2011.04.08~10
第02ステージ ~女子~
ステージテーマ:「友達と早く仲良くなって自然塾に慣れよう!」
共同生活の目標:「あいさつをする」
 第1ステージは東北地方太平洋大地震の影響で中止となりました。そのため、この第2ステージが女子第10期生の最初の活動となりました。ステージテーマは、「友達と早く仲良くなって自然塾に慣れよう!」を、共同生活の目標は第1ステージで予定していた「あいさつをする」を掲(かか)げました。
今回、晴れていればゴボウの種まき(穴掘り)をおこなう予定でしたが、あいにくの雨で避難訓練と危険予知訓練を行い、災害時の対応方法について学びました。
■ 04月08日(金) 塾生到着
 今年も28名の塾生がやってきました。普段とは全く異なる土地で、初めて出会う仲間と過ごすことに、期待の表情と不安の表情が見られました。
■ 04月08日(金) 夜の集い ~枝村塾頭のお話~
 活動を始めるにあたって枝村塾頭よりお話がありました。
「前回の第1ステージは地震の影響で中止になりました。被災地では、地震で学校も、家も何もかもなくなり、暖房もない中で大変な思いをしています。皆さんにも出来ること、例えば節電をしたり、おこづかいから募金したりして応援しましょう。
 今日からステージの始まりです。この8ヶ月間、みなさんには心に残る活動をしてもらいたいと思います。それには、自ら進んでいろいろなことに積極的にチャレンジすることです。皆さんにとって初めてのことがほとんどだと思いますが、世話人やボランティアの人の言うことをよく聴いて行動してください。
 自然塾では、ステージごとにステージテーマと共同生活の目標を掲(かか)げて活動します。目標を持つことはとても大事なことです。目標をたて、それに向かって努力してください。」
■ 04月08日(金) 荷物整理・布団敷き
 今回は最初のステージなので、荷物の整理を行い、自然塾での布団の敷き方を教わりました。持ってきた荷物や宅急便で送った荷物を配られた衣装ケースに入れて整理をし、チームの仲間と協力しながら布団を敷きました。
■ 04月09日(土) 起床・清掃・食事当番
 朝6時30分に鐘の音で起床し、まず布団をたたんで、塾生室の掃除を行います。
 そのあと、チームごとに3ヶ所の共同場所の掃除と食事当番を分担して行います。
みなスタッフの話をよく聴いて、一生懸命行っていました。
 食事当番は食事のあと、食器やお米を炊いた釜を洗います。
釜洗いは釜飯炊きを行った塾生が行います。釜洗いを行った塾生は、手を真っ黒にしながら釜をきれいにみがいていました。
■ 04月09日(土) 避難訓練
 大きな地震がきて、火災が発生したという想定で避難訓練を行いました。塾生は防災頭巾をかぶり、体をかがめながらすばやく塾舎から避難しました。
 そのあと塾頭からお話がありました。「皆さんとても速やかに避難してくれました。自然塾でも災害が起こったときのために訓練します。実際にこうして訓練して経験することはとても大切です。避難するときの大切な言葉で「おかしも」という言葉があります。「押さない」「かけない」「しゃべらない」「もどらない」です。それと、普段から整理整頓しておくことも大切です。いざ逃げるときすばやく逃げることができます。」
 避難訓練のあと、塾の避難経路を教わりました。非常階段の場所や火の出やすい場所をあらかじめ知っておくことは、いざというときに役立ちます。
また、塾で使っている毛布は燃えにくい素材なので、緊急の際には火から身を守るのに役立つということも教わりました。
■ 04月09日(土) KYT(危険予知訓練)
 次に、農作業を行っている場面が描かれたシートを使って、どこにどのような危険があるか探しました。
 「振り上げているクワが後ろの子に当たって怪我をさせそうだ!」、「チョウを追いかけてまわりが見えなくなっている子が、石につまずきそうで危ない。」など、沢山の危険箇所を見つけていました。
 みんなで見つけた危険をもとに、安全に作業するための標語をチームごとに考えてもらいました。「服(く)は全部長いもの、靴(つ)は長靴タオルと軍手、うだ!帽子も忘れずに、腕(で)は絶対出しません!(ふくそう)」「無理せず、協力しあい、周りをみよう!」などといった標語が出来ました。
 各チームに分かれて塾舎内にどのような危険があるかを探すと、塾生室や廊下など身近なところにも危険が潜(ひそ)んでいることが分かりました。
ぜひ、日ごろから危険を見つける力を身につけて行動するようにしてください。
■ 04月09日(土) チーム農園の作付け計画
 この時間では、チーム農園で何を育てるか話し合いました。
多くの塾生が何を育てたいか考えていて、参考書を見たり、スタッフに相談したりして、チーム農園の計画に熱心に取り組んでいました。
■ 04月09日(土) コミュニケーションゲーム
 塾生同士の交流を深めたり、協力することの大切さを体で感じてもらうためのゲームを行いました。
 最初にリズムに合わせて体をほぐしたあと、仲間を探すゲームを行い、そのあと誕生日順に自己紹介をしました。また、チーム全員がどんどん狭くなっていく座布団に乗ったり、床に手をつかずに仲間同士で立ち上がったりするゲームを行い、達成すると仲間みんなで喜び合っていました。
■ 04月09日(土) 食事のあいさつ
 釜飯炊きを行った塾生は、その食事のメニューの紹介を行い、”いただきます”、”ごちそうさま”のあいさつをします。「姿勢を正してください。いただきます。」の言葉で、食事の時間が始まりました。
■ 04月09日(土) 夜の集い
 夜の集いでは冒頭、枝村塾頭より「活動の目的と共同生活の基本ルール」についてのお話がありました。
「入塾式の時にみなさんには一言づつ目的を言ってもらいました。ぜひ目的を達成するように努力してください。自然塾にも目的があります。それは塾生手帳に書いてあります。自然塾の基本理念は”生きる力を大地から学ぶ”です。3つの心と、2つの力、自然を慈しむ心、相手を思いやる心、社会の一員として、社会の基本的なルールを守る心、自分のことは自分でやる力、安全(危険)を知る力、を身につけてください。
野菜を育てると思い通りに行かないことが沢山あります。時には我慢することも必要です。そして、いろいろなことを面倒くさがらず、心を込めて丁寧にやってください。そうすると自然塾の目的が少しづつ理解できるようになります。
共同生活をみんなが楽しく安全に過ごすためにルールを守ってください。チームや友達同士で決めたこともルールです。ルールを決めたら、自分の役割をしっかり果たすようにしてください。何ごとも相手のことを考えて、相手のことを思って過ごして下さい。」
 土曜日の夜と日曜日の帰宅前に、そのステージの共同生活の目標がどの程度達成できたか振り返ります。
 今回の共同生活の目標「あいさつをする」がどのくらいできたかどうか塾生手帳に記入して、スタッフに見てもらいました。
■ 04月10日(日) 季節の話・瞑想
 日曜日の朝は、朝食前に瞑想(めいそう)を行います。まず季節についての話を聞いたあと、目を閉じて、静かに自分を振り返ったり、季節を五感で感じたりしました。
■ 04月10日(日) チームとチーム農園作付け計画の話し合い
 この時間では、チーム名、リーダー、サブリーダーの候補を決め、チーム農園の作付け計画の続きを行いました。チーム農園の作付け計画では、さっそくリーダー候補が中心となって熱心に作業に取り組み、育てる作物や畑の図面作りを行っていました。
■ 04月10日(日) ステージのまとめ
 ステージのまとめとして、枝村塾頭からお話がありました。
 「今回、雨で畑仕事が出来ずに残念でしたが、いろいろな事をやりました。ご飯も頑張って食べてくれました。ここで出来るようになれば、家でも出来るようになります。何でも挑戦して、最後までやりぬくことが大事です。
 友達と仲良くなれましたか?自分から声をかけなければ、友達もできません。
 共同生活の目標は「あいさつをする」でした。日本には「礼に始まり、礼に終わる」という言葉があります。あいさつはその人の心を表します。人を思いやることにもつながります。友達もいっぱいできるようになります。学校でも家でも出来るようになってください。」
■ 04月10日(日) 塾生室の清掃と確認
 帰宅前には、次にこの塾生室を使う男子塾生が気持ちよく使えるよう、きれいに掃除しました。最後に塾頭の確認をもらって解散しました。
■ 04月10日(日) 帰宅前のあいさつ
 塾の玄関前で、塾に対する感謝の気持ちを込め、一礼してバスに向かいました。
■ 編集後記
 今回は女子第10期生の最初のステージとなりましたが、塾生たちはすぐに打ち解け、さっそく塾の活動に積極的に取り組んでいました。
農園を耕したり、ゴボウの種まきを行ったりすることは出来ませんでしたが、避難訓練や危険予知訓練を行い、もしもの時にどうしたらよいか、どこにどのような危険が潜(ひそ)んでいるかも学んだと思います。これを生かして、安全に塾生活を過ごしてもらいたいと願っています。
 また、チームやチーム農園の話し合いやゲームを通して、チーム内でも、塾生同士でも、仲良くなったのではないかと思います。これからのステージ、仲間同士協力することを忘れないで、充実した塾生活を送って欲しいと思います。
T.K.