2010.11.19~21
第18ステージ ~男子~
ステージテーマ:「最後の片づけをきちんとして、気持ちよく卒塾しよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から塾生全体で1つを決める」
 3月に始まった9期生の活動も最終ステージを迎えました。今回のステージでは、今まで8ヶ月間お世話になったチーム農園や塾舎を感謝の気持ちを持ってきれいにしました。最後の共同農園作業として、来年の塾生のためにタマネギの苗を植えつけました。
共同生活の目標は塾生全体で1つの目標を決めてもらいました。ただし、決め方はスタッフが司会進行をするのではなく、塾生の中から司会進行役を決めてもらい、塾生が主体となって目標を決めました。
■ 11月19日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたり、枝村塾頭からお話がありました。
「いよいよ最終ステージです。いろいろな思いを持って臨んでいると思います。チーム農園もいよいよ最後です。心をこめて世話をしたおかげで、作物はずいぶんと大きくなりました。今回で作物をすべて収穫して、畑をきれいにしてもらいます。その他にも塾舎、道具などこれまでお世話になった感謝の気持ちを込めて掃除をしてもらいます。次の塾生へのバトンタッチです。いろいろなものをきれいにする事は自分の心の現れにもなります。心は見えないけれども、形になって現れます。
 活動の締めくくりとして、餅つきを行います。餅は昔からいろいろな節目、節目で食べられてきました。みんなで感謝して餅つきをしましょう。餅にはいろいろな意味があります。餅には粘りがあるので、粘り強くなるという願いが込められたり、その白さから、清らかな心のが持てるように思いが込められたりしています。餅米はみんなが育てたオカボを使います。
 今回は最後のステージなので、今までの活動をもう一度振り返ってもらいたいです。出来てないことを残さないように総仕上げをしてもらいたい。いろいろな事に感謝して、最後のステージ事故がないように、心を込めて丁寧に作業してください。」
 次に活動の概要を聴いた後、共同生活の目標を塾生の代表者に進行をしてもらい、全員の意見をまとめて決めてもらいました。始めのうちはあまり意見が出なかったのですが、次第に自分が良いと思う目標と理由を発表し始めました。出された目標は「時間を守る」「整理整頓清掃清潔」「何事も心をこめて丁寧に作業する」の3つでした。
 「時間を守る」は、今までのステージで完璧に出来ていないことから最後のステージで完璧に仕上げたいという理由。「整理整頓清掃清潔」は、最後のステージで大掃除を行うことや、自分たちの荷物をすべて持ち帰るため、それこそが重要だからという理由。「何事も心をこめて丁寧に作業する」では、今までの活動の感謝の気持ちと、次の塾生の為に必要な事だからという理由。それぞれ3つとも、もっともな理由があり、最後まで全員の意見はまとまらなかったのですが、全体の目標として賛同者が多かった「何事も心をこめて丁寧に作業する」となりました。
 夜の集いの終わりにチームリーダーが前に出てきて、土曜日の昼休みにチーム対抗で相撲大会を行うことを発表しました。みんなを楽しませるために企画を立ててきたのです。突然の発表にみんな大喜びしました。
■ 11月20日(土) チーム農園作業
 この日の午前中は、最後のチーム農園作業です。今回で育てている作物はすべて収穫し、耕し、畑には何も植わっていない状態にしました。これまで8か月間もの間いろいろな作物を育ててきた自分たちの畑。感謝の気持ちを持ってきれいにして、塾へ返還しました。
 立派なダイコンが収穫されました。自分たちの世話がここまで大きくなったと自信を持って見せてくれました。
 このチームは前回に引き続きハクサイ、ダイコンなど、たくさんの作物を収穫しました。
 ブロッコリーも収穫しました。虫食いもなく見事なブロッコリーです。
 チーム農園で使った看板を解体しました。これも重要な片づけです。チーム農園で使ったものや、畑の中に生えている雑草はもちろんのこと、畑の周りに生えている雑草もきれいに片づけました。
 畑をまんべんなく耕して最初に借りた時と同じように平らにならしました。今まで育てた作物もなくなり、きれいな畑になりました。これで来年度の塾生も気持ちよくチーム農園を始められそうです。
 畑を前にして枝村塾頭と一緒に作業の確認をして、最後に8か月間お世話になった畑に対してお礼を言ってチーム農園作業が終わりました。
■ 11月20日(土) リーダー企画 ~相撲大会~
 前回好評だった相撲大会を塾生活最後の思い出作りとして、リーダーが企画しました。ルール説明から行司まで、塾生が進行しました。今回はチーム対抗戦を行い、塾生みんな力いっぱい取り組んで楽しいひと時を過ごしました。
■ 11月20日(土) 塾活動 ~餅つき~
 これまでの活動の締めくくりとして、餅つきを行いました。塾生全員で、今までの活動への感謝と無病息災を願って順番に力いっぱい餅をつきました。
 ついた餅も調理師さんたちに教えてもらいながら、自分たちで丸めました。そして、自分たちで育てたオカボの餅は、おやつとしておいしく頂きました。
■ 11月20日(土) 共同農園作業 ~タマネギの植え付け~
 9期生男子最後の農園作業です。来年の塾生の為にタマネギの苗を植え付けました。これから厳しい冬を越えるためにタマネギの苗を傷つけないよう丁寧に1本ずつ植え付けました。
■ 11月20日(土) 共同農園作業 ~コンポスト堆肥~
 今まで食事当番のたびに野菜くずを切り刻んでコンポストバケツに入れてきたものを畑に返す作業を行いました。塾舎の地下倉庫で一次発酵させたものをスタッフが畑のバケツまで持っていき二次発酵をしていました。バケツを開けると野菜くずの形はなく土の状態でした。
 バケツを開ける前、臭いことを想像していた塾生もいましたが、ほとんど土の状態で嫌なにおいがないことに驚いていました。
 畑にコンポスト堆肥を持っていき、クワで畑にすき込みました。作業が終了したのは午後5時でしたが、もうすっかり暗くなってしまいました。日が落ちるのが早くなって冬が近づいてきているのを感じたのではないでしょうか。
■ 11月20日(土) 夜の集い
 夜の集いでは卒塾式の歌の練習をしたあと、共同生活目標の振り返りをしました。
この時も塾生が主体性を持って司会進行を務め、出来ていた点、そうでなかった点を挙げて全体で点数を決めました。
 出来ていた点として、はチーム農園作業や餅つきの時にみんなが丁寧に行っていたことが挙がり、出来ていなかったところは、タマネギの植え付けの時に集中力が欠けていた塾生がいたことが挙がりました。全体で意見をまとめて点数を決めるときには、全員一致の8点となりました。日曜日への心がけとしては、声を掛け合うこと、隅々まで意識して清掃をすることが挙がりました。
■ 11月20日(土) 荷物整理
 このステージで自分の荷物はすべて持ち帰ります。整理整頓をして、自分で持って帰る鞄と宅急便で送る段ボールに分けて荷物を入れました。チーム農園で取れた収穫物も合わせるとずいぶんと大きな荷物になります。
■ 11月20日(土) リーダー会議
 最後のリーダー会議です。リーダー、サブリーダーともにいい顔つきになりました。今回は各自に感想を言ってもらいました。協力すること、役割分担をすること、人に譲ることなど多くのことを学んだようでした。リーダー、サブリーダー8ヶ月間、お疲れ様でした。
■ 11月21日(日) 朝食前の瞑想
 日曜日の瞑想の時間も今日で最後です。今までは姿勢を崩さないことに一所懸命になっていましたが、今では自然体で姿勢が正しく保てるようになりました。
■ 11月21日(日) 相撲大会の表彰
 朝食後にリーダー企画の相撲大会の表彰を行いました。なんと、1位から敢闘賞のチームまで、全員分の表彰状を用意してくれていたのです。表彰状を受け取る塾生たちは皆うれしそうな表情をしていました。
■ 11月21日(日) 塾活動 ~共同場所の大掃除~
 午前中の前半、おやつまでの時間を使って塾舎の大掃除を行いました。男子塾生には主に外回りの掃除で通常の掃除では行わない場所をきれいにしました。
 普段使っている地下倉庫も塾生が掃除をする機会が無いので今回、徹底して掃除をしました。
 いつも塾舎に入る時に通る玄関前も水をまいて力を入れてデッキブラシで磨きました。とてもきれいになりました。
 よくおやつを食べた外の非常階段もタワシでこすりきれいしました。使って無くても雨ざらしの階段はずいぶんと汚れていました。
 食当のたびに楽しくご飯を炊いたかまど小屋もきれいにしました。ホウキでススを掃いました。
 共同農園でも、チーム農園でも、農作業のたびに使ってきたクワも金タワシで錆(さ)びを落として油を塗りました。

 それぞれ、普段は掃除をしない場所でしたが、今までの塾生活の感謝の気持ちを持ってきれいにしました。
■ 11月21日(日) 塾活動 ~塾生室の大掃除~
 これまでずっと生活をしてきた塾生室も大掃除を行いました。

 窓ガラス、押入れ、ロフトの窓はもちろんのこと、なかなか手の届きにくいエアコンのフィルターもはずしてきれいに掃除しました。
 窓のサンも徹底的にきれいにしました。ある塾生は食堂から爪楊枝(つまようじ)をもらって細かいところまで丁寧に掃除をしていました。
■ 11月21日(日) 昼食
 塾活動最後の昼食です。今回は塾特製の押し寿司でした。みんな仲良く分けておいしくいただきました。
■ 11月21日(日) 活動の振り返り
 ステージのまとめを枝村塾頭からしてもらいました。
 「とうとう今年の塾活動が終わりました。全員が無事に18ステージ過ごせたことをうれしく思います。ありがとうございました。チーム農園は10期生のために、すごくきれいにしてくれました。リーダーが企画してくれた相撲も楽しく出来ました。みんなで協力すれば何でも早くうまく出来ることが分かったのではないでしょうか。
 18ステージの間いろいろなことを体験しました。つらいこともありましたがよく耐えて、忍耐力がついてきたと思います。苦労や苦難に立ち向かうからこそ感動が味わえるのです。この塾でいろんな学んだことはこれで終わりではなく、これからがスタートです。これからもたゆまなく努力することと、感謝することを忘れないでください。
日々の生活で、自分の心を磨いて人格を高めて欲しいです。3つの心と2つの力をいつまでも忘れないでください。」
 最後の振り返りも塾生から司会進行役が出て話を進めました。
出来ているところは、「大掃除の時丁寧に心を込めること」、「挨拶も一つ一つ丁寧にしていたこと」。出来ていないところは、「何人か大掃除の時に軽い気持ちでやっていた」という点が挙がり、最終的に全員一致の9点となりました。
■ 11月21日(日) 帰宅
 すべての荷物をまとめ塾舎を出て行くときに、塾舎に対して今までの感謝の気持ちをを込めて
「市村自然塾関東ありがとうございました!」
と1人1人大きな声で挨拶をしてバスへ乗り込んでもらいました。
■ 編集後記
 3月に始まった9期生の塾活動も終わりました。入塾式の時に掲げた目標、各ステージで意識した目標は達成できたのでしょうか?1人1人がこの8ヶ月間でいろいろなことを体験して、大きく成長をしたことでしょう。はじめのうちは見ず知らずのメンバーと同じ部屋になって気に入らないことがあったかもしれません。思い通りに作物が育たなかったかもしれません。しかし、終盤のステージでは、チームで何か問題が起こると自分達で解決しようとしたり、自由時間にはチーム間を超えてみんなで楽しく遊んだりする姿が見られました。また、リーダーが主体性を持ち、塾生みんなを楽しませるように力を発揮してくれて、そして、塾生全員がとても楽しんでいました。
 枝村塾頭の話の中にもありましたが、塾活動が終わってゴールではなくて、1つの節目を迎えて、新たなスタートをきるのです。これから塾生たちにどんな人生が待ち受けているかわかりませんが、苦難にたったときにこの塾での生活を思い出して、乗り越える力となってもらいたいです。また、ここでの生活を忘れそうになった時には、是非農作業を手伝いに来てもらいたいと思います。

K.M.