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「社会で活躍している人の講演会」実施レポート



今年の「社会で活躍している人の講演会」は 2016年11月13日、リコーフューチャーハウスで開催され、7名の卒塾生が参加しました。

  •  < 参加した卒塾生 >  
  •  大室さん(12期生・高校生)
  •  中村さん(10期生・高校生)
  •   原さん(9期生・高専生)
  •  伊藤さん(7期生・大学生)
  •  来住さん(2期生・社会人)  
  •  岡田さん(1期生・社会人)    
  •  皆川さん(1期生・社会人)


今回は『失敗のすゝめ -「商品開発裏話」ものづくりの現場から - 』というテーマで、リコーの花井厚さんから、自動車部に所属してカーレースに明け暮れた大学生活や、望んでいない数々の新規事業に携わった社会人生活でのさまざまなご体験をご紹介いただきました。

講演冒頭、花井さんは会場のスクリーンに向かって座っていた参加者に、「今日は皆さんの予想に反してこちら側でお話ししますので、見やすい場所に自由に移動して聴いてください」と、会場側面の壁にプレゼンデータを投影し始めたので、事務局は大慌て(笑)。さらに、途中、人によって見え方が全く異なる動画を使ったクイズなども出題され、参加者が答えに戸惑う場面もしばしば。

   
 (写真はクリックで拡大)

このような演出?を駆使して花井さんは、「誰もが大事だと(頭の中では)知っている人とのコミュニケーション(意思疎通)は、実はとても難しい」こと、「人は先入観など自分で決めた“枠(わく)”に囚われている」ことを伝えたかったようです。そして、“枠”から飛び出そう!失敗を恐れず、逆に楽しもう!という力強いメッセージを提示して下さいました。

お話の最後に、花井さんが携わっているプロジェクターを使った『プロジェクションマッピング』のデモを見せてくださいました。壁に取り付けれた額縁から有名な絵画が次々に飛び出す(ように見える)映像が展開され、参加者は面白さとともに、花井さんのメッセージとの共通点を感じたようでした。

   

講演会会場でのQ&Aは時間切れとなってしまいましたが、花井さんにはその後に続いた懇親会の席でも参加者からさまざまな質問や相談が投げかけられました。自然塾の男子最終ステージを終えて講演会途中から駆けつけた松戸(まっちょ)さんも含め、懇親会も大いに盛り上がりました。

講演会後のアンケートでは…

  •  「自分のやりたいと思わないことにも挑戦したいと思いました」
  •  「もの作りについて分かりやすく説明されていて、仕事上で重要な心構えを知ることができました」
  •  「生きていく上で失敗するという事はあることなので、この考え方は大事だと思います」 
  •  「クイズなども取り入れての講演はとても楽しく聞くことができました。また来年も参加したいと思います」


といった感想が寄せられました。

参加できなかった卒塾生数名から「都合が悪くて参加できなかったけど、聴きたかった」という声が事務局に届きました。来年度はより多くの卒塾生にご参加いただけるよう、ご案内のタイミングなど工夫したいと思います。

「鎌倉ビーチクリーン&サンドクラフト」実施レポート



9月19日(日)、恒例の「鎌倉ビーチクリーン&サンドクラフト」が開催されました。一般参加も含め、市村自然塾関東卒塾生、リコーグループ社員とそのご家族、お友達、総勢 86名が参加しました。(※ 写真はクリックで拡大)

この活動は1999年に始まった『リコー環境ボランティアリーダー』主催の環境イベントです。今年も多くの卒塾生・ご家族が参加され、内 8名はリコーグループ社員と一緒にスタッフとして運営をしました。

  • <プログラム参加者>           <運営スタッフ参加者>
  • 内海さん 13期男子 小学 ご家族       中村さん 10期女子 高校
  • 藤川さん 14期男子 小学 ご家族       花岡さん 10期女子 高校
  • 高橋さん 13期男子 小学 ご家族       岡田さん 1期男子 社会人
  • 中山さん 14期女子 小学 ご家族       大室さん 12期女子 高校
  • 笠師さん 11期男子 高校           成瀬さん 9期女子 高校
  • 村松さん 13期女子 中学           嶋倉さん 9期女子 高校
  • 森田さん 13期女子 中学           伊藤さん 7期女子 大学
  • 高倉さん 10期女子 高校           榎本さん 10期女子 高校
  • スタッフ参加の花岡さんご家族
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今回は、リコー社会貢献クラブ Freewillの支援先でもある海のNPO法人OWSの池上理事から、現在、世界中で問題になっている海のゴミ=“マイクロプラスチック” について、パネルや実物を見せて頂きながら、お話を伺いました。

「砂浜がプラ浜にならないように、ゴミを増やさない努力をしようと思います」
参加した卒塾生から、こんな決意の言葉が聞こえてきました。

池上理事のお話のあと、全員で浜辺のクリーンアップに取り組みました。
理事は波打際を清掃する参加者と一緒に活動しながら、浜辺にいる小さな生き物たちについても教えてくださいました。

「海の見方が少し変わりました!」という参加者の声もいただくことができました。

   
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昼食を挟んでのサンドクラフトでは、リピーターの皆さんは予めテーマを決めて来られた方が多く、すぐさま作業開始です。初めての参加者は、運営スタッフが作った砂の土台を前に「何をつくろうかなぁ?」と悩みつつ、それぞれ楽しそうに、でも真剣に取り組んでいました。

   

毎年、サンドクラフトの指導と審査をしてくださっている鎌倉砂像連盟の池田さんから「皆さん、どんどん上手くなっているので、年々甲乙を付けにくくなっています。他の人が作らないジャンルのものにチャレンジするのも良いと思いますよ」と、総評と受賞を狙う際のヒントをいただきました。

今年の受賞作品は以下の通りです。


最優秀賞 作品名「ビーチクリーン・トトロ」高橋さんご家族(リコーインダストリー、2014年に続き2回目の受賞)

  
優秀賞 作品名「青いイルカ」        優秀賞 作品名「カメッシー」        優秀賞 作品名「海のお城」
石崎さんご家族(一般参加)         岩本さんご家族・お友だち(リコー)     梅田さんご家族(リコー)

今年の賞品は塾でつくった梅干やその梅干でつくった梅シロップ、そしてOB農園産の野菜でした。採れたての野菜をブーケのように籠にアレンジしてくれたのは、前日、OB農園の活動で塾に集まった卒塾生と星野さんです。受賞者の喜びが倍増していました。

参加した卒塾生からは
「色々なことが学べたし、たくさんの友だち(卒塾生)に会えて、とても楽しめました!」
「自然塾を飛び出して地域の人と関われるので、いい経験になりました」などの感想をいただきました。

台風による雨が心配でしたが、なんとか天気ももち、今年も皆さんに楽しんで頂けたようです。来年も、ぜひご参加くださいね!
 

「東日本震災復興支援活動」実施レポート

一昨年振りに行なわれた東日本震災復興支援活動をご報告いたします。
※ 写真はクリックで拡大

 ・日 程:2016年 9月 3日(土)、4日(日) 

 ・参加者:木本さん(3期 大学生)
      荻原さん(8期 大学生)
       原さん(9期 高校生)
      成瀬さん(9期 高校生)
      藤田さん(9期 高校生)
      笠師さん(11期 高校生)


このプログラムには6名の卒塾生が参加しました。 3日朝、東京駅に集合した参加者は、新幹線〜貸切バスを使って昼過ぎに宮城県の南三陸町に到着しました。

震災を風化させることなく次世代に安心で安全な未来を引く継ぐために、 震災から学んだこと・教訓になった事を伝える『語り部プログラム』講師の芳賀さんにご同乗いただき、貸切バスで被災現場を視察しました。


(写真はクリックで拡大) 

復興に向けた土木工事等により当時の様子が分からなくなってしまった現場も多く、芳賀さんは当時の写真も使ってお話しくださいました。ご自身が被災され大切なご親族やご友人を失った芳賀さんの言葉は、静かながらとても重く、参加者はじっと聞き入り無言のまま被災現場を巡りました。


視察を終え、「南三陸ポータルセンター」にて「林業体験プログラム」講師の佐藤さんから、森林に関する基礎知識や林業の現状等について学びました。

佐藤さんは南三陸で古くから林業を営む株式会社 佐久の十二代目(専務取締役)です。先駆的に森林経営の国際環境認証 FSC(森林管理協議会)取得を推進する等、南三陸の海と山の地域ブランドづくりを目指し、さまざまな先進的な取組みに携わっています。

今回、宿泊は地元在住の小山様宅、山内様宅に男女に別れて民泊しました。朝晩ともにご家族と食卓を囲み、地元で採れた新鮮な海産物や野菜に舌鼓を打ちました。

翌朝、ご家族に別れを告げた参加者は「林業体験プログラム」講師・佐藤さんが所有する森に入り、険しい山道を実際に歩いて前日学んだことを現場・現物で確認。

「今、林業はなかなか儲からないので、山主(やまぬし)さんはお金や手間のかかる間伐等の森の世話をしたがらないんだよ」と佐藤さんが指し示す森を見やると、たしかに不健康そうな細い木が生い茂り、日の光が入らないために暗く薄気味悪い印象でした。それに比べ、きちんと世話がされた佐藤さんが管理する森は、太く立派な木が適度な間隔で立ち、陽の光が入るのでとても明るく気持ちの良い空間でした。



南三陸だけでなく、今日本ではこの暗い森が殆どを占めることを佐藤さんから聞いた参加者は「自然塾の周りの森はどうなっていたかな」などと話し、森についての問題意識が高まりました。

午後は佐藤さんから参加者に与えられたテーマ、「森の世話をしない山主さんが喜んで世話をしたくなるような、森を活用したビジネスや商品を考える」についてのワークショップを行いました。参加者は2つグループに分かれ、佐藤さんのゆるくて楽しいファシリテーションのもと、積極的にいろいろなアイデアや意見を出し合いました。



各グループからのアウトプットは、「里山ツアー」と「森林サバイバルゲーム」。どちらも都会から多くの人を森に呼び寄せるもので、「これなら森の世話にかかるお金が賄えるばかりか、儲かっちゃうかもね!」と、自らが山主である佐藤さんからも好感触。また今回のプログラムを企画してくださり、ワークショップにオブザーブ参加してくださった南三陸観光協会の方からも、「協会主催のプログラムとして企画検討してみたい」と嬉しいコメントをいただきました。

プログラムを終えた参加者から、以下のような感想・コメントをいただきました。

初めて被災地に足を運び被災者の方から直接お話を伺うことで、ニュースで目にしていた“遠くで起きていること”に対する距離感が近くなりました。
中学生の頃から高校生になったらボランティアで社会に貢献したいと思っていたので、このようなプログラムに参加できて本当によかったです。
初めて体験することが多かったけど、自分から積極的に行動することができた。
地震が近くで起きた時は、語り部で聞いた「絶対に大丈夫は無い」という言葉を忘れずに避難したいです。
卒塾生向けプログラムでは初めての“ビジネスプラン”を考えるワークショップは、非常に勉強になった。
これから自分がどんな風に社会と関わり貢献していけるのか?考えさせられました。この意識は今回だけでなく、これからの人生でずっと持ち続けたいです。


参加者にとって充実した二日間となったようです。今回参加できなかった方は次の機会にぜひご参加くださいね。