2010.11.12~14
第17ステージ ~女子~
ステージテーマ:「自然の恵みに感謝し、野外調理で各チームの味を楽しもう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から塾生全体で一つ選ぶ」
早いもので今ステージを含め残り2ステージとなりました。今まで様々な野菜を育ててきましたが、無事収穫できたのも自然の恵みのおかげです。今ステージでは、これら自然の恵みへの感謝、そして今まで活動を支えてきてくれた地域の人やボランティアの人への感謝の気持ちを込めて、収穫祭を行いました。
また、塾生全体で話し合って自分たちの行動をふりかえり、農作業で心をこめていない時がある、収穫祭でおもてなしをするために意識したいなどの理由から「何事も心をこめてきちんと丁寧に作業する」を共同生活の目標として活動に取り組みました。
■ 11月12日(金) 夜の集い
ステージを始めるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
「今回、みんなで育てた野菜を調理して食べます。収穫の喜びを味わい、自然の恵みに感謝しましょう。また、第1ステージから今まで無事に過ごせたこと、地域の人やボランティアの人、色々なものに支えられて今の自分があることに感謝しましょう。明日は奉納相撲(ほうのうずもう)を行います。今、元気に生きていることに感謝し、勝ち負けにこだわらず精いっぱい自分の力を出してください。
残り2ステージとなり、入塾式で述べた抱負もほとんど達成できたことでしょう。また、塾で大切にしている3つの心と2つの力は、卒塾してからも一生の宝物として大事にしてください。」
また、事務局長より卒塾式の流れについて説明があった後に、卒塾式で歌う「故郷(ふるさと)」「今日の日はさようなら」の練習を行いました。
楽しいことや辛いことなど色々あった市村自然塾が、将来塾生にとっての心の故郷になると嬉しいです。
■ 11月13日(土) 収穫祭 ~味噌の開封式~
収穫祭では自然の恵みに感謝し、今まで支えてくれた人たちに感謝しましょうという塾頭の開会宣言の後に、味噌の開封式を行いました。
第5ステージで仕込んだ味噌がどうなっているのか、ふたを取って確かめると、うっすらと黒くなっていたり、フワフワと白いカビが出ていたりとチームによって様子は様々でした。
これらのカビを口にしないよう、まず樽(たる)の中を丁寧にふき、味噌の表面に付いたカビを取り除きました。
次に、完成した味噌を味見しました。味もチームによって少しずつ異なり、塩味が強いものや甘みがあるものもありましたね。
今回の野外調理で使う分の味噌を取り、来年度の塾生が美味しい味噌を味わえるよう、樽の中や外、周辺をアルコールで丁寧にふいて封印(ふういん)しました。
最後に、お味噌の仕込みから開封までご指導してくださった箕輪さんより、一言いただきました。
「仕込んだ時と比べて、今日開封したお味噌の味はどうですか?5ヶ月たち、味噌は熟成されましたが、塾生も5ヶ月の間に大分成長したのではないでしょうか。
味噌は熟成されることで野菜のうまみを引き出すことができるようになります。是非みなさんもさらに成長し、周りの人の良さを認め感謝できるようになって下さい。」
■ 11月13日(土) 収穫祭 ~野菜の収穫・奉納~
味噌の開封が終わったあとは、野外調理で使う野菜をチームごとに収穫しました。
ハクサイにダイコン、コマツナ、カブ、ネギ、ダイコンとたくさんの野菜を収穫することができました。

収穫した野菜は、汚れやアブラムシなどを丁寧に洗い流して奉納台に供えました。アブラムシがたくさんついている様子に、驚く姿も見られました。これも無農薬で育てた野菜ならではの経験かもしれませんね。
野菜を供えた後、奉納した野菜の前で自然の恵み・山の神に感謝し、普段お世話になっている調理師さんへ感謝の言葉を贈りました。
■ 11月13日(土) 収穫祭 ~野外調理~
まずは野外調理で作るごった煮の材料を量り、取り分けました。
ダイコン・ゴボウ・ハクサイ・ネギの基本材料の他に、ダイコンの葉、コマツナ、カブなどチームの好みに合わせて選んでいました。

その後、仕込み・調理、火起こし、焼き芋、おにぎり作りの担当に分かれて準備を進めました。
選んだ材料を食べやすい大きさに切っていきました。いちょう切りやななめ切りなど、野菜の種類ごとに切り方を工夫していました。今まで食事当番で覚えてきた包丁の使い方を発揮していましたね。
また、切ったゴボウを水にひたすアクぬきのように、下ごしらえが必要な野菜もあることを覚えておきましょう。
切った野菜は、火の通りにくいものから順に鍋に入れ、だし汁を加えて準備完了です。
重いダッチオーブンを2人で協力して運びかまどにセットしていました。
新聞紙、ゴマのカラ、竹のまき、と燃えやすいものを下から順に重ねて火をつけ、次々にまきを足しながら20分間煮込みました。
煙がもくもくと立ち昇る中、火の強さを見ながらまきを足していく手つきも慣れたものですね。
その後、ぬれ新聞とアルミホイルで包んだサツマイモを火の中に入れて、焼き芋を作りました。
煮込み終わったら、朝に開封したばかりの味噌を使って味をととのえました。
心をこめておわんに取り分け、お客さんに渡していました。
■ 11月13日(土) 収穫祭 ~昼食~
おにぎりとごった煮が完成し、みんなで味わっていただきました。
選んだ材料や、野菜の切り方と火の通り具合、味噌の味付けなど、チームそれぞれの「ごった煮」を味わうことができました。
昼食の後、収穫祭に来てくださったリコーの近藤社長よりお話をいただきました。
「ごちそうさまでした。美味しい昼食とみなさんのいきいきした姿に、元気をもらいました。
私は、9人兄弟の中で育ち、自然塾のように農作業の手伝いなどをして協力し支えあってきました。みなさんも、自然塾で協力し支えあってきたことと思います。
しかし、学校や家など見えない部分でも色々な人に支えられていることを忘れずに感謝できるようになってください。
また、小さいうちは少しくらい勉強ができなくてもいいです。色々な経験をし、一生懸命行うことで信頼されるようになってください。」
■ 11月13日(土) 収穫祭 ~奉納相撲・閉会式~
午後は、自然の恵みといま自分たちが元気に生きていることに感謝し、体で表現する奉納相撲を行いました。
学年ごとにトーナメント形式で取り組みを進めました。
相撲をするのが初めてという塾生も多く、前半は真剣に体をぶつけ合うことに緊張している様子も見られました。しかし、取り組みが進むにつれて「もっとやりたい!」と言う声が聞こえるほど盛り上がり、最後はスタッフに挑んでいる塾生もいました。
奉納相撲終了後、枝村塾頭より閉会の言葉があり、収穫祭が終了しました。
「自然の恵みに感謝し、野外調理も無事に終えてお客様へもおもてなしすることができました。今後も『おかげさま』の気持ちを持って、常に感謝の心を持てるようにしましょう。」
奉納相撲で優勝した塾生には、景品として野菜が贈られました。学年の部で優勝した塾生にはキャベツを1玉、そして総合優勝の塾生にはサトイモ1株を収穫してもらいました。
■ 11月13日(土) 共同農園作業 ~コムギの種まき~
続いて、共同農園作業としてコムギの種まきを行いました。コムギは、前の塾生が種まきしたものを収穫し、次の塾生のために種まきを行うリレー作物のひとつです。そのことを意識し、心をこめて丁寧に作業を行うことができました。
まず、鳥よけのために張ったキラキラテープを目印に溝を切りました。
種をまいた時に深さが一定になるよう、溝の底が平らになるように丁寧に作業していました。
続いて、一粒一粒無駄にしないよう種をまきました。たくさん育てようと近い位置にたくさんまくと、お互いに土の栄養を取り合ってしまうので注意が必要です。
■ 11月13日(土) 夜の塾活動 ~作文~
夜の塾活動では、
「市村自然塾で色々なことを体験して、どのように感じ、どんなことを学んだか。それを将来の夢にどう活かすのか。」をテーマに作文を書きました。
友達と協力することが大切だと分かったのでこれからも協力したい、将来人を思いやる気持ちを子どもたちに伝えていきたい、など様々な将来を垣間(かいま)見ることができました。
■ 11月13日(土) チームリーダー会議
チームリーダー会議では、リーダー・サブリーダーを中心に第18ステージの昼休みにお楽しみ企画を行おうという話があがりました。
是非、積極的に計画を進め、声をかけ合って実行に移すようにしましょう。
■ 11月14日(日) チーム農園作業
チーム農園作業では、今まで一生懸命世話をしてきた成果が実り、多くの野菜を収穫することができました。
バケツいっぱいに収穫した野菜の味はどうだったでしょうか?
また、第18ステージでは借りた時と同じように畑をきれいに整えて返却する予定です。
どのチームも、空いた土地を耕して片付けを進めていました。
計画的に、早めにシカよけネットを片付けているチームもありました。
チーム農園作業を通して、出来ることから進める計画性も身に付いたようです。
チーム農園作業の合間のおやつには、Aチームのチーム農園で収穫したサツマイモを使ってメンバーが作ってくれた「サツマイモドーナッツ」がふるまわれました。
トマトジャムやサツマイモドーナッツなど、チームのみんなで協力して作ったおやつはまた一段と美味しく感じられたようです。
■ 11月14日(日) ステージの終わりに
ステージを終えるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
「天気にも恵まれ、無事に収穫祭を終えることが出来ました。収穫できるのも太陽や自然のの恵みのおかげです。おかげさまの気持ちを忘れないでください。
また、箕輪さんからお話をいただいたが、『味噌のような人間になってほしい』とは本当にいい言葉ですね。周りの人の良さを引き出し、自分の悪い部分は素直に反省することで、より一層成長していってください。今まで学んできたことを生かし、色々な場面でリーダーシップを発揮していってもらいたいと思います。」
また、塾生全体で共同生活目標のふりかえりを行いました。自分たちの活動の様子を思い返し、「布団の片付け、朝の清掃を丁寧に行えた」「急いでいて片付けを丁寧にできなかった」など良かった点・悪かった点ともに意見が出ました。反省点を次に生かし、成長につなげていきましょう。
■ 編集後記
第17ステージが終わり、いよいよ次のステージで最後となりました。長く感じましたか?それともあっという間だったでしょうか?まだ実感がない塾生もいるかもしれません。卒塾してからも、つらいことがあった時などに自然塾で乗り越えてきたことを思い出してほしいと思います。
今回、共同生活目標決め・ふり返りなど塾生全体で話し合いました。全体で話し合うのが初めてだったせいもあるのか、チームで話し合う時と比べるとあまり意見が出てきませんでした。大勢で話し合う時も、傍観者(ぼうかんしゃ:周りから見ている人)にならずにどんな小さな意見でも自分の意見を持とうとするようにしましょう。色々な意見があるほど、全体の意見がより良くより深いものになるはずです。
Y.S.