2010.06.04~06
第06ステージ ~女子~
ステージテーマ:「作物の生育状態を観察し、適切な世話をしよう!」
共同生活の目標:「何ごとも心を込めてきちんと丁寧に作業する」
春の作付けがひと段落したこの時期は、気温が暖かくなり、これから畑の作物がぐんと生長する大事な時期になります。そのため作物の状態をよく観察し、その作物の状態や特徴にあった世話をすることがとても大切です。今ステージでは、今まで苗を植えたり、種をまいたりした作物の様子ををしっかり観察し、おいしく収穫できるよう、生育状態にあった世話をしてもらいました。
また、もうすぐステージも3分の1が終わろうとしていますが、これまでに覚えた塾での生活や農作業へ集中して取り組み、さらに磨きをかけていってもらいたいと「何ごとも心を込めてきちんと丁寧に作業する」を共同生活の目標としてかかげ意識して生活してもらいました。
■06月04(金) バス到着
だいぶ日没の時間が伸びて、塾生が塾へ到着する19時ごろでもまだ明るいようになりました。
今回も塾生は塾舎までの坂道を元気にかけ上がってきました。
いよいよ女子第6ステージが始まります。
■ 06月04日(金) 夜の集い
ステージの3分の1が終わりに近づいてきました。今まで皆さんは塾でいろいろなことを学びました。「あいさつをする」、「ルールを守る」、「時間を守る」、「人の話を聴く」など、これらは人間として生きるために基本的なことであり、集団生活をするうえで大切なことです。
自分ひとりだけで生活するには必要ありませんが、ひとりでは幸せは感じられないと思います。今日もご飯をおいしくいただきましたが、みんなと食べたから、よりおいしく感じられたのだと思います。みんなといるから、楽しく過ごすことができたり、人間の生きる喜びを感じられたりするのです。
また、今までのステージを振り返ってみて、出来たこと、出来なかったことをみつめ直してください。自分には何が足りないかを反省して、出来ないことは出来るように、出来ることは更にみがきをかけてください。努力すれば必ずできるようになり、人から信頼されるようになります。
農作業や農具の使い方なども習いました。農作業は大変なことも多いですが、強い体と強い心を持てるように頑張ってください。 今回の共同生活の目標は「何ごとも心を込めてきちんと丁寧に作業する」です。今まで覚えたことを今度は丁寧にできるようになりましょう。作業する時は、作業する方向に目を向けて、集中して丁寧に作業するようにして下さい。そして、「なぜきちんと丁寧にやらないといけないのか」を考えながら作業してほしいと思います。今週は暑くなりますが、元気に丁寧に活動に取り組みましょう。
■ 06月05日(土) 作物の特徴と育て方の話
今まで、共同農園作業、チーム農園作業などで、作物に関する知識や種のまき方、苗の植え付け方などを学んできました。
春の作付けが終わり、これからは収穫に向けて、作物の生育状態を良く見て、適切な世話をすることが大切になってきます。そのために、作物のもつ特徴を知ってもらい、それにあった世話の仕方について学びました。
作物の原産地について、食べる部分によって仲間わけをしたり、似た特徴を持つ“科”によって仲間わけをし、共通する特徴や世話について話がありました。
どの塾生も真剣にメモをとっていました。
仲間わけでもチームの中でみんなで意見を出し合いながら、意欲的に取り組めていました。
■ 06月05日(土) 夏野菜の世話
第4ステージにトマト、ナス、ピーマン、パプリカの植付けを行いましたが、今回はそれらの作物が元気に、おいしい実をつけるために必要な世話をしました。
 ~トマトの芽かき・誘引(ゆういん)~
トマトは、生長と同時に茎と葉っぱの付け根からわき芽が出てきますが、わき芽をそのままにしてしまうと、芽の生長に養分をとられてしまい、実が大きくならなかったり、日当たりや風通しが悪くなって病気になりやすくなったりします。必要のないわき芽を取りのぞく作業を“芽欠き”といい、トマトのように実をつける野菜にとって大切な世話です。
芽欠きが終わったら、倒れてしまわないように支柱に結びつける“誘引”の作業もしました。
塾生たちは他の葉や茎を折ってしまわないように、スタッフに確認しながら、丁寧に集中して作業していました。

 ~ナス・ピーマンの追肥・土寄せ~
ナスとピーマンには追肥・土寄せをしました。
塾生たちは葉に肥料や土がかからないように丁寧に作業していました。

■06月05日(土) 親子大会塾生企画の話し合い
自然塾では、保護者に塾のことをよく知ってもらい、塾生たちが成長したところを見てもらうために親子大会という行事を行います。
親子大会塾生企画では、複数のチームの塾生が協力し、スタッフの力を借りずに企画・、アピール・運営をして保護者の方々に楽しんでもらいます。
まず、使える時間や場所、
 ・親子で楽しめるもの
 ・危険でないもの
 ・自然塾ならではのもの
などの企画を行ううえでの条件について説明がありました。そして、それらをふまえ、やりたい企画の内容や自然塾ならではの部分をひとりひとり紙に書き出しました。
川で企画をしたいグループ、夜の時間を使いたいグループ、昼間に塾周辺を使いたいグループに別れ自分達の意見を交換し合いました。
■ 06月05日(土) 共同農園作業
          ~ダイコンの間引き・草取り・追肥・土寄せ~
午後の最初の農作業はジャイモン畑でダイコンの世話です。
まず、まだ2本立ちできゅうくつそうなダイコンを、1本立ちにして大きく育てるために間引きをしました。
元気そうな株を残し、収穫しました。
雑草は小さいうちにこまめに取らないと、あっという間に生長し、畑の養分をすいとってしまって、作物の育ちが悪くなってしまいます。
ダイコンの畝(うね)に雑草が目立ってきたので、全員で協力してダイコン周りの草取りを行いました。
間引きの後には追肥・土寄せをしました。畝を良く見ると、ダイコンの根の先端(せんたん)が見えていました。畝をくずして根を傷つけてしまわないように、なるべく離れたところの土を慎重(しんちょう)にけずって肥料にかけました。

間引きダイコンは、塾生がお土産として持ち帰りました。何にして食べたでしょうか?
■ 06月05日(土) 畑の草取り
気温も暖かくなり、これからの季節畑の作物は大きく生長します。しかし、それを上回るスピードで雑草も大きくなります。
今回は、これから共同農園やチーム農園の草取りで出番が多くなる草刈鎌(くさかりがま)の使い方を習い、畑の草刈りをしました。
まず、ステージ担当から鎌の使い方や注意点の説明を受けた後、安全に気をつけて、集中して作業しました。畑がきれいになる頃には、だいぶ鎌の使い方に慣れてきました。
これから作物が雑草に負けないよう、草刈り・草取りをしっかりしましょう。
使ったものをきれいにして返すことは物を大切にすることや、次に使う人への思いやりになりとても大切です。
畑の草刈りで使った鎌(かま)についた泥を落とし、水を拭(ふ)き取ってから、刃の部分に油をひきます。
刃物はひとつ間違えれば怪我をするので、とりわけ真剣に手入れをしていました。
■ 06月05日(土) 親子大会塾生企画の準備
午後の最初に行った親子大会塾生企画準備の時間に引き続き、塾生企画準備を行いました。
きもだめし、川遊び、畑でクイズやゲームをする企画の3つに分かれて話し合いました。「どんな内容にするか」や「何ステージまでに何をするか」など各企画グループで活発に話し合っていました。どんな企画になるか楽しみです。
■ 06月06日(日) 共同農園作業~キャベツの草取り~
日曜日の最初の作業は第3ステージで植えつけたキャベツの草取りです。予定では虫取りと自然農薬をまく予定でしたが、畝の草がだいぶ大きくなってきたことや、アオムシがモンシロチョウになってしまい虫取りの必要性(ひつようせい)が低くなったため、作業を変更し、自然農薬の話と草取りを行いました。
まず、ステージ担当から行う予定だった作業の説明と自然農薬について話がありました。
自然農薬とは化学合成ではなく、植物のエキスや木酢液(もくさくえき:木を燃やしたときにでるエキス)などの自然素材で作った農薬のことです。
化学農薬は効果は大きいのですが、量を間違えると人間の害になったり、いい働きをしてくれる虫や菌まで殺してしまいます。自然塾では安全性と自然への影響を考え、先人の知恵である自然農薬を使っています。
説明の後、キャベツの畝の草取りをしました。細かい作業でしたが、塾生たちは集中して作業していました。約30分でとてもきれいになりました。
■ 06月06日(日) (お土産)レタスの収穫
同じく第3ステージで植えたレタスを収穫しました。自分たちで植えた作物では、初めての収穫です。
収穫ではのこぎり鎌(かま)という刃がギザギザの鎌を使いました。
塾生たちはのこぎり鎌を使うのは初めてでしたので、ステージ担当から使い方や注意点の説明を受け、2人1組になって収穫しました。1人が押さえ、もう1人が鎌を使い、食べる部分を切ってしまわぬように気をつけて作業しました。
お土産として家に持ち帰って、家族と一緒に味わうのが楽しみですね。
■06月06日(日) おやつ
日曜日のおやつは、自然塾でとれたニンジンの葉を使ったドーナツでした。
みんなおいしそうにほおばっていました
■ 06月06日(日) チーム農園作業
このチームは、メロンを育てていますが、メロンは雨に弱いので、雨よけのため苗をビニールトンネルで覆(おお)うことにしました。
洗濯バサミで留めて、風で飛ばされないように工夫をしていました。
このチームは、湿気に弱いトマトに雨よけを作っていました。初めての作業で難しそうでしたが、頑張っていました。おいしいトマトが収穫できるとよいですね。
このチームは、ポットにまいたエダマメを畑に植え付けていました。まだ、苗は小さく折れやすいので、丁寧に作業していました。
このチームではラッカセイにハクビシン対策で金網(かなあみ)を張っていました。チーム全員で協力して畝の幅に伸ばしていました。
各チーム工夫して、獣(けもの)や鳥から作物を守っています。
■ 06月06日(日) ステージのまとめ・振り返り
今週は天気がよくて暑かったがみなさんよく頑張っていたと思います。これからもっと暑くなりますが、体力をつけ、強い心を持つようにしてください。共同生活の目標は「何ごとも心を込めてきちんと丁寧に作業する」でしたが、比較的よく出来ていました。
今回の共同生活の目標は、市村自然塾の創設者である、浜田さんがとても大事にしていた言葉です。私自身も仕事をしていたときに大切さを実感しました。きちんと丁寧に作業するとは、何かを行うときには、そちらの方向に目を向け、一生懸命にやるということです。家でのお手伝いや、学校で作業をするときにも意識してください。きちんと丁寧にやることがなぜ大切かというと、まず丁寧にやった作業の結果はきれいに仕上がり、やり直しがない分結果的に早く仕上がります。
それは農作業でもいえることで、例えばオカボをきれいにまくと、きれいに芽がでて、手入れもしやすいし、収量も安定します。そして、いいかげんな動作しかしないと、何でもいいかげんになってしまいます。いつもきちんとしているとまわりから信頼を得られます。
今回は刃物を使いましたが、心を込めて丁寧に行うことは安全にもつながります。ものを大切にすることも大切で、人を大切にすることにもつながります。
すべてのことは自分から進んでやるように、しかも、丁寧にやるようにしましょう。それが出来るようになったら、次はすばやく出来るようにしてください。
■ 編集後記
今ステージは草取りや追肥・土寄せなどどちらかというと大変な農作業が多かったと思います。その中で塾生によって集中して作業ができている人と、そうでない人の差が大きかったと感じました。共同生活の目標は「何ごとも心を込めてきちんと丁寧に作業する」でしたが、誰でも簡単できるようなことではなく、大変な時、つらい時、面倒に感じる時にこそ意識できるかが大切だと思います。そのような時に、自分に負けず最後まで丁寧にできる人が大きく成長できるのではないでしょうか。
塾生のみなさんには、自然塾の活動を通し、どんな時でも最後まで頑張りぬく強い心を身につけてもらいたいと思います。
K.T.