2010.10.07〜09
第15ステージ 〜男子〜
ステージテーマ:「コンニャクつくりを体験し、先人の知恵を学ぼう」
共同生活の目標:「今までの目標の中から各チームでひとつ選ぶ」
 普段、食材として使っているコンニャクですが、そのもととなるコンニャクイモはとてもアクが強く、そのままでは煮ても焼いても食べられません。また、昔はコンニャクイモの収穫できる秋にしか食べられない貴重なものでした。私たちが、いつでもおいしいコンニャクを食べられるようになったのは、先人たちが苦労していろいろと試し、工夫したおかげです。今回のステージでは、このコンニャク作りを実際に体験して、先人の知恵を学ぶことをステージテーマに掲げました。
 共同生活の目標は、今までの6つの目標の中から、チームとして一番出来ていないものを選んでチームの目標とし、活動に取り組んでもらいました。
■ 10月07日(金) 夜の集い
 まずはステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話をいただきました
 「残り4ステージです。明日からいい天気になります。天候が安定してきましたね。前回、前々回に植えつけた作物がこの時期にグンと大きく育つ時期です。共同、チーム農園含めて一所懸命世話をしてください。
 今回は食品加工の2回目。春にはダイズから味噌を作りました。今回はコンニャクイモからコンニャクを作ります。材料のコンニャクイモは、アクがあり、そのままでは煮ても焼いても食べられません。アク抜きが必要です。これは先人が見つけてくれた技です。先人に感謝ですね。
 食事に関してもう1度考えてください。塾での食事は、好き嫌いなく残さず食べることが基本です。まだ好きなものばかりを食べる人がいます。偏った食事をすると病気になります。それを防ぐには、最初に野菜を食べること、まんべんなく食べることが大切です。ぜひ今のうちからやってみてください。家でも食べられるようにしておくようにしてください。また、よく噛むことによって、良いことがありました。頭の働きがよくなる、消化がよくなる、顔つきが良くなる、味がよくなる。実践をしましょう。
 いただきます、ごちそうさまは食材の「命」に対しての言葉。食べ物を残すのは命を粗末にしているということです。そして、姿勢が悪い人は感謝の気持ちを忘れている人です。食べるということは多くに人や物に支えられているということを忘れないようにしてください。」
■ 10月07日(金) 共同生活の目標
 共同生活の目標は今回から各チームごとで決めてもらいました。自分達が最も出来ていない目標は何か、チームごとで相談しました。結果、「ルールを守る」「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」「人の話を聴く」とそれぞれ目標に掲げ、生活に取り組みました。
■ 10月07日(金) 電車内のマナーについて
 ここに来て、塾生たちの電車内のマナーの悪さが目に付きました。そこで消灯前にチーム会議を開いて、電車内のマナーについて再度考えてもらいました。各チームで出た意見は翌日のリーダー会議で持ち寄り、再度話し合いをして、塾生全員の意見としてまとめます。
■ 10月08日(土) スタンドアップ テイクアクション
 今年の塾生にも世界の飢餓を知ってもらうために、スタンドアップテイクアクションのキャンペーンに参加してもらいました。世界中の飢餓の話を聴いて、日本に住んでいる塾生たちにとっては信じられないことばかりでした。農作業に出かける前に塾庭で、全員が一斉に立ち上がりました。

※スタンドアップテイクアクションについての詳細は、市村自然塾トップページより「TOPICS」をご覧ください。
■ 10月08日(土) 共同農園作業 〜コンニャクイモの収穫〜
 コンニャクを作るために畑でコンニャクイモを収穫しました。コンニャクは1年で食べられる大きさになるのではなく、4〜5年かけて大きく育てるのです。男子塾生たちは、5ステージに1〜3年育った種イモを植えてもらいましたが、どのくらい大きくなっているのか楽しみです。
コンニャクイモがどこに植わっているか分からないので丁寧に掘り進めます。今年植えつけたイモの周りに生子(きご)という、小さなコンニャクイモがあります。それらも丁寧に掘りあげました。
 大きなコンニャクイモを収穫!
ここまで大きくなるのに、何代の塾生が手をかけたのでしょう。
■ 10月08日(土) 共同農園作業 〜秋野菜の世話〜
 第12ステージで植えつけた秋野菜の世話を行いました。植えつけてから約1ヶ月経ち、作物がずいぶんと大きく育ってきました。

 まずは雑草を抜くところからはじめました。
 夏場に比べると雑草の成長は遅くて小さいですが、丁寧に取り除きました。
 畝周りの雑草がなくなり、畝がきれいになったので、今後、作物が大きくなるように肥料をあげました。
 肥料をあげたら、土寄せです。まだぎこちなさが残っていますが、手馴れたものです。あっという間に土寄せが終わりました。
 最後に虫に食べられないようにネットをかけて終了です。これで、もうひと回り大きくなることでしょう。収穫が楽しみです。
■ 10月08日(土) 塾活動 〜コンニャク作り〜
 いよいよコンニャク作り。まず、ステージ担当よりコンニャクのつくり方や作業の分担・流れについて説明を受けました。その後、2チームごとにコンニャクを作るチームと、食品加工についての講義を受けるチームとで分かれて作業しました。
 まずは皮を取り除きます。コンニャクイモは非常にあくが強いので素手で触ると手がかゆくなってしまいます。ゴム手袋をして、金ダワシを使って丁寧に作業しました。また、コンニャクイモはサトイモの仲間で、つるつると滑りやすく塾生たちはが小さく切る作業に苦戦していました。
 細かくなったイモをミキサーでドロドロにします。細かくなって行くコンニャクイモをじっと見つめます。
 ドロドロになったコンニャクイモを鍋に移して煮詰めました。するとドロドロしていたコンニャクイモがだんだんと粘り気を増し、混ぜにくくなりました。ここで気を抜いてしまうと固まって焦げてしまうので根気良く混ぜました。
 鍋を火から下ろしてコンニャクを固める凝固液を混ぜ込みます。この作業を手早く、均一に混ぜることでおいしいこんにゃくが出来上がります。コンニャクの温度は約60度。ゴム手袋の中に軍手をしていますが熱い作業です。ぐっと我慢して混ぜていました。
 最後にパットに移し平らにならしました。チームによってコンニャクの色が微妙な違いが出ました。同じ材料で同じように作っても違いが出るのは、手作りならではの楽しみです。

 このあと、冷やして固めて最後にアク抜きをしてようやく食べられるようになります。
 食品加工についての講義では、コンニャクイモはどのような作物か、コンニャクの歴史、食品加工の目的・種類、自然塾で作っている加工食品の紹介などの話がありました。
塾生は眠そうな目をこすりながらメモを取っていました。
■ 10月08日(土) 共同農園作業 〜オカボの収穫〜
 今年は世話不足と、鳥に食べられてしまい収量が少ないのですが、オカボの収穫を行いました。塾生たちは種まきのときに天気が悪く、出来なかったのですが、その分収穫を丁寧に行ってもらうよう促して作業を開始しました。
 塾生たちが収穫する態度、その後の落穂ひろいなど、やる気を感じられなかったために、スタッフでオカボを干す作業を行いました。
 その間、塾生たちは好き勝手に遊びまわっていました。
 いつもと違う雰囲気を感じ取った数名の塾生が道具を洗い始め、次にどうすればいいか指示を仰ぎに来ました。やる気がない人に教えることはないと一蹴され、年長者がみんなをまとめ、話し合い、1人ずつ反省をスタッフの前で言いました。
 その反省を口だけでなく態度行動で示してもらいたいものです。
■ 10月08日(土) 塾活動 〜卒塾アルバム作り〜
 卒塾まであと3ステージです。卒塾式に配られるアルバムの中のチームのページを作り始めました。まずは写真選びから。どの写真にするか選ぶのにずいぶんと苦労をしていました。
■ 10月08日(土) 塾活動 〜コンニャクのアク抜き〜
 アルバム作りの途中に、昼間作ったコンニャクのアク抜き作業を行いました。1チームごとに交代で煮えたぎるお湯の中のアクをすくいました。

 このあと1晩水にしたして食べられるようになるのです。
■ 10月08日(土) 塾活動 〜共同生活の目標振り返り〜
 共同生活の目標で、気を配るポイントが出来ているかいないかをチーム全員で確認し合いました。結果、5点以下という厳しい点数がついたチームもありました。今までの自己評価ではつかなかった点数でした。チーム全員が納得する出来ではなかったようです。
■ 10月08日(土) リーダー会議
 金曜日の夜に各チームで話し合った、通塾のマナーを持ち寄りました。各チーム共に様々な意見が出ていました。「電車内で何をしたいかではなく、マナーを良くするためにはどのようにすればよいか。目的を見失わないように。」と、塾頭から注意を受け、意見をまとめました。
■ 10月09日(日) 朝食前の瞑想
 今回の瞑想では、ふらふら落ち着かない人が多くいました。塾での生活態度が現れていたように感じます。昨日の反省を、態度で示してもらいたいものです。
■ 10月09日(日) チーム農園作業
 残るステージは今回が終わるとあと3回!各チーム共、作物の世話に一所懸命。作物に向けるまなざしは真剣でした。
■ 10月09日(日) 塾活動 〜卒塾アルバム作り〜
 土曜の夜に引き続きアルバムつくりの続きを行いました。
 早いチームは写真を切り取り、レイアウトを考えて、下書きに入っていました。たくさんの思い出をいっぱい詰め込んでください。
■ 10月09日(日) まとめ
 ステージのまとめとして枝村塾頭からお話をいただきました。
 「今回は天気もよく、暑くもなく農作業日よりでした。残念なのはスタッフから何回か注意を受けたことです。今日は近所の方から「騒がしい」と、注意を受けてしまいました。少し気が緩んでいると思われます。生活態度を良くしてください。生活態度を良くするとは「姿勢を良くする」「静かにする」などです。
 チーム農園の作物は良く育っています。みんなが良くがんばっている証拠です。残りのステージ、気を引き締めてやって欲しい、心を態度で示して欲しいです。
 昨日はコンニャクを作りました。味噌、梅干、梅ジュースなど色々作って食べましたが、これらは偶然出来たのもではなく、先人が失敗しながら作り上げたものです。
 いろんなことをやってみる事が大事です。野菜は一時にたくさん出来ます。昔の人は、その一気に出来た野菜を漬物などにして、長く食べられるようにしました。先人は生活する中からいろんなことを考え出しました。考えなければ知恵はつきません。しかし、頭で考えただけでは知恵はつきません。経験をするから色々なアイディアが生まれるのです。ノーベル賞を受賞した人たちも昔の人たちが積み重ねた研究を勉強して、それを土台にして新しい研究をしています。だから受賞した時に「皆さんのおかげです」ということを言います。みんなの力が大切なのです。感謝の心を大切にしてください。
■ 10月09日(日) 通塾のマナー宣言
 土曜の夜のリーダー会議で決まったことをみんなの前で発表してもらいました。
「静かにしゃべる」「電車内でちょろちょろしない」「静かにする方法を自分で考える」など。
電車内で周りにいる人たちの迷惑にならないように、自分達で率先して行動に打ちしてもらいたいと思います。
■ 編集後記
 今回の塾生たちにはがっかりしたことが多くありました。通塾の話し合いである塾生は「年長者やスタッフが注意をすれば静かになる」という発言がありました。自分自身で行動を律することが出来なくては、自分のやりたいことは何一つ出来なくなってしまいます。とりわけオカボの収穫では、気持ちが浮ついていて、作業をまじめに取り組んでいる様子が伺えませんでした。反省をして、1人1人自分の反省を口にしましたが、その後の態度にも表れないことは非常に残念です。真剣に取り組むところ、自分達の楽しく遊ぶところと、けじめをつけて行動してもらいたいです。「スタッフから怒られる」からやる、やらない、ではなく自らが考え行動に移して欲しいと思います。
K.M.