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地方大学に進学しました

田邊千尋(5期生|大学1年)


私は今年、山口県の大学に進学しました。ここでは一人暮らしと部活についてお話ししたいと思います。

私の大学では通っている生徒の約9割が学校周辺に一人暮らしをしていて、私もその一人です。しかし、この学校は超がつくほどの田舎にあり、近くにあるお店といえば、セブンイレブンと小さなスーパーのみ。スーパーは割高であるため、生活用品や食品の買い物をしようと思ったら、学校から徒歩15分の駅(といっても無人駅)から1時間に1本しかない、1〜2両編成の列車に乗る必要があります。

一人暮らしとなると、洗濯、食事、掃除、光熱費・家賃などの支払い、家計管理などを自分でこなさなければなりません。慣れていない料理は収容場所と使用頻度を考え、最低限の調味料と食材で腐らせないように計画的に調理する必要があって、これがなかなか難しいです。よく野菜は腐らせるし、食べるつもりで買っても急用や気分の変化で食べなかったりすると消費期限が切れてしまいます。
掃除は気を抜くとすぐ虫やカビが発生します。海沿いに位置することもあり、湿気がたまりやすく換気には特に気を付けるようにしています。

その代わり得たものは多く、両親から小言が飛んでくることはないし、何をしてはいけないという禁止事項もありません。好きな時間に好きな量の食事をとり、気が向いたらシャワーを浴びる。となると帰宅時間に制限はなく、外出し放題、友人のお家に泊まり放題。法に触れない限りの自由を手にしているといっても過言ではありません。最後の学生生活、最高の贅沢です。

現在、私はヨット部に所属していて、土日は朝から夕方まで活動しています。せっかく海を専攻とする大学に入ったのだから、という軽い動機ですが、いざ乗ってみると、エンジンを使わず風という自然の動力だけを使って静かに進むことや、自然豊かな山と海だけの景観に感動しました。風向きに対して走行できる向きが限られていたり、ヨットを操船するまでに必要な艤装の手順が多かったり、操縦するにはシートと呼ばれるロープの役割と仕組みや海の上での規則を覚えるなど、ほかのスポーツとは異なり操縦できるようになるまでの過程が複雑ではありますが、その分、理屈通りにことが進むと達成感が得られます。

ヨット本体の値段は自動車のそれに相当し、その部品も高価です。とても個人では嗜むことのできないスポーツであり、大学ならではの部活だと思います。


私は、実家にいた頃、ややひきこもり気味で日々の生活に物足りなさや退屈さを感じていました。この地方大学に進学して、自分の視野の狭さを感じ、また新しい世界に飛び込んだような気分を味わいました。まだまだ未熟なところが多く、料理一つに大苦戦する日々ですが、生活、部活、勉強、この3つ全てにしっかり目を配れるように頑張りたいです。