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大学で各国地域の文化を学んでいます

富井真由(2期生|大学4年)


大学 で各国地域の文化を学んでいます
高校、大学と、自身の知りたいことが学べるところに進学を決めました。大学に関しては行きあたりばったりなところはありますが、結果として今の学校に進んだことは間違いではなかったと確信しています。

大学では社会学を軸に、各国地域の文化を学んでいます。その中でも地域文化に特化し、民俗学や文化人類学といった分野を専門としています。ゼミでは「日本の墓制・死生観」をテーマとし、研究に取り組んでいます。

両親の出身地が関東・関西とわかれており、葬式の際、それぞれの宗派は同じでありながら納骨の仕方は異なるという不一致に、高校1年生の頃巡り合って以来、強い関心を持つようになりました。高校2年生の時には「昭和史研究会」という同好会に参加し、「綾瀬市の墓石から見る戦争史」をテーマに発表を行いました。その中で私は綾瀬市の墓制を担当しました。葬制と墓制は連続性を持つということで、双方ともに調べていく中、墓に対する関心もまた強まっていきました。

大学受験で今通っている学校を受けたのは全くの偶然でした。各国地域の文化にも民俗学にも興味を持ってはいましたが、後者を敢えて大学で学ぼうとは特に考えていませんでした。

卒業論文の作成のことを考えるにあたり、自身が長年に渡り興味を持っているものは何か?振り返りました。自然と墓のことが頭に浮かんだので、これしかないな、と納得しました。先日、昭和史研究会でお世話になった先生にお会いした際にこのことを話したら、嬉しそうに笑ってくれたことが印象に残っています。

墓制や葬制の問題は最近、社会問題としてニュースや新聞でも取り扱われるようになりました。人口の都市集中による墓地の不足。地方過疎、高齢化からくる無縁墓の増加。夫と同じ墓に入りたくない妻。子の重荷になるかもしれない墓を遺したくない親。墓石の中にではなく、自然に葬られることを望む人も多くなりました。社会の変化、ニーズの多様化に伴い、文化は様々に形を変化させていきます。これまでの歴史でも繰り返されてきたことです。

卒業課題に墓制・葬制を選択したと言うと、「え、墓なの? なんで?」とよく言われます。その反応をされるとこちらとしては非常に愉快になります。墓や葬式について、生きている人間ならば一度は考えざるを得ない問題でしょう。万人が考えなければならない問題ならば、研究価値は非常に高いものであると思います。

市村自然塾で学んだことが、自身の選択に直接影響があったのかどうかはわかりません。私が自然塾に通っていたのは小学四年生の頃で、体験した記憶全てを覚えているとは言えないためです。それでも、農作業を通じ自然と触れ合う中で、「いきる」ということについては多く学んだなあ、とぼんやりながら思います。無意識のうちにそんな考えが自身の根底に潜んでおり、現在の私がいるとするなら。

久しぶりに大地の会に参加し、スタッフや同期と話す中でそんなことを考えました。