2010.05.21~23 | |
第05ステージ ~女子~ | |
ステージテーマ:「味噌つくりに挑戦し、先人の知恵を学ぼう」 共同生活の目標:「整理整頓清掃清潔を心がける」 |
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今ステージは、味噌作りを体験します。味噌は縄文時代から作られ、人から人へ作り方が伝えられてきた、日本人にとって欠かすことのできない調味料です。また、味噌は今日作って明日食べられるものではありません。半年間熟成させ、秋頃にやっと食べられるようになるのです。今回塾生たちが作った味噌の出来栄えが分かるのは半年後です。よい味噌を作るために豆1粒・麹(こうじ)1粒も無駄にしないように心を込めて丁寧に作業してもらいました。 共同生活の目標は「整理・整頓・清掃・清潔を心がける」でした。物が散らかっているとケガをするもとになったり、物をなくしたり、嫌な気持ちになったりします。ここ自然塾では28人が共同生活をしています。みんなで安全に気持ちよくすごせるよう、衣装ケースや塾生室はもちろんみんなで使う場所や物も整理・整頓・清掃・清潔を心がけるように呼びかけました。 |
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■ 05月21日(金) 夜の集い ~塾頭の話~ | |
金曜日の夜、所用で塾頭がお休みをしていたので代理でステージ担当が枝村塾頭からのメッセージを読み上げました。 「これまで基本的な塾での生活を一通り行いました。今まではスタッフからの指示で作業していましたが、これからはリーダーが中心となって自主的にやるようにしてください。 この塾では自主自立自律を大事にしています。特に集団生活において自律が大事なことです。自分の欲望を抑えて相手の気持ちを思いやることが大切です。 共同生活の目標については、なぜそれらのことが大切なのかも考えながら行動してください。」 |
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今回、姉妹校でもある「市村自然塾九州」から、高瀬塾頭さんが関東の活動を見学にいらっしゃいました。 「市村清さんを知っていますか?市村自然塾は、市村清さんの生誕100年を記念して造られた団体です。関東も九州も、支援してくれる会社はそれぞれ別ですが、共に市村清さんが作った会社です。市村自然塾九州は市村清さんが生まれた町、佐賀県鳥栖市にあります。3日間よろしくお願いします。」 |
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■ 05月22日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの植え付け~ | |
この日は天気もよく、少し動くだけで汗ばむ気候となりましたが、畝をしっかりと立て、丁寧に作業を行いました。まずは畝たてです。畝を立てるのも以前に比べ慣れてきたようで、だいぶ早くなりました。 | |
暑いせいで不平の声を上がりましたが、作業をしっかりとしないと作物が育ちません。土を盛ったあとにキレイなかまぼこ型にならしました。 | |
サツマイモの苗は今までの苗とは異なり、茎を畑に植えます。サツマイモは丈夫で肥料分の少ない土地でも立派に育ちます。浅くならないように、葉を埋めてしまわないように苦戦しながらも1本1本丁寧に植えていきました。 | |
■ 05月22日(土) チーム農園作業 | |
いつもは日曜日に行うチーム農園作業ですが、日曜日の予報が雨だったため土曜日に変更になりました。短い時間でしたが集中して作業していました。 | |
農業指導の先生からアドバイスを聞いています。 よく見ると、小さなイモムシが!ニンジンの葉が大好物のキアゲハの幼虫です。1匹も取り残さないようにピンセットを持って幼虫を集めました。 |
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共同農園でも作業をしたサツマイモの苗の植え付けをしています。共同農園同様に丁寧に植えつけられたようです。 | |
■ 05月22日(土) 昼食後 お客様のお話 | |
この日市村自然塾の活動を人と農業や自然との共生に取り組んでいる専門家の方々が見学にいらっしゃいました。昼食後にそれぞれどのような活動をしているか、塾生たちへメッセージをいただきました。「いろいろなこと農作業を通じてを学んでください」「物を大切にすることは大切」「水は生活をするにためにとても重要」「周りの人に感謝すること」 皆様のメッセージは塾生たちの心へ響いたことと思います。様々なメッセージ、ありがとうございました。 |
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■ 05月22日(土) 塾活動 ~味噌作り~ | |
今回のステージテーマでもある味噌つくりに挑戦をしました。先人の知恵でもある味噌つくりにはいろいろな作業があります。塾生たちには一つ一つの作業に集中しました。 午後は味噌の先生として箕輪元塾頭を迎え味噌づくりに挑戦しました。 |
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まずは箕輪元塾頭から味噌の歴史や作業の注意点についてお話がありました。また「味噌は野菜の味を引き出す存在。みんなも人の良いところを引き出せるようになって欲しい。」というお話しがありました。 | |
はじめにダイズの煮汁と麹(こうじ)を混ぜ合わせて麹をやわらかくし、ダイズとあわせてよくかき混ぜます。均一に混ぜ合わせるのに手を深く入れてなければなりません。この時塩分が手にしみる塾生もいました。それを我慢してしっかりと混ぜ合わせるとおいしい味噌ができるのです。 | |
よく混ぜたらミンチ機にかけ、細かく砕きます。チームメンバー全員が協力して作業に取り掛かりました。ダイズを1粒もこぼさないよう、丁寧に作業を進めました。 | |
砕いたダイズと麹を樽に詰めました。このとき空気をしっかりと抜きながらつめていきます。しっかりと満遍(まんべん)なく力を込めて作業していました。 樽の中に全部の材料が納まったら、ラップでしっかりと封をしました。ここでの作業も丁寧にやらなければカビだらけの味噌になってしまいます。 |
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最後に塾頭室の床下に貯蔵しました。床下は夏でも涼しく、味噌を発酵させるには最適な場所です。ここで約半年の間ゆっくりを発酵しておいしい味噌になります。塾生たちはおいしくなるよう願いを込めて味噌を貯蔵しました。 |
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最後はしっかりと掃除を行い終了です。丁寧に作業をしたおかげで、殆ど材料は落ちていませんでした。 | |
■ 05月22日(土) 共同農園作業 ~キャベツレタスの世話~ | |
植えつけたときには小さかったキャベツとレタスですが、順調に大きくなってきました。さらに大きく、おいしくするために追肥と土寄せを行いました。 栄養を吸収するのは根の先端です。土の中に伸びている根の先端は見えません。しかし、地上部の葉先端まで根が伸びています。塾生たちは根の先端をイメージしながら、肥料をあげていきました。 |
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追肥の後はしっかりと土寄せを行いました。肥料と土が混ざるように、土がしっかりと株元に寄せられるように、しかも葉に土や肥料がかからないように気をつけて作業をしました。 | |
■ 05月22日(土) 共同農園作業 ~ラッカセイの種蒔き~ | |
ラッカセイはここ自然塾がある隣町の秦野市の名産品です。種からどのように根が伸びるかを想像しながら、1粒ずつ丁寧にまきました。 | |
鳥はラッカセイの種が大好物です。塾生の代表者に鳥よけのテープを張ってもらいました。このひと手間を行うことによって、鳥の被害にあわなくなります。これも先人の知恵のひとつです。 | |
■ 05月22日(土) 夜の塾活動 ~通塾の話し合い~ | |
夕食後、通塾について話し合ってもらいました。通塾に使う駅が近いメンバーで4つのグループをつくり、「集合場所に誰もいない場合」「塾生だけで電車に乗る場合」などいくつかのケースで考えてもらいました。 ケースごとに発表をし、ステージ担当が補足をしながら全体で確認をしていきました。出てきた意見のほとんどは正しい判断ができていました。最後に通塾時に守って欲しいこと、基本的な行動を確認しました。 |
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■ 05月23日(日) 塾活動 ~刃物の手入れ~ | |
この日はあいにくの雨。 畑では雑草もぐんぐん伸びてきています。そこで、雑草を取る時に便利な「草刈り鎌」の手入れの仕方を身につけるため、砥石(といし)を使って草刈り鎌を研(と)いでもらいました。 道具を長く使うには手入れは欠かせません。鎌を研ぐ作業はどの塾生も初めてでしたが説明を聞き、真剣に取り組んでいました。鎌はこれから頻繁に使います。しっかりと手入れをして大切に使いましょう。 |
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■ 05月23日(日) 振り返り ~塾頭の話~ | |
ステージのまとめとして枝村塾頭からお話がありました。 | |
「今回のステージは自分から進んで行動できましたか?進んで作業すると、考えて行動するので知恵がつきます。これからも自分のことは自分で出来るように。「楽をする」ことと「楽しく生きる」ことは大きく異なります。苦労して汗を流してみんなと協力してつらいことも我慢してやると満足感と達成感が出てきます。それが活きる喜びにつながります楽しく作業してください。 生活の目標は意識できていたようで、塾生室はキレイでした。整理整頓が出来る人は、大人になってから仕事が出来るようになります。仕事も整理できているからです。これからも意識して行動してください。」 |
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市村自然塾九州の高瀬塾頭からもお話をいただきました。 |
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「九州との違いを3つ感じました。 1つは正座。九州はイスとテーブルなので正座はしません。よくみんなしびれないなと感心しました。2つ目はよく食べる。すごくたくましさを感じました。3つ目は自分の意見を言う。自分の考えていることを言うことは良いことです。これからもどんどん磨きをかけていってください。残り13ステージ、共同農園もチーム農園もがんばってやってください。」 熱いメッセージは塾生たちの心に響きました。高瀬塾頭ありがとうございました。 |
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■ 編集後記 | |
今ステージはテーマにもあるように味噌作りに挑戦してもらいました。塾生たちは普段から口にし、今ではすぐ手に入る味噌がこんなにも時間と手間がかかることを知り驚いたことでしょう。これを機に食べ物に関する感謝の気持ちや物を大切にする気持ちを改めて感じてほしいほしいと思います。 共同生活の目標である「整理・整頓・清掃・清潔」ですが、全体的にいつもより心がけて行動できていたと思います。今後も18ステージまで意識して続けてもらいたいです。整理・整頓・清掃・清潔ができると仕事の効率が上がるだけでなく、気持ちよく安全に過ごすことができます。苦手な塾生も塾生活だけでなく家庭や学校で普段から少しづつでも心がけるようにしてほしいと思います。 K.M.
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