2010.06.25~27
第08ステージ ~男子~
ステージテーマ:「土をこねて世界で1つだけの作品を作ろう!」
共同生活の目標:「人の話を聴く②」
 普段の活動で農作業を通して土と触れ合ってきた塾生たちですが、今回のステージでは、土の違った利用法として「粘土」を使ったお皿つくりに挑戦しました。自分の頭の中で描いたイメージを、自分の手を使って形作ってもらいました。共同生活の目標は第2ステージで目標とした「人の話を聴く」の2回目です。より深く人の話を聴くための態度、行動を改めて確認をしました。
■ 06月25日(金) バス到着
 バスが塾舎に着くのは19時頃。第1ステージの頃は街灯が無ければ真っ暗で塾舎の入り口までたどり着くことが難しかったのですが、今では街灯が無くても、坂道を駆け上がれるくらい明るいです。
 暑い夏が近づいている証拠ですね。
■ 06月25日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。
 「昼間の農作業が暑い位の季節になりました。何もしなければ殆どの野菜は雑草に負けてしまいます。野菜を守るためにはこまめに雑草を抜くことが大切です。暑く、つらい作業ですが、野菜を守るために頑張ってください。

 毎ステージ、共同生活の目標を立てていますが、今回は「目標」についてお話します。
 目標には長期の目標と短期の目標があり、長期の目標はできるだけ大きな目標を立てるといいでしょう。逆に、短期の目標は自分の身の丈よりも少し高く立てるといいと思います。それは、あまり大きすぎると挫折してしまうからです。
 そして、なるべく具体的に数字などで立て、いつまでやるか決めるといいです。達成した時に喜びを感じて、新たな目標に向かってチャレンジすると良いですね。もし、目標にたどり着かなければ、何が悪かったか分析をして工夫をして、達成するように努力してください。限られた時間を有意義に使いましょう。」
■ 06月26日(土) 共同農園作業 ~ササゲの種まき~
 この日はササゲの種まきを行いました。ササゲとは、お赤飯に使う豆で、アズキよりも煮崩れにくいのです。今回まいた種は、卒塾式のお赤飯で食べる予定です。
 1粒1粒、丁寧にまいていきました。
■ 06月26日(土) 共同農園作業 ~トマトの草刈り~
 夏野菜を植え付けてから、約2ヶ月経ちました。作物自体もだいぶ育ちましたが、雑草も大きく育ってしまいました。このままでは栄養が雑草にみんな取られてしまい、おいしい果実が取れなくなってしまいます。塾生たちには、トマトの周りを徹底的に草刈りをしてもらいました。

 この日は曇り空でしたが、湿度が多く蒸し暑い日でした。しかし、雑草で覆(おお)われて緑色だったトマトの畝がすっかり茶色の土しか見えなくなりました。よくがんばりました!
■ 06月26日(土) 塾活動 ~陶芸~
 午後からはボランティアの先生を招いて、陶芸を教えてもらいお皿を作りました。今ステージ自分で作ったお皿を使って次ステージに野菜の天ぷらを食べる予定です。陶芸の先生が説明しながらお皿の形を仕上げていきます。塾生たちは集中して話を聴き、その手元をじっと見つめていました。
 陶芸の先生に教わりながら形を整えて行きました。形が整ったら、細かい修飾に取り掛かっています。外で拾ってきた葉を押し付けて型を取ったり、ヘラ模様で書いたりいろいろな工夫が見られました。
 出来上がった作品に釉薬(ゆうやく)を塗りました。この釉薬は草木を灰にした天然の釉薬です。自然の恵みをいっぱい使ったお皿の完成が待ち遠しいですね。
 このあとは1週間乾燥させて、地下倉庫にある陶芸窯で焼き上げます。
 次回のステージが楽しみですね。
 終わったら掃除して、食事が取れるように片づけました。使った道具もきれいに片づけました。自分達が使った道具を自分達で洗うこと、習慣がついてきたのではないでしょうか。
■ 06月26日(土) 塾活動 ~蛍の観察
 自然塾から徒歩15分ほどの寄自然休養村周辺では、6月中旬から7月上旬にかけてホタルが舞うのを見ることができます。ホタルは1年間の生涯のうち1週間だけ、次の世代に命をつなぐために光を放って飛び回り、その一生を終えるのです。小雨の中、そうした命の営みを、ホタルや他の見学者の邪魔にならないよう、そーっと覗いてみました。
■ 06月26日(土) 塾活動 ~チーム会議~
 いつもはリーダー会議ですが、今回はチーム会議を設けました。チームの中で問題になっていることや改善して欲しいことを自分達で話し合い、解決する場を設けました。初めて出会ってから約3ヶ月が過ぎようとしてます。それぞれのメンバーが思っていることを他のメンバーに伝えられたことでしょう。
■ 06月27日(日) 共同農園作業 ~お土産キャベツの収穫~
 第3ステージに植えつけたキャベツが立派に生長しましたので、お土産として各自1つずつ持ち帰ってもらいました。ここ自然塾では農薬を一切使っていません。ネットで防虫をしていますが、虫食いのキャベツです。でも、それが自然なのです。自分で育てて自分で収穫したキャベツの味は特別においしかったことでしょう。
■ 06月27日(日) チーム農園作業
 各チーム共に一通り予定していた作物は植え付け終わりました。しかし、植えつけただけでは収穫までたどり着きません。収穫まで、各作物に合った世話を続け行きます。 
 メロンの害虫を退治しています。防虫ネットをかけていても、何匹か入り込んでしまったようです。1匹ずつ確実に捕まえて退治をしました。
 トマトの雨除けを作っている様子です。トマトはアンデス地方の高地が原産で、雨が少ない乾いた土地を好みます。日本の梅雨はトマトにとって、病気になりやすい環境です。少しでも改善できるように、雨をよける工夫をしていました。
 メロンの雌花に人工授粉しているようです。人工授粉することにより実が出来る確立が上がります。雄花、雌花を見分けて受粉をしました。
■ 06月27日(日) ステージの振り返り
 「トマトの雑草抜きはよくやりました。次回、おいしいトマトが食べられるでしょう。共同生活の目標「人の話を聴く」では1回目に比べてよく聴けていたと思います。しかし、最後まで聴けずに終わる前に行動していた人がまだいました。「話し上手は聞き上手」という言葉があります。相手の話していることをよく聴き内容を理解できる人はお話も上手です。よく7対3の割合で話を聴くようにと言われます。大きな耳、小さな口、そしてやさしい目。
 目標を達成しようとする段階では失敗することもあります。失敗しても、原因を考えて対策を打つことが大事で、一番いけないことは失敗を素直に認めないことです。
 失敗を恐れず、大きな夢に向かって日々努力してください。」
■ 編集後記
 今回のステージでは、陶芸に挑戦してもらいました。冒頭でも触れましたが、普段、農作業で触れている土とは違う、粘土を使い野菜を盛り付けるお皿を作ってもらいました。塾生たちは、頭の中でイメージしていた形を、実際に表現することの難しさを感じながらも、個性的な作品を作っていました。完成は2週間後。塾生たちは心待ちにしていると思います。
共同生活の目標の「人の話を聴く」では、各自が意識していて、以前に比べて数段よい姿勢が見られました。体や目を話している人のほうへ向ける態度、相づちを打ったり同意をしたり理解を示すこと、メモをとったり復唱したりすることで話を正しくより深く聴くこと。今回だけでなく、今後の活動、普段の生活でも意識して実践できるように促し続けていきます。
K.M.