2010.07.08~10
第09ステージ ~男子~
ステージテーマ:「年間活動の前半を振り返り、作文にまとめよう!」
共同生活の目標:「人の話を聴く」
この第9ステージが終わると10期生の活動の半分が終了したことになります。今まで4ヶ月間塾で農作業や共同生活など色々なことを体験してきました。今回、塾で体験したことを振り返って、どのようなことを感じたか、何を学んだかについて、各自作文を書いてもらいました。
 共同生活では今期2回目となる「人の話を聴く」を目標としました。今回は特に「返事をする」「うなずく」「あいづちを打つ」「メモをとる」「質問をする」といった点を意識して過ごしてもらいました。
■ 07月08日(金) 夜の集い
ステージを始めるにあたって塾頭からお話をいただきました。
「今回第9ステージは前半の最後のステージです。今までのステージでいろいろな事を学びました。多くの人にとって初めての経験が多かったと思います。共同場所の掃除なども出来るようになりました。ただ慣れてくると怠けたり、ふざけたり、悪い心が出てきますから注意してください。
人には一生懸命・正直・勇気・正義といった良い心と、うそつき・裏切り・怠ける・さぼるといった悪い心があります。それぞれの心が出たり引っ込んだりします。今まで共同農園作業、チーム農園作業、共同場所清掃などを行ってきましたが、良い心を持って行ってきましたか?
体力がないというのも悪い心が出る一つの原因です。体力が無いと作業がやりきれない。体力があると一生懸命作業が出来て怠けることも無くなるので体力もつける事は大事です。自然塾を作ったリコーの浜田さんが、良い心の代表は親切だと言いました。親切な心が出ると悪い心を抑えてくれる。人に対しても、ものに対しても親切な心を持つことはとても大切。相手に対する思いやりです。親切な心を持って人に接すれば相手から親切にされます。人の心は鏡と言います。親切な心を持って人やものに接すれば自分も幸せになれますから、親切な心を持つことを忘れないようにしましょう。」
■ 07月09日(土) 共同農園作業 ~夏野菜の収穫と世話~
第4ステージに植付け、今まで世話をしてきた夏野菜、トマト・ナス・ピーマン・キュウリが収穫できるようになりました。
小さすぎる実を収穫しないよう、目安を示した  紙をもとに実の大きさを確認しながら収穫しま  した。 ずいぶんと大きなナスの実がなっていました。この時期の夏野菜の生長は早く、収穫時期を逃すとどんどん大きくなってしまいます。
今回の収穫の成果です。毎週スタッフが食材として収穫しているので、1週間でこれだけの実があらたに収穫適期を迎えたことになります。
収穫が終わった後、誘引や草取り、追肥・土寄せといった作業を行いました。頑張りきった塾生も、暑さでだらけてしまった塾生もいましたが、次の収穫につなげるための世話ができました。
■ 07月09日(土) 塾活動  ~陶芸仕上げ~
前回のステージで成形したお皿が焼きあがりました。世界に一つしかない自分の作ったお皿です。今回はそのお皿に塾野菜のてんぷらをのせて昼食をいただきます。
焼きあがったお皿を手に玄関前で記念撮影をしました。
お皿は底がざらざらしていて、このままでは食器として使えません。そこでお皿の裏側を同じ素材の陶器でこすり合わせて仕上げをしました。
ひとりひとり真剣に自分の作品を仕上げていました。
全員のお皿が仕上がりました。それぞれ個性的な作品です。 このお皿の真ん中にあるのはカエルをかたどったもので、他の塾生の注目を集めていました。
いよいよ待ちに待った昼ごはん。自分のお皿にのせていただく塾野菜のてんぷらはまた格別な味です。
■ 07月09日(土) 塾活動 ~親子大会塾生企画の準備~
親子大会まであと2ステージです。各企画グループごとに準備を進めました。
それぞれ使う道具を作ったり、出し物の練習をしたりしていました。準備は順調ですか?
■ 07月09日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの世話~
ゴボウの畝はすっかり草に覆われ、ゴボウも草に埋もれてしまっていました。このままでは大きく育たないので、まずは草をきれいにとり、そのあと追肥・土寄せを行いました。
草に埋もれたゴボウの畝を見て、唖然(あぜん)とする塾生たち。
ゴボウの葉っぱの間に潜って(もぐって)草を  とっています。 また草が生えてこないように、しっかり根元から引き抜きました。
草取り・追肥・土寄せを行い、きれいになりました。これで更に一回り大きなゴボウに育つでしょう。収穫が楽しみです。
■ 07月09日(土) 塾活動 ~作文~
年間活動を折り返すにあたって、これまでのステージを振り返って作文を書いてもらいました。
作文のテーマは『自然塾でいろいろな事を体験し、何を感じ、何を学んだか』です。塾の活動を日記のように書きつづるのではなく、活動を通して何が心に残ったかを書いてもらいました。
すばやく書き上げた塾生がいる一方、悪戦苦闘(あくせんくとう)している塾生もいて、スタッフのアドバイスも受けながら、予定時間後も頑張って書き上げていました。
作文は全員の分をまとめて製本し、親子大会で配布する予定です。
■ 07月10日(日) 朝
今日は天気が良いので布団を干しました。気持ちよく過ごすためには大切なことです。
■ 07月10日(日) 共同農園作業 ~小麦の脱穀・風選(だっこく・ふうせん)
第7ステージに刈り取り、干してあったコムギの脱穀・風選という作業を行いました。ムギが食べられるように加工するためには欠かせない作業です。
『脱穀』はコムギの穂から籾(もみ)を取りはずす作業です。電気とモーターを使った機械を使い、一歩間違えると大怪我につながるのでみな真剣な表情で作業をしていました。しかし、滅多にできない体験だけに、終わったあとには「怖かったけれど面白かった」という感想を話す塾生もいました。
この脱穀機、自然塾が出来たときに農家の方に譲っていただいたもので、昭和26年製のものですが現役で頑張っています。ものを大切に使うことが大事なことだと教えてくれます。また現在の機械に比べると作りは単純ですがこのような機械をもとに今の技術が成り立っていることも教えてくれます。
脱穀を行ってもすべての籾が取れるわけではありません。束の根元の方についている穂は脱穀機では取りきれないので、一粒も無駄にしないよう、残った穂を一つ一つハサミを使って切り取りました。
切り取った穂はまとめて脱穀機にかければ、籾が取れます。
脱穀したあとは風選という作業を行いました。『唐箕(とうみ)』という道具を使い、取っ手を回して風を起こし、籾をごみや殻と分別します。交替で作業をしましたが、腕が疲れてしまった塾生もいました。
■ 07月10日(日) チーム農園作業
コムギの脱穀・風選の作業と並行して、チームで交替しながらチーム農園作業を行いました。
どこのチーム農園も雑草で覆われていて、真剣に草取りを行っていました。
このチームが植えたトウモロコシは枯れてしまい、女子のチームから苗を分けてもらって植えなおしました。
苗を分けてくれた女子チームに感謝してしっかり育ててくださいね。
こちらのチームもハネギが消えてしまい、残っていた苗を分けてもらって植えました。
消えてしまった原因を考えて、出来る限りの対策を行いました。ヨトウムシ、ネキリムシという害虫の被害にあった可能性があるので、卵の殻をまいて苗の根元を守り、蛾(ガ)が飛んでこないようネットをかけました。
■ 07月10日(日) 昼食時のひとこま
キュウリの実は見る見るうちに大きくなってしまいます。このチームのキュウリは収穫時期を逃し巨大になってしまいました。大きくなりすぎたキュウリは普通はおいしくないのですが、調理師さんが薄くスライスして刺身のようにしてくれ、おいしくいただきました。自分たちの育てたものを収穫していただき、とても嬉しい様子でした。
それでも、スタッフに作業を依頼する書類には、「取りごろのキュウリは収穫して保存してください」、と書いてありました。
■ 07月10日(日) ステージのまとめ
昼食後、塾頭からステージのまとめの話がありました。「関東地方も梅雨が明け、暑い中の農作業は試練でしたが、夏野菜とゴボウの世話を一生懸命やれました。しかし頑張った人とそうでない人がいたと思います。もう少し頑張る力が欲しいです。最後は気力だと思います。陶芸では世界で1つだけのお皿に、とりたての夏野菜のてんぷらをのせていただきましたがおいしかったですね。コムギの脱穀では昭和26年製の機械を使いました。昔の機械は丈夫で長持ちします。今の機械も原理は同じです。先人の知恵は素晴らしい。今回も新しい経験をいくつもしたと思います。ぜひいろいろな経験をしてください。視野や考え方が広がります。知識だけでなく体験も大切にしてください。
金曜日の夜に、よい心の代表は親切だという話をしましたが、塾だけでなく家や学校でも実践していきましょう。」
■ 編集後記
梅雨も明け、今回の農作業は猛暑の中で行うことになりました。頑張った塾生も気がゆるんでしまった塾生もいましたが、今回の農作業を通じて自分に向き合えた塾生はどれだけいたでしょうか?厳しい自然の中での作業は自分との闘いです。このようなときこそ、自分を成長させる良い機会だと思います。
共同生活の目標の「人の話を聴く」ことは、人とコミュニケーションをとるためのもっとも大切なことだと思います。挨拶がコミュニケーションの入り口ならば、話を聴くことはコミュニケーションの中身そのものではないでしょうか?まずは相手の言うことを理解しなければなりません。メモをとることでポイントをつかみ、わからないところは質問する。ものごとをあやふやにせず、理解することが大切です。人はそれぞれ違う個性を持ち、考え方も違う中で、規定概念を振り払ってコミュニケーションをとっていくこと、それは簡単な事ではありません。「人の話を聴く」ことでその難しさを克服していって欲しいと思います。

第9ステージも終わり、第10期生の活動も半分終了しました。残りのステージ悔いの無い様しっかりと活動に取り組んでもらいたいと思います。
T.K.