2011.11.25~27
第18ステージ ~女子~
ステージテーマ:「最後の片付けをきちんとして気持ちよく卒塾しよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から塾生全員で一つ選ぶ」
 10期生女子の塾活動は、いよいよ最後のステージを迎えました。
 今回はチーム農園の片付けと、塾舎の大掃除を行いました。塾生たちは、8ヶ月間お世話になった感謝の気持ちをこめて、きれいにしました。また、塾活動の締めくくりとして餅つきを行い、最後の共同農園作業としてタマネギの植え付けを行いました。
 共同生活の目標は、前回に引き続き全員で一つ選びました。今回は、塾生の中から司会進行役、書記役が選ばれ、塾生が主体となって目標決めと振り返りを行いました。目標は「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」に決まりました。
■ 11月25日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
「いよいよ最後のステージとなりました。明日でチーム農園での野菜栽培も終わりです。作物を全て収穫し、畑を元の状態にして、塾に返してもらいます。みんなが一所懸命世話したおかげで、いつもの年よりも収穫が多いように思います。
 他にも、いろいろな場所や道具の掃除を予定しています。心を込めてきれいに掃除をしてください。心は目に見えませんが、形に表れます。どれも大事な作業であり、11期生への大事なバトンタッチとなります。
 明日は塾活動の締めくくりとして、餅つきを行います。餅は正月や祭り、祝い事など、節目の時に食べます。餅の白さは純白な心を願うということを意味し、粘りは粘り強い心を意味します。ぜひ、感謝の心を持って餅つきをしてほしいと思います。
 これまでのステージ、振り返ると色々なことがありました。今までのステージで何を学んだか思い出して、総仕上げのつもりで活動に取り組んでほしいと思います。
 みんなで協力し、ケガのないように気を引き締めて取り組んでください。」
■ 11月25日(金) 夜の集い ~共同生活の目標決め~
 今回はスタッフに代わって、塾生が司会進行を務めました。約10人の立候補者から、4人の塾生が司会進行役・書記役に選ばれ、共同生活の目標を決める話し合いを行いました。
 前回と同じく、「4S(整理整頓清掃清潔を心がける)」と「何事も心を決めてきちんと丁寧に作業する」の2つで意見が分かれましたが、今回は「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」が目標に決まりました。
 目標を守るために取り組むポイントは、
「4Sも心がける」「集中して行う」
「アシカの心(愛情・親切・感謝)を守る」
「道具を使う前に『よろしくお願いします』、使った後に『ありがとう』と言う」
に決まりました。
■ 11月26日(土) チーム農園作業
 塾生たちが自分たちで世話してきたチーム農園の作業は、これが最後です。作物を全て収穫し、道具を片付け、畑を耕してきれいにならし、使い始めた時のようにきれいにして、塾へ返還しました。
 作業前にステージ担当から、コンポスト堆肥(たいひ)の話がありました。
 毎ステージ、食事当番が野菜くずを刻んで、地下倉庫のコンポストバケツに入れていました。そこで一次発酵させたものを、スタッフが畑のバケツに入れて、二次発酵させていました。そうして出来上がったコンポスト堆肥が、塾生たちにお披露目(おひろめ)されました。
 塾生たちは、自分たちが刻んだ野菜くずが、栄養豊かな土に生まれ変わったことに驚いていました。
 まずは畑にある全ての作物を収穫しました。

 右の写真の塾生が手に持っているのは、コールラビです。植え付け時期が遅れたため、無事に収穫できるか心配していましたが、なんとか間に合ったようですね。最後まで諦めず(あきらめず)に待った甲斐(かい)があってか、収穫したチームのメンバーは嬉しそうでした。

 他のチームも、ダイコン、ミツバ、コマツナ、ジャガイモなどが、大収穫でした。
 収穫した後は残渣(ざんさ)を全て片付け、畑の草を残らず刈り取りました。その後、コンポスト堆肥をまいて土を耕し、平らにならして元の状態に戻しました。
 また、チーム農園に立てた看板も、塾生たちが分解し、板、杭、釘に分けました。杭は来年度のチーム農園看板用の杭として、板は薪として再利用する予定です。
 全て片付け終わったら、チーム農園の返還式を行いました。枝村塾頭と一緒に、作業が全て出来ているか確認しました。

 そして最後に、8ヶ月間お世話になった畑に感謝の気持ちをこめて「ありがとうございました!」と大きな声で挨拶して、チーム農園作業を終えました。
■ 11月26日(土) リーダー企画 ~逃走中~
 最後のステージにみんなで思い出を作りたいと、リーダーとサブリーダーが「逃走中(鬼ごっこの一種)」を企画しました。ルール説明、イベント、鬼の役など、全ての進行をリーダーとサブリーダーが行いました。
 このリーダー企画は塾生たちに大好評でした。早く捕まってしまった塾生は、逃げ続ける塾生を応援して、全員が最後まで楽しんでいました。
■ 11月26日(土) 塾活動 ~餅つき~
 全17回の活動の締めくくりとして、餅つきを行いました。
 塾生全員で、交替しながら力いっぱいつきました。餅をつく順番が回ってくるまでは、みんなで「よいしょー!」と声をかけて応援しました。ボランティアの人や調理師さんも参加して、全員で心一つになって餅をつきあげました。
 ついた餅は、小さくちぎって丸めました。
 塾生たちはみんなでわいわいおしゃべりしながら、楽しそうにやっていました。
 丸めたお餅は、その後のおやつの時間にみんなで頂きました。

 塾生たちは昼食をたくさん食べたはずなのに、もうお腹を空かせ、つきたての柔らかいお餅を口いっぱいにほおばっていました。
■ 11月26日(土) 共同農園作業 ~タマネギの植え付け~
 10期生女子の最後の共同農園作業として、タマネギの植え付けを行いました。
 このタマネギは11期生への贈り物となります。か細くデリケートなタマネギの苗を傷つけないように、慎重に植え付けていきました。
 この日、全員で1600本もの苗を植え付けましたが、塾生たちの作業はとても丁寧で、しかも予定よりも早く、日が暮れるまでに終了することができました。8ヶ月間、一所懸命農作業に取り組んできた成果が、植え付け作業のはかどり具合に表れていました。
■ 11月26日(土) 夜の集い
 夜の集いでは、1年間の農作業の振り返り、卒塾式の歌の練習、塾生の生きる力がどれだけついたか調べるIKRアンケートを行いました。
 その後、共同生活の目標の振り返りを行いました。
 良かった点として「タマネギの植え付けを集中してできた」「チーム農園をすみずみまできれいにできた」という意見が出ました。
 反対に悪かった点として、「塾生室が汚かったから4Sは守れなかった」「アシカの心が意識できていない」「道具を使う前と後にあいさつできなかった」という意見がでました。
 それらの意見を踏まえて、全体では6点という結果になりました。
 そして、明日に向けて「4S」と「アシカの心」を、より意識して取り組むことに決まりました。
■ 11月26日(土) 荷造り・衣装ケース返却
 塾に置いてある荷物を衣装ケースから全て取り出し、自分で持ち帰るものと宅急便で送るものとに分けて整理し、荷造りを行いました。

 また、衣装ケースはきれいに拭いて、塾へ返しました。
■ 11月26日(土) チームリーダー会議
 最後のリーダー会議では、リーダーとサブリーダーの全員が出席しました。これまでの8ヶ月間、リーダー(サブリーダー)を行ってきた感想を一人ひとり発表しました。各チームごとに直面した問題はいろいろありましたが、8人が共通して言ったのは「大変だったけど、リーダーをやってよかった」という感想でした。
 「リーダーは何が大切か?」という枝村塾頭の問いかけに対しては、「率先して動くこと」「人の意見を聴くこと」「学年や年の差を意識させないようにする」「嫌なことを自ら引き受けて、みんなの見本になる」など、8ヶ月間の活動で身につけたことが意見として出ました。
 チームをまとめるという大きな役割を果たし、リーダー・サブリーダーは特に大きく成長したように感じられました。お疲れ様でした。
■ 11月27日(日) 食事当番
 最後の食事当番です。最初の頃はぎこちない様子で取り組んでいましたが、今では、かまどでのご飯炊きも、包丁さばきも、とても上手になりました。
 ここで身につけたことを、ぜひこれからも活かしてもらいたいと思います。
■ 11月27日(日) 瞑想(めいそう)
 最後の瞑想をしました。5分間、寒さに身を震わせつつも、心静かに集中する時間を過ごしました。もうソワソワ動く塾生は誰もおらず、初めて瞑想をした頃に比べて、本当に我慢(がまん)強くなりました。
■ 11月27日(日) 塾活動 ~共同場所の大掃除~
 チームごとに分かれて、塾舎内の共同場所の大掃除を行いました。排水溝、食堂の障子、鴨居、窓、エアコンのフィルターなど、普段は掃除しないような場所まで、隅々まできれいにしました。
■ 11月27日(日) 塾活動 ~塾生室の大掃除~
 共同場所をキレイにした後は、自分たちの塾生室を掃除しました。
 今年は節電のために出番がなかったエアコンですが、室外機は風雨にさらされてかなり汚れていました。塾生たちは、歯ブラシやタワシを使って、細かいところまできれいに洗っていました。
自分たちが使ってきた布団を、いつも以上に丁寧にたたみました。一度全て押し入れから出し、四隅(よすみ)を揃えて(そろえて)丁寧にたたみ、元通りにしまいました。
全ての箇所の掃除が終わると、最後に枝村塾頭と一緒に確認を行いました。

 「キレイだね。すばらしいね!」
 枝村塾頭は、心をこめて丁寧に掃除された塾生室を見てとても驚いていました。
■ 11月27日(日) ステージのまとめ
 ステージのまとめに、枝村塾頭からお話をいただきました。
「とうとう全ての活動が終わりました。まず、無事にここまで活動が出来たことにお礼を申し上げます。大きな事故などがあると、塾を続けることは出来なくなりますが、みんなが真面目に活動に取り組んでくれたおかげで、無事に終わることが出来ました。
 チーム農園の片付けも、塾生室の大掃除も、みんな協力して一所懸命やってくれました。とてもキレイになって、気持ちがいいです。心を込めてやると、キレイに早くできますね。
 みんなのチームワークが良かったので、活動が楽しく有意義に出来たのではないでしょうか。この17ステージの間、農作業や共同生活など、いろいろなことをやりました。大変なこともたくさんあったでしょう。でも、よくがんばったと思います。
 みんなの人生、これから辛いことや大変なことがたくさんあります。中学、高校へ進むと、定期試験や受験があります。大人になって社会へ出ると、もっと大変になります。徳川家康が言った言葉で、『人の一生は、重き荷を負うて遠き道を行くがごとし』というのがあります。その位、人生は苦労が多いものです。
 でも、その苦労に打ち勝つからこそ、人生が楽しく感じられます。塾で育てた野菜は、苦労して世話したからおいしかったはずです。
 塾でのいろいろな体験は、みんなにとって財産です。これが終わりではなく、これからがスタートです。苦労から逃げずに、自分の力でいろいろなことが出来るようになってください。自分の夢、目標に向かって、絶え間なく努力してください。感謝の心、親切な心、素直な心を忘れず、人に優しく、自分に厳しくしていってください。ここで学んだことを思い出して、日々の生活の中で自分を磨いていってほしいと思います。」
■ 11月27日(日) ステージのまとめ ~共同生活目標の振り返り~
 最後の振り返りでは、リーダー4人が司会進行役を務めました。
 良かった点として「アシカの心が守れた」「4Sも一緒に心がけて掃除できた」「道具を使う前と後に『よろしくお願いします』『ありがとう』が言えた」という意見が出ました。悪かった点としては、「集中して出来なかった」「良かった点で挙がった意見が私は出来なかった」などの意見が出ました。
 最後に点数がなかなか決まりませんでしたが、7.5点で意見がまとまりました。
■ 編集後記
 10期生の塾活動が無事に終わりました。ステージのまとめで「塾でやり残したことや後悔はありませんか?」と問いかけたところ、塾生たちは「う~ん」と首をかしげていました。塾での活動をもっと続けたかったという思いや、仲良くなった友だちと別れなければならない寂しさがあるのだと思います。きっと、入塾してステージが始まった頃には長く感じた塾活動が、今ではあっという間に終わってしまったように感じているのでしょう。
 しかしこの先、中学校でも高校でも、大人になって会社に入ったとしても、物事には必ず終わりがやってきます。卒塾して旅立っていく塾生たちには、これから後悔しないように生きてほしいです。そのために、今この時の瞬間瞬間を、今回の共同生活の目標のように「何事も心をこめてきちんと丁寧に」過ごしていってほしいと思います。
K.K.