2011.06.10~12
第07ステージ ~男子~
ステージテーマ:「人と自然に感謝して、収穫の喜びを味わおう!」
共同生活の目標:「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業をする。」
 自然塾での活動も第7ステージ目。全18回の活動の1/3が過ぎました。そこで、まず今までの活動の内容を振り返ることから始まりました。
 共同農園の野菜が順々に収穫時期を迎えています。今回のステージでは、ジャガイモ・コムギ・レタスの収穫を予定していました。しかし、土曜日が雨のため内容を少し変更して収穫の喜びを味わいました。1つ目の収穫はジャガイモです。自分達で収穫することは出来なかったけれど、一生懸命に芽欠き、草取り、追肥、土寄せのお世話をしたジャガイモを人と自然に感謝してコロッケを作っていただきました。日曜日は、雨があがったので2つ目の収穫としてお土産にするレタスの収穫をしました。
 共同生活の目標は、何事も心を込めてきちんと丁寧に作業をするということで5つのポイント(布団敷き・清掃・食事・塾活動・道具)に注目して取り組みました。土曜日のお昼の時間には、マナーのお話を岩下先生をお招きしてお話いただきました。
■ 06月10日(金) 夜の集い「塾頭さんのお話」
 ステージのはじめに枝村塾頭からお話がありました。
「塾活動も1/3が過ぎて、第7ステージです。このままだとあっという間に過ぎていきます。初心にかえって、この塾でやりたかったことを思い出してください。この塾は、農作業を通して、生きる力を大地から学ぶ所です。これからの時期は、暑くなりますが是非がんばってください。今回は天気が心配ですが、ジャガイモの収穫を予定しています。ジャガイモは収穫まで3ヶ月かかります。半分にした種イモからたくさん収穫ができます。
自然の力は素晴らしいことを実感してください。食事について、この塾では好き嫌いという言葉は、存在しません。出されたものは残さず全てよくかんで食べてください。よく、「30回かみなさい」と言います。よく噛んで食べると、脳が活性化されます。食べ物に味が出てきます。歯が強くなります。消化を助けます。顔が引き締まり美容にもいいです。食事は、落ち着いて食べてください。明日は、食事のマナーを教えてくださる岩下先生がいらっしゃいます。マナーを通していろいろな事を教えてくれますので楽しみにしていて下さい。」
■ 06月10日(金) 夜の集い「年間活動の1/3を終えるにあたって」
 塾での生活も1/3が過ぎました。人は、忘れやすい生き物であるので、時が経つと最初の決意を忘れてしまうことがあります。そこで、今までどんな活動を行ってきたのか振り返りをしました。各ステージごとに何をしたのか声に出してもらったのですが、よく覚えていてたくさんの活動を思い出すことが出来ました。塾に来られる時間は限られています。どうか1ステージ1ステージを大切にしてほしいです。
■ 06月11日(土) 塾活動「親子大会塾生企画の準備」
 前回から始まった、親子大会塾生企画の準備。前回お休みの人が多かったのでまずは、前回あがった企画のプレゼンテーションからしてもらいました。それを元に、今回初めて関わった塾生は、自分がどの企画に入るのか考えました。
「あれもおもしろそうだし、こっちもおもしろそうだなー」
「俺は、もう決まってる」
「2つで迷ってるんだよなー」
など声があがり、今ステージの朝の時間と夜の時間の2時間で企画とメンバーが正式に決定しました。どの企画もいろんなアイデアがあがっていておもしろそうでした。どうまとまっていくのか今後が楽しみです。いつものチーム活動とは違う仲間との話し合いで新しい友達や新しい自分に出会ったのではないかと思います。
 用意された準備時間はあと2回。参加してくれる人のことを考えてメンバーみんなで盛り上げていきましょう。
■ 06月11日(土) 塾活動「チームビルディング」
 チーム内の結束力や塾生同士の関係を深めるゲームを行いました。まずは、リズムに合わせて拍手を真似するゲームから。だんだんと協力が必要なゲームに発展していきます。

チームごとに人差し指に長い棒を乗せてゆっくりと床に降ろしていきます。 一枚の座布団にチーム全員で乗ります。
足先をくっつけて手を握り合って、同時に立ちあがります。  最後に全員で立ち上がりました。
 このゲームで大事なのが、声かけです。塾生たちの発言や成功したチームの成功の秘訣をホワイトボードに書き出していきました。
・お互いがお互いを支えられ支えあっている。
・準備OK?
・あきらめるな!
・せーの
・まずやってみよう   etc
あらためてみてみると、どの言葉も普段の集団生活でも大事なことばばかりでした。

■ 06月11日(土) 塾活動「マナーのお話」

 昼食の後の時間に現代礼法研究所代表、NPO法人マナー教育サポート協会理事長の岩下宣子先生をお迎えして、マナーのお話をしていただきました。
「みんながご飯を忘れるくらい夢中になれることは何ですか?私は、マナーのことを考えているとご飯のことを忘れるくらい夢中になります。マナーは愛です。マナーとは、人も物も大切にする心です。」
マナーの3つのタブー
①敷居を踏んではいけません。
(敷居を踏むと家の大事な柱が傾く恐れがあるので)
②立ってふすまを開けてはいけません。
(部屋に人がいるとき、開けたとたんに相手を見下すことになるので)
③座布団の上には立ちません。
(物を踏みつけて粗末に扱うことになるので)
実技やクイズなどで興味深くお話が進みました。(写真は、傘の持ち方と座布団の座り方を実践しています。)
■ 06月11日(土) 塾活動「市村アイデア賞」
 自然塾では、塾生たちが毎年市村アイデア賞に応募をしています。今年の塾生も応募するためのガイダンスを塾頭さんにしていただきました。
 市村アイデア賞とは、リコー三愛グループの創設者である故市村清(市村自然塾は市村清の生誕100周年を記念して設立されました。)が寄付をしてできた新技術開発財団主催のコンクールです。小・中学生の子どもたちから生活を便利にしたり、環境に優しいアイデアを募集します。
 アイデア出しのポイントの説明や入賞作品の紹介があり、その後は、実際に思いついたアイデアを文章と絵で表現してみました。柔軟な発想が、どんどん広がり、2枚3枚と取り組んでいる人もいました。
■ 06月11日(土) 塾活動「コロッケ作り」
 コロッケ作りを始めるにあたって、雨のためジャガイモを収穫に行くことができなかったので事前にスタッフが準備しておいたジャガイモを使って、どのようについているのか、どのくらいなっているのか確認しました。
 用意しておいたジャガイモには、14個のジャガイモがなっていました。1つの種イモから10倍以上に育ったことになります。人と自然に感謝ですね。
 コロッケ作りのねらいは、「お陰様と感謝の心を込めて、安全に衛生的においしく調理し、彩りよく盛り付けて食べる」です。
 ジャガイモは1人100gで12人分を1チームがつくりました。チームの人数に加えてスタッフ分も塾生が作ります。合計1.2kgをはかり、大きいものは1/4に切って、ふかします。ふかす作業は、調理師さんにお願いしました。
続いて、タマネギをみじん切りにしました。調理師さんからみじん切りの方法を教わっています。
 「タマネギが目にしみるー!!」
これが今回最大の難所だったようで、手を切らないように注意しながら、目にしみるのにじっと耐えながら、頑張っていました。
タマネギのみじん切りと並行して、ひき肉を炒める作業とジャガイモの皮をむいてつぶす作業も行いました。
 タマネギも炒めたら、今度は、材料を混ぜ合わせます。塩、コショウの味付けも忘れずに!
 次は、ひとつひとつ形を作っていきます。12人分なので1人2つ盛り付けるためにはいくつに分けたらいいのか?各チームごと相談してうまく分けていました。
 全部を分けて、小判形に出来たら、小麦粉、どろ(小麦粉を溶かしたもの)、パン粉の順に付けていきます。しっかりとついていないと揚げているときに破裂したり、崩れたりする原因になります。
 
 揚げる作業は、ふかす時と同様に調理師さんにお願いしました。
 揚げてもらっている間に、他のおかずを配膳しました。配膳は、食事当番のときにやっているのですが、今回は自分たちでどこに何を盛り付けるのか決めなければなりません。そして、スタッフの分も作りました。どうやったらキレイに盛り付けられるのか考えました。
 「いただきます。」の後は、大きな口でがぶり。あつあつのコロッケに「おいしーい」と声が上がっていました。
 自分たちが世話をしたジャガイモで作ったコロッケは、格別においしかったのではないでしょうか。
■ 06月12日(日) 共同農園作業「レタスの収穫」
 日曜日には、雨が上がり外に出られました。昨日のコロッケ作りに引き続き、収穫の喜びを味わいます。昨日は、味覚で味わいましたが、今度は、体験で味わいました。
 男子塾生が植え付けを行ったレタスの収穫です。植え付けの時には、葉っぱ3、4枚という小さな苗でしたが、大地の力で大きく育ちました。
 共同農園での、初収穫に塾生も真剣でした。今回の収穫したレタスはお土産として持ち帰りました。
 収穫したレタスを手に、顔から喜びがあふれていました。
 初めてのお土産ということで、野菜の包み方も教わりました。新鮮なまま家まで持ち帰るために大事なひと手間です。
 塾では、新聞紙を使って野菜を包みます。ビニル袋やラップではなく新聞紙がポイントです。収穫したばかりの野菜は、まだ呼吸をしているので空気を通す新聞紙を使って、適度な湿度が保たれるようにするのです。
 今回は、丸型だったので、包むのに少し苦戦しているようでした。
 お土産レタスはどんな料理にして食べたのでしょうか?次回、話を聴くのが楽しみです。
■ 06月12日(日) チーム農園作業
 前回のステージでは、天気が悪くてチーム農園作業が出来なかったので今回はやることがたくさんありました。植え付け・支柱たて・病害虫対策・収穫・芽欠き・追肥・・・
限られた時間に予定した作業を終わらせられるように各チームそれぞれ分担して行動していました。
 前回の作業が出来なかったこともあり、いろんなトラブルも出てきているようで、病害虫にやられてしまったチームや接ぎ木苗から違う作物の葉っぱが伸びてきているチーム、何かに食べられてしまったチームなどありました。作物は、なかなか順調に育ってはくれません。トラブルに対応できるようにチームでよく話し合って対策を考えましょう。愛情を持って育てる事が大事です。
■ 06月12日(日) 活動の振り返り
 活動を終えるにあたって塾頭よりお話をいただきました。
「今ステージは、天気があまりよくありませんでした。その中で、今日は畑で作業できてよかったですね。今日収穫したレタスは、家族と一緒に食べてください。昨日は、ジャガイモ掘りは出来ませんでしたが、コロッケづくりを行いました。50gの種イモから500gのイモが取れ、10倍になりました。みんなのお世話のおかげです。
それだけではなく大地の力(太陽・風・空気など)のおかげです。ここへ通わせてくれる両親のおかげでもあります。どうかお陰様の心を持ってください。そして食べ物は、命をいただいていることを忘れないで下さい。今回は、岩下先生のマナー教室がありました。マナーは愛である。愛は脳を活性化するなどいろいろ貴重な話を聴く事が出来ましたね。岩下先生が若々しく見えるのは、姿勢がいいからでもあります。最近、食事の時などで姿勢が悪いのが気になります。少し気がゆるんでいるのではないかと思われます。今一度、気を引き締めて塾活動に取り組んで欲しいです。」
■ 編集後記
 梅雨に入り、天候が安定しない中、天気予報とにらめっこをしながら活動をするステージでした。土曜日は、1日室内での活動となりましたが、夏の親子大会へ向けての塾生企画や、市村アイデア賞の作品に良く取り組んでいました。チームビルディングでは、夢中になって取り組み、いろんな大事なキーワードが声になってこぼれていました。日曜日には、雨が上がり、レタスの収穫とチーム農園作業を行うことができました。予定していたコムギの収穫は出来ませんでしたが、コロッケづくりとレタスの収穫を通して、自然の力を感じるステージになったと思います。
 「収穫によって、普段何気なく口にしている食べ物が生きているものであることを見る。」そして、「それを育てる自然の偉大さを知り、感謝する。」「自分がここに生きていられることは、多くの人やもののおかげであることに気が付く。」そういう体験がマナーや、今回の共同生活の目標であった「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」ことに繋がっていきます。今後も体験による気づきを日常へ繋げていけるようなきっかけを作り、塾生たちと共感していきたいと思います。
K.S.