2010.11.26~28
第18ステージ ~女子~
ステージテーマ:「最後の片づけをきちんとして、気持ちよく卒塾しよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から塾生全体で1つを決める」
 3月に始まった9期生の活動も最終ステージを迎えました。今回のステージでは、今まで8ヶ月間お世話になったチーム農園や塾舎を、10期生が気持ちよく活動に臨める様に感謝の気持ちを持ってきれいにしてもらいました。18ステージの締めくくりとして餅つきを行い、最後の共同農園作業として、来年の塾生のためにタマネギの苗の植え付けを行いました。
共同生活の目標は塾生全体で1つの目標を決めてもらいました。今回は、塾生の中から司会進行役を決めてもらい、塾生が主体となって目標を決めました。
■ 11月26日(土) バス到着
 バスが到着すると、元気な声で塾生が降りてきました。9期生が坂道を競争しながら駆け上って来るのも今回が最後です。
■ 11月26日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたり、枝村塾頭からお話がありました。
「いよいよ最終ステージです。いろいろな思いを持ってきていると思います。チーム農園の秋野菜も今回のステージですべて終わりです。大きくなったものも小さくしか育たなかったものもあります。みんなが丁寧に育てたので例年より立派な野菜ができました。ほかにもお世話になった道具や場所をきれいにしてもらいます。これが10期生へのバトンタッチです。心を込めてきれいにしてください。心は目には見えないけれども結果として表れますから。
明日は活動の締めくくりとして餅つきを行います。みんなが育てたオカボを使います。餅は正月や祭りや結婚式といったおめでたい席、節目節目で食べます。今回、塾の活動の終わりという節目で餅つきをします。餅には粘りがあるので粘り強くなりたいという願い、白いことから心にくもりがない様にとの願いがこもっています。自分たちが元気に過ごせたことへの感謝の気持ちをもってついてください。18ステージの間、自分はどうだったか振り返ってもらいたいです。入塾式にたてた目標は達成できましたか?今回はその仕上げとして、悔いのない様事故のない様一生懸命活動に臨んでください。 
 次に共同生活の目標を決めました。
 今回は塾生の代表者に進行をしてもらい、決めてもらいました。司会を行った塾生は最初はなかなか苦労していましたが、最後のステージなので、きれいにして卒塾し、来期の塾生に渡したい、ということで意見がまとまり、整理整頓清掃清潔を今回の共同生活目標とすることに決まりました。
■ 11月26日(土) 食事当番・共同場所掃除
 食事当番も今回で終わりです。
お米の炊き方、包丁の使い方、味噌汁の作り方、配膳の仕方など、身についたでしょうか?卒塾後もこの経験を役立てていって欲しいです。
 共同場所掃除もしっかりできるようになりました。トイレなど、人があまりやりたがらない所の掃除もすすんで行えるようになりました。自分だけでなく、みんなが気持ちよく過ごせるように行動する習慣が身についてきたと思います。今後もぜひ続けてください。
■ 11月27日(土) チーム農園作業
 いよいよ今回が最後のチーム農園作業です。収穫・道具等の片付け・畑の耕運やならし作業を行い、畑を使い始めたとき以上にきれいにして、思い出のいっぱい詰まったチーム農園を感謝の気持ちを持ってきれいにして、塾へ返還しました。
 ニンジンが収穫できました。地上部で見て想像したより、かなり大きく育っていました。最後のステージまで頑張ったかいがありましたね。
 
 虫除けネットは洗って干し、鹿よけネットは取り外して片付けました。来期の塾生も気持ちよく使えると思います。
 作物をすべて収穫し、残渣(ざんさ)を片付けて草を抜いた後、よく耕して畑をならしました。どの塾生も最後のチーム農園作業を心を込めて一生懸命行っていました。
 最後に自分たちのチーム農園を前にして、10期生に気持ちよく渡せるようになったか塾頭と確認し、挨拶をして9期生のチーム農園作業を終わりました。
■ 11月27日(土) リーダー企画 ~ドロケイ~
 最後のステージにあたって、リーダーが塾生たちの思い出になるよう、昼休みを使ってドロケイ(鬼ごっこの一種)を行うことを企画しました。塾生自身で進行し、楽しいひと時を過ごしました。
■ 11月27日(土) 塾活動 ~餅つき~

 塾頭も塾生と一緒に餅つきを行いました。
 18回のステージの締めくくりとして、餅つきを行いました。塾生全員がひとつきひとつき心を込めて力いっぱい餅をつきました。
 ついた餅は丸めておやつや食事の際にいただきました。
 餅をついていない塾生は声をかけて、全員が心を一つにして行いました。
■ 11月27日(土) ~おやつ~
 みんなでついたばかりのお餅をおやつでいただきました。
 自分たちでついた餅だけにいっそうおいしいおやつになりました。
■ 11月27日(土) 共同農園作業 ~タマネギの植え付け・コンポスト堆肥散布と鋤(す)きこみ~
 おやつの後、9期生女子最後の農作業となるタマネギの苗の植え付けと、コンポスト堆肥散布・耕運を行いました。 
 タマネギは9期生から10期生への贈りものとなります。
 厳しい冬を越えるためにタマネギの苗を傷つけないよう丁寧に1本つづ植え付けました。
 今まで食事当番は野菜くずを切り刻んで地下倉庫にあるコンポストバケツに入れてきました。そこで一次発酵させたものをスタッフが畑のバケツに入れて二次発酵させていましたが、今回それを畑に戻す作業を行いました。畑のバケツの中は栄養豊かな土となっていました。畑で収穫された作物は、皆の身となり力となり、そして残った部分は畑へ栄養となって戻ります。すでに薄暗くなりかけていましたが、コンポスト堆肥を無駄にしないよう、畑に撒(ま)いてしっかり耕しました。
 この農作業を終了し、片付けの後挨拶をして解散すると、「とうとう終わっちゃった」という声があがりました。辛いこともたくさんあった農作業ですが、それだけに感無量(かんむりょう)だったと思います。
■ 11月27日(土) 夜の集い
 土曜夜の共同生活目標の振り返りですが、今回も塾生が司会となって進行を行いました。出来ていた点、出来ていなかった点を挙げて全体で点数を決めました。
 出来ていた点として、塾生室の床が散らかっていなかった、チーム農園で使った道具をきれいに洗えた、などが挙(あ)がった一方、出来たいなかった点としてドロケイをやっていたときに整理整頓が出来ていなかった、布団の入れ方が悪かった、などが挙がりました。
 それらを考えて点数をつけましたが、10点満点で8点という点数にまとまり、さらに点数を上げるためには積極的に声を掛け合おうという意見が出されました。
■ 11月27日(土) 荷物整理
 塾活動はこれで終わりとなるので、塾に置いてある荷物は、持ち帰るか宅急便で送ってもらうかを決め、整理整頓をしました。自分が使っていた衣装ケースもきれいにして、塾へ返してもらいました。
■ 11月27日(土) ケーキ作り
 Dチームは自由時間にチーム農園で収穫したニンジンを使って、キャロットケーキを作りました。
 ニンジンを栽培すると決めたときから、目標にしていましたが、最後のステージで出来ました。
 Dチームが心を込めて作ってくれたキャロットケーキは、日曜日の昼食で皆に食べてもらいました。他のチームの塾生もとてもおいしそうにいただいていました。
■ 11月27日(土) リーダー会議
 リーダー会議もこれが最後となりました。今回はリーダー、サブリーダー全員が参加し、感想を述べました。ほとんどの塾生がリーダー・サブリーダーを行って何らかの得るものがあったと言いました。枝村塾頭からは、あるリーダーはなかなかチームがまとまらず、自分のチームに向き合ってこなかった様だが、市村自然塾九州から見えた鈴木さんの「このチームでよかったと思えるチームにしてください」という話を伺った後、しっかりチームと向き合うようになったのではないか?という指摘もありました。リーダー・サブリーダーとして苦労したこともいろいろあったとは思いますが、この経験を活かしていってください。8ヶ月間お疲れ様でした。
■ 11月27日(日) 朝食前の瞑想
 最初の頃のステージでは足もしびれ、姿勢を保つことにも苦労していた瞑想の時間ですが、今では自然体で姿勢が正しく保たれるようになりました。姿勢だけでなく、心を落ち着かせ、自分を見つめ、季節を五感で感じられるようになったと思います。
■ 11月27日(日) 塾活動 ~共同場所の大掃除~
 午前中前半は、塾舎内の共同場所をチームごとにそれぞれ分担して大掃除を行いました。
 
 食事や塾活動のときに使ってきた食堂。感謝の気持ちを込めて、ガラス拭き、レールの埃とり、エアコンのフィルター洗浄、テーブルの表裏など細かいところまできちんと掃除をしました。
 風呂場は今までのステージでも共同場所清掃で行ってきましたが、より細かいところ、普段行っていないところまできれいにしました。排水溝のカバーを外すとごみがいっぱいたまっていましたが、それもしっかり取り払ってきれいにしました。
■ 11月27日(日) 塾活動 ~塾生室の大掃除~
 おやつをいただいた後は、自分たちの塾生室の大掃除を行いました。
 エアコンの室外機のカバーには汚れがいっぱいついていました。歯ブラシなどを使ってきれいにしました。
 押入れも布団をいったん出し、中をきれいに拭き掃除しました。
 窓ガラスもきれいに拭いてきれいにしました。
 塾生室掃除が終わった後、塾頭に確認していただき、挨拶をして塾生室掃除を終わりました。
■ 11月27日(日) 活動の振り返り
 ステージのまとめとして、枝村塾頭からお話をいただきました。
 「とうとう今年の塾活動が終わりました。全員が無事に18ステージを過ごせました。これも友達同士助けあってくれたおかげです。チーム農園の片付けも心を込めて行ってくれました。10期生も気持ちよく使うことが出来ると思います。感謝の気持ちを持ち、協力をして、とてもきれいにできました。塾舎内の掃除もきれいに、予定していた時間よりも早くできました。協力すれば、うまく早くできることがわかったのではないでしょうか。18ステージの間、いろいろなことを経験してきたと思います。農作業など辛いこともありましたが、よく頑張ってきたと思います。体力もつきました。強い心を持てるようになりました。何よりも我慢する力がついてきたのではないかと思います。
人間の生活にはいろいろな苦労や苦難があります。それを乗り越えるとき感動や喜びがあります。徳川家康が「人の一生は重き荷物を背負うて遠き道をゆくがごとし」と言いました。この18ステージで終わりではありません。これから先、ここで学んだことを活かして生活していってください。目標を達成する努力をし、感謝することを忘れず、親切な心を持ち、人に優しく、自分に厳しく、自分の心を磨いて人格を高めていって欲しいです。3つの心と2つの力をいつまでも忘れないで下さい。」
 
 最後の振り返りも塾生が主体となって司会進行を行いました。
 出来ているところとして、「荷造り後きれいな状態だった」、「部屋の掃除を来期生のことを思ってできた」などの意見が挙がった一方、「中途半端になってしまった」という点も挙げられ、悪かった点は直せたが完全ではない、といった意見から、全員一致の9点となりました。
■ 11月27日(日) 塾へのあいさつ
 帰宅時塾舎を出たところで、今まで18ステージの間の活動の舞台となった自然塾に、感謝の気持ちを込めて、「市村自然塾関東ありがとうございました!」
と大きな声で挨拶をしてもらいました。
 塾生達は照れずに大きな声で挨拶をし、お辞儀をしてバスへ向かいました。
■ 11月27日(日) バス出発前
 
 バスに乗り込む前、突然バスの周りに積もった落ち葉のかけあいが始まりました。
18ステージの間の思い出と名残惜しさを全身で表しているかの様でした。、
■ 編集後記
 8ヶ月にわたった9期生の塾活動も終わりました。長いようで短い、あっという間の8ヶ月だったと思います。慣れない共同生活では学年も性格も違う仲間と時には仲良く、時にはぶつかりあい、中には全く打ち解けあうことも出来ずに過ごし、人間同士のつながりや難しさを感じたと思います。農作業では、疲れ、汗と泥にまみれ、虫がまとわりつく辛さに耐えながら、それでもなお作物が虫や病気や獣の被害を受けうまく育たない、といった自然の厳しさを知ったと思います。そのような中で、仲間同士協力し、困難に立ち向かうことの大切さを感じられたのではないかと思います。各ステージでは目標を立てて活動してきましたが、個性の違う人間同士が協力し、何かを成し遂げるために必要なことです。最初はうまくいかなかった人間関係やチーム農園作業も、終盤にはチームの問題を肯定的に受け止め、何とか解決するよう努力できるようになったと思います。
 18ステージに渡った塾活動が終わりましたがこれはゴールではなく、新たなスタートです。それぞれの塾生はそれぞれ別の舞台で新たなチャレンジをしていかなければなりません。困難に出会ったとき、ぜひ自然塾での体験を思い出して立ち向かっていってください。

T.K.