2010.09.10~12
第13ステージ ~男子~
ステージテーマ:「収穫に汗を流し、達成の喜びを感じよう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から個人で1つ決める」
 今回のステージでは第2ステージに耕運、種まきを行ったゴボウの収穫です。約5ヶ月間かけ生長したゴボウを傷つけずに収穫するためには、力強く深く掘ること、丁寧に作業をすることが重要なポイントとなります。まだ残暑が残る日中に、たくさん汗を流し苦労をする事で、ここまでゴボウが生長できた自然への恵みを感じ、掘り上げた時の達成感を味わってもらおうと、このようなテーマを設け活動に挑みました。
 また、共同生活の目標は今まで6つの目標、「あいさつをする」、「人の話を聞く」、「時間を守る」、「ルールを守る」、「整理整頓清掃清潔を心がける」、「何事も心を込めて丁寧に作業する」を振り返ってもらい、個人個人が最も出来ていない目標を1つ上げ、重点的に意識してもらいました。
■ 09月10日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。
 「市村自然塾の活動も2/3が終わりました。これまでのいろいろな体験から学んだことがあると思います。それらのことは身についているのでしょうか?身についているというのは誰に言われることなく自然に出来ることです。覚えようとする努力、身につけようとする努力が足りない人がいます。当たり前のことを自然に出来るよう考え、次に何をすればよいか、自分自身でやろうとする努力継続する努力をして欲しいです。2/3を振り返って何が出来ていて何が出来ていないか考えて改善してください。めんどくさいことが多いけれど嫌がらずにやりましょう。秋野菜は今回が最後の植え付け、暑さに負けずに頑張ってください。
■ 09月11日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの収穫~
 この日の最高気温は35℃近くまで上がり、真夏のような暑さの中、いよいよゴボウの収穫スタートです。
 傷つけないように気をつけながら、ゴボウから少しはなれたところから掘り進めていきます。
 ずいぶん穴が深くなってきました。長いゴボウを収穫するためには、穴を深く掘るための力強さが必要です。そして、先端がどのくらいの長さでどう伸びているか想像しながら掘り進めて行きます。
 ゴボウの近くの土を掘るのに、傷をつけないためにまるで発掘作業を行うかのように丁寧に掘りました。
 この塾生は、大きな穴に頭から入り込んで作業を進めました。
 見てください!この達成感あふれる顔!!みんな良い笑顔です。
 ゴボウ収穫後、先日の豪雨で畑のすぐ横で起こった土砂が崩れた場所を見ました。ずっと晴天続きでカラカラの畑にとって雨は恵みだったのですが、ここまで多い雨は困り者です。しかしそれも自然の摂理です。人間の力の及ばないところです。塾生たちは改めて自然の力を感じたのではないでしょうか?
■ 09月11日(土) チーム農園 ~秋の作付け~
 各チーム共に秋の作物を植えつけました。このチームが植えた苗はブロッコリーです。畝たて、植え付けなど、もうスタッフの手は借りる必要も無く進めていました。このあと虫除けのネットをかけました。18ステージまでの残り5ステージの間、収穫できるように考えています。
 このチームはスコップを持ち出し畑に穴を掘りはじめました。理由を聞くとこの場所にダイコンの種をまく予定をしているそうです。二股に分かれないように、長く育つように、深く土を耕しているそうです。
 こちらのチームは一足先にサツマイモの収穫をしました。なかなか大きなイモがほれました。そして、「イモガラ」も持ち帰るということで葉とツルの間の茎(葉柄(ようへい))も一緒に収穫していました。
■ 09月11日(土) 夜の活動 ~自然災害時の危険予知トレーニング~
 自然災害時の危険予知訓練を行いました。災害は誰の身にも起こること、防ぐことが出来ないことを知ってもらい、普段から何を準備しておくべきかを学びました。
 これを機会に、家庭でもいざという時の集合場所や連絡先などを話し合っておくと良いですね。
■ 09月12日(日) 朝食前の瞑想
 今回で13回目の朝の瞑想。
初回は1分間でしたが、今は5分間。ほとんどの塾生が姿勢を崩さず微動だにしないようになりました。集中力が身についてきたようです。
■ 09月12日(日) 共同農園作業 ~ダイコンの種まき~
 だいぶ農作業が身についてきているようで、畝たてもスタッフから何も言われなくと出来るようになりました。
 クワの使い方も様になっていますね。
 ダイコンの種まきは以前第2ステージでやっているので、多くの塾生がやり方を覚えていました。この日も暑かったのですが丁寧に作業を進めました。
■ 09月12日(日) 共同農園作業 ~葉物野菜の種まき~
 クワで畝たてをして、出来た畝の上を板で叩いていく「鎮圧(ちんあつ)」という作業を行いました。土の粒と粒の間のすき間が小さくなることで、種が芽を出す時に必要な水分を保ちやすくするためです。
 畝に溝を付け、種を1粒1粒、丁寧にまいていきました。今回種をまいたのはコマツナ・ホウレンソウ・チンゲンサイ・コカブの4種類です。それぞれ種は1~2mmと、とても小さく集中して行いました。
■ 08月22日(日) ステージ振り返り
 ステージの振り返りを枝村塾頭にしてもらいました。
 「暑い中、ゴボウの収穫作業はどうでしたか?掘り始めは力が入っていないように見えましたが、途中からみんなが一所懸命に掘り上げている姿を見て感動しました。「ゴボウを掘り上げる」という目標を持って黙々と作業する姿がとてもよかったです。「目標を持つこと」、「目標に向かって一所懸命に作業すること」が大切なことを実感できたと思います。お土産のゴボウを家族の人たちと味わってください。そして、収穫した時の様子をいろいろ話してください。
 自然塾ではあえて大変なことをやってもらっています。これから先、嫌なこと、面倒なことがたくさんあります。今、この塾で嫌なことや面倒なことをやる事で忍耐力、精神力を養ってもらっています。ゴボウを折らずに掘ることは大変ですが、折らないように考え、工夫をしたことがとても大切なのです。苦労すればするほどよいものが得られ、苦労して手にしたものだからこそ大切にするのです。
 小さい種が大きなゴボウになる自然の力はすごいですね。また、自然は先日の雨で流されてしまった畑のように脅威にもなります。改めて自然を大切にしてください。」
 最後に自然塾九州のスタッフの久保さんから感想を言ってもらいました。 
 「ハードで楽しかったです。関東は1つ1つの活動が丁寧ですね。そして、塾頭さんの話やチーム農園の話し合いの時に集中していることが関心しました。しかし、スタッフの言葉や説明を聞き流してしまっているのが残念です。一生に一度しか出来ない体験なので残りステージ、1つ1つの作業を大切にしてください。」 
■ 編集後記
 今回は市村自然塾の活動のなかでも目玉となる農作業「ゴボウの収穫」を行いました。今年も暑い中、厳しい作業を行ってもらいましたが、収穫した直後の塾生の誇らしげな顔や笑顔はとても輝いていました。売っているようなまっすぐのゴボウでは無く、太かったり、細かったり、3つ又に分かれているものもありましたが、塾生たちは自慢げに見せてくれました。きっと、各家庭でおいしく食べることが出来たと思います。
 共同生活の目標では、今回は各自で欠けていることを目標にしてもらいました。「整理整頓を心がける」と「時間を守る」を上げている塾生が多くいました。個人目標は意識しているように感じましたが、上げている目標以外に関しては意識が非常に弱く感じました。
スタッフや他の塾生から指摘があってから行動するのではなく、誰からも言われることも無く自主的に行動を移してもらいたいと思います。塾の理念でもある「自主・自立・自律」をこれからも伝えていきたいと思います。
K.M.