2011.06.17~19
第07ステージ ~女子~
ステージテーマ:「人と自然に感謝して、収穫の喜びを味わおう!」
共同生活の目標:「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業をする。」
 今回のステージ、梅雨空でしたが雨の間を縫って農作業を行うことが出来ました。第1ステージが中止のために塾生たちが植えつけることが出来ず、スタッフが植え付けたジャガイモを収穫し、コロッケを作りました。また、昨年度の塾生が秋に種をまいたコムギが黄金色になり、収穫をしました。存分に収穫の喜びを感じてもらうステージとなりました。
 また、全体の活動の1/3が終わり今まで行ってきた活動を振り返り、共同生活一つ一つの行動をより丁寧に行うために、目標を上記のようにあげました。
■ 06月17日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって枝村塾頭からお話をいただきました。
 「今日から第7ステージ、全体の1/3が終わりました。このままあっという間に半分が過ぎて、あっという間に活動が終わってしまいます。そこで、初心に帰って自分がこの塾に何をしに来たのか思い出しながら活動をすごしてください。
 これから晴れて暑くなってきます。農作業が暑くてつらくなるかもしれませんが、この塾では農作業を通して生きる力を大地から学ぶことを大切としているので、一所懸命取り組んでください。
 今回ジャガイモを収穫します。残念ながら植え付けはスタッフが行いましたが、植えつけてから約3ヶ月が経ち、収穫が出来るようになりました。掘る時にどのようになっているかよく観察しながら収穫してください。
収穫したものを見て自然の力はすごい事、収穫の喜びを感じてください。また、収穫したジャガイモを使ってコロッケを作るので、楽しみにしてください。
 もう一度食事について話をします。自然塾では「出されたものは全て残さずよく噛んで食べる」こと、「好き嫌いはない」ことを教えとしています。偏った食事にならないように満遍(まんべん)なく食べてください。よく噛むことはとてもよいことがあります。「歯が丈夫になる」、「顔が引き締まる」、などです。もう一度思い返して食事をしてください。
明日は岩下先生と言う素敵な女性がいらっしゃいます。マナーについていろいろなお話をしてくださいます。楽しみにしてください。」
■ 06月17日(金) 1/3の振り返り
 活動が始まって、1/3が終わりました。
今まで、塾活動でやってきたことを思い出してもらい次々とあげてもらいました。
 残りの塾生活で色々なことを体験してもらいます。その一つ一つを良い思いでとなるように一所懸命活動に取り組んでもらいたいと思います。
■ 06月18日(土) 共同農園作業「ジャガイモの収穫」
 朝のうち小雨が降っていましたが、塾生たちが外に出る頃には雨もあがったので、ジャガイモの収穫を行いました。畑の状態が悪いので、今回はコロッケで使うジャガイモとお土産で持ち帰るジャガイモを収穫しました。万が一途中で雨が降っても大丈夫なようにカッパを着ての作業でした。蒸し暑い中の作業になりましたが、みんな一所懸命行いました。
 まずは地中でどのようにジャガイモが出来ているか、クイズを出しました。
 正解は実際に掘り上げてみて答え合わせを行いました。種イモから出た茎の、地上部までの間にへその緒のような茎(ストロン)が分かれ、その先にジャガイモが出来ます。
 みんな実際にジャガイモが出来る様子を興味深く見ていました。
 掘り方の説明を受けて、いよいよ実践(じっせん)!
 まずは地上部の茎と葉を取り除くところからはじめました。
 いよいよジャガイモの探し掘り。ジャガイモの皮は非常に傷つきやすく軍手でこすっただけですぐにむけてしまいます。塾生たちは傷をつけないよに注意深く収穫しました。
 収穫したジャガイモは畑から道路の軽トラックまで運びました。ジャガイモがたくさん入った重たいカゴを持って、坂道を登りました。
 収穫したジャガイモを計量しました。
コロッケ分のダンシャクイモは約15kg、お土産分のキタアカリは約28kg収穫できました。
 お土産で持ち帰ったジャガイモは、家族と一緒にどんな料理で食べたのでしょうか?きっと、おいしく食べたことと思います。
■ 06月18日(土) チーム農園作業
 雨が降らなかったので、引き続きチーム農園作業を行いました。短い時間でしたが、各チーム共に作物の世話をたくさん行いました。
 このチームはキュウリを支えるネットを張りました。どのくらいの高さまで育つか、どこにネットをたらしたら、うまくキュウリが上ってくれるかを考えながら支柱を立てています。
 このチームはトマトの芽欠き、誘引をしました。
 「どれがわき芽かわからない…」
わき芽もずいぶんと大きくなって、本体と見分けがつかなくなってしまっているようです。スタッフに確認しながら見極めて、わき芽をきれいに欠く事が出来ました。
 キャベツの虫取りをしました。ネットをしっかりとかけているはずなのですが、どこからか虫が入り、卵を産みつけ幼虫がずいぶんいました。ピンセットで1匹1匹とるのですが…。
 「もうやだ!細かすぎる!」
と、音を上げていました。
 おいしいキャベツを食べるためにがんばって世話をしましょう!
 細かい雑草を抜きました。
雑草が大きくなってからでは、手がかかります。早め早めに対処しておくことがコツです。

■ 06月18日(土) 塾活動「マナーのお話」

 昼食後、現代礼法研究所代表、NPO法人マナー教育サポート協会理事長の岩下宣子先生をお迎えして、マナーのお話をしていただきました。
 「『LOVE(ラブ)』という言葉が日本に入ってきた時は『愛』とは訳されずに『御大切(ごたいせつ)』と訳されました。マナーとは自分を大切にするように人も大切にする心なのです。マナーは愛。人も物も大切にする様に心がけてください。マナーは難しいことじゃないのです。自分がされてうれしいことをする、自分がされて嫌なことをしない。その場その時相手に伝わる形で表現したものなんです。」
 和室と洋室のマナーの違いや座布団の座り方、箸の持ち方などいろいろなことを教えていただきました。その後、塾生たちにマナーに関するクイズを出していただきました。2人1組で答えを出すのに真剣に相談しながら答えを出していました。
 塾生たちは先生の話に引き込まれてあっという間に時間が過ぎてしまいました。今回聞いた事を是非実践して、素敵なレディーになってください。
■ 06月18日(土) 塾活動「コロッケ作り」
 午前中に収穫したジャガイモを使ってのコロッケつくりです。チームで協力して夕食つくりです。
 まずはじめに各チームごとジャガイモを計り、洗ってから、蒸かすために調理師さんへ渡しました。
 コロッケつくりの説明を聞いたあと、役割を決めてコロッケ作りスタート!
 タマネギをみじん切りにする係、ひき肉をいためる係、ジャガイモの皮をむく係と分かれて作業。
ジャガイモの皮むきをする塾生は「あつ!あついよ!」と。熱いうちに皮をむくときれいにむけるのです。
 皮をむいたジャガイモをつぶして…
 みじん切りにしたタマネギをいためて、ひき肉を混ぜて…
 調理師さんにコツを聞きながら、形を整えてパン粉をつける作業です。小麦粉、卵、パン粉をうまくつかないとコロッケがパンクしてしまいます。

 パン粉がつけ終わったら揚げる作業は調理師さんへお願いをしました。
 揚げあがったらきれいに配膳です。
いくつかパンクしてしまったコロッケもありましたが、上手に出来ていました。
 これで、おうちでもコロッケが出来るね!
■ 06月18日(土) 塾活動「親子大会の塾生企画の準備」
 3回目の塾生企画の打ち合わせです。メンバーが決まり、具体的な内容を詰めていきました。
 この企画では早速作る作業に取り掛かっていました。
 来てくださる保護者の方々を楽しませるためには準備が重要ですね。
■ 06月19日(日) 朝の瞑想
 今回は4分間。塾生たちには、自分を律するよう、たとえかゆいところがあっても、足が痛くなっても、4分間の間はじっと我慢してもらうことに重点を置いてもらいました。
 多少動いてしまった塾生もいましたが、ほとんどの塾生は我慢できていました。
■ 06月19日(日) 共同農園作業「コムギの収穫」
 市村自然塾ではリレー作物として、コムギを育てています。9期生が種まきをしたコムギが収穫時期を迎えていました。塾生たちには1本も刈り残しが無いように丁寧に作業をしてもらいました。
 刈り取ったコムギを束ねる作業も丁寧に行わなければいけません。結び方がゆるいと干している時に落ちてきてしまいます。丁寧に力強く結びました。
 畑から軽トラックのある道路まで坂道をコムギを抱えて運びました。この日は蒸し暑く、塾生たちはへ張り気味でしたが、中には何往復もする塾生もいました。
 おつかれさま! 
■ 06月19日(日) 共同農園作業「ジャガイモお土産包み」
 土曜日の午前中に収穫したジャガイモを分けて包装しました。包装の仕方はレタスの時と一緒で、新聞紙に包みます。前回レタスは丸くて包みにくかったのですが、今回のジャガイモもコロコロと転がって包みにくかったようでした。
 これからもチーム農園で収穫したものなどを包んで持ち帰ると思うのでしっかりと練習してもらいたいです。
■ 06月19日(日) 活動の振り返り
 活動を終えるにあたって塾頭よりお話をいただきました。
 「今回のステージは天候が悪かったけど、農作業が出来てよかったです。特に収穫の喜びを味わうことが出来たと思います。お土産のジャガイモは家族で味わってください。収穫したジャガイモは50g位の種イモから約10倍の500gくらい収穫できました。これは男子塾生、スタッフも含めたみんなが世話をしたおかげですね。それだけではなく、自然大地、太陽、雨、風などのおかげです。自然の力はすごいと感じましたね。
 ジャガイモは土の中で一所懸命育ちました。皆さんはそれをコロッケとしていただきました。みんなおいしいと感じたと思います。私達はそのジャガイモの命をいただきました。我々はいろいろな命を頂いて生きる力をもらっているのです。感謝していただきましょう。そして、採れたての野菜をいただけるのは調理師さんのおかげ。そして、ここに来て様々な体験が出来るのはみんなを送り出してくれるお父さん、お母さんおかげでもあります。改めて感謝の気持ちを持って欲しいと思います。
 岩下先生はマナーのお話を通じていろいろなことを教えてくださいました。「マナーは愛」「思いやりは脳を活性化する」など。マナーを通じて世の中のいろいろなことや、他の国の歴史を学ぶことが出来きましたね。
 今週はこれで終わりますが、最近気になるのは少し気が抜けている点です。もう一度気を引き締めて活動に望んでもらいたいと思います。」
■ 06月19日(日) おまけ「帰宅直前」
 「わすれもの~!」
と、お土産のジャガイモを取りに塾舎までダッシュ!
 いつもよりもたくさんの荷物を抱えてバスへ…。ジャガイモに加えて休み時間に塾舎裏の竹林へタケノコ取りに行ったメンバーはさらに大荷物になりました。
■ 編集後記
 今回は雨の合間を縫って農作業が出来て本当によかったです。
全量ではないのですがジャガイモの収穫、コムギの収穫が出来たことは非常に幸運でした。塾生たちも初めての大規模な収穫に楽しさを感じたのではないでしょうか?
 目標の「心を込めてきちんと丁寧に作業する」ことは非常に難しいと思います。しかし、丁寧に作業をする事で良い良いものが出来上がったり、丁寧に対応する事で仲間との絆が深まったりします。一つ一つの作業に対して目を向けて、真剣に取り組む事で、身につくことがたくさんあります。一瞬一瞬を大切にすごしてもらいたいと思います。
 これからも、塾生たちの心震わせるような体験を支援できればと思っています。
K.M.