2011.11.18~20
第18ステージ ~男子~
ステージテーマ:「最後の片づけをきちんとして、気持ちよく卒塾しよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から全員で一つを選ぶ」
10期生の活動もいよいよ最後のステージを迎えました。今回のステージではお世話になった塾舎やチーム農園を感謝の気持ちを持って片付け、来期の塾生に渡せるように心がけて活動してもらいました。
共同生活の目標は、塾生から司会進行役、書記役を募って塾生主体で目標決めと振り返りを行ってもらいました。
■ 11月18日(金) 夜の集い
ステージを始めるにあたり、枝村塾頭からお話をいただきました。「いよいよ最後のステージになりました。あっという間だったと思います。明日のチーム農園作業では、すべての作物を収穫して元の状態で塾へ返してもらいます。チーム農園では特に後半、よく野菜が育ちました。みんなで力をあわせたおかげです。これはとても大事な経験です。良い結果がでて良かったと思います。塾舎など大掃除をしてもらいますが、きれいにしようとする心は形に表れます。次の11期生のためにも一生懸命行って下さい。
餅つきもしますが、餅は粘って白いので、粘り強く清い心を持った人間であるようにという思いが込められて正月や祭りなどの節目に食べる習慣があります。今回は皆さんにとっての節目ですので感謝の気持ちを持ってのぞんで欲しい。 
塾生活でやり残したことはありませんか?入塾式のときに延べてもらった目標や抱負はほとんどの人は達成できたと思うけれども、後にも先にもこのステージしかありません。今回は11期生へのバトンタッチでもあるし、みんなの締めでもある。一生懸命やって欲しいと思います。」
共同生活の目標を決める司会進行役、書記役の立候補を募ったところ、リーダー・サブリーダーの中から3人が立候補しました。
「最後の片づけをするから」「最後でけじめをつけるため」といった理由で、『整理整頓清掃清潔』が共同生活の目標となり、       
・部屋の荷物が乱れていたら注意する
・いつも以上に心がける
・感謝の気持ちを持つ
・きちんとやる
・自分からすすんでやる
といったポイントをもとにこのステージを過ごすことになりました。
■ 11月19日(土) チーム農園作業
最後のチーム農園作業では、作物の収穫片付け、チーム農園内と周囲にあるネットや杭・金具などの片付けを行ってもらい、草もきれいに抜いてきれいに耕して塾へ返してもらう予定でした。しかしあいにく雨模様となってしまったため、塾生にはカッパを着て作物の収穫と片付け、道具や看板類を片付ける作業だけ行ってもらってチーム農園を塾に返還してもらうことにしました。
作物の残渣(ざんさ)(写真はカリフラワー)はきれいに抜いて片付けました。 作物やチーム名を書いた看板は分解して板、杭、クギに分けてもらいました。杭は再利用し、板は薪にする予定です。
どのチームもたくさんの秋野菜が収穫できました。とても嬉しそうです。みんなで協力して最後まで育ててきて良かったですね。たくさんのお土産を持ち帰り、家族とおいしく味わってください。
すべての片付けが終わったあと、チーム農園に再集合し、チーム農園返還式を行いました。塾頭さんから畑に残っているものはないかどうか確認を受けたあと、今までお世話になったチーム農園に「ありがとうございました」と大きな声で挨拶をして塾へ返還しました。
■ 11月19日(土) 昼休み
リーダー・サブリーダーがお楽しみ会として『逃走中』を企画していましたが、雨のため中止となってしまいました。代わりに希望者同士で腕相撲を行いました。塾生と対戦したスタッフも真剣になっていました。
■ 11月19日(土) 塾活動  ~餅つき~
塾生全員で、今までの活動の締めくくりとして餅つきを行いました。ひとつきひとつき感謝の気持ちを込めて心を込めてつきました。
つきあがった餅はおやつ用や雑煮用に丸めました。手をもちでべとべとにしながらも真剣に作業をしていました。
おやつにつきたてのお餅をいただきました。バンダナをいたずら半分に使って「こそ泥」風にしていますが、悪巧みをしていないことはおいしそうな表情を見れば明らかです。
■ 11月19日(土) 塾活動 ~共同場所大掃除・道具の手入れ~
雨のため、日曜日に予定していた共同場所大掃除・道具の手入れを行いました。
普段は塾生が掃除しない地下倉庫ですが、いろいろな農機具を置いてあり、農作業ではお世話になった場所です。今回しっかりときれいにしてもらいました。
農機具や長靴を洗う地下倉庫入り口の排水溝には泥がいっぱい溜まっていました。スコップですくい出してきれいにしてもらいました。
クワやレーキ、窓ホー、剪定ばさみ、といった農機具は錆(さび)を落として油を塗ってもらいました。
玄関は塾の入り口です。埃やクモの巣を払い、床をタワシで磨き、ドアをきれいに掃除しました。
■ 11月19日(土) 夜の集い
夜の集いでは、卒塾式の歌の練習、塾生の生きる力がどれだけついたか調べるIKRアンケート、共同生活目標の振り返り、今まで1年間の共同農園作業の振り返り、荷造り伝票の記入説明を行いました。
共同生活目標の振り返りでは、「注意しあえた」、「いつも以上に心がけられた」、「感謝の気持ちが持てた」、「きちんとやれた」、といったポイントが守れたという一方で、「自分からすすんでやれた人がいなかった」という反省も出て、全体では7点という結果になりました。
また明日に向けて、「自分からすすんで」、「いつも以上に心がける」、「早く終わらせようとする気持ちをなくす」、「十分やれていないのにやっているというのをやめる」、「人に任せない」、という点に心がけて行おうということになりました。
■ 11月19日(土) 衣装ケース返却・荷造り
塾で使っていた衣装ケースは荷物を全部出し、きれいにして次の塾生がすぐ使えるようにして塾へ返却します。また荷物を家へ送る塾生はダンボールに荷物を詰めました。
■ 11月19日(土) リーダー会議
最後のリーダー会議が開かれました。今回はリーダー・サブリーダーともに出席してもらいリーダー(サブリーダー)を行ってきた感想やリーダーを行うのに何が一番大事だと感じたかを述べてもらいました。
簡単そうに見えたけど結構大変だった、リーダーは自分が信頼されないといけない、我慢強くないといけない、仲間の意見をまとめるのが大事、といった意見や感想が出されました。塾頭から、リーダーは嫌なことも率先して、自分から動かないといけない。人を動かすにはそれが一番大事です。いろいろなリーダーがいますが、身近なところでも人を動かせる人になってください、との話がありました。
■ 11月20日(日) 季節の話・瞑想(めいそう)
最後の季節の話では、一番近い二十四節気「小雪(しょうせつ)」の話に加え、今までの季節の振り返りをしました。入塾式を行ったのは啓蟄(けいちつ)、夏野菜の植え付けは立夏、ホタルの観察は夏至、親子大会が立秋、シダンゴ山ハイキングが秋分、そして収穫祭を立冬の頃に行ったことになります。自分たちが過ごしてきた塾での活動にあわせて振り返ると、ひとつひとつの季節、二十四節気が塾生にとってあらためて身近なものに感じられたようでした。
そのあと5分間の瞑想を行いました。塾で行う最後の瞑想です。
終了後感想を訊(き)きました。
5分間一生懸命正座を頑張った(正座することが本人には大変なことだったのですね)と言う塾生がいました。町と違って自然塾では夏より今は外の音が静かになったのを感じられた(自然を五感で感じられたのですね)。
卒塾後はなかなか出来ない体験です。瞑想を通じて向き合ったいろいろな自分や自然を大切にしていってください。
■ 11月20日(日) 共同農園作業 ~タマネギの植え付け~
昨日と一転して晴天が広がりました。10期生最後の共同農園作業、タマネギの植付けを行いました。今日植えた苗は冬を越し、来年11期生の食材になります。苗を傷つけないように丁寧に植えました。
■ 11月20日(日) 塾活動 ~塾生室大掃除~
最後にずっとお世話になった塾生室の大掃除をしました。窓ガラスをきれいに拭き、ベランダ周りやエアコンの室外機もしっかりときれいにしました。
最後に塾頭の確認を受け、塾生室に「ありがとうございました」と大きな声であいさつをしました。
■ 11月20日(日) ステージのまとめ
ステージのまとめとして枝村塾頭からお話をいただきました。「とうとう全ステージが終わりました。みんなが協力してくれたおかげで無事にステージを終えることが出来、ありがとうございました。昨日のチーム農園の片付けは雨で十分に出来なかったけれど、今回の掃除はみんな一生懸命に丁寧に協力してやってくれました。次の塾生にバトンタッチするつもりでやってくれたのではないかと思います。11期生が気持ちよく使えると思います。
自然塾でいろいろなことを学んだと思います。つらくて大変なこともあったと思います。みんな我慢して辞めることなく続けてくれました。塾へ行くのは嫌だなと思ったかもしれませんが最後まで続けられたのは大きな自信になります。これからもみんなの人生には大変なことがたくさんあります。大人になれば大変なことも増えます。徳川家康は「人の一生は重い荷物を背負いて長い道を行くがごとし」と言いました。どんなことでも、一生懸命努力して最後までやり遂げて欲しい。そうすれば喜びが待っています。苦労を背負って立ち向かって欲しい。みんなは自然塾で友達がたくさんでき、いろいろな体験と学びがありました。これからが始まりです。」
最後の共同生活目標振り返りでは、「感謝できた」「自分から出来た」「いつも以上に心がけた」「注意しあえた」といった点が出来たが、「時間内に終わらなかった」、という点が上がり、全体の点数は8点となりました。
共同生活目標決めと振り返りでは3回とも塾生が積極的に立候補し、塾生の成長を頼もしく感じました。
■ 11月20日(日) バス出発
最後の活動を終え、いよいよ出発します。チーム農園で収穫できたたくさんのお土産を手にバスに乗り込みます。
■ 編集後記
市村自然塾関東の男子第10期生の活動が終わりました。東日本大震災や市村自然塾10周年記念式典などで、例年と異なったスケジュールになった部分もありましたが、塾生たちは活動に全力で向き合ってくれました。農作業にしろ、共同生活にしろ、うまくいかなかったことは多かったと思います。しかし、だからこそ実際の自然というもの、人間というものを知ることが出来、人間が出来ることと出来ないこと、一人で出来ることと出来ないことを知り、自然や社会の中でどう生きていったらよいか、何かきっかけをつかんでくれたのではないかと思っています。
これからがスタートです。市村自然塾での経験を活かして、社会で羽ばたいてくれることを期待したいと思います。
T.K.