数でスタート。いつもは6つのテーブルの島に分かれて食事をしますが、今回はスタッフも合わせて2つの島に分かれて食事を取りました。
■ 05月25日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、塾頭よりお話がありました。
 「今回は運動会で12名いませんが、土曜日の運動会が終わったら来てくれると思いますのでだんだん増えていくでしょう。第5ステージになりました。役割がひと回りして第1ステージと同じ役割になりました。2回目からは自分の力で行動するようにしてください。
この塾では『自主・自立・自律』を大切にしています。自主は「自ら進んでやる」こと。自立は「自分で何をするか考えて行動する」こと。そして、自律は「自分の悪い考えをおさえて我慢(がまん)する」ことです。これから、チームでリーダーを中心にまとまって活動してください。
 今回の共同生活の目標は「物を大切にする」です。活動に慣れてくると物の使い方が乱暴(らんぼう)になることがあります。活動では色々な物を使います。大切に扱ってください。
人間と動物の違う点は道具や火を使うことです。人間は道具を使うことで進歩してきました。物を大事に使うと長持ちし、愛着がわきます。そして、物を大切にする人は人も大切に出来るのです。ぜひ色々なものを大切にしてすごしてください。」
■ 05月26日(土) 共同農園作業 ~ラッカセイの種まき~
 ラッカセイは自然塾のある隣、秦野市の名産品です。近くが育ちやすい環境で、その実のなり方もユニークなので塾生たちに育ててもらいます。
 まずは畝たてから行いました。少人数でしたが、ずいぶんと慣れた手つきできれいな畝が出来上がりました。
 種をまく前にどのように芽が出るのか種を割りイラストと見合わせて、種の仕組みを確認しました。良く見ると、芽と根が出る部分がわかります。
 種の仕組みを理解した上で種からどのように根が伸びるかを想像しながら、方向をそろえて1粒ずつ丁寧にまきました。
 種まきが終わり、鳥の被害にあわないよう鳥よけテープとハクビシンから守るための金網を張り、最後にたっぷりと水をあげました。
■ 05月26日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの植え付け~
 引き続き、サツマイモの植付けを行いました。サツマイモは水はけがよいところを好むので、かまぼこ型で高めの畝にしました。作物に合った環境を整えるのも工夫のひとつです。
 この日は日差しが強く暑かったので、畝立て後にちょっと日陰で休憩。その間スタッフがサツマイモがどんな作物かを話しました。
 サツマイモは少ない面積でたくさん収穫が出来て、たくさんの人を養(やしな)えること、飢饉(ききん)のときに日本人を救ってきた歴史のある作物であることなど、特徴が多い作物だということがわかったでしょうか?
 休憩後、元気に作業開始!サツマイモの苗は切り苗といい、他の野菜の苗とは異なります。切り口を土の中深く挿すことがポイント。2人1組となって、移植ゴテをうまく使い、1本ずつ植えつけていきました。
 いくら丈夫なサツマイモの苗もカラカラの畑では根が出ずかれてしまいます。この天候で乾燥しないようにたっぷりと水やりをおこないました。
■ 05月26日(土) 塾活動 ~味噌作り~
 土曜日の午後からは、味噌作りを行いました。
 まずは大豆の加工品についての話をしました。この日の朝食で10種類の大豆製品をいただきました。(豆腐・厚揚げ・油揚げ・おから・納豆・煮豆・きなこ・高野豆腐・しょうゆ・味噌) 1つの作物からこんなにも多くの製品ができていること知り、加工の意味、先人の知恵や工夫にふれました。
 味噌をつくる前に味噌作りの先生、箕輪さんご夫妻からお話をしていただきました。「みなさん味噌は好きですか?味噌は、1000年も昔から日本人の食生活を支えてきた歴史のある食材です。そして、色々体にいい効能があります。美肌、ガンになりにくい、脳の新陳代謝が良くなることなどあります。
 そして、何より味噌は調味料としてほかの野菜のうま味を引き出します。
みなさんにはそんな味噌のような人になって欲しいと思っています。人のいいところを見つけて、そのよさを引き出してください。お互いにいいところを見つけあい認め合うと、よりチームがよくなってきます。だからチームのメンバーのいいところをみつけて、引き立てるような人になってください。
 そして、味噌を作る時に材料の一つ一つに感謝をこめて、一粒もこぼさないように注意をしておいしい味噌を作りましょう。」
 早速、味噌作りスタート。大豆の煮汁でふやかしておいた麹(こうじ)とやわらかく煮た大豆を混ぜ合わせました。小さなボールの中で、こぼさないように全体をまんべんなく良くかき混ぜるには細心の注意をしながら作業を進めました。
 次にミンチ機で材料をつぶしていきます。材料を機械に入れる人、ミンチ機へ押し入れる人、つぶれた材料を丸めて空気を抜く人、樽(たる)の中につめる人と役割分担をして行いました。チームによっては1人2役こなさなければならないところもありました。
 全ての材料がつぶされ、樽へ収められました。表面をきれいに平らにして空気に触れないよう丁寧にラップをかけました。この作業で出来栄えが変わってきます。みんな真剣な表情です。
 蓋をして夏でも涼しい塾頭室の床下へ。ここで約6ヶ月間熟成します。塾生たちが次にこの味噌に出会うのは11月。どんな味噌が出来上がるか楽しみですね。
 最後は道具の片付けと、部屋の掃除を行いました。少ない人数でしたが作業が丁寧(ていねい)で材料のムダがほとんどありませんでした。素晴らしいことです。箕輪さんからもお褒めの言葉をいただきました。
 味噌つくりを終えて、各チームから感想を言ってもらいました。
「初めて作ったので大変だったけど楽しかった。」「最初は注意をして出来た」「協力して出来た」「こぼさないように注意してできた」などの感想が出ました。
 味噌はこれから塾頭室の床下で半年間寝かせます。大豆が麹菌(こうじきん)の力を借りて、自分で時間をかけてじっくりとおいしくなっていきます。みなさんも味噌と同じように、これから残りステージでじっくりと味のある人になれるようにがんばってもらいたいと思います。
■ 05月26日(土) あしおとツアー ~オカボ、レタスキャベツの草取り
 あしおとツアーに出かけました。前回4ステージに種まきをしたオカボは芽が出ているところと、まったく出ていないところとに分かれていました。不思議です。オカボ周りの小さな雑草が生えていたので、小さい今のうちに取りました。
 畑を移動して、3ステージに植えつけたレタス、キャベツの様子を見に来ました。ずいぶんと大きくなっていましたが、雑草も大きくなっていました。レタスを中心に除草(じょそう)をしました。
 みんな積極的に草をとり、レタス、キャベツ、同じ畑のサトイモの一部の畝がきれいになりました。プラミいっぱいの雑草と一緒に、みんなのがんばりの証拠写真!
■ 05月26日(土) 食当収穫 ~スナップエンドウの収穫~
 食事当番はみんなが草刈りをしている時に食材の収穫を行いました。スナップエンドウの収穫です。丸々太ったエンドウを選び、一つ一つ吟味(ぎんみ)しながら収穫しました。
 収穫したスナップエンドウは翌日の朝食と昼食で食べました。
■ 05月26日(土) 塾活動 ~通塾の話し合い~
 今までは、集合場所にスタッフがいましたが、今後スタッフがいなくて塾生だけで電車に乗らなければならないときがあるかもしれません。この時間は、集合場所の駅ごとに分かれて、万が一に備(そな)えて、共通の意識がもてるように話し合ってもらいました。
「スタッフがいなかったら?」「乗ってくるはずの塾生が乗ってこなかったら?」などの場面を想像しどのように行動することがいいか話し合い発表しました。
 どんな場合でも、まずはあわてずに落ち着くこと、年長者を中心に協力すること、マナーを守って行動すること。そして、何か困ったときは必ず塾に連絡すること。それらの行動を取れるように塾の電話番号と最寄り駅の公衆電話の場所や小銭テレホンカードを用意しておくことを確認しました。
■ 05月27日(日) 朝食前の瞑想(めいそう)
 今回は、3分間瞑想(めいそう)を行いました。これまでは外からの冷たい空気が流れ込み、寒さを感じましたが、この日の風は涼しさが気持ちよく感じました。
 塾生たちも姿勢良く季節の移ろいを感じたのではないでしょうか。
■ 05月27日(日) チーム農園作業
 この日も天候に恵まれ、絶好の農作業日よりでした。
 畑の様子を見て、計画をしてチームのメンバー全員で作業を確認してからスタート!
 各チームとも前回、だいたいの作物の植え付けが終わりましたが、一息つく間もなく、作業が盛りだくさん。害虫対策や、追肥土寄せ、ツルが良く伸びるようにネットを設置したチームもありました。
 最後に天気が続きそうなので、たっぷりと水やりをして終了。
どのチームも時間いっぱいまで作業をして、たくさん作業が出来ました。次回、チーム農園の様子はどのようになっているのか楽しみですね。
■ 05月27日(日) 活動の振り返り
 活動のまとめに塾頭よりお話がありました。
 「今回は少ない人数でスタートしました。土曜の夜には運動会が終わってにぎやかになりました。共同農園は少ない人数でラッカセイ、サツマイモをがんばって植えつけました。これから暑くなりますので、ますます体力と強い心を実につけて欲しいと思います。
今回でチーム農園の植え付けがほとんど終わったと思います。これからは世話をしっかりして収穫を待ちましょう。金曜日に人が少なかったので、もう1度「自主・自立・自律」を確認します。
 そして、昨日は味噌作りの先生、箕輪さんが『味噌のような人になってください』という話をしていました。味噌は材料の味を引き立ててくれます。みんなもチームのメンバーのいいところを引き出せるようにしてください。良いところを見つけていいチームになってください。」
■ 編集後記
 今ステージは、学校の運動会と重なり金曜日の夜に集まった塾生は16名でした。しかし、運動会が終わってからたくさんの塾生が活動に参加してくれて日曜日の農作業は賑やかでした。うれしく思います。また、少ない人数で、一所懸命作業を進めてくれました。素晴らしいことだと思います。また、味噌つくりも丁寧に作業を進めて、無駄なく材料がみんな味噌になってくれたと思います。また、様々な道具を使って活動をすごしました。道具とは、「道の具(そなえ)」だといいます。ここで指し示す「道」は「人生」だそうです。少し大げさかもしれませんが、今の塾生が使う農機具、学校での勉強道具、一つ一つの道具が「人生の具え(備え)」であるように大切に愛着を持ち道具を使って欲しいと思います。
K.M.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・握り寿司(新タマネギ、ニンジン、長ネギ、サニーレタス、リーフレタス、梅干し)
・すまし汁(新タマネギ、ダイコン)
・オニオンリング(タマネギ)

土曜朝食 ・ご飯・味噌汁(味噌、豆腐)・納豆の巾着焼き(長ネギ)・高野豆腐と厚揚げの卵とじ・おからのマヨネーズ和え(おから、新タマネギ)・煮豆(ニンジン)・チンゲンサイのきな粉和え(チンゲンサイ) ※大豆食品11品を使ったメニュー構成

土曜食 里芋ご飯(サトイモ)・すまし汁(新タマネギ、ニンジン、ダイコン)・塾野菜と鮭の味噌チーズ焼き(味噌、新タマネギ、ニンジン、ジャガイモ)・ダイコンサラダ(ダイコン)

おやつ ・豆乳プリン

土曜夕食 ・ご飯・味噌汁(味噌、新タマネギ、ジャガイモ)・スコッチエッグ(新タマネギ)・レタスサラダ(サニーレタス、リーフレタス)・スパゲティサラダ(新タマネギ、ニンジン)・ニンジングラッセ(ニンジン)・大学里芋(サトイモ)

日曜朝食 ・ご飯・味噌汁(味噌、新タマネギ、ダイコン)・塾野菜玉子焼き(タマネギ、ニンジン)・フキのベーコン巻き(フキ)・里芋のそろぼあんかけ(サトイモ)・セリのツナ和え(セリ)・佃煮・漬物(ダイコン、ニンジン)

日曜昼食 ・あんかけ固焼きそば(新タマネギ、ニンジン、キャベツ、スナップエンドウ)