2011.09.09~11
第13ステージ ~男子~
ステージテーマ:「収穫に汗を流し、達成の喜びを感じよう!」
共同生活の目標:「整理整頓清掃清潔」-2
 今回の活動は、暑さが残る、まさしく「残暑」の中、活動が行われました。農作業として、第2ステージに深く穴を掘って畑を耕し、種まきをしたゴボウの収穫です。今回も深く穴を掘らなければ収穫できません。そこで、ステージテーマを「収穫に汗を流し、達成の喜びを感じよう!」としました。活動も残り1/3ということで、ゴボウの生長とともに自分たちの成長も感じられるよう汗を流し、収穫する達成感を味わってもらいました。
 共同生活の目標は「整理整頓清掃清潔」の2回目です。今回は以前と同様にそれぞれの意味を確認し、意識して取り組みました。
■ 09月14日(金) 夜の集い
 活動を始めるにあたって、塾頭よりお話がありました。
「ようやく秋の気配がしてきました。しかし、日中は暑い。とても残暑が厳しいです。秋に植えつけた作物にとっては一雨欲しい時です。野菜も、お百姓さんもピンチです。いつもこの季節は、台風が来ますが、今年は台風が来ません。台風は時には脅威(きょうい)ですが、田畑を潤す雨が降ります。自然からの恵みは素晴らしいです。自然と一緒に生きていくことが大事ですね。
 活動も13ステージまで来ました。ステージも2/3が終わりました。あっという間でしたね。残りのステージ、有意義に過ごして欲しいと思います。
 第2ステージに種まきをしたゴボウを覚えていますか?みんなが一所懸命やった証拠が明日わかります。楽しみにしていてください。みんながこれまで鍛えた精神力、体力を存分に発揮してください。
 今までの2/3のステージで色々なことを学んできました。みんなは身についていますか?身に付くとは、体が覚えていて、次の動作が自然と出来ることです。
 もちろんできる人もいますが、出来ない人もいます。出来ない人は努力が足りないではないでしょうか?覚えようとしよう、良いことはやろうという気持ちが不足しているのではないでしょうか?そして、良いことは続けようとすることが大切。世の中の当たり前のことを自然に出来るように身につけて欲しいです。「やる時はやる」、「けじめをつける」ことです。人として生きていく、基本的なことが身につけて欲しいと思っています。
明日のゴボウ収穫は、今まで身につけてきた精神力で頑張りましょう。」
■ 09月14日(金) 包丁の使い方
 前回まで調理をする時にあまりに包丁の使い方が違う塾生が多かったので、改めて包丁の使い方を調理師さんから教えていただきました。
 材料をおさえる手の形、置き方、野菜の切り方、包丁の洗い方など再確認です。
■ 09月15日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの収穫~
 秋晴れのいい天気!非常に暑くなりそうな予感。

 スコップを持って、意気込み十分!気合を入れて出発!
 まずはスタッフの見本を見て、各自、収穫するゴボウを選んで掘りはじめました。
 この日は本当に残暑が厳しく、少し動くだけで汗でびっしょり!こまめに水分を取りながら作業を進めていきました。
掘り始めは、土が硬く、なかなか進まず、暑さにめげる塾生が続出するかと思いましたが、みんな真剣に掘り進めました。
 勢いに乗ってどんどん掘り進めます。しかしながらゴボウの先端はなかなか見えません。途中、木の根が出てきたり、いくつにも枝分かれしていたりと様々な障害が塾生たちの前を阻みます。
 穴の中に頭をすっぽり入れてゴボウの先端を探す塾生、穴の中に入って作業を進める塾生、夢中になってゴボウを傷つけないように掘り進めていました。
 
 収穫が出来たら、記念撮影!!
満足な顔、喜びの笑顔、疲れきった顔、塾生たちのいろんな顔が見られました。
太いゴボウ、長いゴボウ、枝分かれのゴボウといろんなゴボウを収穫!一番長かったものは79cm。傷つけずに粘り強く掘り上げました。
自分で収穫したゴボウは、どこで売っているゴボウよりも価値のあるものとなったことでしょう。
■ 09月15日(土) チーム会議
 以前チームでの約束事を書いたシンボルを見ながら今までの活動を振り返り、チーム会議を行いました。
 残り1/3ステージで目指すべきチームをみんなで考えてもらいました。
 まずは書かれていること一つ一つ、出来ているかどうか確認をしながら始めました。
 出来ていることと出来ていないことを確認して、出来ていないことに対してどのようにすればできるようになるのか話し合い、また新たに約束事を書き加えました。

 しかしながら、チームの話し合いを見ているとただ単に出来ていないメンバーを攻め、話し合いとは程遠い状態でした。
 そこで、ボランティアの百瀬さんから客観的に見えたチームの様子を話してもらいました。
 「みんなが話していることを後ろで聞いていました。いろんなことを言ってるんだけれども、みんな「お前のせいだ!」と言っている。果たして自分はどうなんだ?と聞きたい。いいチームはこんなチームだとわかっているんだけど、誰もやっていない。自分がやらなくて全部人のせいにしている。ひとりひとり全員が。それじゃ、絶対いいチームにならない。
書いてあることを実行していますか?書いてあることを一つ一つ全員がやればすごくいいチームになると思う。人のせいにしていたら絶対出来ない。
一人で出来ないことを大勢が集まって、できるようになるのがチームです。5人が集まって、6人分7人分の仕事をするのがいいチームなんです。3人、4人分しか出来なかったらチームじゃないよね。お前が悪いと言っているようではチームじゃない。自分はどういう行動だったかそれぞれが振り返って反省して欲しいと思います。これだけいいことが書いてあるんだから。絶対いいチームになるはずだよ。」
 塾生たちは神妙な顔つきで百瀬さんのお話を聞いていました。他人に流されることなく一人一人の実行力が良いチームになる原動力です。がんばってもらいたいと思います。
■ 09月15日(土) 共同農園作業 ~ダイコンの種まき~
 共同農園ではダイコンの種まきをしました。
 もう畝たてもスムーズに行えます。手馴れたものです。みんなで協力して短い時間で畝たてが終わりました。
 畝をかまぼこ型に整えて、種まき。
このダイコンは漬物用のダイコンで、この冬に収穫して、干して漬け込みます。来年の塾生の食材になるのです。
 午前中の疲れが見え始めましたが、頑張って種まきを終えました。
■ 09月15日(土) 共同農園作業 ~秋野菜の世話~
 引き続き、先週植付けを行った秋野菜の追肥土寄せを行いました。
 チームごとに作業する畝を決めて作業開始。まずは雑草抜きをしてからの作業となりました。
 しかし、一部の塾生を除いて集中力が切れてしまい手を動かさずにおしゃべりに夢中になっていました。目の前の作業が終わるとまだ終わっていないところがあるのに手伝わず…。
確かに午前中のゴボウの収穫で力を使い果たしてしまったのかもしれませんが、非常に残念でした。
■ 09月15日(土) 自然災害時の危険予知訓練
 9月1日の防災の日にちなんで、自然災害時の危険予知訓練を行いました。自然災害は人間がどんなに注意をしても防ぐことは出来ません。なので、自然災害がどのようなものがあるのか、起こる前に準備するものや、起こった時にどのようなことをすれば良いのか、クイズを交えて塾生たちに考えてもらいました。
 自然災害と聞いて思い浮かべるものを塾生たちに上げてもらいました。地震、雷、津波、大雨、洪水、土砂崩れ…たくさんの災害があがりました。
 その中で、暴風、大雨、地震について普段から準備できることを学びました。
 自宅に帰ってから、家族の人と話が出来たでしょうか?
■ 09月16日(日) チーム農園作業
 今回のチーム農園作業は、夏野菜を片づけた後の畑に秋野菜の種まきや植え付けを行いました。
 この日も残念ながら集合時間が守れませんでした。集合場所の塾庭には何人かいたのですが、遊んでいて実際に意識して集合したのは1人だけでした。そこで、全員が集まった時に、この塾へ学びに来ているのかを再確認して、チームごとに作業を開始しました。
 前回だけで終わらなかった畑の耕運。雑草を取り除き、全面をクワを使ってチームメンバー全員で力をあわせました。
 スイカに使っていた虫除けネット。その役目を終えてきれいに洗って片付けました。
 どのチームも秋野菜の苗の植え付け、種まきに大忙し。途中雨が降りましたが、そんなことに構わず、どのチームも時間いっぱいまで一所懸命作業をしました。 
■ 09月16日(日) 活動の振り返り
 活動を終えるにあたって塾頭よりお話がありました。
「今回は暑い中よく作業をしました。昨日は暑い中ゴボウを堀っている姿を見て、一所懸命やっていると感動しました。これまでの12ステージの間、いろんなことを体験し、その成果として一所懸命やれたと思って感心しました。ゴボウを持ち帰って家族と収穫の喜びを味わってもらいたいと思います。
 この市村自然塾では面倒なこと、苦しいこと、辛いことわざわざやってもらっています。そういう体験からいろいろなことを学んでもらいたいと思ってます。
 人は面倒なこと苦しいこと、辛いことをやりたがらない。でも、楽しいこと、楽なことだけして生きていけない。楽ばかりしていると、周りに人がいなくなります。友達がいなくなります。苦労や大変なことをする事で信頼が得られるのです。苦労をするからいろんなことを学べ、相手の気持ちがわかります。感動、感謝の気持ちもわかるし、達成感も得られる。絶対に、苦労や大変なことから逃げずにやり通すことが大切。やらなければならない苦労は積極的に人のためにとってやってもらいたい。人に押し付けるのではなく頑張るようにしましょう。
 今回のステージもスタッフからいろいろと小言を言われてしまいました。でも、私は、みんなできると思っている。もう少しだと思う。もう一歩、人の気持ちを考えるといいでしょう。自分の勝手な行動はしないように。そうすれば、きっといいチームワークができる。チーム会議でいろんなチームの問題など話し合ったと思います。百瀬さんからもいい話があった「人のせいにするな」と。その通りだね。人のせいにしない。決めたことを実施しよう。自分勝手な行動や、自分の欲望を抑えて行動するようにお願いします。」
■ 編集後記
 塾での生活にはすっかり慣れて、掃除などは自ら進んでできるようになりました。しかし、よく見てみると、自分のやりたいことは積極的に選び、やりたくないことは他人に押し付ける。大変なこと、面倒なことは自分ではない誰かに。チームでの行いが悪いことは全て他人のせい。他の塾生が楽しそうなことをしていると、やるべきことをやらず楽に流される塾生が多くいます。すべての塾生がそうではありませんが、周りに流されないことは、なかなか難しいことかもしれません。自分自身に強くなってもらいたいと思います。
 自ら考え、行動し、自分自身の行いを改められるよう、「自主・自立・自律」ができるように支援していきたいと思います。
K.M.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・長崎名物トルコライス(ニンジン、ピーマン、パプリカ、ミニトマト、ニンニク、唐辛子)・コンソメスープ(ニンジン、ナス)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ジャガイモ、ナス、豆腐
)・ピーマンのおから詰めあんかけ(おから、ニンジン、長ネギ)・インゲンのハム巻き(インゲン)
・インゲンの油揚げ巻き煮(インゲン)
・冷奴(豆腐、オクラ、長ネギ、ミョウガ、青ジソ)
・漬物(ニンジン、ナス、キュウリ、ミョウガ、青ジソ)

土曜昼食 ・ご飯
・すいとん汁(小麦粉、ニンジン、ゴボウ、長ネギ)
・秋刀魚の塩焼き(スダチ)
・ゴボウサラダ(ゴボウ、ニンジン)
・おからの炒り煮(おから、ニンジン)
・ナスのショウガ炒め(ナス、ピーマン、パプリカ)
・ミョウガの酢味噌和え(味噌、ミョウガ)
・漬物(ニンジン、ナス、キュウリ、ミョウガ、青ジソ)

おやつ 梅アイス(梅ジャム、梅シロップ)

土曜夕食 ・ご飯
・すいとん汁(小麦粉、ニンジン、ゴボウ、長ネギ)
・カボチャコロッケ(カボチャ)
・ピーマンのはさみ揚げ(ピーマン)
・サラダ(ニンジン、ピーマン、パプリカ、トマト)
・ピーマン春雨(ピーマン)
・漬物(ニンジン、ナス、キュウリ、ミョウガ、青ジソ)

日曜朝食 ・ご飯・味噌汁(味噌、ナス、ジャガイモ)
・トマトオムレツ(トマト)
・ピーマンの炒め物(ピーマン)
・金平ゴボウ(ゴボウ、ニンジン)
・ネバネバ野菜のおかか和え(モロヘイヤ、オクラ)
・漬物(ニンジン、ナス、キュウリ、ミョウガ、青ジソ)
・佃煮

日曜昼食 ・焼きうどん(ニンジン、ピーマン、パプリカ、ナス、インゲン、自然塾小麦粉で作ったうどん)
・栗まんじゅう(小麦粉、栗)