2011.10.28~30
第16ステージ ~女子~
ステージテーマ:「地域に感謝して清掃ボランティアをしよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から各チームで一つ選ぶ」
 これまでの7ヶ月間、塾生たちが様々な活動を行ってこられたのは、自然塾がある寄(やどりき)地域の方々の、理解と支えがあったからです。今回はそんな地域の方々へ感謝の気持ちを示すため、上記のテーマで活動を行いました。
 共同農園作業では、これまでたくさんの恵みをいただいたことに感謝し、夏野菜の片付けを行いました。いよいよ、塾活動が終わりに近づいていることを感じさせるステージでした。
 共同生活目標は第15ステージに引き続き、今まで取り組んだ6つの目標から各チームごとに一つ選んで取り組んでもらいました。
■ 10月28日(金) 塾頭の話
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
 「今ステージは、清掃活動をやってもらいます。みんなが3月に入塾してから今まで、この地域の人たちには大変お世話になりました。共同農園やチーム農園は、ここに住む多くの農家の方から借りた土地です。自然塾があるのも、この地域の方が活動を理解して、あたたかく迎えてくれたからです。感謝の気持ちをこめて、清掃してもらいたいと思います。
 みんなは塾で、感謝の気持ちや相手への思いやりなど色々なことを学びました。そして通塾や掃除など、自分のことは自分で出来るようになってきました。それこそが、自立したということです。身についたことは、大人になってからもきっと役に立ちます。
先日、自然塾の10周年記念式典がありました。集まった卒塾生たちは、『自然塾にもう一度帰りたい』と言っていました。私たちは、これからも自然塾の活動を続けることで、卒塾生が戻ってこられる故郷(ふるさと)を残したいと思っています。そのためにも、みんなは心を込めて丁寧に活動に取り組んでください。頑張った人はその分成長します。成長した姿を見せれば、地域の方々は『自然塾が続いてほしい』と、応援してくれます。残る3ステージ、悔いが残らないように積極的に頑張ってください。」
■ 10月28日(金) ボランティアについて
 ステージ担当から、今回のステージテーマである「ボランティア」とはどういうものか、話がありました。
 「ボランティアには、3つの基本的なきまりがあります。それは、『自主性(自分から進んで行うこと)』『社会性(人や社会のために行うこと)』『無償性(お金の見返りを求めないこと)』です。
 明日の清掃ボランティアでは、この3つのきまりを守ることを意識して、取り組んでみてください。」
■ 10月28日(金) 共同生活目標決め
 前回の共同生活目標を決める話し合いでは、司会をチーム担当のスタッフが行いました。今回は各チームのリーダーが司会を務めて、それぞれで話し合いを進めました。
Aチームは
「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」
Bチームは「時間を守る」
CチームとDチームは
「整理整頓清掃清潔を心がける」
に決定しました。
■ 10月29日(土) 塾活動「地域清掃ボランティア」
 雲一つない秋晴れの下、塾舎周辺と共同農園周りの道路を清掃しました。チームごとに4ヶ所の清掃場所に分かれて、竹ほうきや熊手(くまで)をつかって落ち葉かきをしました。
 普段何気なく通っていた道路ですが、いざ清掃しに来てみると、落ち葉がたくさん積もっていました。どのチームも、一所懸命落ち葉をかき集めていました。
 
 いったん休憩して、再び清掃を行いました。今度は範囲を広げて、夏に蛍の観察に行った道、ジャイモン畑の下に見えている道、シダンゴ山の登山道の3グループに分かれて、ゴミ拾いを行いました。
 塾生たちは、タバコの吸いがらなどの細かいゴミも丁寧に拾っていました。
 塾舎へ戻って、みんなで拾ったゴミの重さを量りました。
全部で、燃やすゴミ600g、プラスチック300g、カン4.0kg、ビン3.3kg、ペットボトル300g、燃えないゴミ2.8kgのゴミが集まりました。

 その後、「ポイ捨てした人は、なぜその場所にゴミを捨てようと思ったのか」をみんなで考えました。
「誰も見てないし、見つからないから大丈夫だと思った」「ゴミ箱に入れるのが面倒くさかった」などの意見が出て、ポイ捨ては軽い気持ちで行われるということを確かめ合いました。
 
 最後に、ステージ担当から話がありました。
「ポイ捨てされたゴミを見ると、嫌(いや)な気持ちになりますね。もし、その場所が1日100人の人が通る道だとすれば、100人の人がゴミを見て嫌な思いをすることになります。でも、今回みんながゴミを拾ったおかげで、その場所からゴミがなくなりました。100人の人が嫌な思いをせずに済むのです。
 みんなは、素晴らしいことをこの地域のために出来たんだ!という自信をもっていいんですよ。ゴミ拾いは、散歩しながらでも出来ます。今回に限らず、ぜひ家に帰ってからも実践してみてほしいと思います。」
■ 10月29日(土) 共同農園作業「サツマイモの収穫」
 午後は、ジャイモン畑へ行ってサツマイモを収穫しました。土の中は湿っていて固かったのですが、塾生たちはサツマイモを傷つけないように手で慎重に掘っていきました。
 見事!大きなサツマイモを掘り上げて、とても嬉しそうですね。
 この日、5品種のサツマイモを収穫し、重さは全部でなんと115.8kgでした。みんな汗だくになって、よく頑張りました。
■ 10月29日(土) 共同農園作業「夏野菜の片付け」
 夏の間、塾の食卓に彩りを添えてくれた夏野菜たちは、実りの時期を過ぎてすっかりしおれていました。
 塾生たちは夏野菜がくれた恵みに感謝して、畑を片付けました。自分たちで誘引したヒモをほどき、支柱と夏野菜の株を引き抜いていきました。
 引き抜いた夏野菜の株は、大きな袋いっぱいに集めて塾庭の残さ(ざんさ)置き場に持っていきました。

 気がつくと、太陽が山の向こうに沈んで辺りが薄暗くなっていました。
 朝から外で動きっぱなしだったためか、塾生たちはとても疲れた様子でした。しかし、最後まで丁寧に片付けたので、畑は何も植わっていない元の姿に戻りました。
■ 10月29日(土) 夜の塾活動「星の観察会」
 夜は、ボランティアの先生に来ていただき、星の観察会を行いました。
 まずは室内で「月の満ち欠け実験」を行いました。月の模型をぶら下げ、部屋を暗くして一点からライトを当てます。塾生たちが模型を円く取り囲んで、周りをぐるぐる歩きました。
 まるで月が満ちていき、欠けていくように、見る方向が変わると映し出された陰の見え方が変わっていくのを確かめ合いました。
 その後は外に出て、望遠鏡で木星、木星の衛星(えいせい)、二重星を観察しました。普段めったに見られない星の姿に、塾生たちは大興奮でした。
■ 10月30日(日) 早朝ジョギング
 朝、起床の鐘が鳴るよりも早く起きた塾生たちが、ジョギングに出かけていました。スポーツの秋を満喫していますね。
■ 10月30日(日) 共同農園作業「ダイコンの世話」
 たくあん用に育てている、ダイコンの草取り、追肥、土寄せを行いました。
 キレイに畝の雑草を取りのぞくと、それぞれで分担して肥料をあげました。塾生たちは、もう追肥も土寄せもお手の物です。
■ 10月30日(日) おやつ
 今回も、活動中にお誕生日を迎えた塾生がいました。同じチームの塾生が、内緒でおやつにデコレーションしてお祝いをしました。
 部屋を暗くして♪ハッピーバースデー♪の歌が始まると、他のチームの塾生たちも一緒になって歌い、お祝いしていました。
 お祝いしてもらった塾生は、とっても嬉しそうでした。素敵な思い出になったのではないでしょうか。
■ 10月30日(日) チーム農園作業
 今回のチーム農園では、収穫が盛りだくさんでした。コマツナ、ハダイコン、カブ、リーフレタス。
どれも立派な出来ばえで、「共同農園の野菜より上手に育ってるね~」と、スタッフも感心していました。

「収穫しても収穫してもキリがないよ~!」
と、塾生たちは忙しいことがとても嬉しそうでした。
収穫以外にも、共同農園と同じように夏野菜の片づけをしたり、追肥や間引きなどの世話をしたりしていました。

 塾生たちのチームワークはとても良く、どのチームも時間内に全ての作業を終わらせていました。
世話が順調にできているので、次回の収穫も楽しみですね。
■ 10月30日(日) ステージのまとめ
 ステージのまとめに、枝村塾頭からお話をいただきました。
「天気がよく、たくさん農作業ができました。チーム農園の作物の生長が素晴らしいですね。ぜひ家で収穫の恵みを味わってください。
今回の星の観察では、例年になく天気が良くて、たくさんの星を見ることが出来ました。いい経験をして、たくさん感動をもらいましたね。
 また、感謝の気持ちを表すための清掃ボランティアも、無事に行えました。都会に比べたら、ゴミが少ないと思うかもしれませんが、実は結構落ちています。誰かが捨てるから、ゴミがあるのです。大事なのは、ゴミを捨てないことと、リサイクルしてもう一度資源として使うことです。環境を守ることにつながります。
 リコーでは、『ごみゼロ運動』というものをやっています。工場で出たゴミを全てリサイクルし、水もメダカが住めるようにキレイにして戻しています。ゴミはごちゃまぜにするとゴミのままですが、分別すると資源になります。
 つい先日、地球の人口が70億人を突破しました。どんどん人口が増えていて、将来食料が確保できるか心配されています。食べ物を大事にしてください。
 同時に、物を大事にしてください。最近、忘れ物が多くなってきました、それは物を粗末(そまつ)にあつかっている証拠です。物を大事にすると、物への愛情が湧(わ)きます。物を大切にする心を持つと、やがて、人を大切にする心につながります。
 次回は収穫祭をします。風邪をひかずに元気に来て下さい。」
■ 編集後記
 清掃ボランティアでは、大量の落ち葉を掃除するには時間が足りませんでした。どのチームも全ての落ち葉を集め切ることはできませんでしたが、塾生からは「もっとやりたかった!」という積極的な訴えをもらいました。さらに、共同生活目標を各チームで決める際には、「掃除をすみずみまで行う」「頭を使って物の気持ちを考える」など、活動テーマを意識した目標や守りたいポイントをそれぞれ考えて、実行に移していました。私の想像以上に、塾生たちは自主的に塾の活動に関わっていました。そんな姿を見ていると、この7ヶ月間で塾生たちが大きく成長したことを感じます。
 いよいよ、残りステージはあと2回となりました。彼女らの成長に負けないように、私たちも共に成長し、卒塾まで塾生たちを見守っていきたいと思います。
K.K.