2011.07.29~31
第10ステージ ~女子~
ステージテーマ:「親子大会で今までの成果を発表しよう!」
共同生活の目標:「時間を守る(2回目)」
いよいよ親子大会本番を迎えました。親子大会は塾生が自然塾で普段行っている活動を保護者やご家族の方々にに知っていただき、塾生の成長した姿を見てもらう場です。塾生たちは自分たちのチーム農園を紹介する”チーム農園発表”、チームを超えたメンバーで協力して準備してきた”塾生企画”などを一生懸命行ってもらうように上記のステージテーマを掲げて活動しました。
共同生活では今年2回目の「時間を守る」を目標としました。今回は①集合時間、②終了時間、③食事の目安の時間、④起床・就寝時間、のおよび、⑤作業中・活動中に集中する時間を意識して過ごしてもらいました。
■ 07月29日(金) 夜の集い
活動を始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。
「明日はスタッフも含め100名ぐらいの保護者の方と、桜井総合塾長もいらっしゃいます。親子大会の目的は普段の活動の様子を見てもらうことです。農作業を行って体力のついた自分を見てもらうばかりでなく、塾生企画も来ていただいた方々に感心してもらう位一生懸命行ってください。そのためにはみんなで協力することです。チーム農園発表も大きな声で発表しましょう。保護者にも皆さんが普段塾で行っている様々なことをを行ってもらい、苦労を知ってもらおうと思っています。家族が来るからといって遊んでしまってはいけません。やるときはやる、遊ぶときは遊ぶ、メリハリをしっかりつけましょう。今まで行ってきた共同生活の目標が身についた様子を態度で示してください。」
■ 07月29日(金) チーム農園発表の準備・塾生企画の準備
親子大会本番を前にしてチーム農園発表準備も塾生企画準備も最後の追い込みです。就寝時間までのわずかな時間を使って明日に備えました。
■ 07月29日(金) シュラフ(寝袋)の使い方の練習
明日の晩は塾生室は保護者が使い、塾生は塾庭に張ったテントに泊まりシュラフ(寝袋)で寝ます。明日のテント泊に備えて使い方を練習し、シュラフを使って寝ました。
■ 07月30日(土) チーム農園作業
このステージ、暑い夏には朝早い時間に起き、涼しいうちに農作業をするというお百姓さんの知恵を取り入れ、「夏時間」という普段とは違うスケジュールで活動します。今日は5時30分に起床し、6時からチーム農園作業です。親子大会のチーム農園発表の前でしたが、どのチームも管理が行き届いていて、慌てることなくそれぞれの作物の世話を行っていました。
このチームのスイカは一時雑草に負けて枯れそうになりましたが、一生懸命世話をしたおかげで実をつけるようになりました。しかしスイカはカラスやハクビシンという獣にねらわれます。写真は太りだしたスイカの実にハクビシンよけのネットを巻いているところです。
チームで協力しておいしそうなメロンが収穫できました。
このあとの朝食でさっそく味わっていました。
チーム農園発表を前に、チームの看板を立てました。
このチームのスイカも最初はウリハムシという害虫にやられて穴だらけになってしまいましたが、あきらめずに世話をしたおかげで元気を取り戻しました。しかしまだまだ油断は禁物です。土に触れると病気にかかりやすいので、しっかりとワラを敷いてあげました。
■ 07月30日(土) 親子大会開会式
親子大会の開会式のはじめに桜井総合塾長からお話をいただきました。
「この塾の意義について話をします。私は東京の下町に生まれて育ちました。その頃は学校が終わって塾へ行くなどということはなくて、学校の勉強が終わったら友達と遊んだりしていました。下町というのは隣近所もとても近くて道路もとても狭く、夏になるとそこに縁台(えんだい)というものを出して、そこで花火をやったり、将棋をやったり、ベーゴマをやったり、親も近所のおじいちゃん、おばあちゃんも集ってみんなでわいわい楽しんでいました。そういうとき親は勿論だけれど、近所のおじいちゃんおばあちゃんに叱られることも珍しくありませんでした。ここでみんながやっているような、みんなと一緒に生活していく、みんなと一緒に苦労していく、みんなと一緒に楽しんでいく、ということと同じ様なことを私たちは子どもの頃やっていたのです。
また、遊びごとというのはゲームとか、テレビとか、映画館とかではなくて、鬼ごっこをしたり、騎馬戦をやってみたり、道具を使わない遊びをやっていたのです。遊びの最中に怪我をすることもあるので、どうしたら怪我をしないようにできるか、どうしたら友達に怪我をさせないように出来るか、そんなことを考えながら遊んでいました。これは非常に大事なことで、大人になってから自分と一緒に仕事などをする人に迷惑をかけないようにするにはどうしたらよいかを小さい頃に学んだのです。
私たちが子どもの頃は今から考えると非常に不便だったかもしれません。しかしそれは実は我々が感じなければならないもので、その不便さをどうやって便利なものにしていったらよいか一生懸命に考えていくことは非常に重要なことです。このようなことを自然塾で学んでいただきたいと思ったわけです。そのような訳で自然塾では昔に戻り、便利な道具がなく、その中で皆さんがみんな一緒になって生活していくということを覚え、マイペースだったり自分のわがままだけ通していたら団体生活はとても成り立たないことを知り、一人一人が責任を持ってお互いに助け合って、自分がしっかりすることで人との絆が出来てくるという経験をしていただこうと思っています。
もう一つ、皆さんはこのような大自然の中で、農作業をしたりいろいろなところの手入れをしたり、自然の魅力や美しさの中、例えば、晴れていれば気分は良くなるし、雨が少々降ってもきれいな風景となってそれはそれで地球を洗ってくれる、そのような中で暮らし、地球と、自然と、会話し付き合っています。一方では自然というものは大変恐ろしい。大震災もありましたし、最近は少し雨が降ると洪水になって床下浸水や床上浸水が起こる。自然というものは非常に怖いものでもあります。とはいえ自然は私たちが住んでいくには大変重要なもので、私たちの生活を楽しくしてくれる一方大変なものでもあって、そのような自然と一緒に付き合っていくことをここで勉強できると思います。
先ほど皆さんの書いた作文を読んでみました。みんないろんなことに気づいて大きくなったらこういう人間になりたい、というようなことを書いてくれました。自然塾というのは皆さんにとって、今後大人になったときの大切な経験の一歩になるという実感をしました。楽しんで塾生活を行うことはとても大事です。よい大人になるための基礎、基盤固めでですから後半も楽しんで勉強し、いろいろなことに気がついていってもらいたいと思います。これからも頑張ってください。」
保護者の方々、塾生ともにしっかり耳を傾けていました。
■ 07月30日(土) テントの設営
桜井総合塾長の話を聴いたあと、塾庭に自分たちが今晩寝るテントを各チーム、メンバーで協力して張りました。
テントが張れるとさっそく中に入ってみました。自分たちの今晩の居場所に入って嬉しそうです。
(楽しみにしていたテント泊まりですが、夜、大雨が降ることが予想されたため中止し、急遽(きゅうきょ)チームごと分かれて塾舎内等に泊まる事になりました。)
■ 07月30日(土) 塾生企画のプレゼンテーション(企画発表)
テントを張ったあと、塾生企画のプレゼンテーションを行いました。「夏野菜祭り」「エコで涼んでスイカを食べて」「見たら夢に出てくる怖い肝試し」「竹クラフト」「野菜ビンゴ」の5つの企画があり、いつどこでどんな企画をするのかを発表し、保護者の方々に参加してもらうよう呼びかけました。
■ 07月30日(土) チーム農園発表
沢山の保護者に囲まれる中で各チーム発表を行いました。それぞれ堂々と発表を行っていましたが、どのような質問がされるか緊張していた塾生もいました。
ナスが沢山収穫できたこのチームは、見学者に回して見てもらっていました。立派なナスを手にした保護者、ご家族は手にとって感心していました。
このチームでは、第3ステージでチーム農園計画を発表した図面を見せて発表を行いました。支柱の先にCDをぶら下げてアブラムシよけにする工夫にも、保護者の方々の興味が集っていました。
桜井塾長も各チームのチーム農園をご覧になられました。元気よく伸びたスイカを前に塾生たちが行ったさまざまな工夫について盛んに質問をされていました。
■ 07月30日(土) 昼食
親子大会の食事は塾庭に張ったタープの下でいただきます。家族同士、チームを超えた塾生同士、好きな席に座って会話を楽しみながらいただきました。
■ 07月30日(土) 塾生企画 ~夏野菜祭り~
塾生企画 「夏野菜祭り」では、野菜の絵が描いてある紙コップを輪ゴムで打ち落とす”的当て”と、野菜を水に浮かべて箸やスプーンですくう”野菜すくい”を行いました。”的当て”では野菜の種が、”野菜すくい”では自然塾産の野菜が景品として渡されました。企画の名前どおり夏祭りの縁日の気分でお母さん方や小さい子どもも楽しんでいました。
■ 07月30日(土) 塾生企画 ~エコで涼んでスイカを食べて~
「エコで涼んでスイカを食べて」、では”打ち水ゲーム””スイカ割り””スイカの種飛ばし”を行いました。塾周辺に隠してあるジョウロとバケツを探して道路に打ち水をするゲームでは、さほど暑くなかったこの日でも涼しい風を感じることが出来ました。
スイカ割りでは、小さい子どもが一生懸命スイカを探す姿に声援が飛んでいました。
スイカの種飛ばしはポットを的にしてスイカの種を飛ばし、入ったらそのポットをスイカの苗としてもらえるというものです。近くにあるにもかかわらず、遠くのポットをねらって挑戦するお母さんもいました。
■ 07月30日(土) キャンプファイヤー
夜には各チームのリーダーが火をともし、キャンプファイヤーを行いました。大人も子どもも一緒にゲームに熱中し、歌を歌って楽しいひとときを過ごしました。
■ 07月30日(土) 塾生企画 ~見たら夢に出てくる怖い肝試し~
キャンプファイヤーのあと、塾生企画「見たら夢に出てくる怖い肝試し」が行われました。毎年のことですが、自然塾の周りはとても暗くておどかす側の塾生もとても怖がります。しかし、それぞれの塾生は”お化け”になりきって、あちらこちらから参加者の悲鳴が聞えました。
コースをまわってゴールしたあとにはおいしい梅ジュースをいただきました。
■ 07月31日(日) 共同農園作業 
日曜日の早朝には2つのチームに分かれてネギとキュウリの植付けを行いました。保護者の方にも塾生の作業を見学しながら畑の草取りを行っていただきました。
しかし残念なことに、作業の途中雨が降り出してしまい作業を中止することになってしまいました。

■ 07月31日(日) 流しソーメンの樋(とい)作り
朝食のあと、お父様方に流しソーメンの樋づくりを行っていただきました。塾舎の裏から竹を伐り出し組み立てます。ほとんど初対面のお父様方ですが、見事な連係プレーで短時間で立派な樋が出来上がりました。ひとりひとりが何をやればよいかを考えて行動し、協力することでよい結果が生まれることを示してくれました。塾生の皆さんもぜひ見習っていって欲しいと思います。
■ 07月31日(日) 塾生企画 ~竹クラフト~
「竹クラフト」ではお箸、お皿、花瓶、竹灯篭を参加者に作ってもらいました。企画を考えた塾生はそれぞれの作り方をイラストにして参加者に配り、それを見ながら皆熱心に取り組んでいました。 親子で協力して作品を作ったり、企画担当の塾生が小さい子どもと一緒に作品作りをしている姿が見られました。
終盤では子どもたち以上に大人の方々がクラフト作りに没頭している様子でした。
■ 07月31日(日) 塾生企画 ~野菜ビンゴ~
「野菜ビンゴ」はその名の通り野菜の名前を使ったビンゴゲームです。数字のかわりに野菜名が読み上げられます。参加者は45種類の野菜の中から好きな野菜の名前を24種類選んで書きました。 1つ1つ野菜の名前が読み上げられるたびに、「やったー!」とか「ないな~」とか言い、そのうち「リーチ!」「ダブルリーチ!」「ビンゴ」と大きな声が飛び交いました。賞品には塾野菜や野菜の種が贈られました。
■ 07月31日(日) 昼食
お父様方に作っていただいた樋を使って流しソーメンを行いました。大人も子どもも一緒になって楽しみました。
自然塾の流しソーメン名物の流しミニトマト。
丸いトマトを取るのはちょっと難しいですが、取れたら嬉しく、また格別においしいんです。
■ 07月31日(日) 活動のまとめ
ステージのまとめとして枝村塾頭からお話をいただきました。
「親子大会が無事終了しました。楽しかったですか?保護者の方々も楽しんでくれました。みんなが一生懸命協力し、心を一つにして行ったからだと思います。ソーメン流しの樋も、お父さんたちが次に何をしたらよいか考えて行ってくれたので早く出来上がりました。皆さんがここに来ることが出来ていろいろな体験ができるのは両親やいろいろな人のおかげです。感謝の気持ちを忘れないようにしてください。」
■ 編集後記
親子大会にご参加くださいました保護者およびご家族の皆様、ありがとうございました。予測のつかない天候のもと、予定を変更させていただいたところもありましたが、皆様のおかげで無事終了することができました。慌しいスケジュールではありましたが、塾生が農作業や企画に取り組む姿をご覧いただき2日間楽しんでいただけたら幸いです。塾生たちにとっても、よい経験になったと思います。
今回の共同生活目標は「時間を守る」でしたが、塾生企画をはじめ、何とか親子大会に間に合わせた面もありました。先を読まなければなかなか時間は守れません。なかなか難しいことかもしれませんが、これからの人生を有意義に過ごすためにも時間を意識していってもらいたいと思います。

T.K.