2010.03.26~28
第01ステージ ~女子~
ステージテーマ:「友達と仲良くなって自然塾に慣れよう!」
共同生活の目標:あいさつをする
いよいよ女子も第1ステージが始まりました。学校も地域も違う仲間で戸惑うこともあると思いますが、早く仲良くなって、楽しい塾生活を送れるように「友達と仲良くなって自然塾に慣れよう!」というテーマをかかげました。また、コミュニケーションの基本となるあいさつをしっかりしてもらおうと、「あいさつをする」を共同生活の目標とし、意識して過ごしてもらいました。
■ 03月26日(金):夜の集い
ステージを始めるにあたり、塾頭からお話がありました。
「いよいよ第1ステージが始まります。これから8ヶ月間ケガのないように元気に過ごしてください。毎ステージ金曜日の夜と日曜日の帰宅前にお話をします。大事だと思ったことはメモを取るようにしてください。メモを取るときは、頭の中で話をまとめることが大切です。話したことをすべてメモするのではなく、大事なところだけメモを取るようにしましょう。
今日はなかなか眠れないかもしれませんが、明日は農作業があるので、リラックスしてぐっすり寝てください。
みなさんには思い出深い活動にしてもらいたいと思っています。そのためには何度も言っていますが、自ら進んで行うようにしてください。作業をするときは、スタッフのは話を良く聴き、話が終わってから作業を始めるようにしてください。
自然塾ではステージごとに目標を決めています。みなさんはいろいろな目標をもってここに来たと思います。人生は目標を持つことが大事です。目標がなくダラダラと過ごすのではなく、何事にも目標を持ちましょう。
今日から28人の新しい仲間で18ステージを過ごします。協力しあって、助け合ってください。助け合うとステージが楽しくなります。早く良いお姉さん、妹の関係になってください。」
■ 03日26日(金):荷物整理
塾生には1人ひとつ衣装ケースが貸し出され、18ステージまで自分の荷物はその中に入れて管理します。夜の集いが終わった後は、その衣装ケースに荷物をつめました。どの塾生も取り出しやすいよう工夫して入れていました。また、これから毎ステージ使うことになる長靴に名前を書き、地下倉庫にある棚(たな)に並べました。
■ 03日26日(金):布団敷き
チーム担当に布団の敷き方とシーツ・カバーのかけ方を教えてもらい、チームで協力して布団を敷きました。どのチームもテキパキ動けていました。
■ 03日27日(土):朝の掃除
起床後に布団をたたんだあとは、塾生室を清掃する時間です。掃除機をかけたり、ベランダを雑巾がけしたり、分担して作業します。これから18ステージまでお世話になる塾生室です。大切に使いましょう。
■ 03日27日(土): 農業を始めるにあたっての心構え
農作業に入る前に、農業指導の柳川先生から「農業を始めるにあたっての心構え」を話していただきました。
「みなさんは友達の顔を見て、元気かどうかわかりますね。植物はいろいろな形で話しかけています。1つは色で示していて、それをカラーメッセージといいます。2つ目は葉の形や角度で健康状態を示しています。作物の状態を良く見て、カラーメッセージや水が足りているかなどを読み取れるようになってください。
今日はクワの練習をする予定です。自分でやるとわかりますが、耕す作業はとても大変です。一生懸命耕しても、歩いてしまうとダメにしてしまいますので、ダメにしないように畑を歩く時は気をつけてください。
イギリスには“グリーンフィンガー”という運動があり、ひとりひとりがグリーンフィンガーを持つことでその国が緑豊かになるという考えがあります。1つ目の指が耕すことができる、2つめの指が種をまくことができる、3つ目の指が芽を出させて葉を形成することができる(初級)、4つ目の指が花を咲かせることができる(中級)、5つ目の指が実を取ることができる(上級)ということを示しています。ぜひこの18ステージで5本の指が全部できるようになって欲しいと思います。」
■ 03日27日(土):チーム農園の割り振り
自然塾には共同農園とチーム農園があります。共同農園は主に食材となるものを育てており、塾生もスタッフも植え付けや世話をします。チーム農園は塾生が計画し、植え付けから収穫まですべてを自分たちで行います。土曜日の最初の作業は、チームの畑を決定し、どんな条件の畑なのか下見を行いました。
場所が決まったら、その畑の状態や、太陽の通る方角などを確認しました。
畑の中にいくつか動物の足跡(あしあと)があり、対策を考えはじめているチームもありました。
■ 03日27日(土):チーム活動 ~チーム農園春の作付け計画の検討~
畑が決まったら、室内に戻りさっそく作付けの計画に入りました。ステージ担当から基本的な用語の説明があった後、各チームで「育てる作物と目的・目標」を話し合い、育てるために必要な情報を本で調べました。収穫したトマトでケチャップを作りたいというチーム、3種類のサツマイモを育てて食べ比べてみたいというチームなど様々な意見でていました。
柳川先生へ質問するチームもありました。
育てたい作物が本に載っていなかったようですが、先生からいろいろとお話しが聞けたようです。
■ 03日27日(土):チーム活動 ~チーム農園計画・発表準備~
午後最初の作業は、午前中に検討した作付け計画の続きと、検討した内容を模造紙に書き込み、次のステージに発表をする準備をしました。また、ステージ担当からリーダー・サブリーダー・メンバーの役割について説明があり、立候補と推薦(すいせん)により候補者を選びました。
■ 03日27日(土):農具の安全な使い方・クワの使い方練習
おやつの後は農作業着に着替えて塾庭に集合し、農具の安全な使い方・運び方について説明がありました。クワの運び方や、置く時の注意点などの説明があり、どの塾生も真剣に聴いていました。
説明が終わった後は、長さや重さが違う3種類のくわの中から自分に合うクワを選びました。
クワを選んだら、コイコン畑へ移動し、クワの使い方の練習をしました。最初に柳川先生から「振り上げる時は頭より上に上げないこと」「畑の下側から上側に土を上げること」など説明・注意を受けてから2列に広がって練習しました。初めてクワを扱う塾生がほとんどだったので、最初はぎこちない様子でしたが、耕し終わる頃にはだいぶ上達しました。これからたくさん使って身につけていきましょう。そして体力もつけていきましょう。
■ 03日27日(土):夜の塾活動
夕食の後は塾活動としてまず塾頭から「活動の目的と共同生活の基本ルール」について、自然塾で身につけてほしいこと、共同生活をする上で守ってほしいことなどのお話がありました。
続いて、事務局長から「通塾についての諸注意」として、新松田からの電車の乗り方や、電車内外でのマナーについてのお話がありました。
お話しの後は30分間コミュニケーションゲームを行いました。手拍子にあわせて決まった人数でグループを作って集まるゲーム、誕生月や血液型などで集まるゲームをしました。最後に全員で誕生日の順に1つの大きな円をつくり自己紹介をしました。金曜日にきたときは、どこか緊張している様子の塾生が多かったのですが、ゲームが終わる頃にはすっかり打ち解けていました。
■ 03日28日(日):食事当番
1ステージで1チーム食事当番を担当します。今回は最初のステージだったのでAチームが食事当番でした。食事当番になったチームは、土曜日の朝食、土曜日の夕食、日曜日の朝食の3回、食事の準備と片付けをします。ご飯を炊いたり、味噌汁の味付けをしたり、包丁使いを学んだりします。少しずつ覚えていきましょう。
■ 03日28日(日):瞑想(めいそう)
毎ステージ、日曜日の朝食の前に季節の話と瞑想を行います。季節の話は、ステージ担当から二十四節気という1年を24等分した季節の紹介と解説があります。そして、瞑想は窓をすべて開け、電気を消し、体全体で季節の移り変わりを感じてもらいながら行います。
今回は1分間瞑想をしてもらいました。初めてでしたが、姿勢も良く、よくできていました。瞑想が終わった後に何が聞こえたか聞いたところ、「まだ上手に鳴けないウグイスの声が聞こえた」という塾生がいました。これから春が深まるにつれて、ウグイスも上手になっていくと思いますので、良く耳をすましてみてください。
■ 03日28日(日):共同農園作業 ~ジャガイモの植え付け~
土曜日が晴れたおかげで畑の土も乾き、無事ジャガイモの植え付けをすることができました。ジャガイモは塾生が初めて植え付けをする作物です。女子はダンシャク・メークイン・キタアカリ・アンデスレッドの4種類のじゃがいもを植え付けました。説明を良く聴き、丁寧に作業していました。
まずは準備体操です。ケガをしないように、しっかり体をほぐしました。
最後に2人組みになり、ストレッチも行いました。
ジャガイモは種や苗ではなく、芋そのものを植える“種芋”という形で植え付けをします。植え付けの前に、種芋の準備を行いました。
まず、ステージ担当から説明があり、その後チームに分かれて作業しました。
最初の作業は芋の重さを量り、100グラム以上あるものと100グラム未満のものと分ける作業です。
50グラム以上はどんなに大きな芋を植えても収穫できる量は変わらないため、100グラム以上ある芋は半分に切ります。切る時はどちらの芋にも同じ位芽の数が残るように、向きに気をつけて切りました。
切った芋の切り口は人間の傷口と同じです。種芋がくさらないように、消毒の効果がある灰を切り口につけました。灰をつけた芋と、100グラム未満の芋をトレーに丁寧に並べました。
畑へ移動し、いよいよ植え付けです。今年のジャガイモはジャイモン畑に植え付けました。
まずは、4列に分かれ、種芋を植え付ける場所に浅めに溝を掘ってもらいました。土曜日に耕す練習をした時とはクワの使い方が違ったため、やりづらそうにしている塾生も多くいました。これから少しずつ覚えていきましょう。
■ 03日28日(日):おやつ
自然塾では、10時と3時におやつがでます。おやつは市販されているものではなく、自然塾でとれたものを使った手作りのおやつです。今回日曜日のおやつは、自然塾周辺でとれたよもぎを使った“草もち”がでました。
みんなおいしそうにほおばっていました。
■ 03日28日(日):共同農園作業 ~ジャガイモの植え付け続き~
おやつの後は、前半に掘った溝に種芋を並べていきました。3人組になり、長さを測る人、種芋を並べる人、肥料を置いていく人と仕事を分担して行いました。
ずべての種芋が並べられたら、いっせいに土をかぶせました。どこに植えたのかわかるように、種芋の真上が少し盛り上がるようにしました。大きな芋がたくさん収穫できるよう、しっかり世話をしましょうね。
■ 03日28日(日):まとめ
最後に、ステージのまとめとして塾頭からお話しがありました。
「最初のステージどうでしたか?なれない作業ばかりでしたが、みんな一生懸命やっていました。特に食事は良く食べていたと思います。
みんなすぐに打ち解けることができましたね。友達は自分からつくろうとしないとできません。何回も言いますが、大切なことは自分から進んでやること。何事もチャレンジすること。そして、やるときは心を込めてきちんと丁寧にしてください。
このステージの目標はあいさつをするでした。あいさつは人の心を表します。どんなときでも、自分からあいさつができる人は心がまっすぐな人です。家に帰ってからも、『おはよう』や『ごめんなさい』など素直に言えるようになって欲しいと思います。また、日本では昔から『礼に始まり、礼に終わる』という言葉があります。ひとつひとつの作業の始めと終わりをしっかり行うことでけじめをつけることができます。
これから帰宅してもらいますが、昨日説明のあった通塾時のマナーを守って帰ってください。
また2週間後に元気な姿を見せてください。」
■ 編集後記
3月の下旬なのに寒い日が続きました。初めてのステージどうだったでしょうか。
ステージテーマの「友達と仲良くなって自然塾に慣れよう!」については、みんなすっかり打ち解けて、仲良くなり達成できたと思います。
共同生活の目標の「あいさつをする」については意識して心がけていたと思いますが、もっと相手に伝わるあいさつができるとさらに良いと思います。「自分から、相手の目を見て、笑顔で、大きな声で、明るく」あいさつをすれば相手も、自分も気持ちがよいですね。今後は意識せずとも習慣としてできるくらいに身につけてほしいと思います。
自然塾の活動はまだ始まったばかり。次のステージではゴボウの穴掘りがありますが、楽しいことばかりではなく、大変なこと、思い通りにいかないこともたくさんあると思います。それを乗り越えて、卒塾する頃には、ひとまわりもふたまわりも大きく成長してもらいたいと思っています。
<K.T.>