2011.08.26~28
第12ステージ ~男子~
ステージテーマ:「気持ちを新たに再スタートしよう!」
共同生活の目標:「整理・整頓・清掃・清潔を心がける」
今回は親子大会が終わってから3週間ぶりのステージでした。親子大会という大きなイベントを終えたことに加え、夏休みあけのステージということで、12ステージは塾生にとって気がゆるみやすい時期です。そこでもう一度気を引き締め、新たな気持ちで後半のステージに取り組んでもらいたいということと、春から夏の作物がひと段落した今、18ステージに向けもう一度チーム農園の作付けを検討し、前半の反省を活かして再スタートしてほしいということで「気持ちを新たに再スタートしよう」というステージテーマを掲げ活動に取り組みました。
また、共同生活の目標は「整理・整頓・清掃・清潔を心がける」の2回目ということで、前回できなかったことをふまえながら、より細部まで意識できるよう、
「塾生室を常に整理・整頓する(できた人はチーム農園周辺も)」
「地下倉庫・食堂を常に整理・整頓する」
「塾生室を隅々まで完璧に清掃する」
「共同場所を隅々まで完璧に清掃する」
「トイレ・風呂場を清潔に使用する」
の5つのポイントを意識して過ごしました。
■ 08月26日(金) 夜の集い
ステージを始めるにあたって塾頭よりお話がありました。
「今日は雨で電車が遅れてしまいました。こういうときこそ冷静な態度で行動してほしいと思います。電光掲示板を見たり、駅員さんに聞いたりして自分で確認するようにしてください。残りの塾活動はあと7ステージしかありません。夏休みで気がゆるんでいると思いますが、そんな時ほどケガをしやすいので気を引きしめて行動してください。
今回のステージでは親子大会の振り返りやチーム農園後半の計画など話合いが多くあります。何が悪かったのか反省し次へつなげることがとても大事です。特にチーム農園では、春に作付けをした作物で目標どおりにいかなかったものもあると思います。なぜ悪かったのか、何が原因だったのか良く考えて次に活かしてください。
また、春植えの野菜は5ヶ月くらい育てる時間がありますが、秋植えの野菜は3ヶ月くらいしかなく、気温も下がっていきます。どうしたらうまくできるかみんなで考え、知恵を出し合っておいしい野菜をつくってください。
後半のステージも『基本的なことをしっかり行う』ということを思い出して活動に取り組んでください。」
■ 08月27日(土) チーム活動~チーム農園秋の作付け検討~
予定では土曜日午前中の活動は秋野菜の植え付けを行うはずでしたが、あいにく朝から雨が降っていたので、室内でできるチーム農園の作付け検討の時間に変更になりました。
春に植え付けをした作物のほとんどは収穫時期を迎え、終わりに近づいています。そこで今ある作物はいつ片付けるのか、片付けた場所で何を育てるのかなど18ステージまでのチーム農園の計画を練り直しました。
前半の作業は「育てたい作物」、「選んだ理由」「育てる目標」をチームで話し合いました。野菜の本を見て18ステージまでに収穫できる野菜はどれか調べたり、種のカタログを見てめずらしい品種を見つけたり、チームで多数決をとったりして、チームごとに工夫して育てたい作物を決めました。
育てたい作物が決まったら、後半は選んだ作物の育て方を調べて紙にまとめ、今後の計画をたてたり、畑のどこに何を植え付けるのかを考えたりしました。役割分担をして協力して進めていました。
■ 08月27日(土) 塾活動~チーム農園秋の作付け発表~
午前中に話し合った作付け計画を、チームごとに全員の前で発表しました。「育てる作物と理由・目標」「畑の図面」「前半の反省を振り返り、工夫すること」の3つの項目について発表しました。
「前半ラディッシュを失敗してしまったので、後半は形の似たビートでリベンジしたい」
「前半に育てたリーフレタスがおいしかったので、もう一度育てたい」
「秋野菜の代表だからハクサイを育てたい」
「ダイコンを育てて味噌汁にしたい」
「チームみんなで協力して草取りをする」
などの意見がでました。「ぜったいリベンジするぞ。オー!」と後半へのやる気をアピールするチームもありました。
また、発表後の質疑応答では、「ダイコンの品種は何ですか?」「スイカのあと地は何も育てないのですか?」など他のチームの塾生からも積極的に質問がでていました。
発表を通して気付いたこと、指摘されたことを計画に活かし、後半のチーム農園でも目標を達成できるように頑張りましょう。
■ 08月27日(土) チーム農園作業
発表が終わり、おやつまでの間はチーム農園作業をしました。時間が少ないことと、午前中の雨で土の状態があまり良くなかったこともあり、できる範囲の作業となりましたが、集中して取り組んでいました。
今回のステージでは3チームがトウモロコシの収穫をしました。写真の塾生が少しけわしい顔をしていますが、一部虫に食べられてしまって、悔しい気持ちを表してくれました。
収穫が終わった作物は片付け、次の作物を植えつける準備をしないといけません。どのチームも次の植え付けに向けて片付けをしており、作物を抜いて片付けや草取りをしたり、自分たちの使ったネットやビニールを協力して洗ったりしていました。ネットやビニールの片付けは大きくて洗いづらかったようで苦戦していたようでした。
このチームは今ステージに種をまかないと間に合わない作物があったので、片付けのあと、畑を耕して、肥料を混ぜ込み、種まきまで行いました。
時間がない中、みんなで協力してテキパキ作業していました。次ステージには芽を出しているとよいですね。
■ 08月27日(土) おやつ
チーム農園で収穫したトウモロコシをおやつで食べているチームがありました。みんなでかぶりつき「おいしい!」と満足そうな笑顔を見せていました。
■ 08月27日(土) 塾活動 ~親子大会の振り返り~
親子大会で行った塾生企画の振り返りを行いました。まずは個人で「自分が工夫したこと」「自分の頑張りがたりなかったところ」「グループの塾生とどれくらい協力できたか」などの項目について振り返ってもらいました。
後で回収された個人の振り返りシートを見ると「協力をする大切さを学んだ」「話し合い出の集中力を学んだ」「みんなで助け合えばどんなこともできることを学んだ」などの意見がありました。普段のチームとは違う仲間と協力し、一つのことをやり遂げた達成感や自信が感じられました。
続いて、グループで「自分たちがたてたねらいについて常に意識できていたか」や、「苦労したことうまくいったこと、失敗したこと」などについて話し合いました。当日のことを思い出しながら、意見を出し合っていました。
■ 08月27日(土) 夜の塾活動
           ~親子大会の振り返り発表、市村アイデア賞~
夜の塾活動の前半は、塾生企画振り返りの時間に企画グループで話し合った内容を発表しました。
「教えるはずだった自分たちが遊んでしまった。」という反省や、
「しっかり練習すればできないこともできるようになると感じた」といった意見がでました。
お客さんが集まらなかった理由として「他の企画にお客さんを取られてしまった」という意見もあり、スタッフから「他の企画があっても来てもらうためにはどうしたらよいか。自分たちのどんなところが足りなかったのか、自分の問題として考えてごらん」と指摘を受ける場面もありました。
どの企画グループも発表を通して新たな気付きがあったのではないでしょうか。
後半は「市村アイデア賞」の考案考案の時間でした。塾生たちには、何か困っていることを想定してもらい、どのように工夫すればよいか考案してもらいました。最初はなかなか思いつかない人が多かったのですが、今までの入賞作品を参考にしたり、塾生同士で意見を出し合ったりしているうちにアイディアがわいてきた様子でした。書くものが見つかるとそこからは早く、もくもくと説明の図や文章を書いていました。まだ清書が出来上がっていない人が多かったことと、男子は締め切りまでもう少し時間があったので、いったん家に持ち帰り清書を仕上げたり、アイディアを実際に作って、改善を加えてもらうことになりました。仕上がりか楽しみです。
■ 08月27日(土)  チーム会議
通常、土曜日の夜はリーダー会議ですが、今回のステージは後半に向けて各チームで問題になっていることをあげて、チームでどのように解決していったらよいかを話し合いました。どのチームも、盛んに意見を出し合い、どうしたら解決できるか真剣に話し合っていました。
■ 08月28日(日) チーム農園作業
共同農園の土がまだ乾いていなかったことと、土曜日のチーム農園の時間が短く、どのチームも畑や道具の片付けが残っていたことから、この時間はチーム農園作業の続きとしました。急きょ時間をとったので事前に計画をたてる時間がありませんでしたが、どのチームも有意義に時間を使っていたようでした。
■ 08月28日(日) おやつ
この日の10時のおやつはスイカシャーベットでした。共同農園で収穫したスイカを凍らせてシャーベットにしたものに、スイカをスプーンでくりぬいたものが添えてありました。チームで1つ大きなスイカの器に入って出てきたので、塾生たちは見るなり目を輝かせて、飛び上がって喜んでいました。
チームみんなでわいわい分け合いながら食べたので楽しく、よりおいしく食べることができました。自然塾だからこそできるおやつの楽しみ方ですね。
■ 08月28日(日) 共同農園作業~秋野菜の植え付け~
日曜日の後半はムギワラボウシ畑で秋野菜の植え付けを行いました。ここで秋野菜と呼んでいるのははハクサイ・ブロッコリー・カリフラワーなどの夏の終わりに植付けをし、11月ごろに収穫を迎える作物のことです。今回、男子塾生はキャベツ・ハクサイ・ブロッコリー・サニーレタスの植え付けをしました。
まずは畝たてをしました。久しぶりにクワをもったということと、前日までの雨で土が少し重かったこともあり、塾生たちはいつもより大変そうに見えました。
土が盛れたら、畝の形を整えました。畝の左右の高さが均等になるように、何人かで協力して「かまぼこ型」の畝をつくりました。
今回は久しぶりに苗を扱うので、全体で苗の扱い方についてもう一度確認をしてから作業しました。そして2人1組で苗を並べて、全て並べ終わった畝から植えつけていきました。葉っぱを折ってしまわないように丁寧に植えつけていました。
苗が全て植えつけ終わりました。この後本来なら、元肥(もとひ)、卵の殻まき、水やり、ネットがけの作業まで塾生が行うのですが、今回は時間がなかったのと、大人数で長時間作業すると土を固めてしまうため、残りの作業はスタッフが行いました。
■ 08月28日(日) まとめ
ステージのまとめとして塾頭よりお話しがありました。
「天候が悪く、十分に農作業ができませんでしたが、秋野菜の植え付け、チーム農園の両方ができよかったと思います。秋野菜の植付けでは久しぶりに畝たてをしました。久しぶりだったことと、土が少し重かったので大変だったと思います。なかには頑張りきれていない塾生もいました。以前お話したように自然塾は農業を通して強い心と体をつくってもらう場所です。農作業をちゃんとできない人には遠慮(えんりょ)してもらいます。
今回のステージでは親子大会の振り返りがありましたが、振り返ることなくして進歩はありません。振り返るときは自分の悪いところを認めて素直に振り返ることが大切です。そして振り返りをするといろんな『気付き』が出てきます。自然塾だけでなく、学校でも活かして欲しいと思います。
この時期雨が多くなりますが、この雨は恵みの雨です。この時期に種をまくと、その恵みの雨で芽を出し、その後の秋晴れの日を浴びてぐんと大きくなります。
来週から新学期です。気を引きしめて取り組んでください。」
■ 編集後記
今回のステージでは、集合時間に遅れてしまったり、瞑想で集中力が保てなかったりと、全体的に気がゆるんでいる様子が多く見受けられ、スタッフから注意されることも度々ありました。人間はどうしても楽な方へ逃げてしまい、自分のやりたいことを優先させてしまったり、だらけた気持ちがでてきたりします。塾頭の話にあったように自然塾では農作業や共同生活などの活動を通して困難を乗り越えられる強い心と集中力を身につけてもらいたいと思っています。そしてそれらは社会にでた後も、その人を支える一生の宝となります。
しかし、いくら自然塾でできるようになっても、家や学校で普通の生活に戻ってしまえば薄れてしまうものです。
そのため、塾生のみなさんには自然塾で学んだ事を家や学校で実践して自分のものにして欲しいと思っています。そして、卒塾したあとも、良い事はいつまでも実践し続けてもらいたいと思います。
K.T.