2011.05.20~22
第05ステージ ~女子~
ステージテーマ:「作物の植付けと世話を思いやりを持って行おう!」
共同生活の目標:「ルールを守る」
今の時期、たくさんの作物の植付けや種まき、すでに植えた作物の世話に加え、勢いを増した雑草対策もしなければならず農家は大忙しです。市村自然塾でも行わなければならない農作業がたくさんあります。予定では今回はお茶作りをおこなう予定でしたが、近隣地域のお茶から暫定基準値(ざんていきじゅんち)を超える放射性物質が検出されたため中止し、作物の世話を思いやりを持って行おう、というテーマのもとに活動しました。(なお、検査の結果自然塾のある松田町寄(やどりき)地区での値は基準値以下で問題のないことがわかりました。)
今回は「ルールを守る」ことを共同生活の目標としました。前回の「時間を守る」こともとても大切ですが、塾生活を安全に快適に過ごすためには時間以外にも守らねばならないことがたくさんあります。そこで農作業時、食事の際、入浴時などに守らなければならないルールを意識してもらいました。
■ 05月20日(金) 夜の集い
ステージのはじめに枝村塾頭からお話がありました。「今週末は晴れて本格的に農作業が出来そうです。暑くなりそうですがしっかり寝て、明日に備えましょう。自分に負けないように頑張ってください。
この夏は電力不足になりそうなので、節電が必要になります。リコーでもいろいろな節電対策をおこなう予定ですが、皆さんも無駄な電気は消すなど、普段から節電を心がけてください。またエネルギーを無駄に使わないよう、食事を残したり物を無駄にしないようにしましょう。
みんな塾の生活に慣れてあいさつをしたり、時間を守ることも出来るようになりました。しかし出来る人と出来ない人がいます。基本的なことは出来るようにしましょう。
前回の共同生活の目標は「時間を守る」でしたが家や学校でも守れていますか?集団生活では時間を守れないとみんなの時間を無駄にし迷惑をかけてしまいます。時間を守れる人は他のことも出来る人です。
今回の共同生活の目標は「ルールを守る」です。最初のステージでルールを守って欲しいと言いましたがルールを守らないと危険になります。怪我をすると回りにも迷惑をかけてしまいます。友達との決め事なども守らないと信頼されなくなって、友達をなくしてしまいます。約束や決め事を守るようにしましょう。
明日は暑いので集中して、心を込めて丁寧に作業をしてください。」
■05月21日(土) 共同農園作業  ~キャベツ・レタスの世話~
男子はジャガイモの世話をしましたが、女子はキャベツ・レタスの世話を行いました。畑には一面細かい草が生えていたのでまずは草取りを行いました。畝の上の草取りはキャベツの根を傷めないよう慎重に丁寧に草取りを行いました。暑い中の作業でしたが、辛抱強く作業を行って畑をきれいにしました。
今日のおやつはお米アイスでした。
暑い中で作業をしていただけに、冷たいおやつはとりわけおいしく、ほっと一息つきました。
雑草を取り終わったあと、追肥と土寄せを行いました。しっかりと肥料をやったので、立派に育つのを期待しましょう。
■ 05月21日(土) チーム農園作業
女子が思う存分チーム農園作業を行えるのは今回で二回めです。新たに植えつける作物に加え、前回植えつけた作物の世話もあり大忙しでしたが、チームで協力しあって作業に取り組んでいました。
作業にとりかかる前にまずは何をしなければならないか?誰が行うか?など確認をしました。 午前中の共同農園作業、キャベツ・レタスの世話のときに自然農薬の紹介がありました。このチームではさっそく使っていました。キャベツの虫除けとメロンのウドンコ病対策だということです。
トマト・ナス・スイカ・メロン・・・すべてのチームが敷きわらが必要な作物を育てています。しっかり敷きわらをすることで乾燥を防いだり、雨のはねあがりが原因の病気を防いだりするので、とても大切な作業です。 メロンは育てるのが難しいというので、育てているチームはその様子を注意深く観察し、どのような世話が必要か考えながら世話をしていました。
スイカはツルを長く伸ばすので広い畝が必要です。共同農園作業で行った畝たては60cmから90cmぐらいですが、スイカの場合は2mぐらいの畝が必要なので、畝たてに苦労している様子でした。 トマトは雨に弱い野菜です。雨にあたってトマトが病気にならないよう、雨よけを作りました。トマトはほかにもいろいろな世話が必要な野菜です。しっかり世話をしていきましょう。
■ 05月21日(土) 共同農園作業  ~サツマイモの植付け~
チーム農園作業のあと、サツマイモの植付けを行いました。まずサツマイモについての話がありました。

サツマイモは60℃で長時間加熱すると甘くなるのでスィートポテトと言われます。同じ広さの畑から収穫できたサツマイモは、米の2倍の人を養うことが出来、荒地でも育つことから飢饉(ききん)のとき大活躍して昔から人々を救ってきました。
荒地でも、狭い土地でも育つため宇宙で育てる研究もされているそうです。
サツマイモの苗はほとんど根のついていない葉と茎だけのような苗なので、乾燥して枯れてしまわない様しっかりと植えつけなければなりません。葉っぱは光合成をするので出来るだけ地面から出したほうがよいのですが、葉の付け根からイモが出来る根が出るので、付け根も出来るだけ埋めるとサツマイモが多く収穫できます。そこで移植ごてを使って苗を斜めに畝に植えることで、苗が枯れないように、またイモも多くとれるように植えました。

畝を立てて


苗を並べて


移植ごてを使って苗をしっかりと土にさし、


最後に水をたっぷりやりました。

■ 05月21日(土) 塾活動  ~通塾の話し合い~
塾への行き帰りの際、塾生同士で通塾しなければならなくなったらどうしたらよいかを話し合いました。
同じ集合場所に集る塾生や近くの駅で乗車する塾生同士で集って、集合場所に遅れてしまうことがわかった場合、集合場所に誰もいない場合、集合場所にスタッフだけがいない場合、塾生だけで電車に乗る場合、途中乗車してくるはずの塾生が乗ってこない場合、塾生だけで乗車しているときに他の塾生がトイレや電車酔いで途中下車する場合について各チームで話し合ってもらい、その後各チームから発表してもらいました。
まず塾に連絡して確認をすること、指示に従って行動すること、あわてず情報を集めること、上級生や年長者、携帯電話を持っている塾生が積極的に連絡係を行うこと、などを確認しました。
■ 05月22日(日) 季節の話  
日曜の朝食前に行う季節の話、今回は”小満”についてでした。冬至や夏至、立春、立秋、などと違い、二十四節気のなかでは目立ちませんが、ムギの穂がつき、自然は満ち足りてくる時期です。
この後の瞑想(めいそう)でも、自然の空気を感じてもらいました。
■ 05月22日(日) 共同農園作業  
この日は途中から雨が降るという予報でした。しかし午前中は雨とならなかったため農作業を行いました。このステージはめいっぱい農作業を行うステージとなりました。
■ 05月22日(日) 共同農園作業  ~落花生の種まき~

作業の前に落花生についてのクイズを行いました。
落花生の実が出来る場所はどこか?というクイズ、答えは花が落ちた後に子房柄(しぼうへい)というものが伸びてきて、その先の土の中です。
また、日本では落花生はゆでたり、炒ったりして食べられますが、世界では主に何に使われているか?というクイズ、答えは油の原料です。
落花生がたくさんなるようにするには、平畝が最適です。土を盛ったあと、凹凸がない様に丁寧に平らにならしました。
落花生の種の仕組みはどうなっているのか?いくつか種を割って観察しました。種の中にはもう根になる部分や芽になる部分が出来ています。種の中の様子がわかったら、少しでも楽に発芽させてやることができるように考えて向きを揃えてまきました。しかし、塾生の中には種の向きがわからず苦労していた塾生もいました。
■ 05月22日(日)共同農園作業  ~ゴボウの世話~
このゴボウの世話が今ステージ最後の農作業となります。塾生たちも最後の力を振り絞り、集中して草取り、追肥、土寄せを行いました。
■ 05月22日(日) 昼食
昼ごはんは焼きそばでした。そばめしも作りました。農作業の疲れなど感じさせない食事のひとときです。
■ 05月22日(日) 活動のまとめ
ステージのまとめとして枝村塾頭からお話がありました。「今回はとてもよい天気で十分畑仕事ができました。暑くて大変だったと思いますがよく頑張ったと思います。農作業が大変でつらいものだとわかりましたか。お百姓さんは朝早くから夕方遅くまで働きます。頭が下がる思いです。これからもっと暑くなるので強い心と体力をつけていってください。リーダー中心に協力してテキパキ作業を進めましょう。
今回残念ながらお茶作りは出来ませんでしたが、前回は味噌づくりが出来ました。このような経験もできるのは自然塾に来れたからで、自然の恵みや調理師さんに感謝しましょう。
塾では食事を好き嫌いなくよく噛んで残さず食べてもらっています。嫌いな野菜も食べられるようになったと保護者の方からも聞いています。いただきます、ごちそうさまと大きな声で言っていますが、料理を作ってもらった人や、野菜や生き物の命をいただいている事への感謝の気持ちを込めて言っているのです。食べ物を残してしまうことは命を無駄にすることになります。家で食べ物を残してしまうのは、作ってくれた人への思いやりが足りません。残さず食べるようにしましょう。
今までの共同生活の目標に共通して言えるのは相手に対する思いやりです。ぜひ思いやりを持って相手に接するようにしてください。
チーム農園では大体の作物が植え終わりましたね。あとはしっかり世話をして大きく育ててください。」
■ 編集後記
今まで女子ステージは雨にたたられ続けていましたが、今回ははじめて2日間とも農作業ができました。しかし、夏のような陽気となって塾生たちは暑さと格闘しながら作業を行うことになりました。厳しい条件でしたがよく頑張ったと思います。これから夏に向けて農作業はさらに大変になります。つらくとも挑戦する気持ちを持って立ち向かっていってください。
共同生活の目標は「ルールを守る」でしたが、多くの塾生がルールだけではなくマナーも心がけていました。しかし時には一方で遊びに夢中になるあまり、危ないからやめようというルールを忘れて行動してしまった塾生もいました。ルールを守らないと危険につながったり仲間内の信頼を失ったりします。常にルールを意識し、自然に守れるようになってください。
T.K.