2012.10.12~14
第15ステージ ~男子~
ステージテーマ:「里山ハイキングを通して自然と人間について考えよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から個人で一つを選んで取り組む」
 今回のステージは、シダンゴ山のハイキングがメインイベントでした。ハイキングの目的は、「五感を使って、自然を感じる」「やりとげる達成感を味わう」です。そのことを通して、「人と自然の関係について考える」ことにつなげて欲しいとステージテーマに掲げました。
 共同生活の目標は、今まで取り組んできた7つの目標の中から自分で選んで取り組みました。最初にどういう理由で選ぶかを全体で意見を出し合い、その後、各目標を決め、それに対して頑張るポイントを考えました。
■ 10月12日(金) 夜の集い ~塾頭さんのお話~
 活動のはじめに塾頭より話がありました。
「少し寒いくらいの季節になりましたね。ここは、平地よりも3度くらい気温が低いので暖かくして寝てください。
 前回は、学校行事でお休みが多かったですが、今回は体調を崩してお休みの人もいます。体調を崩さないように気をつけてください。ここも自然の中ですが、明日はもっと自然を満喫できると思います。
 ハイキングに行く目的として、1:自然の素晴らしさ、大切さを感じてほしい。そして、植物や動物がどんな風に関わりあっているのか考え、人間はどうか関わり合って生きていくべきか考えてほしいです。2:自分自身の気力・体力を確かめてほしい。体の小さい子には大変なところがあるかもしれませんが自分の力で最後まで登りきってほしいです。頂上では素晴らしい景色が待っています。最後に、ここまで来れたことに感謝もしてください。」
■ 10月12日(金) 夜の集い ~ハイキング前スライドショー~
 明日のハイキングが、楽しく歩けるように見つけられそうなものを中心に虫や木、足跡や食痕(しょっこん)などのフィールドサインを写真で紹介しました。
 スタッフの「気になる木」も紹介しましたが、明日見つけられるでしょうか?
 多くの塾生が声を上げて反応をして、明日への期待を高めているようでした。
 
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~出発~ 
 調理師さんが作ってくれたお弁当、事務のスタッフが用意してくれたおやつとお茶を忘れずに持って、準備体操をして出発しました。
 塾で身につけて欲しい安全危険を知る力として「自分の身は自分で守る」こと、フィールドマナーとして「ごみをすてない」「石を投げない」「生き物を傷つけない」ことを約束しました。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~登山道入り口~ 
 登山道の入り口では、地図をみてこれから歩くルートを確認しました。
「今日は、2つの山の頂(いただき)を通過してシダンゴ山を目指します。」
 「ここからは、人間の住む世界ではない。動物たちが棲(す)む世界である。そして、自分たちも動物の一種、感覚を呼び覚まして動物に戻って歩こう。」
 
 普段一番使っている感覚、視覚を閉じて耳を澄(す)ましたり、風を感じたりしながら他の感覚を開く体操をしました。
 そして、動物や植物の森にお邪魔していることを忘れずに!静かに入っていきました。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~宮地山~ 
 1つ目の山頂、宮地山ではプログラム「空き缶探し」を行いました。
スタッフが隠した空き缶を見つけるというシンプルなプログラムなのですが、レベルが上がるにつれてなかなか見つけられない塾生もいました。下のほうばかりを探していると実は上のほうにあったり、最後はとても意外な場所についていたり・・・
 自分の固定概念(こていがいねん)を捨てて、視野を広げていろんな場所を観(み)てみると思わぬ発見があるかもしれませんね。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~ネイチャービンゴ~ 
 続いて、次の山頂までの間はビンゴカードを配り、ひとりひとりカードに書いてあるものを探しながら歩きました。
「自分の顔より大きな葉っぱ」
「さわりごこちのよいもの」
「音のするもの」
「自分が見つけたお気に入り」など
 よく観てみると森の中にはいろんなものが落ちています。
 触(さわ)ったり、においを嗅(か)いだりと五感を使ってビンゴを楽しんでいました。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~タコチバ山~ 
 2つ目の山頂、タコチバ山では、休憩を取りながらビンゴで見つけたものをチームごとに発表しあいました。
 同じお題でも人それぞれ見つけたものが違い、自然の多様性、感覚の多様性を感じる事が出来たのではないでしょうか。
■ 10月13日(土) おまけ-1 ~ハイキング中のひとコマ~ 
↑昨日の夜スライドで見たスタッフの「気になる木」を見つけました。 ↑ハイキング途中の橋でボランティアの西野さんを囲んで記念撮影
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~山頂~ 
 山頂まで残り300mのところで「ヨーイドン」で一斉(いっせい)スタートをしました。
 300mといっても階段が200段以上続く、キツイ坂道です。自分に負けないで頂上を目指した勇士たち、いい顔をしています。
 
この日は、いい天気で海までみることが出来ました。みんなで江ノ島を探しました。(写真左)シダンゴ山頂上指令「富士山に向かってありがとうと叫ぼう」(写真右)指令が終わった後に、みんなで集まり何に感謝をしたのか考えました。「自然」という声が多く上がりましたが、塾としてはそれだけではなく、登山道を整備してくれる人やお弁当をつくってくれた調理師さん、ここに送り出してくれるお家の人などたくさんの人に支えられていることを感じて欲しいと願っています。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~お昼~ 
 朝早くから調理師さんが作ってくれたお弁当をみんなで仲良くいただきました。クリやサツマイモなど秋がたくさんつまっていて、五感のうちの味覚で季節を感じました。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~記念撮影~ 
 山頂で全員そろって記念撮影!おいしい空気を吸って、きれいな景色も見て、お弁当でおなかも満たされ達成感にあふれた顔をしています。
■ 10月13日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」  ~めだまっちを探せ~
 山頂を下ったところでプログラム「めだまっちを探せ」を行いました。
何気ない森の中、一見何もないようだけれど、目玉シールをもって森に入ると見えなかったものが見えてくる。想像力を膨らませて、いろんなめだまっちを探しました。
 あっという間に、森の中にめだまっちがたくさん現れ、みんなで紹介をしあいました。

←これは、木の皮のところに横を向いた人の顔のめだまっち!!見えるでしょうか?
一度見えるともうそれにしか見えてこないから不思議ですねー。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~森の芸術家~ 
 人工林の林のところで、本日最後のプログラム「森の芸術家」を行いました。
塾生たちには、芸術家になってもらい今日体験してきたことを含めて「シダンゴ山」をチームで表現してもらいました。意見が割れているところもありましたが、作っているうちにアイデアが湧(わ)いてきたり、考えがまとまっていったようでした。
 山の形や頂上の様子、山頂で見た富士山を表現したり、シダンゴ山の終わりと始まりと大きなテーマのものまでありました。
■ 10月13日(土) 塾活動 
「シダンゴ山ハイキング」 ~森の遷移・里山の話~
 最後に、森の遷移の話と里山の話をしました。
 一見動かないように見える山が実は成長の途中にいて、人間と同じように世代交代がされていること。楽しく歩いてきた山や森が問題を抱えていること。時代によって価値観が変わること。手のついていない自然林と里山の雑木林では、見方によっては雑木林の方がたくさんの生き物がいて自然豊かなこと。・・・
 楽しく過ごしてきた自然の現状をまずは知り、自分は何を良しとするのか自然と人間の関係について考えることをやめないで欲しいと思います。
 
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~帰宅~ 
 具合の悪くていけなかった塾生と事務で残ってくれていたスタッフが、ゴールテープを用意して待っていました。「おかえり」と自分たちの無事を心配して待っていてくれる人がいることに感謝ですね。
■ 10月13日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」 ~ふりかえり・感想~ 
 全員が下山したところで、塾庭に集まり円になって今日の一日を振り返りました。
 9時に出発して16時に下山する長いハイキングを終えて、直後の感想を一言ずつ言いました。疲れた中にもそれぞれに心の揺れがあったこと、みんなで登れたことへの嬉しさが伝わってきました。
■ 10月13日(土) 夜の集い ~森の句会~
 夜の時間には、今日のハイキングの発見や感動を五・七・五の俳句にまとめて発表をしました。みんなの前で発表するということで緊張をしていた塾生もいましたが、それぞれの視点や感覚、表現を活かした素敵な俳句になっていました。
「森林で 鳥と囁(ささや)く 木々の精」 
「のぼりきり たっせいかんを あじわった」
「松の木の 下でリスが ちょうり中」
■ 10月14日(日) おまけ-2 ~スタンドアップ・テイクアクション~
 10月17日の世界貧困デーにあわせて行われているスタンドアップ・テイクアクションに参加する写真を撮影しました。
 これは、「世界の貧困と飢餓を撲滅しよう!」という私達の意志を各国のリーダーに届けるという活動です。
 前日の夜に説明を聞き、小さなことでも自分たちに出来ることからはじめようと決意しました。
■ 10月14日(日) 共同農園作業 ~葉物野菜の種まき~
 卒塾式の食材になるようにと今回、カブとコマツナの種まきを行いました。2cm間隔に1粒ずつ種をまくとても細かい作業です。土をかぶせると種は見えなくなってしまいますが、蒔かれた場所から芽を出します。どんな風に芽が出るかとても楽しみです。そして、卒塾式までしっかり世話をしていきましょう。
■ 10月14日(日) チーム農園作業
 短い時間でしたが、どのチームもしっかり作業を行っていました。作業の分担の仕方や進め方に各チームの特徴が出ていて面白かったです。
 一人が一つの作物を担当しているチーム、全員の興味がサツマイモの収穫にあるチーム、チームのメンバーの個性を認めて受け入れているチーム、前回休んでいたメンバーに収穫を担当してもらっているチーム・・・など
チームの畑の作物と共に塾生たちの成長を感じる時間でした。
ジャガイモの土寄せ、しっかりできていてかっこいい畑になっていました。(写真左)
サツマイモの収穫、まん丸のイモが出てきました。(写真右)
■ 10月14日(日) ステージのまとめ
 ステージを終えるにあたって、塾頭より話がありました。
「天気も良くて暖かかったですね。ハイキングやチーム農園では協力をして頑張っていました。今年は、チーム農園のハクサイやジャガイモが大きく育っていますね。昨日は、シダンゴ山に登り、富士山を見ることが出来ました。戻ってきてからの感想でもいろんな意見を聞けました。みんなで最後まで頑張れてよかったです。自分で登りきれたことに自信を持ってください。
そして、3つのことに感謝をしてください。1つ目は、迎え入れてくれた自然に対して、2つ目は、登山道を整備してくれている人に対して、3つ目は、お弁当を作ってくれた調理師さん、送り出してくれたお父さんお母さんに対してです。昨日は、色々と森のことを学んだと思います。自然はいろんな形で関わりあっています。山は海とつながっています。それはどういうことかというと、海は川とつながっていて、川が汚くならないためには木が必要です。木が生えているところが山です。全てが循環をして関わりあっています。だから山を守ることが大切です。今回感じたことを家族でも是非話し合ってみてください。」
■ 編集後記
 今回、「人の邪魔(じゃま)をすること」「人のせいにすること」は許さないという話を金曜日の夜にしました。私は、自由というものは他の人に迷惑をかけないところにあると考えています。そのことを塾生にわかって欲しいと思い「人の邪魔をすることは許さない」と話しました。また、社会で起きているさまざまな問題は、誰かが悪いことをしているだけでなく関係ないと思っている多くの人が引き起こしていると考えます。そこで、「人のせいにするのではなく、そのとき自分に何が出来たのか考えて欲しい」と話しました。
 里山ハイキングやスタンドアップ・テイクアクションなどで、まずはいろんなことを感じ、そして現状を知り、問題を自分の事としてとらえ自ら行動を起こせる人、考え続けられる人になって欲しいと願っています。
K.S.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・ピラフ(ピーマン、パプリカ、ニンジン)
・ピーマンの肉詰めトマト煮スープ(ピーマン、パプリカ、トマト)
・ピーマンカップポテトサラダ(ピーマン、ジャガイモ、ニンジン)

土曜朝食 ・五色丼(ニンジン、コマツナ、チンゲンサイ、大根の葉、ショウガ)
・味噌汁(味噌、間引き大根、ジャガイモ)

土曜昼食 ・富士山型おにぎり(梅干し)
・金平ゴボウご飯いなり寿司(ゴボウ、ニンジン)
・唐揚げ
・玉子焼き
・タコさんウインナー
・肉団子の甘酢あんかけ
・茹で栗(栗)
・大学イモ(サツマイモ)

土曜夕食 ・大根の葉とベーコンの混ぜご飯(間引き大根)
・中華スープ(ニンジン、ピーマン、パプリカ)
・ホイコーロー(ニンジン、ピーマン、パプリカ、ナス)
・中華春雨サラダ(ニンジン、ピーマン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ナス、コマツナ)
・コンニャクのゴボウ巻き煮(コンニャク、ゴボウ)
・ネギ味噌油揚げ焼き(味噌、長ネギ)
・サツマイモの茎の金平(サツマイモの茎)
・サツマイモサラダ(サツマイモ、ニンジン)・インゲンのゴマ和え(インゲン)・コマツナの梅和え(コマツナ)・モロヘイヤとオクラのおかか和え(モロヘイヤ、オクラ)
・佃煮

日曜昼食 ・コンニャク焼き(コンニャク、長ネギ、ショウガ)
※たこ焼きのコンニャク版
・まん丸ホットケーキ(青トマトジャム)