2011.07.22~24
第10ステージ ~男子~
ステージテーマ:「親子大会に向けてよく話し合い、準備を整えよう!」
共同生活の目標:「時間を守る②」
 今回は、目前に控えた親子大会を、常に意識して過ごしたステージとなりました。塾生たちは、万全の状態で本番を迎えられるように、塾生企画の準備やチーム農園の発表準備に取り組みました。
 また、年間活動が後半に突入したので、今まで世話をしてきたチーム農園の振り返りも行いました。塾生たちが自分たちで考え、話し合う機会がとても多いステージでした。
 共同生活の目標は、時間を守るの2回目でした。塾生たちには、①集合時間、②終了時間、③食事の目安の時間、④起床・就寝時間、の4つを守ることと、⑤作業や活動の時間は集中して取り組む、ことを意識して過ごしてもらいました。
■ 07月22日(金) 塾頭の話
  ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。
 「前回は、みんなに作文を書いてもらいました。今までの活動の中で、『いろいろなことを学び、出来るようになった』と書いてあって、感動しました。また、友達の大切さや、相手への思いやりや感謝の気持ちを感じた人もいました。これからも色んな体験や活動を予定しているので、ぜひそれらを通して、『3つの心と2つの力』を身につけて欲しいと思います。
 前半の活動を振り返って私が感じたことは、スタッフに言われたからやっている人が、まだ多い気がします。確かにみんなはここに来て、農作業や共同場所の掃除などが出来るようになりました。ただ、目標を持って最後までやりきる力と気持ちが、まだ不足している気がします。暑さに負けずに、、最後まで自分の役割をやりとおすんだという、我慢(がまん)強い心を持って欲しいと思います。
 人間は、困難や苦労を経験するから、いろいろなことを学び、相手の気持ちが分かるようになって、成長するのだと思います。避けて通っても、自分に得るものは何もありません。これから後半の活動は、苦労をいとわずに決められた役割をやり通して下さい。そうすればチームはすごくまとまって、チーム農園が楽しく出来るようになります。
 自然塾もいよいよ今回で第10ステージ、後半開始です。気を引き締めて、楽しい活動になるようにしてほしいと思います。そして、次回の親子大会が成功するように、最後の仕上げをがんばって下さい。」
■ 07月23日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの草取り(前半)~
 第5ステージにみんなで植えたサツマイモは、一面雑草に覆われていました。大量の草を取るために、午前中の前半と夕方の後半に、時間を分けて作業しました。
 「今回のステージ中に、サツマイモの畝と通路の草を全て取ろう」と目標を掲げて、作業を始めました。
 前半では、塾生たちの作業がはかどりませんでした。暑さで体力を奪われ、「まだやるの~?」と、あちこちで弱音を吐く声が聞こえました。
 結局、全体の1/3も草を取れないうちに、前半が終わってしまいました。
「みんな、集中できていません。
残りの時間で、どうすれば目標までたどり着けるのか、取り組み方をよく考えてください。」
 スタッフから厳しい言葉を受け、塾生たちはしょんぼりして、塾舎に戻っていました。
■ 07月23日(土) おやつ
 この日のおやつは、心太(ところてん)でした。
 食べる直前に、スタッフが心太突きを使って
切り出しました。その様子を、塾生たちは興味津々(きょうみしんしん)に眺めていました。
 酢醤油(すじょうゆ)をかけ、青海苔(あおのり)とゴマをふりかけて、いただきました。塾生たちは、さっぱりした夏の味覚を味わいました。
 中には、からしをつけて大人の味を楽しむ塾生もいました。
■ 07月23日(土) 塾活動 ~親子大会塾生企画準備~
 塾生企画の準備時間は、これで最後です。塾生たちは、何の用意がまだ出来ていないのか話し合い、真剣に取り組んでいました。
 このグループは、大きな竹を切り出して、大量に何かを作っていました。
塾生たちはノコギリの扱い方もお手の物です。自分たちでどんどん作業を進めていました。
 このグループは、使えなくなった農作業用の支柱と、ペットボトルを組み合わせて、何かを作っていました。塾生たちは真剣な表情で、スタッフから作り方を聞いていました。
 このグループは、自分たちで作った水鉄砲の試し撃ちをしていました。とても楽しそうですね。
■ 07月23日(土) 自由時間 ~泥だんご作り~
 前回のステージに、塾生が「泥だんごを作ってみたい!」と話していました。
 今回、自由時間を使って、何人かの塾生が泥だんご作りに挑戦していました。塾生たちはスタッフから作り方を教わりながら、上手に丸めていました。
■ 07月23日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの草取り(後半)~
 夕方に再び畑へ行き、サツマイモの草取りの続きをしました。前半とは打って変わって、弱気な声は、ほとんど聞こえてきませんでした。塾生たちは集中して、黙々(もくもく)と草を取っていました。作業が順調にどんどん進んでいくことに、スタッフも驚いていました。
 サツマイモの畝と通路は、すっかり草がなくなりました。塾生たちは、見事に目標を達成することができました。
 塾生たちはきれいになった畑を見て、達成感を得られたのではないでしょうか。
■ 07月23日(土) 塾活動 ~チーム農園前半の振り返り~
 夜は、チーム農園の振り返りを行いました。
年間の活動が折り返して、チーム農園のお世話も半分が終了したことになります。
今の作物の状態はどうなのか。
自分たちは、どのように世話をしてきたのか。
後半は、どのように世話をすればよいのか。
 塾生たちは、真剣に話し合っていました。
■ 07月24日(日) 早朝
 朝の涼しい空気の中、起床時間よりも早く起きた塾生たちが、ジョギングに励んで(はげんで)いました。昨晩、自分たちで話し合って、早朝に走ろうと決めていたようです。
 自然に囲まれた塾の周りを、仲間と一緒に走るのは、気持ちよさが一味違うようですね。
■ 07月24日(日) 瞑想
 第2ステージに1分間で始めた瞑想は、ついに目標としていた5分間に挑戦するところまで来ました。
 さすがに5分間は長く感じたのか、グラついてしまう塾生が何人かいました。
 しかし、初めて瞑想をした第2ステージの頃に比べると、塾生たちは確実に成長しています。
■ 07月24日(日) チーム農園作業
 前回と前々回の活動では、雨が降って世話が出来なかったため、チーム農園はすっかり草に覆われてしまっていました。
 塾生たちは、自分たちで声をかけあいながら、たっぷり世話をしていました。昨晩、チーム農園の振り返りをして、早く世話をしたいとウズウズしていたようです。
 草にびっしり覆われてしまっています。まずはどのチームも、畑の草取りを手分けして行いました。
 このチームは、スイカの畝にネットを取り付けていました。実が大きく育つまで、シカや鳥に食べられないための工夫です。
 この塾生はトウモロコシに追肥・土寄せしていました。もっと大きく成長して、たくさん実るように、丁寧(ていねい)に土寄せをしていました。
 この塾生は、ナスに追肥していました。共同農園作業で覚えた世話の仕方を、チーム農園でも役立てていました。
 この塾生の右手には、小さなスイカの実がありました。無事に実がなった喜びと、これから大きく生長してほしい期待とが、笑顔から伝わってきます。
 このチームは、チーム農園で待望のメロンを収穫していました。
■ 07月24日(日) 昼食
 チーム農園で収穫したメロンは、調理師さんにお願いをして、昼食に出してもらいました。
このチームのメンバーは、自分たちだけでなく、他のチームやスタッフにもメロンを分けてくれました。味はみんなに好評で、獲れたてのメロンの甘さに舌鼓(したつづみ)を打っていました。

 メロンは塾生たちに人気なのですが、育てるのが難しい作物です。
 しかし枝村塾頭は、「このチームのメロンは、自然塾の歴史の中でも上位に入る甘さだね。」と話していました。
■ 07月24日(日) ステージのまとめ
 活動を終えるにあたって、枝村塾頭よりお話をいただきました。
「サツマイモの草取りは暑くて辛かったかもしれません。午前中はみんな気が抜けてしまっていて、残念でした。しかし夕方は、みんな一所懸命取り組んでいたと思います。とても気合が入っていました。達成感を得られたのではと思います。以前に比べて責任感や、我慢強さが出てきました。
 でも、我慢強さが少し不足している人がいて、居残りで草刈りをしていましたね。最後まで責任をもってやり通せるように、努力して欲しいと思います。
 共同生活の目標「時間を守る」は、出来た人と出来なかった人がいたようですね。出来なかったときは、素直に自分の悪さを認めましょう。自分に強い心を持って、時間を守って欲しいと思います。集団でいればいるほど、時間を守らないと周りに迷惑がかかります。
 物事がうまく出来なかった時は、人のせいにしないで、自分のこととして考えて下さい。たとえ相手が悪かったとしても、それを自分の問題と考えて、何がいけなかったのか反省して進むのです。そうすると、自分の成長につながります。他人や他の物のせいにすると、成長出来ません。
 そしてうまくできた時には、おかげさまの心、感謝の心を忘れないで下さい。
 次回は親子大会です。一致団結して、準備を進めてくれていたと思います。みんなで協力して、自分の責任を果たしてください。」
■ 編集後記
 塾頭の話にありましたが、農作業や塾の共同生活を「言われて仕方なくやっている」塾生が多いことは、私も感じています。しかし、今回の共同農園作業のように、やり遂げた時の達成感を味わってもらえれば、塾生たちが自ら進んで取り組むモチベーションに繋がるのでは、と考えています。また、自ら進んで取り組む方が、人から言われてやるよりもずっと楽しいということを、活動を通して塾生たちに知ってもらいたいと思っています。
 今回の目標は「時間を守る」でしたが、ほとんどの塾生は目標を意識して、時間を守ることが出来ていました。一方で、何度も集合に遅れて注意される塾生もいました。
 活動中は、決められた予定の中で時間を守ることに取り組んでいます。塾生たちにとって、塾だけでなく、学校や習い事など、あらゆる場面で時間を守る機会がたくさんあるかと思います。普段の生活の中でも、時間を意識して過ごしてもらえればと思っています。
K.K.