2010.10.15~17
第15ステージ ~女子~
ステージテーマ:「地域に感謝して清掃ボランティアをしよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から各チームでひとつ選ぶ」
 塾生たちは約7ヵ月間、自然塾に通いその間にいろいろな事を学びました。それらの活動をするためには、多くの人や多くのものに支えられているから出来ることです。その中の一つに「地域の方々に支えられている」ことがあります。市村自然塾のメインの活動である農作業を行うのに必要な畑は、地域の方々にお借りしているものです。地域の方々のを理解、協力があってこそ活動が行えるのです。また、野菜が育てられるのは大地、自然のおかげです。今回は様々な恩恵を受けている地域と自然に対して感謝の気持ちを込めて、清掃をしようと上記テーマを掲げました。
 共同生活の目標は、これまで個人で決めていましたが、今回はチーム単位で最もできていないと思われるものを選んでチームで改善出来るように活動に挑みました。
■ 10月15日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。
 「いよいよ塾活動も大詰めです。今回のステージでは、いろいろお世話になりました地域の方々に感謝の気持ちを持って清掃ボランティアをやってもらいます。塾の活動や農作業が出来るのは地域の方々の理解と協力があって出来るのです。みんなに強い心と体を養ってもらうために協力してくれているのです。
我慢する心、感謝の気持ち、おかげさまの心、つらい農作業を頑張れる強い身体。ここを貸してくれた人たちへの恩返しだと思ってこれらのことを身につけてください。
 農作業も共同生活でも、自分のことは自分で出来る「自立」することは、素晴らしいことです。考えてどんどん行動が出来るとより素晴らしいです。言われたままやるのではなくて、率先して行動できるように頑張ってください。自分が終わって他を手伝えるようになるとさらに良いことです。
残り4ステージ、悔いの残らないように活動に挑んでください。」
 次に、各チームごとで共同生活の目標を決めてもらいました。
 各チームで、今までの目標の中からチームとして最も出来ていない目標を選んでもらいました。
その結果、あるチームは「整理整頓清掃清潔」、またあるチームは「時間を守る」と決まりました。理由を聞いてみると「普段意識しているが、まだ完璧ではないから。」ということでした。各チーム共にステージを通して意識していました。
■ 10月16日(土) 地域清掃ボランティア ~前半 塾舎周辺の清掃~
 この日、午前中の作業は、清掃ボランティアです。まずは、塾舎や畑に近い場所から清掃を行いました。普段農作業で使っている道は自分達のものだけではありません。近所の方々へ、また、道路を使わせてもらっていることへの感謝の気持ち持って、掃き掃除を中心に行いました。
■ 10月16日(土) 地域清掃ボランティア ~後半 周辺地域の清掃~
 おやつをはさんで後半は、塾舎から少し足を伸ばして地域の清掃を行いました。川沿いや蛍観察で訪れた場所、ハイキングで通った林道脇のゴミ拾いを行いました。
 塾舎に戻ってから分別、回収を行いました。結果、18.5kgものゴミを集めることが出来ました。塾生たちは案外きれいだと思われていたこの地域からこれだけの量のゴミが収集できるとは意外だともらいしていました。
■ 10月16日(土) 共同農園作業 ~オカボの収穫~
 塾生たちが第4ステージに種まきをしたオカボは病気にかかってしまい、殆ど収穫が出来ないため、スタッフが予備で種まきをしたオカボの刈り取りを行いました。
 丁寧に刈り取り、穂を落とさないようにしっかりと束ねました。落ち穂1本も残らないよう畑を見回して収穫完了!
 収穫したオカボは、1階ベランダと温室内へ干しました。麦のときにやった作業なのでみんな手際よく作業を進めて、あっという間に終わりました。

 乾燥が終わったら、脱穀、もみすり、精米をして第18ステージに餅つきを行います。楽しみにしていてください。
■ 10月16日(土) 共同農園作業 ~秋野菜の世話~
 第12ステージで植え付けをして、第13ステージで世話をした秋野菜は、1部土砂崩れの影響を受けましたが、ずいぶんと大きく育っていました。収穫までもう少しです。しかしここで気を抜いてはいけません。立派に育つように、草取り、追肥、土寄せを行いました。
 草取りから追肥、土寄せまで、手なれたのもです。ひとつひとつの作業も丁寧で、スムーズに行えました。スタッフから細かい指示を受けなくても自ら率先して出来るようになったのは素晴らしいことです。みんな意欲的に取り組んでいました。
■ 10月16日(土) 夜の活動 ~星の観察会~
 塾生たちは外で星を実際に見ることや、室内で室内で月の満ち欠けの実験を行ったりしました。
 塾庭ではボランティアの方に来ていただき、大きな双眼鏡や望遠鏡で月や木星を見ました。写真やテレビではなく、月のクレーターや木星の縞模様など見ることができたことに感動していました。
 室内の月の満ち欠け実験では、模型の月を取り囲んで、室内を暗くして1点からライトで照らし各場所から見えた光と影の様子を塾生にスケッチしてもらいました。
 照明をつけてみんなが描いた月の形を順番に並べてみると、月の満ち欠けと同じ移り変わりをしています。視覚的、体験的に月の満ち欠けの仕組みを学んでもらいました。
■ 10月16日(土) 夜の活動 ~共同生活の目標振り返り~
 目標の振り返りも各チームで話し合いました。個人で振り返るのとは異なり、自分ができているだけではなく、自分を含むチームのメンバー、つまりチームとして掲げた目標がどのくらい達成できているか考えて話し合い、さらに改善案を考えてもらいました。
■ 10月17日(日) 朝食前の瞑想
 今回で15回目の瞑想です。第1ステージでは1分間すらじっとしていられなかった塾生たちですが、今では5分間、自然と姿勢を正して座ることができるようになりました。ただ、我慢をして座っているのではなく、周囲の音や季節を感じることが出来るような余裕もできました。
■ 10月17日(日) 共同農園作業 ~コンニャクの草取り~
 女子塾生は雨のために植えつけることができなかったコンニャクイモの世話をしました。次のステージでコンニャクイモの収穫とコンニャクつくりを行います。しかし、畑が雑草に埋め尽くされていてどこにコンニャクイモが植わっているのか分かりません。
 あっという間に雑草がなくなりコンニャクイモが植わっている目印が出てきました。これで、次回コンニャクイモがスムーズに掘り上げることができそうですね。
■ 10月17日(日) チーム農園作業
 チーム農園でも大きくなってきた作物に追肥土寄せを行いました。共同農園での経験が活きています。
 このチームはモロヘイヤを収穫しました。自分たちの背丈よりも大きくなったモロヘイヤは一筋縄では抜けません。根元を掘り抜きやすくしました。「すごい根が張ってる!」と驚いていました。
各チームともに前回、前々回に種をまいた作物の芽がたくさん出てきました。このままではひとつひとつが大きく育たないので間引きをして作物同士が適度な間隔を作りました。こうすることで立派な作物が育ちます。また、間引いた芽は大切に持ち帰りました。
■ 10月17日(日) ステージ振り返り
 ステージの振り返りを枝村塾頭にしてもらいました。
 「清掃ボランティアでは、地域の人たちにお礼の気持ちを込めて出来ていたと思います。また、自然に対しても感謝の気持ちを持つことが出来たのではないでしょうか?これからも感謝の気持ちを持ち続けてください。ゴミは誰かが捨てなければ決して出ることはないのです。旅行に行った時などゴミをしっかりと持ちかえるようにしましょう。また、要らなくなったものをごちゃ混ぜにして捨てるとただのゴミになってしまいますが、分別することによって資源として再利用できるものが多くなりました。
きっと家でもゴミを分別していると思います。分別するだけで環境にやさしくなりますので心がけてください。前回も言いましたが、最近塾への忘れ物が多くなってきました。物、道具を大事にしてください。大事にすると物に対して愛情がわきます。物を大事にする人は人も大事に出来ます。残り3回のステージ、悔いの残らないように挑んでください。」
■ 編集後記
 今回のステージのメインのイベントは清掃ボランティアでした。日本で『ボランティア』は「無償で」という意味で使われることが多い言葉ですが、語源をたどると『自発的・自分から~する」という意味だそうです。そういう視点からみると、塾の活動として清掃をする機会を作りましたが、塾生たちは自分から進んでゴミを拾っていました。そこには、塾生たちがゴミ拾いや掃除をするという形で地域への感謝の気持ちを表すことができたのではないでしょうか。これを良い機会として、塾の活動だけでなく普段の生活の中でも感謝の気持ちを持つこと、そしてなかなか難しいのですが、感謝の気持ちを態度で表わすことができるようになってほしいと思います。

 また、共同生活の目標はチーム単位で決めてもらいましたが、個人目標とは異なることが多かったと思います。決めること、達成することの難しさを知ったのではないでしょうか?しかし、チームで1つの目標を持つことで、出来ていなかった塾生ができるようになったり、出来ている塾生はさらにレベルの高いものになったと思います。チーム一丸となることで大きな力が得られます。塾生たちには残り少ないステージでチームでは助け合いながら、個人では自発的に行動出来るようになってもらいたいと思います。
K.M.