2012.06.15~17 | |
第07ステージ ~男子~ | |
ステージテーマ:「収穫したジャガイモを使って、チームで協力してコロッケを作ろう!」 共同生活の目標:「何事も心をこめてきちんと丁寧に作業する」 |
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第1ステージに塾生たちが植え付けたジャガイモが、いよいよ収穫の時期を迎えました。しかし、土曜日は雨のため、塾生自身が収穫することは出来ませんでした。そこで、塾生たちが世話したジャガイモを事前にスタッフが堀り上げておき、そのジャガイモを使ってみんなでコロッケを作りました。 日曜日は雨があがったので、昨年度の塾生が秋に種をまいたコムギを収穫しました。 今回は上記のように共同生活目標を掲げました。「きちんと丁寧に作業するためには、どのような心をこめれば良いのか?」を考えながら、①掃除、②食事、③塾活動・農作業、の3点をより丁寧に行うように意識して過ごしました。 |
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■ 06月15日(金) 塾生到着 | |
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午後7時頃、塾生を乗せたバスが自然塾に到着しました。まだ空が明るいです。第1ステージでは、バスが着いた時は辺りが真っ暗でした。 日が伸びてきて、暑い夏が近づいている証拠ですね。 |
■ 06月15日(金) 夜の集い | |
ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。 | |
「あっという間に全体の1/3のステージが終わりました。もう一度初心に返りましょう。自分は何をしたいと思ってこの塾に入ったのかを思い出して、達成できるように頑張って下さい。この塾は、農作業を通して生きる力を大地から学ぶことを大切にしているので、これからも一所懸命取り組んで下さい。 食事についてもう一度話をします。この塾には『出されたものは全て残さずよく噛(か)んで食べる』という教えがあります。よく噛んで食べると、『顔が引き締まる』、『消化を助ける』、『気持ちが落ち着く』など、良いことがたくさんあります。 明日は掘りたてのジャガイモを使ってコロッケを作ります。美味しくいただいて、自然の素晴らしさと、収穫の喜びを感じてほしいと思います。」 |
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■ 06月15日(金) 年間活動の1/3を終えて | |
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塾の活動が始まってから、1/3のステージが終わりました。 今までどんな活動や農作業をやってきたかを思い出し、みんなで次々と挙げていきました。また、これまでの塾活動を経て、どんなことが出来るようになったかを振り返り、塾生手帳に書きました。 塾生たちには、これからの塾活動一つ一つに一所懸命取り組み、さらにたくさんのことを出来るようになってもらいたいと思います。 |
■ 06月16日(土) 塾活動 ~親子大会塾生企画の準備(1回目)~ | |
自然塾では、8月に「親子大会」を行います。塾生の家族の方に、塾生が自然塾でどんな活動をしているのかや、今までの活動の成果を見てもらう場です。親子大会には、普段活動しているチームとは違うメンバーでグループを作り、自分たちで企画・準備・運営を行い、参加者の方に楽しんでもらう「塾生企画」があります。 | |
まず、企画グループ作りの準備として、全員で「自然塾といえばどんなもの(こと)を連想するか?」を考えて、キーワードを次々と挙げていきました。 その中から自分たちが好きなキーワードを選んで、同じキーワードを選んだ塾生同士でグループを作りました。 |
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その結果、「自然(全般)」「自然(川)」「学ぶ」「生き物と時間」の4つのグループが出来ました。 グループごとに、次は企画の内容を考えました。自分たちが選んだキーワードをもとに、どんな企画を立てて参加者に楽しんでもらうかを考え、アイデアを出し合いました。 |
■ 06月16日(土) 塾活動 ~チーム農園看板作り~ | |
午前の後半は、チームごとにチーム名と作物名の看板を作りました。 ステージ担当から、のこぎりやかなづちの使い方の説明があった後、チームで分かれて作業しました。 まずは板材を切る作業です。必要な長さのところに印をつけて、切り口が曲がらないよう慎重(しんちょう)に切っていきました。 |
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板材が切れたら、杭(くい)用の角材の上に重ねて釘(くぎ)で打ちつけました。 塾生たちは早くもコツを覚え、手際(てぎわ)よく釘をまっすぐに打ちつけていました。 「カン!カン!カン!」とリズム良くかなづちをたたく音が、土間いっぱいに響いていました。 |
看板の形になったら、作物の名前やチーム名をペンで描きました。 文字の色を変えたり、野菜の絵を描いたりして、各チーム様々な工夫をこらしていました。 描き上がった看板の文字が読みやすいか、確かめているチームもありました。チームメイトに看板を遠くから見てもらい、「文字が見えるー?」「見えるよー!」と声をかけあって確認していました。 |
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看板が完成し、チームごとに記念撮影をしました。どのチームも素敵な看板が出来上がりました。 | |
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■ 06月16日(土) 塾活動 ~岩下先生のマナーのお話~ | |
昼食後、現代礼法研究所代表、NPOマナー教育サポート協会理事長の岩下宣子先生をお迎えして、マナーのお話をしていただきました。 | |
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「昨年の3.11の大地震では、ケガをしたあるおばあさんが『私よりもっとひどいケガをした人たちがいるから、その人たちを助けて!』と救助に来たお医者さんに言ったそうです。その様子は報道され、世界中の人々がおばあさんの思いやりの心に驚き、感動しました。 マナーは愛です!愛は英語で『LOVE(ラブ)』ですが、『LOVE』という言葉が日本に入ってきた時は『愛』ではなく『ご大切』と訳されました。愛とは、自分を大切にするように、人や物を大切にする心なんです。マナーを覚えて、その場その時、『あなたを大切にしています』という気持ちを行動で表せるようになりましょう。」 |
岩下先生から、座布団の座り方、障子(しょうじ)を開けて部屋に入る時の作法、箸の持ち方など、色んなマナーを楽しい話を交えて教えていただきました。(右写真は、みんなで座布団の座り方を練習している場面です。) その後、食事のマナーに関するクイズを出していただきました。 塾生たちは2人1組になって、真剣にクイズに答えていきました。答え合わせの時には、正解する度に歓声が沸き起こるほど熱中していました。 |
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■ 06月16日(土) 塾活動 ~コロッケ作り~ | |
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雨で収穫が出来なかったので、事前にスタッフが準備しておいたジャガイモを使って、チームごとにコロッケを作りました。 まずジャガイモを1/4に切り、調理師さんにお願いしてふかしてもらいました。 ふかしたジャガイモは、熱いうちに皮をむきます。 |
ジャガイモの皮をむいている間に、タマネギをみじん切りにします。 なかなかうまく切れない塾生は、調理師さんからみじん切りの方法を教わりながら作業を進めました。 また、何人かの塾生は涙をぽろぽろこぼしながら、タマネギが目にしみるのを耐えて頑張っていました。 |
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ジャガイモの皮がむけたら、つぶします。 つぶす作業と並行して、ホットプレートでひき肉とみじん切りにしたタマネギを炒(いた)め、塩こしょうで味を調(ととの)えます。 |
つぶしたジャガイモ、ひき肉、タマネギを混ぜ合わせ、人数分で均等に分けます。 分けた具は小判型に形を整え、小麦粉、どろ(小麦粉を溶かしたもの)、パン粉の順につけていきます。しっかりつけなければ、揚げている時にコロッケの形が崩れたり、破裂したりしてしまいます。 塾生たちは、小麦粉をつける人、パン粉をつける人といった具合に、それぞれ分担して作業を進めました。 |
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揚げる作業は、調理師さんにお願いしました。 その間に、塾生たちは他のおかずを盛り付け、配膳をしました。配膳は食事当番の時にやっているのですが、今回は自分たちでどこに何を盛り付けるか決めなければなりません。どうしたらキレイに盛り付けられるか考えながら、おかずを盛っていきました。 |
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コロッケが出来上がりました! きつね色にこんがり揚がって、どのチームのもおいしそうです。 |
最後にコロッケを盛り付けて完成です。「いただきます」のあいさつをしたら、さっそく大きな口でコロッケにかぶりつきました。 自分たちが世話をしたジャガイモで作ったコロッケの味は、格別だったようです。みんな夢中でほおばっていました。 「ぼくたちのチームのコロッケが一番おいしいよ!」と、どのチームの塾生も得意げに言っていました。 |
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■ 06月16日(土) 塾活動 ~親子大会塾生企画の準備(2回目)~ | |
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夜の時間は、午前中に行った塾生企画の準備の続きを行いました。 どのグループも、どんな企画を実施するかアイデアが出揃(でそろ)いました。話し合いが早く進んだグループは、次回にむけて準備の段取りを立てました。 準備できる時間は、あまり多くありません。参加してくれる人たちのことを考えて、メンバーみんなで企画を盛り上げていきましょう。 |
■ 06月17日(日) 集合 | |
日曜日の朝、集合時間になってもほとんどの塾生が集まってきませんでした。結局、塾生全員が揃(そろ)ったのは、集合時間から10分以上経った後でした。 ステージ担当から厳しい言葉を受け、塾生たちは次に集合する時には遅れないようにすると約束しました。 |
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■ 06月17日(日) チーム農園の観察と次回の作業計画 | |
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前の日に雨がたくさん降って土が湿っていたため、チーム農園の作業は出来ませんでした。 そこで、次回のステージで十分に作業できるように、作物の様子を観察して必要な世話を話し合いました。 |
このチームは、作物の病気対策に使う灰を作っていました。次回のチーム農園作業で使うために、今のうちから準備していました。 | ![]() |
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「トマトの芽欠きをやりたいね。」 「トウモロコシを間引きしなきゃ。」 作物の様子を見て、次回やるべき世話を確認したら、忘れないうちに作業計画表に書きました。 |
■ 06月17日(日) 共同農園作業 ~コムギの収穫~ | |
10期生が種まきしたコムギが収穫時期を迎えました。前の年の塾生から次の年の塾生に世話を引き継ぐ作物を、市村自然塾では「リレー作物」と呼んでいます。 ステージ担当から、「先輩たちが残してくれた実りを一粒も無駄(むだ)にしないように、丁寧に作業して下さい」という話と、刈り方の説明を聞いてから作業を始めました。 |
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のこぎり鎌(かま)を使ってコムギを刈り取り、麻ヒモで束ねます。この時、結び方がゆるいと、干している間にコムギの穂が落ちてしまいます。 |
刈り取ったあとには、コムギの穂がたくさん落ちています。 スタッフは、塾生たちに落穂(おちぼ)を残さず拾うように声をかけました。 しかし落穂を拾う時には、塾生たちは集中力を切らしていました。畑の生き物を追いかけたり、おしゃべりしたりして、作業が進まなくなりました。 |
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収穫する態度の悪さを見かねて、作業の途中でしたが塾生たちを塾舎へ連れて帰りました。 「私は怒っています。みんなは刈ったコムギを束ねず、落穂をそのままにして遊んでいました。このままではコムギが無駄になってしまい、心をこめて種をまいてくれた10期生の気持ちも無駄にしてしまいます。だから作業を止めました。遊びたいのか、それとも作業したいのか、これからどうしたいかを自分たちでよく考えてください。」 |
いっぽう畑では、塾頭とスタッフが残りの作業を済ませてくれていました。 塾生たちは話し合い、年長者が代表して、 「集中して取り組むので、作業をさせてほしい。」と塾頭に謝罪しました。 それを受けて塾頭から「それならば、まだ収穫したコムギを干す作業が残っているから、みんなで協力してやろう。」と提案がありました。 |
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収穫したコムギはよく乾かさなければ、芽を出して食べられなくなってしまいます。そのため、刈り取った後に「はざがけ」にして自然乾燥させます。 ベランダの干し場までは距離があり、コムギを一度に持って運べません。 そこで塾生たちは1列に並んで、バケツリレーの方法で、収穫したコムギの束をベランダへ運びました。 |
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コムギを落とさないように声をかけあい、あっという間に全てのコムギを干すことができました。 運んでいる間に落ちてしまったコムギの粒は、無駄にしないようにほうきで掃(は)き集めました。 塾生たちは、反省を態度で示そうと真剣に取り組んでいました。 |
■ 06月17日(日) ステージのまとめ | |
ステージの終わりに、枝村塾頭からお話がありました。 | |
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「コムギの収穫では、少ししか刈り取れず残念な結果となりました。少し集中力が欠けていましたね。でも、私は本当はみんな一所懸命取り組むことが出来るのだと信じています。自分のわがままを抑えて、人に対しても野菜に対しても思いやりを持つようにしましょう。 この塾をつくった浜田さんは、『心をこめてきちんと丁寧にやることは全ての基本だ』と言われました。ゆっくりでも構わないので、きちんと丁寧に作業するようにしましょう。いい加減に取り組むと、いい加減な人にしかなりません。 ジャガイモは、残念ながら雨で収穫することが出来ませんでした。でも、とても良く生長しています。最初に植えた種イモの10倍もの収穫量になっています。みんなが一所懸命世話したおかげですし、自然の力のおかげでもあります。ジャガイモの命を頂いて、おいしいコロッケを作って、食べることが出来ました。作物の命や、自然、塾に通わせてくれる両親に感謝の心を持ってほしいと思います。」 |
■ 編集後記 | |
日曜日の塾生たちの態度は非常に残念でした。いい加減に取り組んだり、遊びやおしゃべりに夢中になって今やるべき事から目を背(そむ)けたりすると、必ず自分や周りの人にしわ寄せがやって来て、みんながイヤな思いをすることになります。 今やるべき事の中には、「面倒くさいな」「嫌だな」「苦手だな」などと思う事がいくつもあると思います。塾活動で言えば、塾生たちは掃除や農作業を億劫(おっくう)に感じているのかしれません。しかし、「サボってしまおう」「このぐらいでいいや」などという誘惑に負けて楽な方へ逃げ出せば、いつまで経っても「自分だけが楽をすること」しか考えられない弱い心のままです。 今やるべき事が目の前に立ちはだかった時、塾生たちには「勇気」を持って立ち向かえる人になってほしいと思います。そのためにもこれから残り2/3のステージを、周りを思いやる心をこめて、きちんと丁寧に取り組んでもらいたいと思います。 K.K.
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■ 食事メニュー | ||
金曜夕食 | ![]() |
・かき揚げ鶏天丼(タマネギ、ニンジン、ミツバ、ソラマメ) ・ダイコンおろし(ダイコン) ・すまし汁(タマネギ、ニンジン、ニンジンの葉、ダイコン) ・漬物(ニンジン、ダイコン、野沢菜) |
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土曜朝食 | ![]() |
・ご飯・味噌汁(味噌、タマネギ、ダイコン) ・塾野菜の寒天寄せ(ニンジン、スナップエンドウ、ソラマメ、自然塾ひやむぎ) ・ソラマメ団子①(ソラマメ、野沢菜漬けの味噌炒め) ・ソラマメ団子②(ソラマメ、タマネギ、スナップエンドウ) ・タケノコとフキの煮浸し(タケノコ、フキ) ・キュウリの味噌和え(キュウリ、味噌) ・キュウリの酢の物(キュウリ) ・漬物(野沢菜) |
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土曜昼食 | ![]() |
・ピラフ(タマネギ、ニンジン、ピーマン) ・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン、ニンジンの葉、ダイコン) ・里芋グラタン(里芋、タマネギ)・サラダ(サニーレタス、リーフレタス) |
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おやつ | ![]() |
・蒸かしイモ(インカのひとみという品種のジャガイモ) |
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土曜夕食 | ![]() |
・ご飯 ・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン、ジャガイモ) ・コロッケ(ジャガイモ、タマネギ) ・サラダ(サニーレタス、リーフレタス) ・ゆで野菜(ソラマメ) ・ナスの味噌炒め(味噌、タマネギ、ナス) ・漬物(キュウリ) |
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日曜朝食 | ![]() |
・ご飯 ・味噌汁(味噌) ・焼きジャガイモ(ジャガイモ) ・フキの油揚げ巻き煮(フキ) ・タマネギとソラマメのマリネ(タマネギ、ソラマメ) ・お浸し(コマツナ) ・漬物(野沢菜) ・佃煮 |
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日曜昼食 | ![]() |
・キーマカレー(タマネギ、ニンジン、ピーマン) ・手焼きナン(小麦粉) ・サラダ(サニーレタス、リーフレタス、間引きニンジン) |