2010.06.11~13
第07ステージ ~男子~
ステージテーマ:「人と自然に感謝して、コムギ一粒一粒を大切に収穫しよう!」
共同生活の目標:「あいさつをする②(ハイ、オアシス)」
 第9期生の自然塾での活動も3分の1が経過しました。第1ステージに植付けを行ったジャガイモが収穫時期を迎えています。そこで今回のステージでは、全員でジャガイモを収穫し、収穫したジャガイモを使ってコロッケつくりに挑戦しました。また、前期生が種をまいて冬を越したコムギも収穫の時を迎えました。そこで今回は、コムギを育んでくれた全てのものに感謝しながら一粒も無駄にしないように収穫することをテーマに設定しました。今回から共同生活の目標は今までのステージで取り上げてきた6つの目標を更に一巡し定着の徹底を図ることとし、今回は第1ステージと同様の「あいさつをする」を掲げました。特に今回は「ハイ、オアシス」をキーワードとして掲げ、人の心と心をつなぐ言葉として、「はい・いいえ(返事)」「おはようございます(朝晩の挨拶)」「ありがとうございます(感謝の言葉)」「しつれいします(部屋等に入る時の言葉)」「すみません(謝りの言葉)」を大切にし、自然に言えるよう重点的に取り組みました。
■ 06月11日(金) 夜の集い
ステージのはじめに枝村塾頭からお話がありました。「ジャガイモを植えつけてから3ヶ月が経ちました。ずいぶんと大きくなりました。みんながいろいろな世話をして大きくなったと思います。収穫の喜びを自分達でコロッケを作って食べることで味わいましょう。食事についてお話をします。この塾では、出されたものを残さず、よく噛んで、おいしく食べるという決まりがあります。好きなものばかりを先に食べてしまうと嫌いなものは絶対に食べられない。満遍なく食べるようにしてください。また、よく噛んで食べると色々な良いことがあります。①消化がよくなって胃腸に負担がない。②頭が良くなる。③あごの筋肉を使うので引き締まった顔つきになる。④ゆっくり落ち着いて食べると、心も落ち着く。⑤噛めば噛むほど味が出る。⑥15分~20分すると満腹感が出てきて食べ過ぎない。良いこと尽くめです。食事ではよく噛むことを心がけてください。」
■ 06月12日(土) 共同農園作業 ~ジャガイモの堀上げ・乾燥~
今回は、第1ステージに植えつけたジャガイモを収穫します。ジャガイモの葉が疫病(えきびょう)という病気にかかって黒くなっており、さらにこの病気はイモにも伝染してしまうため、まずは地上部を取払う作業から行いました。
地上部を取り除いたら、いよいよ堀上げです。イモを掘上げるには注意すべき点が2つあります。1つはイモを傷つけないために丁寧にイモの下側に手を入れて掘ること。もう1つは掘り残さないようにすることです。塾生達は夢中になって土の中に手を入れ、イモを掘上げました。
午前中はイモをこのまま畑に干して塾舎へ引上げました。掘上げてすぐのイモは、皮が柔らかくすぐに傷がついてしまいます。天日に当てて、乾燥させることによって皮が丈夫になり長い間貯蔵が出来るのです。
地上部を回収して畑から引上げ、塾庭の最下段へ廃棄しました。このように畑に残渣(ざんさ)を残さないようにすることで、病原菌を畑に残さないことや、畑をきれいにしておくことの大切さを感じてくれたことでしょう。
■ 06月12日(土) チーム農園作業
 おやつをはさんでチーム農園作業に取り掛かりました。短い時間でしたが、各チーム共にさまざな作業をこなしていきました。
このチームは、ヒョウタン棚を設置していました。まだ育苗ポットで双葉が出たばかりのヒョウタンですが、果たして近い将来にこの棚に蔓(つる)が絡みつくくらい大きく成長してくれるのでしょうか?
こちらでは、うどん粉病という病気にかかっているメロンの葉に草木灰をまぶし、株間にネギを混植していました。ネギ科の野菜には、メロンなどウリ科の作物を守る何か良い働きがあるのでしょうか?
■ 06月12日(土) 共同農園作業 ~ジャガイモの回収・選別・保管~
午前中に干しておいたジャガイモを回収しました。たくさんのジャガイモを前に笑みがこぼれています。
回収したジャガイモを塾庭に運び、どのくらい収穫できたか重さを計量したり、種類ごと・大きさごとに選別を行ないました。今回収穫したジャガイモは、男爵が28.6kg、メイクィーンが4.8kg、キタアカリが5.0kg、アンデスが3.5kgで、合計42kgでした。今後のステージで食事に出てくるのが楽しみですね!
一部のジャガイモはお土産として持ち帰ってもらいました。自宅で美味しく調理され、食べていただけたでしょうか?
■ 06月12日(土) 塾活動 ~コロッケづくり~
まずはコロッケに使うジャガイモを量りとりました。1チームに10人分のコロッケを作ってもらいます。その時に使う品種と割合は各チームに任せられていたので、各チーム共に作戦を練った上での計量となりました。
蒸かしあがったジャガイモは熱いうちに皮をむいてから、マッシャーという調理器具を使ってつぶしました。
ジャガイモの皮むき・イモつぶしと平行してタマネギのみじん切りをしてもらい、チームごとにひき肉と一緒に炒めてもらいました。ホットプレートで焦がさないよう真剣に炒めており、手つきも中々のものでした。みじん切りと言い食事当番で培った技術が生かされているようでした。
つぶしたジャガイモ、炒めたタマネギ、ひき肉と混ぜ合わせて、人数分で均等に分けます。
それを小判型に成形すると、きれいな形が並びました。
小麦粉、卵、パン粉の順に衣を付けていきます。この作業も丁寧に行わなければ、せっかくのコロッケが揚がる最中にパンクしてしまいます。
子ども達には危険な調理工程ですので、コロッケは調理師さんに揚げてもらいました。その間に塾生達はコロッケのスペースを空けて他のメニューを盛り付けました。
いよいよ完成して、夕食です!「いただきます!」のあいさつをした直後にコロッケをガブリ!あちこちで「美味しい!」と感嘆の声が聞こえました。自分達の育てたジャガイモを材料に、自分達の手で調理したコロッケの味は格別に美味しかったことでしょう。
■ 06月12日(土) 塾活動 ~親子大会塾生企画の準備~
夜の塾活動の時間では、夏の親子大会において塾生主体で運営してもらうイベント企画について話合いをしてもらいました。塾生達は皆、「川遊び」「肝試し」「木工作」「自然ウォークラリー」「市村クエストⅣ」というイベント企画の何れかに分散して準備を進めしました。各グループともに段々と内容が詰まってきており、早いチームでは当日使う道具を作り始めていました。
■ 06月13日(日) 共同農園作業 ~コムギの収穫・乾燥~
 この週末は予報では天気が崩れる可能性がありましたが何とか梅雨入り前の貴重な晴れ間を逃さずに活動を展開することができました。そんな日曜日の午前は、コムギの収穫を行ないました。
収穫時期を迎えたこのコムギは第8期生が昨年秋に種まきをしたものです。先輩からの贈り物ですから、畑に無駄な穂を1本も残さないように丁寧に刈取ることが大切ですね。
刈取ったコムギは切り口を揃えて束ねます。束ねる時に力を入れてきつく結ばなければ、運んでいる最中や干している最中に穂が抜け落ちてしまいます。多くの塾生が苦労して束ねていました。
畑のコムギが刈り終わると、束ねた穂を大袋にまとめて軽トラックまで運びました。
続いては、塾舎まで運んできたコムギの束をベランダに干しました。地下倉庫の入り口に横付けした軽トラックの荷台から再び大袋で運び上げて、それを予め設置してあった竹の竿にかけていきました。このコムギはこれから約1ヵ月間、天日に干して乾燥させ、脱穀をして、製粉所に持っていき小麦粉にしてもらいます。みんなの口に入るまで、もうひと手間かかるので、楽しみにしていてください。
■ 06月13日(日) おまけ
塾生たちが手際よくコムギの収穫や乾燥の作業をしてくれたお蔭で大幅に時間に余裕ができました。そこで、早めに休み時間をとり、子ども達には自由に過ごしてもらいました。桑の実を食べたり、タケノコを探しに行ったり、ツバメを観察したりと自然に親しむことができたようです。
■ 06月13日(日) ステージの振返り
ステージの終りに枝村塾頭からお話がありました。「今回は天気にも恵まれて2日間農作業ができました。ジャガイモは最初種イモで植えた時は60gだったものが、8倍近くになりました。みんなが一所懸命世話をしてくれたのでとても立派でした。そして、大地、自然の力のおかげでたくさん収穫できました。自然の力は素晴らしいですね。大地自然に感謝しましょう。そして、この塾へ来ることができるのは、送り出してくれているお父さん、お母さんのお蔭です。何事にもお蔭様の心と感謝の心を忘れないようにしましょう。」
■ 編集後記
 梅雨入りをしましたが、天候に恵まれて農作業をすることができました。塾生達は、ジャガイモの収穫をし、コロッケを作り、存分に収穫の喜びを味わえたことと思います。ステージ全体を振り返ってみると、塾生たちは塾での生活に慣れてきて、のびのびと活動するのは良いのですが、少し締まりがないことが気になりました。集合時間に全員が集まらなかったり、掃除したにもかかわらず隅々まできれいになっていなかったりと、細かいところではありますが、丁寧にできていない点が多々ありました。共同生活目標に掲げられた挨拶に関しては、かなり意識して実行できていました。が、ふざけて羽目を外し過ぎていたり、心を込めていなかったりする場面も見られました。全18ステージのうち残り3分の2の活動が残っています。私達スタッフは塾生一人一人が良い体験をできるように努力を重ねていきますので、塾生のみんなも活動に真剣に取り組んでもらえたら幸いです。
H.T.