2010.04.09~11
第02ステージ ~女子~
ステージテーマ:「安全(危険)について考えよう!」
共同生活の目標:「人の話を聴く」
 今回のステージでは、大地震と火災を想定した避難訓練と、共同生活や農作業中に起こる危険を予測する危険予知訓練を行いました。これを機に、どのようなことが危険につながるのかを見極め、どのように対応すれば自分の身を守れるのかを日頃から意識して行動できるようになってほしいとの思いから「安全(危険)について考えよう!」をステージテーマとしました。
 また、安全に過ごしたり作業をしたりするにはよく説明を聴くことが大切です。そこで、自然と耳に入る「聞く」ではなく、積極的に相手の話に耳を傾ける「聴く」を共同生活の目標として設定し活動を行いました。
■ 04月09日(金) 夜の集い
ステージを始めるにあたり、枝村塾頭よりお話がありました。

「前回の共同生活の目標は『あいさつをする』でしたが、学校や家の周りでも実行できましたか?あいさつは人の心を表します。少しずつでもあいさつできるようになりましょう。
また、今回の目標は『人の話を聴く』です。塾で安全に快適に過ごすためにも、説明をよく聴くことが大切です。『大きな耳、小さな口を持ちなさい』と言われるように、相手の言うことをよく聴き、途中で口出しをせずに最後まで聴くようにしましょう。
話をよく聴いて色々なことを学んでください。」

塾頭の話にしっかり耳を傾け、メモを取る姿も見られました。
■ 04月10日(土) 避難訓練
大地震が起き、厨房から火災が発生したことを想定して避難訓練を行いました。避難時に頭を守り、煙を吸って命を落とさないための工夫なども確認しました。

また、枝村塾頭の総評では、火災発生から4~5分で火は一気に広がること、避難する時の注意事項『お・か・し・も』についてお話があり、特に日頃から整理整頓をして大切なものをすぐに持ち出せるようにしておくよう呼びかけがありました。
■ 04月10日(土) 危険予知訓練 ~理論編~

避難訓練に続いて、色々な場面での危険を想定し対策を考える危険予知訓練を行いました。

まずは通学中、学校、農作業の各場面のイラストを見て、どのような危険が考えられるか意見を出し合いました。
寝不足のまま作業に参加しないでしっかり睡眠をとる、使った道具を出しっぱなしにせず片付ける、などたくさんの意見が出ましたね。
■ 04月10日(土) 危険予知訓練 ~実践編~
続いて、各チームごとに分担し、塾舎周辺の危険な場所を探して回りました。

農機具を取り出すときに他の農機具が倒れてこないよう気をつける、廊下を走っていると突然開いたドアにぶつかって危ない、など
色々な物に注目していました。

その後、チームごとに見つけた危険な場所を塾生全体で確認しました。

確認の後、「危険な物が置いてある場所にはむやみに近付かず、必要がある場合にはよく注意する。」と発表してくれたチームもありました。

自分たちで気がつくことができたのは素晴らしいことですね。
■ 04月10日(土) 共同農園作業 ゴボウの種まき
午後は、ゴボウの種まきをするためにまず大きく深い穴を掘りました。

ゴボウの根は、成長する途中で固い土にあたると二つに分かれてしまったり曲がって斜めに伸びてしまったりします。
まっすぐに伸びた立派なゴボウを収穫するため、深い場所までふかふかで柔らかく耕されたベッド=畝(うね)を作ります。
約1メートルの穴を掘り上げるのに、75分間、途中、疲れのせいでだらけてしまう塾生もいましたが、文句一つ言わずに一生懸命穴を掘っている姿も見られました。
約1メートルの穴を掘り上げた後、柔らかくほぐれた土を戻して穴を埋めました。
「せっかく掘ったのに…」という声も聞こえましたが、穴を埋めて形を整えて畝が完成です。
深くまで柔らかくなった土の中をゴボウの根はまっすぐに伸びていくことでしょう。
畝の形を整えた後、丁寧に種をまきました。
ゴボウの種は、光を好む性質(=好光性)を持つので、土をかけすぎないように気をつけました。
■ 04月10日(土) 夜の塾活動 ~チーム農園作付計画の発表~

夜は、チーム農園の作付計画の発表を行いました。
育てる野菜とその目標など第1ステージから話し合ってきたことを発表してもらいましたが、緊張している様子も見られました。

「育てたい品種は何ですか?」
「必要な世話を調べてありますか?」など
塾生やスタッフから色々な質問がありましたが、決して困らせようとして質問したわけではありません。
うまく育てるためのヒントだと思って、しっかり調べよく話し合ってみましょう。
■ 04月10日(土) 夜の塾活動 ~共同生活目標のふりかえり~
続いて、ステージごとに設定した共同生活の目標をどのくらい意識して行動に移せたかをふりかえる時間を設けました。

「疲れて話をぼんやり聴いていた」「最後まで聴かずに進めてしまった」などチーム担当の意見もまじえながらふりかえり反省することができたようです。
■ 04月11日(日) 共同農園作業 ~ダイコンの種まき~
ダイコンの種をまくため、まずは畝を立てました。
ゴボウの種まきの時とは違ったかまぼこ型の畝を立てましたが、このかまぼこ型の畝は、根が下にまっすぐ伸びる作物や、水はけの良い土を好む作物を育てる時などに適しています。

何回か鍬(くわ)を使って作業をしているうちに、少しずつコツをつかみ始めている塾生もいました。

畝を立てた後、一箇所に3粒ずつ種をまきました。
すべての種が芽を出すとは限らないからという理由だけでなく、
多くまいた2粒のうち1粒は虫に、もう1粒は鳥にあげるつもりで、自然への感謝の気持ちを込めて種をまきました。

また、ダイコンの種は、光を好まない性質(=嫌光性)のため土をしっかりかぶせました。
■ 04月11日(日) チーム農園作業 ~土作り、種まき~
チーム農園作業では、畑の土作りを行いました。
作物に必要な栄養分を補うためそして空気をたくさん含むことのできるふかふかの土を作るために牛糞堆肥(ぎゅうふんたいひ)と腐葉土(ふようど)を混ぜます。
重い堆肥を畑にまんべんなくまく作業に苦戦しているようでした。
堆肥をまき終わった後、鍬(くわ)で耕して土にしっかり混ぜ込みました。

気温が上がって暑い中、畑の端の土が固い場所まで一生懸命耕しました。
早い時期に種まきをする必要があり、種まきを行っているチームもありました。

種のまき方1つを見ても、色々な方法があります。どのようなまき方があるのか調べてみましょう。
■ 04月11日(日) ステージのまとめ 

ステージのまとめとして、枝村塾頭よりお話がありました。

「ゴボウの穴掘り作業は大変だったと思うけれど、みんな頑張っていました。辛くてもやりとげることはとても大切ですね。あんなに小さな種が立派な野菜になるには長い時間がかかります。農業の大変さも実感できたのではないでしょうか?日頃からお百姓さんに感謝するようにしましょう。
また、チーム農園の発表では色々な目標をあげてもらいました。目標を達成するために、経過を見て記録し、工夫を重ねていくようにしましょう。」
■ 編集後記
今ステージでは、「人の話を聴く」という目標を意識して過ごしてもらいました。土曜夜、日曜昼にそれぞれ自分自身の行動をふりかえってもらいましたが、後半の方がよく意識できたと感じている塾生が多くいました。
特に、ステージのまとめの時などは真剣に聴いている様子が見て取れました。
今ステージのこの場だけで終わらせず、これからのステージや学校などでも引き続き意識して自分の成長につなげていってほしいと思います。
また、話し合いをするべき時にぼんやりしたり、意見をさえぎってしまう場面も見られました。
話し合いの時も耳と目と心でお互いの意見を聴き、協力し合って充実した塾生活を送れるようにしましょう。
Y.S.