2012.04.13~15 | |
第03ステージ ~男子~ | |
ステージテーマ:「マナーについて考えよう!」 共同生活の目標:「時間を守る」 |
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第1ステージから約1ヶ月が過ぎました。今年の春は遅いようで、男子の塾生が来た時に塾周辺ではようやく桜の花が満開になっていました。今回の活動も雨が降り、存分に農作業は出来ませんでしたが、予定をしていたキャベツ、レタス苗の植え付けを行うことが出来ました。雨で畑に出られない時、室内でマナー講座を実施し、共同生活や社会の中でのマナー=思いやりについて考えてもらいました。 また、27人の塾生が3日間一緒に生活をする自然塾では、たとえ1人でも時間に遅れると、みんなに迷惑がかかってしまいます。一人ひとりが時間を守ることは、共同生活の大切なことなので、目標を「時間を守る」とし、時間を意識して活動してもらいました。 |
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■ 04月13日(金) 夜の集い | |
活動を始めるにあたって塾頭よりお話がありました。 | |
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「塾の近くでは桜が満開になりました。みんなの家の近くではどうでしょうか?いよいよ第3ステージです。1,2ステージの目標の「あいさつをする」「人の話を聴く」は実践(じっせん)していますか?ぜひ実践をしてください。 今回の目標は『時間を守る』です。共同で生活する時にはとても大切なことです。時間が守れないと次の作業が進まない。自分でコントロールできるようになってください。1人が守れないとみんなが遅れます。逆に時間が守れると信用されます。チームで役割分担をしたときに全員の作業量がまったく同じにはなりません。もちろん体の大きさによっても出来る量がかわってきます。早く終わったらチームメンバーを手伝いましょう。チームで時間を守れるようになってください。 |
今回はキャベツ、レタスの苗を扱います。種と違ったまた新しいことを体験します。傷つきやすいので、丁寧に扱うようにしてください。農作業をする人は、よく「野菜は正直」だと言います。愛情を込めて育てればそれだけおいしいものになります。このことは野菜だけでなく人に対しても同じです。誠意(せいい)を持って接すれば誠意を持って返してくれます。色々な作業を心を込めて丁寧に、基本を守ってください。」 | |
■ 04月14日(土) あしおとツアー ~ジャガイモ、ゴボウの観察~ | |
市村自然塾関東では作物の様子を観察する事を「あしおとツアー」と呼びます。この名前の由来は、『作物に足音(あしおと)を聞かせれば聞かせるほどよく育つ。』と言うことで、頻繁(ひんぱん)に畑へ足を運んで作物の様子を観察して、作物が必要としている世話をたくさんしてあげるというお百姓さんの言葉から命名されました。 | |
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土曜日は朝から雨。畑で農作業が出来ないので、傘をさして第1ステージに植えつけたジャガイモの様子、第2ステージに種まきをしたゴボウの様子を見ました。 今年は例年に比べて寒いせいか、出ている芽は小さく、しかも、まだ数箇所しかありませんでした。 |
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畑では遠くからしか見ることが出来なかったので、土間に戻ってから写真をプロジェクターで投影して観察しました。 ジャガイモとゴボウの芽の違いを観察して、作物によって違うことに気がついてもらいました。 |
■ 04月14日(土) 塾活動 ~マナー講座~ | |
ボランティアスタッフの百瀬さんからマナーについてお話をしていただきました。 | |
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まずは『どうぞのいす』という絵本を読んでいただき、登場する動物達がどんな気持ちで行動を起こしたのかを考えてもらいました。 物語の中でたくさん出てきた『おきのどく』という言葉は、どんな気持ちで言ったのか、塾生にたずねると… 「申し訳ない」「お返しをしなくてはと思った」「親切な心」「人の役に立ちたい」ということが出ました。これらを全部まとめると『思いやり』という言葉があがります。思いやりがある人はマナーがある人だと言えます。 |
「さて、この塾でみんな思いやりを持って行動できていますか?いや、出来ていないですね。例えば、トイレのスリッパが揃(そろ)っていない。どうぞのスリッパになっていません。『思いやり』というのは『自分以外の人が嫌な気持ちにならないようにする』ことです。スリッパ以外にも色々な思いやりがあると思います。チームごとで考えてもらいます。」 | |
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お話の後、自然塾でのマナーについて「入浴時」「食事時」「通塾時」の3つの場面でどのようなマナーに気をつければよいか、各チームごとに話し合い発表してもらいました。 「静かにする」「身体をきちんと拭いてから出る。」「こぼさず食べる」などさまざまな意見が塾生から出てきました。ぜひ実践してもらいたいものです。 |
■ 04月14日(土) 塾活動 ~シンボル作り~ | |
これから約7ヶ月間、塾の活動でどの様なチームであればすごしやすいか、チームごとに考えてもらいました。 | |
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チームに対してこんなことが出来る、こんなことをしてもらいたい、また、逆にこんなことをされると嫌だ、という意見を一人ひとりに出してもらいました。 |
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意見が出されたら、みんなの意見を書く場所を作ります。チームメンバー全員の手の平を広げて、隣と触れ合うようにします。それをペンでなぞり、手形でひとつの大きな円が出来上がりました。 |
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チームが良くなる意見を円の内側へ、逆の意見を外側に書いていきました。 見る見るうちに手形の円の内側と外側にたくさんの意見が書かれていきました。 |
■ 04月14日(土) チーム活動 ~チーム農園計画の再検討~ | |
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後半はチーム農園の作付けの再検討です。前回のステージで指摘があった点について色々話し合われました。 今回のステージは、雨天のために実際の農作業は出来ませんが、次回ステージですぐに取り掛かれるように計画を進めました。 |
■ 04月14日(土) 塾活動 ~シンボル作り続き、発表~ | |
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昼間に作成したチームメンバーの意見がまとまった紙をみんなで見て、内側にある意見と外側にある意見をそれぞれ確認しました。内側には「思いやりを持つ」「やる時はやる」「たくさん話す」。外側には「ケンカ」「自分勝手」「うそをつく」などがあがりました。 円の内側にあることをたくさんやって、円の外側にあることをやらなければ、みんながすごしやすいチームになると思います。これをチームの約束事として、これからの活動に挑んでもらいたいと思います。 |
■ 04月14日(土) 共同生活の目標振り返り | |
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今回の目標『時間を守る』ことがどのくらいできたか、各自で振り返ってもらいました。 出来具合は様々でした。明日に向けて気をつけるところを出してもらうと、「ふざけない」「5分前には移動をする」など、あがってきました。後は実行して、目標を達成できるように努力するだけです。 |
■ 04月14日(土) リーダー会議 | |
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2回目のリーダー会議を行いました。今回は各チームで問題となっていることを1つ1つあげてもらい、リーダー同士で解決策を考えました。 |
■ 04月15日(日) 朝食前の瞑想(めいそう) | |
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今回は2分間、出来る限り「動かない」ことに集中してもらいました。前回よりも動いてしまう塾生は減りましたが、どうしても我慢(がまん)できずに、動いてしまう塾生がいました。まだ3回目です。これから徐々に出来るようになることを期待しています。 |
■ 04月15日(日) 共同農園作業 ~キャベツ、レタスの植え付け~ | |
やっと太陽が顔を見せてくれました。土曜日の雨は一日続きましたが、事前にブルーシートを敷(し)き、畑を濡(ぬ)らさないようにしていたので、この日は農作業を行うことが出来ました。朝からクワを持って出発!久しぶりの農作業に塾生たちはわくわくしている様子でした。 | |
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まだ、ぎこちない手つきでしたが、みんなで協力をして苗を植えつける畝(うね)を立てました。 | 土がある程度盛ることが出来たら、畝の上を平らにして、いよいよ植え付け準備完了です。 |
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畝に均一に苗を並べて… | 優(やさ)しく丁寧(ていねい)に植え付け… |
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肥料をあげて… | 害虫に食べられないように卵の殻で対策。 |
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最後に水をたっぷり上げて、作業終了。 この後、スタッフがキャベツの苗を青虫から守るために、ネットをかけました。 今回植えつけた苗は、葉が7~9枚くらいでした。次回塾生たちが来る2週間後は葉がどのくらい増えているでしょうか?楽しみですね。 |
■ 04月15日(日) ステージのまとめ | |
ステージの終わりに塾頭からお話がありました。 | |
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「3回目も土曜日に雨が降ってしまいましたね。しかし、季節の話で『穀雨』の話があったように、この時期の雨は作物が芽を出すのにとても重要なのです。5月になると晴天が続いて、雨が降らなくなります。今のうちに畑に種をまいておかなければ芽が出にくくなってしまうのです。お百姓さんにとって、とても忙しい時期です。 今回、野菜の苗を扱いました。苗は野菜の赤ちゃんで、優しい気持ちで接することが出来たでしょうか?心を込めて丁寧に世話をすると、その思いやりが野菜に伝わって大きくおいしく育ちます。野菜に対しても人に対しても思いやりを持って接してください。 |
今回の共同生活の目標『時間を守る』ことは、出来るようでなかなか出来ません。時には今やっていることをやめなくてはならない時もあります。眠たい時もあります。勇気がいる事です。自分の心に負けない、自分に強く我慢(がまん)できるようになってください。時間が守れるといろんなことが出来るようになります。まずは時間を守れるようになってください。」 | |
■ 編集後記 | |
今回の活動も雨に降られました。しかしながら、塾頭の話にもあったようにこの季節の雨はとても重要なのです。お百姓さんは貴重な晴れ間を縫(ぬ)って、畑作業を行います。しかし、塾生たちは決められた日にちの中でしか、作業が出来ません。仕方のないことですが、自然には逆らえないので、自然のリズムに合わせて活動を行いたいと思います。そこから塾生たちには自然のリズムを肌で感じ取ってもらえればと思っています。 今回はマナー講座とシンボル作りを行いました。どちらの時間も塾生たちから様々な言葉が出ました。それらの言葉をただの「言葉」で終わらせること無く、大切にして、実際に行動に移せるようになってもらいたいと思います。これからも、塾生の一言一言を大切にして、よい活動が出来るように支援していきたいと思います。 K.M.
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