2010.12.05
2010年度 卒塾式
12月05日、2010年度 卒塾式が開催されました。
晴れ渡った青空のもと、男子28名、女子28名の塾生とその保護者の方々が参加して、第9期生の卒塾式が行われました。
■ 受付
卒塾式にあたり、何人かの卒塾生が手伝いに来てくれました。
卒塾後も自然塾のことを懐かしく思い、積極的に手伝いに来てくれる卒塾生を見ると頼もしく感じます。
■ 中村代表理事の挨拶
卒塾式を開始するにあたり、中村代表理事から、挨拶をいただきました。
 皆さん、とても良い笑顔になりました。成長しましたね。8ヶ月間色々なことを学んだのではないでしょうか?
 普段簡単に手に入る野菜ですが、楽には出来ないことがわかったでしょう。また、学年の違う沢山の仲間が出来たでしょう。
 この8ヶ月、皆さんが体験したことや思いを将来も大切にしていって下さい。
リコーは、人を愛し、国を愛し、勤めを愛するという三愛精神を大切にしています。人を愛す、というのは、人を大切にする、人と人との縁を大切にする、という非常に大きな意味を持っています。
全く知らなかった子供たちがここで共に農作業を行ってきたのは一つの縁だと思います。将来、卒塾生たちは、人と人とのつながりや仲間やスタッフや土地などの縁を大切にしていってくれると思います。
8ヶ月間、お父様、お母様が見守っていただいたおかげで、塾生たちは好き嫌いもなくなり、優しく、嫌なことでもチャレンジする子供になってくれたのではないかと思います。

皆様のご協力があって、自然塾も9回を終えることが出来ました。リコーとしては、皆様の役に立つよう活動を続け、発展させていきたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。」
■ 西野顧問の辞
引き続き、西野顧問からお話をいただきました。 
「早いもので3月に皆さんが入塾してきてもう卒塾です。塾活動を通して、色々なことを実現してきたと思いますが、中でも大切なのはここで56名の仲間を得たことです。なかなか友達の作れない時代ですが、皆さんは幸せです。
また、毎年毎年の活動をつなげられたおかげで、市村自然塾は10期生を迎えることが出来ます。ですから、皆さんには500人以上の仲間がいます。この仲間を大切にしていきましょう。
保護者の皆様、自然塾で身についてことをさらに伸ばしてあげるため、家の中でもあたたかく指導していただき、より素晴らしい、21世紀のリーダーに育てていただきたいと思います。」
■ 塾頭の辞
続いて枝村塾頭からお話をいただきました。
「卒塾おめでとう。あっという間の8ヶ月でした。最初は不安だったかも知れませんが、今は仲間と離れるのがさみしいのではないでしょうか。
塾では沢山のことを学びましたね。
まず1つめに、野菜作りや農作業がとても大変だということがわかりました。食べ物の大切さもわかって嫌いなものも食べられるようになりました。農作業に使う道具の使い方も覚え、ものを大切にして、相手を思いやる心を学びました。
2つめは、共同生活では何が大切なのかがわかったことです。我慢する力がついて、さらに、協力すると一人では出来ないことも、うまく早くできることがわかったと思います。
3つめはいろいろな所から集った沢山の友だちができたことです。友だちはかけがえのない財産です。いい友達は将来みんなの力になってくれます。かけがえのない財産をずっと大切にしていってください。

ここで学んだことは、まだ小さな芽です。ぜひ努力をしてこの芽を大きく育てていってください。幾多の苦難も自然塾で学んだことを時々思い出し、強い心と体で乗り越えていって下さい。
 お父さんお母さんにもらった大事な体を大切に、目標、夢を大事にして、達成できるように頑張ってください。」
■ 修了証授与
そのあと、塾生一人一人に8ヶ月間の活動を修了した証として、修了証と記念品が贈られました。
■ 市村アイデア賞表彰
市村アイデア賞は、株式会社リコーの創設者、市村清が子供の頃に色々なことを考えることが大人になってからも大変役に立つという意思を受け継ぎ、子供の発明や理数の力を育てることを目的として出来たものです。毎年、生活を便利にしたり、快適にしたり、環境にやさしい、リサイクルのアイデアなどを全国から応募します。 
今年は男子21件、女子25件の塾生が応募しました。今年はその中から市村自然塾関東から初めて佳作が選ばれました。
佳作に選ばれたのは「ソーラーエコクッキング」というアイデアで、太陽熱を利用した調理器でした。こうもり傘をひっくり返し、そこに使い終わったCDを貼り付けて太陽光を集め、その柄の所に熱を貯めて、お湯を沸かしたりクッキングする装置です。実際やってみて非常に高い温度になって調理が出来たそうです。

 他にも市村アイデア賞に応募した塾生には参加賞が贈られました。
■ 卒塾記念DVD上映
このあと、入塾式から18ステージまでの活動を記録したDVDが上映されました。

自分と仲間たちが、泥と汗にまみれながらも一生懸命畑仕事やさまざまな作業を行ってきた姿を、時には懐かしく、時には大笑いしたりして楽しく見ました。
 
■ 記念品(卒塾記念DVD)授与
その後、上映したDVDが記念品として塾生代表に授与されました。今回はまだ卒塾式の様子が含まれていないため、目録が授与され、後日塾生のお宅へ送られる予定です。 
■ 塾生からの一言
続いて、自然塾で学んだこと、感じたことなどを塾生一人一人に発表してもらいました。
 「野菜作りがとても大変だった。特に夏の草取りやゴボウ掘りが大変だった。でも、自分たちで作った野菜はとてもおいしかった。」
 「野菜にも命があることがわかった。自然に感謝することが大切だとわかった。」
「好き嫌いがなくなり、何でも食べられるようになった。」

「友達との協力の大切さを学んだ。思いやりの心が大切だとわかった。」
「自分は誰かに支えられていることがわかった。」

「あきらめずにやり通すことが大事だとわかった。」


「リーダーになってよかった。」
「目標にしていた、ケチャップやドーナツが出来てよかった。」
「季節を感じられるようになった。」
「ユーモアを身につけた。」
「身近なものを使って釜飯炊きや、工作が出来てよかった。」

などといった、塾生一人一人素直な感想を述べました。ここで学んだことは、将来の糧となり、また良い思い出になるでしょう。
■ 塾生に贈る言葉
次に世話人代表から、塾生に言葉が贈られました。 
「自然塾では、今まで体験したことのないような農作業、とても辛い農作業をしました。共同生活でも、慣れない仲間と大変な思いをして過ごしてきたと思います。
その中で将来の夢や目標を持ったと思います。いろいろな夢や目標を持つことはとても良いことです。でも、それが自然や世の中のためになっているかを常に考えていってください。皆さんは人間は自然の一部だという事を体験しました。人は協力しなければ生きていけないこともわかりました。感謝の気持ちを持って、自然塾で学んだことを振り返りながら、夢や目標を世の中のために生かしていってください。」
■ 記念品贈呈
塾生が自分のこづかいから¥100を出し合い、ゆずの苗木を自然塾に贈呈してくれました。
また、保護者の代表から液晶テレビを贈呈していただきました。
■ 斉唱
卒塾にあたって「故郷」と「今日の日はさようなら」を全員で斉唱しました。「故郷」は男子塾生代表が、「今日の日はさようなら」は女子塾生代表が伴奏をしました。ここ市村自然塾で過ごした日々を思い出し、第二の故郷として、何度も思い起こしてください。
■ 記念撮影
式典終了後、全員で記念撮影をしました。また塾庭で保護者の方々も含めた写真も撮りました。この56名が第9期生の仲間です。かけがえのない仲間をいつまでも大切にしていってください。
■ 食事
第9期生として市村自然塾でいただく食事はこれが最後です。塾産の野菜がふんだんに使われた豚汁とお弁当を塾生もご家族も一緒においしくいただきました。
■ 編集後記
塾生のみなさん、卒塾おめでとうございます。そして塾生を支えていただいた保護者の方々、活動を支えていただいた方々へ感謝いたします。
入塾式の時ひよわに感じた塾生もいましたが、体も心もとてもたくましくなったと感じ、頼もしさを感じます。自然塾で決して楽ではない農作業や共同生活を乗り越えてきたからこそ、今の塾生があると思います。
これからも、この8ヶ月間の経験を糧にして、たくましく生きていってほしいと思います。
T.K.